ガチャを回して最強ステータスを目指せ! カードで作る異世界ハーレム!! 作:ブランチ
「兄さん、この街は初めてかい?」
少し話が分かりそうな、老ドワーフが出てきた。
「ワシらが『長耳』を憎む理由を教えてやろう」
老人は経緯を語り始める。
ドワーフは工業を重視する種族。
森を保護するエルフとは、反りが合わない。
なので自然破壊や環境保護をめぐって、しばしば対立を繰り返してきた。
「まあ時には『長耳』と妥協したり、譲歩することもあったがな」
「今はそんなつもりはないようだが」
「当然じゃろ、『長耳』どもは卑劣な手を使いおった。大陸に我らの悪口を言いふらしたのじゃよ」
老人の主張によるとエルフは、反ドワーフのキャンペーンを始めたのだという。
そしてドワーフ族は、西方地域で孤立した。
自然を破壊する強欲な矮人、というレッテルを貼られて。
「他の種族まで、ドワーフ叩きに加担しおった。むろん
「むぅ……」 そう言われると、心当たりはある。
人間の国でも、文化人や報道によって、ドワーフ批判がされた時期があったからだ。
「それも長耳の陰謀じゃ。あ奴らはその美貌で、各地の要人に取り入って
「長耳は陰口で、ドワーフを貶める卑怯者だ!」
「卑怯者!」
ドワーフの群衆が口々に声を上げる。
オレとしては複雑な気分だった。
あいつらエルフを憎んでるようだが、ちょっと誤解がある。
だって
「やめて! 知らない! あたしそんなこと知らないの!」
そのときアンナが悲鳴を上げた。
まずい、限界だ。
「アンナ、街を出るぞ」
エルフ娘の手を引っ張る。
「ヒヒーン」 停めてあった馬も回収。
オレは穴の外に向かう、大急ぎで向かう。
こんな街に一秒たりともいたくなかった。
「ニングさんごめんなさい。迷惑かけて」
大穴の外に出たとき、アンナがそう言った。
「あたし、一緒に付いて来ない方が良かったね……」
「いや、それは違う。お前は悪くない」
アンナが付いて来なくても、結果は同じだろう。
ドワーフの魔法工を連れて行く。
だが村にエルフがいると知ったら。
そいつは腹を立てて帰ってしまうに違いない。
「この街から魔法工を連れ帰るのは……無理だな」
オレは見切りをつけ始めていた。
依頼失敗。
村長には悪いが、事情を受け入れてもらうしかない。
「今日はもう遅い。野宿して明日に帰ろう」
宿に泊まろうにも、どうせエルフお断りとか言われるだろうし。
というわけで、野宿に取り掛かろうとした。
そのとき、
「そこの旦那、魔法工を探してるんだって?」
誰かに声をかけられた。
「「――ッ」」 オレとアンナは警戒し、身構える。
「心配しなさんな。あたいはギルドに登録してる魔法工さ」
山の岩陰から人が出て来る。
左腕についたギルドの腕章。
たしかに魔法工に間違いない。
「……まだ若いな」
成人していない、ドワーフの少女だった。
しかも美人(重要)。
ドワーフにしてはスタイルが良く、スレンダーな体型。
短い髪と、作業着姿のせいか、ボーイッシュな印象を受ける娘だ。
「お嬢さんが、オレたちに何の用だ?」
「あたいと取引しないかい?」
ドワーフ娘が、妙なことを言った。
「あたいの頼みを聞いてくれたら、あんたらの依頼、受けてもいいよ」
「いいのか、エルフの住む村に連れてくぞ?」
「構やしないよ。あたいはそういうの興味ないから」
ドワーフにもヘイトを持ってない奴がいるらしい。
さて、どう応じるべきか。
「……話は分かった。その約束を守ってもらえる保証は?」
ギルドを介さない依頼は、信憑性が低い。
さらに素性の知れない相手となると、信用しろって方が無理。
「お金を渡すよ」
ドワーフ娘が、巾着を見せた。
「これだけ渡しときゃ、あたいがトンズラしても元が取れるだろ」
いわゆる保証金ってやつか。
ふむ、なら話だけでも聞いてみよう。
「頼みって何だ?」