帰宅部女子高生、ゲームで遊ぶ。   作:ジョン5

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バトルレーシング1

ピンポーン。

「はーい、配達ご苦労……」

インターホンに呼ばれた江奈は玄関の戸を開けた。

「うっす」

そこには美子の姿があった。

「なんだ、またあんたか。新作のフィギュアが届いたのかと期待したじゃないのよ」

「だからその至極残念そうなツラを止めろと言ってるだろ」

「で、何の用よ。暇人さん」

「お前に暇人言われたくないな。実はまたおばさんから面白いもんを頂いてな」

「何かしら?」

「ほいこれ」

そう言って美子が取り出したのは、手のひら大のゲームのソフトだった。

「またゲームかよ!」

「なんだそのリアクションは。ゲーム好きだろ、お前」

「いや、好きだけどさ。前回のクソゲーのこと、忘れたとは言わせないわよ」

「クソゲー言うなよ。あれは私達の実力が足りなかっただけだ」

「いや、明らかにゲーム自体のバランスがおかしかったと思うけど」

「まあ、あれがおばさん世代にとっての普通の難易度なんだよ」

「はあ。で、そうと知りながら、またその世代のゲーム持って来たのはなぜ?」

「決まっているだろ。前回のクソゲーへのリベンジだ」

「クソゲーって言っちゃったよ」

「まあ、細かい事はいいじゃないか。いいか? このゲームはおばさん世代から私達への挑戦状なんだよ。今の時代のかんたんなゲームをクリアしていい気になってる私達へと当て付けなんだ」

「随分と穿った見方をしている気がするけど。まあ……」

「ん?」

「……挑戦状っていうのは気に入ったわ。受けて立とうじゃないの」

「そうこなくちゃ」

「いいわ。上がってちょうだい」

「おう! おじゃましまーす」

二人は江奈の部屋に移動した。

 

「さて、第二ラウンド開始だ」

「ソフトをさして……と。はい、起動!」

テレビ画面が切り替わり、スタート画面が表情された。

「ゲームタイトルは「バトルレーシング」だ。まあ、名前通りのバトルなレースゲームだろうな」

「バトルってのが引っかかるわね。何がどうバトルなのかしら」

「百聞は一見にしかずだ。よし、スタートぉ!」

美子はスタートボタンを押した。

 

『マシンを選択してください』

 

「……参ったな。そうきたか」

「どうしたのよ?」

「いやぁ、ウチ、こういうのすごく迷うタイプなんだよね」

「知るかよ! どうせ大した種類ないでしょ、ちゃっちゃっと決めなさい」

「しゃーねぇな。えーと……あれ次のページもあるな」

「ん?」

「……五十台から選べるらしいな」

「多っ!! ……いや、ゲームのボリュームとしては正しいのかもしれないけど」

「めんどくせぇな。じゃあこの赤い奴で」

「即決! さっき迷うどうのこうの言ってたのはどこの誰よ!」

「いや、多過ぎて逆にすんなり決められたよ」

「……まあ、何でもいいけど」

美子は赤く輝く流線型のマシンを選択した。

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