妖魔界はいつも騒がしく賑やかだ
私はそもそもの存在感の無さから
あまり目立たないはずなんだけど
今日は珍しく気づかれたらしい
少しのざわめきが生じた
「あれってもしかして…」
「ぁあ」
そう小声で喋っていたので
ニコッと笑って手を振り自分の口にシーと手を当てる
するとお辞儀で返される
それで再度一緒にいた妖怪と話し始めたようだ
気にせず散歩しようと思ったのだが
その話が少し耳に入り歩を止める
「やっぱり女神様だよなぁ」
「同じく強い光様と同じくらい美しいよな〜
それに比べて強いはずのあの呪術師は」
「比べるなんて失礼だろ、あんな大罪人と」
「あ…そうだな…」
そこまで話した時点で
私が止まっている事に気がついたようで
顔を真っ青にして
「申し訳ございません!
…大罪人と比べるという無礼を…」
と謝られるその時叫ばれたから目立ったようで
ざわめきが広がっていく
この場から移動するのは簡単だけど
このまま放ったらかしにするとこの子まずいよね
そう思って私は返事する
「者にはそれぞれの良さがあるんだから
比べちゃダメですからね、
それに大罪人なんて人聞きの悪い呼び方しないで
彼女は私の恩人です」
そう言うと土下座をしはじめてしまった
うぅ…めんどくさい…大罪人
…多分呪術師とか言ってたしなぎさの事だと思う
なんで…なぎさは努力してても誰も…
それを聞いていた野次馬が
私の嫌な顔に気づいたようだ
しかしその言葉は無視することにした
…余計に嫌になるから
「さすが女神様
…あんな呪術師風情にも優しくされるのだな」
女神様だのなんだのやめてくれないかな…
8割の妖怪がお世辞でしか言ってないセリフ
聞き飽きたような呆れるような
私が立ち去っていくのを見て更にざわめいた
亡霊風情が調子に乗っている
だの聞こえた気がしたけど
私の事はなんて言われても別に構わない
私なんてなぎさの功績を飾る身代わりでしかない
なぎさは功績を自分のものとしようとしない
何故か私に押し付ける
半人半霊なんだから大体一緒だ
って言ってたけど決定的に違うでしょ…
私は気配を消して屋敷に帰る
と、さっきの野次馬の中にいた気がする妖怪が居た
…震えてる?
まぁそれもそうか大くんが何故か座りつつ睨んでる
「つまりお前はそんなつもりは無かった
…そう言いたいんだな?」
その妖怪はコクリと頷いた大くんは言葉を続ける
「差別なんてこんな時代にやるもんじゃねぇよ
まぁ今回のでちっとは反省したようだし
今度から気をつけろよ?」
そう笑う
「はは!寛大な対応、ありがとうございます」
そう泣きながら言っていた
すると大くんが私に気づいたようで
「よ!おかえり、散歩は少し
…なんかあったみたいだな、大丈夫か?」
そう言われた、
相変わらずの可愛くもかっこいい不敵な笑みで