帰宅部女子高生、ゲームで遊ぶ。   作:ジョン5

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ビームヒーロー3

「……」

「……」

「……なぁ」

美子が言った。

「何よ?」

江奈が尋ねた。

「集中すると、どうしても口数が減ってしまうな」

「いや、四六時中やかましいあんたには、それぐらいが丁度いいわよ」

「そうか」

「納得するんかい!」

「え?」

「……いや、何でもないわ。そろそろステージボス戦じゃないの? 気合い入れなさい」

「分かってるよ」

美子が首の運動をした次の瞬間、ゲーム中の背景が暗い色になった。

「おっ、来るな」

「どんな奴かしら?」

ヒーローの前に現れたのは巨大な鎌を携えた、ドクロの魔物だった。

「……」

「……」

「……んーなんか、あれだな」

「ええ。フツーすぎてリアクションに困るわね」

「まあ、こんなツッコミ所のない期待はずれはとっとと倒しちまおう」

「ボスへの当たり強っ! まあ、それには同意だけど」

「よっし、戦闘開始ぃ!」

ヒーローはボスに接近すると、自慢のオノを悪鬼のごとく振り回した。

「おお、ダメージ入る入る!」

「……改めてヒーロの絵面じゃないわね」

「きっとヒーロの元、鬼の血がうずいているんだよ」

「いや、これ以上裏設定増やさなくていいから」

ヒーロの振り回すオノは着々とボスにダメージを与えていった。

そして、ボスの体力が半分を切ったその次の瞬間、突如、ボスは自らの体から画面全方位にビームを放った。

「やべっ!」

美子は反射的にコントローラーのスティックを前に倒した。

それにより、ヒーローは間一髪、ボスのビームをかわした、

「……ふぅ、危なかった」

「……すご、あんたよくかわせたわね。今の完全に初見殺しの攻撃よ」

「どうやら知らない内に初見殺しに慣れて来たようだ」

「いや、慣れでどうにかなるもんじゃないでしょうよ」

「しかし、どうするか。今の攻撃を見せられると、安易に接近戦を挑むのが躊躇われるな」

「と、なると遠距離攻撃しかないわね」

「つっても、このヒーローに遠距離攻撃なんかないぜ?」

「……美子、あなたこのゲームのタイトルを忘れたの?」

「え? ビームヒーローだろ……まさか!」

「そうよ、このヒーローの得意技はビームなのよ。そして、今まさに私達は「ビーム」を目の当たりにしたじゃない」

「……なるほど、試す価値はありそうだ」

美子がそう言った次の瞬間、ボスは再び画面全方位にビームを打ち出した。

「っ! 来たわよ!」

「おう!」

美子は力強く攻撃ボタンを入力した。

すると、ヒーローの振ったオノは、ボスから打ち出されたビームのひとつを芯で捉えたのだった。

「よく見ろぉ! これが、ビームヒーローだあああああ!!」

オノに打ち返されたビームは、一直線にボスの体を貫いた。

ボスは派手なエフェクトと共に消滅した。

「……や、やった」

「……ええ」

「……クリアだ……クリアしたぞぉ!」

「ええ! ……ステージ1をだけどね」

「……うん」

その後、二人は課題を忘れてゲームに打ち込んだ。

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