それから数時間後……。
「歩いても歩いても木ばっかだな……」
元は地方都市に住んでいたので森の中にはあんまり入った事が無い。
〔グゥゥゥ〕
スカイが自分の背中に乗るか? と聞いて来るが
「いや、ポケモンが襲って来たら反応しづらいからこのままで大丈夫だ」
と言って断った。
「ただ、これだけ歩いても整備された道が出てこないのは何故だ?」
しんどくなったので少し座って休む。
〔ガァァ〕
「何かあったか?」
スカイが向いている方を見てみると
「あれはオレンの実だよな?」
スマホを取り出して確認すると合っていたので
「そろそろ昼ご飯にするか。スカイ、オレンの実がなっている木の麓に行くぞ」
〔ガゥ!〕
近くにはオレンの実やモモンの実など木の実が沢山なっていて、ストライクやバタフリーなどの虫タイプポケモンも食べている。
「これだけあったら、食料は何とかなりそうだな」
俺は木の実を2つ手にとって1つをスカイに渡す。
〔ガゥ♪〕
取って来たのはオレンの実で美味しい。
「しかし、いい加減街に行きたいな」
そう思っていると、『バキバキ』木が勢いよく折れる音がして振り向くと
「たっ、助けて!!」
新人トレーナーぽい女の子がキテルグマに追っかけられている光景を
「スカイ、凄い嫌な予感がするのは気のせいか?」
〔ウガゥ……〕
俺達は手に持っていたオレンの実を食べた後
「スカイ、キテルグマに向かって〈ドラゴンクロー〉」
〔ウガゥゥ!〕
スカイは青白い爪を出現させた後、こちらに走って来る女の子の頭上を飛び越してキテルグマにぶつける。
〔クーグ!!〕
向こうは反応出来ず、〈ドラゴンクロー〉をまともに食らって吹っ飛び木に衝突して目を回している。
「ふう、危なかった。しかし、この森は虫タイプメインかと思ったら、ノーマル・かくとうのキテルグマが襲って来るとはな。スカイありがとうな」
〔ガウゥ♪〕
戦闘? から戻って来たスカイを撫でていると
「ハァハァ、何とか助かった……」
息切れしてへたり込んでいる少女に
『ゴン』
思いっきり拳骨を落とす。
「痛ったい!」
向こうは涙目で怒っているが、こちらが睨み返すと目を逸らされた。
「あのな、相棒のガブリアスがいなかったら俺は恐らく死んでいたぞ!」
流石にブチギレたら
「それはその……」
と泣きかけているが俺は容赦はしない。
「ハッキリ言うが、何でこの状況になったんだ? そっちからしたら助かったかもしれないが、巻き込まれた俺は危なかったからな」
元いた世界で説明すると、山でクマに追っかけられている人に巻き込まれたみたいだな。
確かに向こうからは仕方ない所はあるのはわかるが、こちらが怒るのも察してくれ。
そう考えていると
「私は新人トレーナーで最初のジムでボコボコにされて、この森でポケモンを鍛えようと来たんだ。そこで、たまたま攻撃がさっきのポケモンに当たって、それで謝ったら襲って来たから逃げた」
「まぁ、そこは100歩譲って仕方ないな。ただ、こちらの気持ちを考えてくれるか?」
最初よりは口調を優しくして叱る。
「はい、すみませんでした」
少女は立ち上がって頭を下げて来たのでこの話は終了。
俺は道に迷っていたのを思い出して少女にその事を聞く。
「すまないが、街に行く為にはどっちに行けば良いんだ?」
そう聞いてみたが
「あっ、モモンの実やオレンの実がある! お腹空いていてたからいただきます!」
「オイ! 人の話を聞け!」
マイペースに木の実を食べているので、思わず突っ込む。
「えっと、なに?」
「街はどっちなのかと聞いたのだが……」
「私はさっきのポケモンから逃げて来たから道はわからない。あと、私の名前はアイレだ、よろしく」
「俺の名前はグレイ、その辺にいるトレーナーだ」
本当は転生者ですとは言えないから、こう返す。
「グレイはトレーナーランクなに? ちなみに私はモンスターボールクラスだ」
「ランク、何だそれ?」
よく分からないなと思っていると、アイレが驚いた顔をする。
「もしかして、他の地方から来たトレーナーなのか。それなら、町のバトルクラブに行って登録する方がいいぞ」
「その辺は知らんから教えてくれるか?」
そう言ってみると
「この地方では基本の事だぞ。トレーナーランクは、ポケモントレーナーの強さによって、モンスターボールクラス、スーパーボールクラス、ハイパーボールクラス、1番上のマスターボールクラスに分かれているんだ」
ふむふむ、ソード・シールドのバトルタワーみたいな感じだな。
「あと、この地方で大会に出たりバトルクラブで戦う時はランクで決まるから、殆どのトレーナーが登録しているぞ」
「説明ありがとう。とりあえず、町に着いたら登録してみるな」
俺はそう言って、スカイと一緒にある程度木の実を回収して、町に向かう為に歩き始める。
「ちょっと待ってくれ、私も着いて行っていいか?」
「別にいいが、お前ポケモンは?」
「それなら、モンスターボールの中だ」
そう言って、アイレは腰に付けているモンスターボールを投げた。
〔クウ〜〕
出て来たのは、オンバットだ。
「私がポケモンスクールを卒業した時に貰ったオンバットだ」
「そうか、初心者トレーナーにはドラゴンタイプは厳しいと思ったのは俺だけか?」
ドラゴンタイプは気性が荒いと聞くが
「そこまで、厳しくはないぞ。ただ、あまり経験を積んでないから正直弱い……。って痛い痛い」
弱いと言った時に、オンバットに噛み付かれているアイレを見て
「なぁ、置いて行っても良くないか……」
〔ガウゥ……〕