コルト・コマンドー   作:いぬもどき

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I'm Back

「最新のグリフィン基地にやって来て、真っ先にやる仕事が訓練施設を一から造ることだとは思わなかったわ」

 

 そう、愚痴をこぼしながら切られた木材を図面と照らし合わせて釘で打ちつけていくAR15。

 先日、カリーナと一緒に麓の町に行った際、偶然にも鉄血ハイエンドモデルのハンターとエンカウントした彼女は、一度は捕まえられたものの反撃してガソリンスタンドごとハンターを爆殺した。案の定、苦情がグリフィン本社へと届けられ、ガソリンスタンドの修繕費の補てんのためにT800基地への補給物資が削減されてしまった…。

 事情を理解するAR小隊の仲間や指揮官からは責められることは無かったが、AR15は行き場のない苛立ちに苛まれる。

 

「ねえねえAR15、訓練施設のここの部分なんだけどさ、省略しちゃわない?」

 

「何言ってるのSOP2? 何の意味があってそんなこと…」

 

「だって、少しでも減らした方が訓練楽じゃない?」

 

「………それもそうね、そうしましょう」

 

「ダメに決まってるじゃないですか!」

 

 SOP2とAR15の考えは一致していたが、すぐそばで会話を聞いていたM4に却下される。

 指揮官のヂャック・ノリスとXM177E2らの考案によって建設が進められている前時代的な訓練施設……曰く、筋肉を効率よく鍛え上げられる最新の人体工学の研究から考案された訓練施設、とのことだがその存在を疑問に思う二人である。

 二人を戒めるM4でさえ、図面を渡されたときは戸惑ったが基本的にXMやM16に忠実な彼女は直ぐに仕事に取り掛かるのであった。

 

「というか、こういう力仕事のためにXMはAR小隊にいるわけでしょう!? M16もどっか放浪したままだし、一体どうなっているのよM4!?」

 

「いや、私に言われましても…とりあえずキャンディ食べる(・・・・)?」

 

「いらないわよ…それで、あの筋肉女はどこに行ったの?」

 

「わ、分かりませんよ! とにかく、XM姉さんが帰ってくる前に訓練施設を完成させてしまいましょう」

 

 嫌がるSOP2とやる気の無いAR15のやる気をなんとかあげさせようと試みつつ、訓練施設の建設を進めるのだが、口だけのトーシローが集まってもなかなか建設は進まない。見かねたヂャック・ノリス指揮官がどこからか応援要員を手配し、あっという間に訓練施設は出来上がる…後にこの訓練施設が地獄のブートキャンプに変わることになるが、それはまた別なお話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~おまけのカカシ編~

 

 

「いいかお前ら、これからT800地区の偵察に行くぞ! あそこはハンターの話じゃ、新しいグリフィン基地がある疑いがあるからな……油断するんじゃねえぞ!」

 

 山林の中で、XMの不意打ち破壊から立ち直ったエクスキューショナーは性懲りもなく報復を企んでいた。

 しかし度重なる敗北で多少は知恵をつけたのか、いきなり攻めかかるのではなく、敵の規模や基地を偵察することで最善の作戦を立てようと計画をしていた。まずは基地の所在、敵の規模を知ることが先決だ。

 この日のために、偵察に優れたイェーガーやスカウトをたくさんかき集めてきた。

 かき集めている間に工場が一つ爆破されたため、折角集めた戦力がエージェントに没収されてしまい、結局この日エクスキューショナーが連れてきたのはダイナゲートが3体にリッパーとヴェスピドとガードがそれぞれ1体ずつだけだった。

 

「よし、それじゃあ早速――――」

 

「あ、おにぎり握って来たんですけど食べますか?」

「私はレモンのはちみつ漬けを」

「あたしはフランクフルトを焼いて持ってきましたよ」

 

「……テメェら、ピクニックにでも来たつもりかよ…! ぶち殺すぞコラ!」

 

 エクスキューショナーの怒りを受けて大慌てで鉄血下級兵たちは弁当をバックにしまい込む。

 最近は頻繁に殺されているせいか、ちょっとしたことで怒りやすいので注意が必要だ。

 

「いいか、慎重に行くぞお前ら…深追いはするなよ、敵を見つけて追跡するのが仕事だからな。分かったな?」

 

「はい」

 

「よし、それじゃあ行くぞ!」

 

 意気込みをいれて、山林を抜け道路に飛び出した……だが左右の安全を確認しないまま飛び出してしまったエクスキューショナーは、たまたま通りがかったバイクにはねられて吹っ飛んでいった。

 慌てて部下の鉄血兵が駆けつけるも、最悪なことにエクスキューショナーを轢いたのは捜していたXM177E2であった…。

 

「いってぇ……うげっ、XM!? なんでここに!?」

 

「エクスキューショナーか、懲りない奴だ……とりあえず始末しておくか」

 

「おいおい待て待て! まだ何もしてねえだろ、というか人を轢いて謝りもしねえのかお前は!?」

 

「なぜ、鉄血に謝る必要がある?」

 

「いや、それはそうなんだけどよ…」

 

「怪しいな、お前ここで何をしていた? 返答によっては…」

 

「うっ…それはお前……そうだ、ピクニックだよピクニック! 今日は天気もいいし、絶好のピクニック日和だなぁなんてさ! わはははは!」

 

 さっきまでこれはピクニックじゃないぞと、部下を叱りつけていた彼女の咄嗟の言い訳に、部下たちから冷たい視線が突き刺さる。あくまでピクニックだと言い張ってこの場を逃れようとするエクスキューショナー……さすがにそれは無理があるだろうと鉄血兵たちは成り行きを見守っていたが、XMは銃をおさめてくれた。

 

「すぐに帰るんだ、さもないと容赦しない」

 

「ああ、分かってるって」

 

 なんとか乗り切ったところでホッと一息つくエクスキューショナーであったが、銃をおさめて丸腰の背中を見せるXMに悪の感情が沸き立つ。

 

「分かってる分かってる……と見せかけて、死ねコルト・コマンドー!!」

 

 普段は正々堂々戦うのが好きなはずなのに、度重なる敗北でどうやらプライドは地に落ちてしまったようだ。エクスキューショナーは彼女の背中に弾をぶち込んでやろうとしたが、エクスキューショナーがホルスターから拳銃を抜くよりも速く後ろ蹴りが顔面にヒットする。

 蹴られたエクスキューショナーの身体が宙を舞い、どさっと地面に落ちた。

 

 そして、何事もなかったかのようにバイクにまたがるXM。

 しかし起き上がったエクスキューショナーは鼻血を垂れ流しながら、ブレードを構える。

 

 

「このやろう、もう容赦しね――――」

 

さっさと失せろ、ベイビー(アスタ・ラ・ビスタ)

 

 

 銃声が一発鳴り響き、エクスキューショナーはまた破壊されてしまった。

 次に、XMが残る鉄血兵に目を向けた時、彼女たちはダイナゲートをそれぞれ抱きかかえて逃げ去っていった。

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