…悪くは無い…ってか…幸せな感じだったな
そう思いつつなぎさに見送られて言わば冥界だな
妖怪が行き着く冥界、魂の帰るべき場所に居た
といっても見知らぬ訳では無い、
別に誰か待ってるって訳でもねぇがなんせ冥界で
魂の行先を決めるのが冷時 風月、
つまりは
なぎさの愛刀の中心のヤツだからあんま緊張はしなかった
…なんか…なぎさにもう一度だけ会ってなんか
いいてぇな…
そんな事をボヤっと思っていると話しかけられる
「誰か話したいやつはいるか?
ちょっとだけなら叶えてやる」
…さっき離れたばっかだからな
…まぁでも最後の機会だ、
「なぎさと話してぇかな…」
すると頷き風月は
「なぎさ、居るか?」
そう向こう側を向いて言った、
まぁ話しかければ届く距離に居るというのはちょっと考えればわかる事だったすると
返事をしたのは…黒だ
すると俺の姿を見てすぐに黒は
「なぎさ呼んでくればいいのか?…風月。」
そう言ったのだ…しかしなんでなぎさより先に黒が…普通に黒が刀の中にいたのか?
しかし風月が言う
「いや、お茶を入れてきてくれ、好きなの使っていいぞ、エンマ、貴様が話したいなぎさはどっちだ?」
…ん…まぁ一応の確認なのか…?
「俺の嫁の方だ」
そう言うと風月が黒を呼び戻す
「お茶は
私がいれてくるから話してろ、じゃ」
「は!?ちょっと待った!大王様が会いたいのはなぎさだろ?なんで僕が話さなくちゃいけないんだ!」
すると風月は言う
「お前の旦那、だろうが」
「何言ってんだ風月」
黒にこの時ばかりは同意見だった
しかし俺はとりあえずここは黙って見ておく事にした…
何故かはわからない
だが黒が嫁ではないと言うのがなんだか違和感があった
間違いなく嫁ではねぇし
違和感なんてあるはずはねぇはずなんだが…
その時気づく
なんで黒泣いてんだ?…
「まぁ
茶をいれてくるから暇だろうから話しておいてくれ」
風月はそういってどこかに行ってしまった
…
「黒、大丈夫か?」
どうしたのかはよくわからなかったが
俺はそう手を伸ばす
すると驚いて黒が俺から離れ言う
「ごめんなさい、大丈夫ですよ!ご心配ありがとうございます」
最初弱気に言った後に元気そうにそう言った
それがなんだか懐かしくて…だが黒のこんな顔は初めて見た
それに対して一瞬どう返していいかわからなくなったが
黒が話しかけてきた
「大王様はお優しいお方だ、なぎさはさぞかし幸せだったでしょうね、なぎさは結構寂しがり屋ですからね」
優しく微笑む姿に昔の黒の姿が重ならずに瞬きをするが
特に変わることはなかった
「あ、お菓子お出ししますよ」
そう言って黒はどこかに風月とすれ違いに行ったのだが
風月は
無言でお茶を置いたと思ったら去って行ったのだった