「凉ってさめちゃくちゃバレーうまいじゃん?」
「まあ日向が赤ちゃんレベルだからな。俺巨神兵だなレベル差的に」
朝練に一応来たら速攻で日向に掴まってしまった。
「俺にバレー教えてk「やだよめんどい」
「そこを何とか」
土下座しそう勢いで頼み込んでくる。
「俺基本感覚でやってるから教えれないよ。それに大地さんにレシーブやスガさんにトス教えてもらいな」
「でも凉が一番うまいじゃん」
この目だ、見透かすような透明すぎて直視できない目。こういうやつはキライだ。
「日向ぁ! 凉! お前ら話してないでちゃんと混ざれ!」
「すすすすみません! すぐ行きます!」
「はい」
朝練も終わりみんなが片付け始めるのを横目にスガさんに気になっていたことを聞く。
「スガさん、ねぇさんが言ってた旭さんってなんで来ないんですか?」
スガさんのほか周りの2、3年が急に下を向き始める。「あいつはな⋯⋯」とスガさんが話をしてくれる。
曰く、大会で彼が徹底的にマークされ、彼のスパイクは全く決まらず敗戦してしまったと。そしてその敗戦の原因を全く決めれず、トスを呼ぶことも怖くなった自分が戦犯だとしてしまったようだ。
エースが狙われることなんてよくあることだ。俺も全中インハイでやられた。だが狙われ敗戦してしまっても切り替えれるか切り替えれないかだ。彼は切り替えれなかったというだけの話だ。
「そういうことですか。でもそういうのってちょっとした衝撃で戻ったりしますよ」
こういうのは日向たちに任せよう。あいつエースになりたいらしいし。
「んローリングッサンダァァァ!!!」
目の前に馬鹿な先輩がいる。今来たけど西谷先輩が馬鹿なことしてる。
「ノヤ先輩あれなんですね、動きはでかいんですね」
「凉君、お前が潔子さんの弟だとしても許さん!!」
「おつかれさま。今年もやるんだよね⁉
「ハイ! まだまだ練習が足りないですから先生」
武田先生に合宿をするか? という問いに大地さんはすぐさま回答をする。先日復帰したノヤ先輩と肺炎でこれなかった俺とエースがいないという不安定な烏合の衆を。ちゃんと見ている答えだ。
「GW最終日練習試合を組めました!! 東京の古豪『
武田先生がめちゃくちゃ頼んだんだろうな。しかし周りのみんながはしゃぎすぎててうるさい。
なんかノヤ先輩が試合でないとか言ってたけど出たくなかったら出なければいい。とりあえず残りの練習をどうさぼるかだな。
「お疲れさまっしたぁー!!」
「凉」
「何? ねぇさん」
「さぼりすぎ、怒るよ?」
やっちゃった⋯⋯ばれてーた
この後家でめっちゃ怒られた。
「お疲れ様です! 紹介します! 今日からコーチをお願いする烏養君です!」
「音駒との試合までだからな」
「すみません。日直で遅れましたぁ」
「凉、4日連続の日直って何?」
「ねぇさんより遅いとは一生の不覚!」
ねぇさんが無表情で怒ってる。
「凉、フライング3周してから参加してね」
「⋯⋯」
「返事は?」
「はい」
「えぇーっと、いいか? とりあえず遅れたお前はフライングしてろ。時間無ぇから6時半から試合だ!」
「どことですか!」
「烏の町内会チームとだ」
これフライングだらだらやってたら試合でなくてよくね?
「凉?」
ばれてーた、これ人数集まるまでに終わらせて最初っから俺入れるつもりだ。真顔のねぇさん怖いわー。
いったんここで切らせていただきますね。
次回 エース登場!! 無気力少しだけ仕事する!!
☆9もくださった紅頚黄鼓光慧航行さん、ヤコウさん。☆5もくださったぼるてるさんそれにお気に入り登録してくださった皆様。ありがとうございます!
それではどうぞ良しなにご容赦を