「やめて、やめて!」
それはまだ戦いの前の記憶。
その女の子は青い髪をしていた。だが、彼女はれっきとした日本人だ。今の日本では、たまに親の遺伝子が突然変異し、親とは全く違う特徴を持った子が少ない割合で生まれることがある。
だが、化け物みたいな姿で生まれるということはなく、顔の特徴だったり髪の色が違うくらいである。その女の子も遺伝子の突然変異が起こっていたが、髪が青くなっているだけである。
しかし、その日本人とはかけ離れた体の一部は、日頃から何かとストレスがたまる思春期の子供からすると、絶好のストレス発散のターゲットだった。
そして今、青い髪をした中学生の女の子、
本来なら、親に相談するべきだろう。しかし、虐める人間たちは決まってこう言うのだ。お前が周りと違うのがいけないんだ、と。
周りより聡い月乃は親に迷惑がかかることを嫌い、誰にも相談できずにいた。今回も自分が我慢すればいいと、必死に堪えていた。その時
「あなた達、何してるの」
声が聞こえた。その声が向けられたのは自分ではないと分かると、月乃はその声の主に顔を向けた。
「もう一度聞くわ。
銀髪の女の子は、明らかに怒りをにじませた声で虐めていた子たちに問いかける。しかし何も答えないことに溜め息をつき、月乃の前まで歩いて近づくとその手を掴み、月乃を気遣いながら立たせる。
「それじゃ」
そう短く言い、月乃を連れていく。月乃は何が起こったのかよく分からずひたすら混乱していた。
やがて、空き教室の一つに入ると、月乃は手を離された。
「大丈夫?」
「あ・・・」
その言葉を聞いたとき、月乃の目に涙が浮かび思わず目の前の女の子に抱き着いた。突然のことに銀髪の女の子は驚くも、優しく月乃を抱きしめた。
「っ!?、う、ああ、うああああああああん!!!」
そして、月乃は許される限り思い切り泣いた。そのぬくもりが心地よかった。
「ひっく、ひっく」
「大丈夫?もういい?」
ようやく涙が止まった月乃は、見ず知らずの人に抱き着いて泣いていたのだと今更ながらに自覚した。
「あ、ご、ごめんなさい!」
「ううん、いいよ。落ち着いたようで良かった。」
そう言って少し微笑んだ女の子を見て、月乃は見惚れてしまった。
「あ、私は刻零未来っていうの。貴方、名前は?」
「え、あ、紅守月乃です。」
「月乃ちゃんか。・・・ねえ、あなたはその、変異児?」
その質問に月乃はドキッとした。変異児とは、先ほど述べたように遺伝子が突然変異を起こした人たちのことである。しかし、何故そのことを聞くのだろうか。月乃の胸に漠然とした不安がよぎるが
「ああ、いきなりごめんね。勘違いしないように言うとね、私変異児なんだ」
突然の発言に月乃は驚く。確かに、未来は銀髪で日本人ではまず見られない。だが何故それを自分に言うのだろう。
「あなたが虐められているのを見て、居てもいられなくなって。それで、助けに入ったんだ。ねえ、もし良かったら友達にならない?そうしたら、相談にだって乗れるよ」
「え、あ、その」
「だめ、かな?」
「そんなことないです」
なんだか断ることに罪悪感を覚えてしまった月乃は、その提案を受ける。だが、これだけは聞きたかった。
「何で、ここまで私のことを?」
「・・・実はね、私両親が交通事故で死んじゃったの。今は、親戚の叔父さんのところにいるんだけどね。両親はこんな私を支えていてくれてたから。私も、そんな風に誰かを支えたり助けたりしたいって思ってたの」
「・・・そうだったんですか。でも私は未来さんのその強さが羨ましいです」
言ってからしまった、と思った。未来の心の強さが羨ましいのは本当だ。でも今言うべきではない。しかし、未来は首を横に振り
「ありがとう。でも私は、あなたが羨ましい。だって、ずっと一人でいじめから耐えていたあなたの方が強いと思うから」
「未来さん・・・」
「でも、これからは大丈夫。私もできる限り貴方の力になるから」
そう言って未来は月乃を抱きしめる。でもそれは、明らかに無理をしている人の震えを帯びていた。守らなければと、月乃は思う。
(未来さん、ありがとうございます。でも、私だって未来さんを支えたいです。今はまだ頼りないかもしれませんが、私強くなります。他でもない未来さんの為に)
これが、強さを求めた一人の気弱な女の子と、強さの裏に弱さを抱えた女の子の出会いだった。
そして今、強さを求めた少女は
遠くで男2人、(たしか門矢士と海東大樹だったか)が私を見ていた。まあ、私に手を出すことはないだろう。そう切り捨て、再び空を見上げる。
あの時、
そして、高校生になり、私はミラと同じ高校を受験した。その頃には、お互い呼び捨てで呼ぶようになっていたので、志望校を聞き出すのは簡単だった。ある時何故か、ミラと呼んでほしいと言われたが、似合ってるので良しとしよう。そして高校一年生の夏休み、ミラを誘って遊びに行こうかと思い家を出ると、ある男に出会った。その男はスウォルツを名乗り、ミラが魔王になろうとしていること、この世界にはいないことを言ってきた。もちろん、最初は信じてなかった。だが、スウォルツと一緒にいた浮浪者のような男が手をかざすと、私は全く別の場所にいた。
それを受けて、認めざるを得ない私はミラを連れ戻したくないかと聞かれた。ミラが危険なことをしているのならば、私としては心配だ。だが、ここで断れば私にとって危険であろうことは簡単に想像がついた。だから、私はその話に乗ることにした。そして私は別の世界に移動し、この世界でスウォルツが盗んだジクウドライバーとブランクウォッチが変化したゲイツウォッチを渡された。すべてはミラの為に。元の世界の両親のことも気になるが、ミラがそばにいてくれるなら私はそれで良い。
そう思いを馳せていると、ヘリコプターが近づいてくる。どうやら来たらしい。オーロラカーテンを通り、現れたミラと対峙する。
「私のすることは変わらない」
《GEIZ》
そう、何も変わらない。全ては、あなたを守るために。
はい、いかがでしたでしょうか。
今回のお話は月乃とミラの出会いのお話ですね。この話を読むと分かりますが、月乃はミラに対しての恨みや怒りで戦ってるわけではないのです。なので、この話は前から考えていました。
しかし、月乃が若干ヤンデレ化してる気がするのは気のせいだろうか・・・。
もしかしたら今日もう一本投稿するかも。
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1つの世界の話を前章、後章に分けてるんだけど、後章の挿入歌っている?
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入れてほしい
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邪魔。入れなくていい
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前章にも入れてほしい
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後章だけで良い