SXX地区…。
突如として確認された鉄血の大部隊は周辺地域に駐留していたグリフィンの部隊を襲撃、壊滅させ瞬く間にこの地域を掌握し支配下に置こうとしていた。
グリフィンも追加の部隊を差し向けたが、部隊を率いるイントゥルーダーは容易く返り討ちにし、グリフィンが攻撃を手を止めてからはこの区域に居座りより上の権限を持つハイエンドモデルからの新しい指示を待つようにしていた。
この間、グリフィンの部隊は全く姿を見せず偵察のためにこの区域に潜入してくることもなかった。
苛烈な攻撃の前にグリフィンは情けなく臆病風に吹かれたのだと多くの鉄血兵は楽観視していたが、一部の末端兵士はもしや嵐の前の静けさなのではと不安を感じていた…。
「グリフィンの弱虫どもめ、今日も攻撃を仕掛けてこないつもりか?」
区域の境界をパトロールするのは鉄血下級兵士のストライカーだ。
自慢のチェーンガンを手に、のそのそと廃墟と化したエリアをパトロールする。
仲間たちの間では、グリフィンの最強部隊が襲撃しにやって来る…などという噂が立ち込めているが、彼女はそれを鼻で笑う。
グリフィンの人形はいずれも鉄血の戦術人形に劣り、ダイナゲート相手にも苦戦する役立たず揃いだと見下しているのだ。
そんな彼女が草むらに覆われた公園跡地を訪れたとき、草むらで何かが動く音を聞きつける。
ストライカーはすぐに反応し、チェーンガンを構えそっと草むらに近寄っていく…。
「出てこい…チェーンガンが待ってるぜ…!」
草むらを注視し音を出した相手を探ろうとすると、草むらからのそのそと姿を見せたのは一匹のアライグマ。
愛くるしいアライグマの姿に気を抜き、ストライカーが踵を返すと銃声が鳴り銃弾が彼女の首を射抜く…続けて胴体を撃ち抜かれたストライカーは悲鳴を上げる間もなく崩れ落ちる。
銃声を聞きつけた仲間の鉄血兵であるヴェスピドが倒れたストライカーに駆け寄る…そして彼女は、ストライカーを殺した相手の姿を目にするのだ。
「いたぞぉ!!いたぞおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
仲間を殺した相手を視認したヴェスピドは狂乱した様子でその方向にフルオートで銃を発砲。
遅れてやって来た仲間たちもその銃撃に即座に加わり、ヴェスピドが撃つ方向に向けて撃ちまくる。
公園跡の寂れた遊具や木々をことごとく粉砕してなお銃撃を止めず、最初に発砲したヴェスピドは倒れたストライカーからチェーンガンを拾いさらに撃ちまくる。
果てしなく続く銃撃、弾を撃ち尽くし仲間の一人が制したことで銃撃は止まる。
「見てこい、ガード!」
撃ちまくった方角に向けて様子見のために下級兵士のガードが一人向かって行く。
その時、どこからともなく飛んできた斧がガードの胴体に突き刺さり死に絶える。
続けて、草むらから無傷で現れたXMは素早くナイフを投擲し、その場にいた鉄血兵に命中させ殺害…混乱する残った鉄血兵を銃の斉射であっという間に片づけてしまった。
「やはり貴様かコルト・コマンドー!」
唯一生き残ったブルートがナイフを逆手に斬りかかるが、XMは回し蹴りで一蹴し、倒れたブルートの胸にナイフを突き入れてとどめを刺した。
「うりゃーー!! 総攻撃だぁ!!」
そんなXMの活躍に刺激されるかのように、SOP2もまた草むらから飛び出して敵に襲い掛かっていくのだ。
「SOP2! あまり前に出るな!」
「へっちゃらだよXM! 鉄血なんか皆殺しにしてやるー!!」
そのままの勢いで突っ込もうとするSOP2を引き留めるが、勢いに乗ったSOP2は止まらない。
既に別方向からM4とAR-15が攻め立て、鉄血の部隊は劣勢と思われるが…そもそもXMとM16の戦闘力がけた違いなのであって、他のAR小隊のメンバーはその限りではないことをしばしば忘れがちだ。
調子に乗ったSOP2は一人前に突出…XMがそれを危惧し急いで後を追うが、敵は突出したSOP2をやはり狙った。
「わわ!?」
SOP2の至近距離で爆発が起こり、彼女は吹き飛ばされる。
転倒したSOP2を即座に拘束したのは見慣れない鉄血の人形…その独特な佇まいと、雰囲気からXMはそれが鉄血の新たなハイエンドモデル【イントゥルーダー】と確信する。
「自己紹介させていただきますわ。私は鉄血指揮型作戦人形、イントゥルーダーですわ…以後お見知りおきを」
「うぇーん、XM~…捕まっちゃったよ~!」
「安心しろSOP2、すぐに解放してやる」
「わーい!」
「わーい、じゃありません!! こほん……噂には聞いていましたが、ずいぶんと余裕ですのねコルト・コマンドー。言っておきますが、この私をエクスキューショナーやハンターなどと同じように見くびってもらっては困りますわ」
「何がどう違うんだ?」
「え?」
「だから、何がどう違うんだ?」
「それはその……私の方があのお馬鹿さんたちより、はるかに優れたハイエンドモデルなのです!」
SOP2を小脇に抱えながら堂々とそう言ってのけるイントゥルーダーであるが、XMの突き刺さるような視線に居心地の悪さを覚えだす。
「くっ…! あのあほ二人と少しでも一緒にいてあほがうつりましたわ…! とにかくXM、このSOP2を助けたければ銃を捨てなさい!」
「立場を分かっていないようだなイントゥルーダー。お前こそ今すぐSOP2を開放し、部隊を引き上げてとっとと失せろ」
「よくもそんな口の利き方を…! そんなにこの私を怒らせたいのですか?」
「最後の忠告だ……SOP2を開放し、とっとと失せろ」
「私をバカにすることは許しませんわ!!」
「……だそうです、M16姉さん」
「ほえ?」
XMの放った言葉に疑問符を浮かべるイントゥルーダー。
その時、肩をポンポンと叩かれたので振り返ってみれば…にやりと笑うM16がいるではないか。
その手からSOP2をひったくられたイントゥルーダーはそのまま蹴飛ばされて転げ落ちる。
「くっ……なんてことを…はっ!?」
ふと見上げれば、目の前に佇む身長190㎝茶髪の筋肉もりもり戦術人形。
「あ……あ、あはははは! 嫌ですわXMさん! ただの冗談ではないですか、ほら今回ここに来たのもちょっとした観光ですし!!」
慌てて命乞い同然の言い逃れを始めるイントゥルーダーであるが、XM相手には通じずそのまま胸倉を捕まれ両足が宙に浮く。
「待って、待ちなさい!! こんなことあってはなりませんわ! 少しは私にも見せ場を…!」
「………駄目だ」
次の瞬間、XMの強烈なアッパーがイントゥルーダーを強烈に射抜き彼女の身体は数メートルも浮き上がって地面に激突した。
その時点ではまだかろうじて死んでいなかったのだが、解放されたSOP2が駆け寄ると息の根を止め、ハイエンドモデル【イントゥルーダー】はあえなくAR小隊に敗北することとなった…。
「―――――と、言うわけで途中寄り道したけど本筋のお迎え先に到着したぞ。お、どうしたAR-15、デス子? なんか不服そうだな?」
「何でもないわよ」
「ハイエンドモデルを相手に…おかしいでしょう…」
イントゥルーダーを倒したAR小隊は事後処理をグリフィンの部隊に丸投げし、約束の相手を迎えに行くために某所の駅ホームまで足を運んでいた。
あまり往来の多くない駅のホームで、唯一賑やかそうにしているAR小隊の一行は大いに目立つが、それを気にする人もいない。
「XM、いい加減教えてくれませんか? 馴染みの相手って誰ですか?」
「私が以前…空挺軍にいた頃出会った少年だ。あの少年と出会い、私は色々なことを学んだのだ…」
「そーなんだよM4。XMは昔はそりゃあ無愛想な奴でさ…その子と出会ってから、いろいろ変わったんだ」
「なんだか会うのが楽しみになって来ましたね!」
「きっと驚くさ…っと、来たみたいだ」
M16が指差した方向を見れば、遠くから列車が駅のホームに近付いてくるのが見える。
長い車列を組んだ列車は減速し駅に停車し、そこから多くの乗客が降りてくる…降りてくる乗客を見渡し、その相手を見定めるXMは、やがてその相手を見つけその顔に笑顔を浮かべるのだった。
相手もまた、目立つXMの事をすぐに見つけると笑顔で駆け寄ってくる。
「XM!」
「ジョン! 久しぶりだな!」
駆け寄ってきた少年を、XMはしゃがみこんで抱き留めると、少年の事をとても愛おしそうに抱きしめる。
XMがここまで喜びの感情を露わにするのはとても珍しい事。
さらにAR小隊のメンバーが目を引かれたのが、少年の美貌だ……クールな印象を受けながらもXMに愛くるしい笑顔を向けるハンサムな少年の姿に、M4そしてAR-15は目を見開き頬を赤らめているではないか。
「か、かわいい…!」
「あんなゴリラにこんなかわいいショタ…こほん、少年がいたなんて…! XM、その子は一体!? 私たちに紹介しなさい!!」
AR-15に言われ、抱きしめあうのをひとまず止めたXM。
その隣で笑顔を見せながら寄り添う少年に、再度AR-15は心を射抜かれる。
「紹介しよう。彼はジョン・コナーン……私にとってかけがえのない友人であり、家族だ」
未来の人類抵抗軍リーダーがログインしましたー
ドルフロには男成分がまだまだ足りないので、最上級のショタを呼び寄せたよ!
ちなみにジョン・コナーンとは、ターミネーターシリーズの【ジョン・コナー】とシュワちゃんの初主演映画【コナン・ザ・グレート】を掛け合わせたものですー