「ハアアア!」
ジオウがファイズ似の怪物に向かって蹴りやパンチで攻撃を加えていく。しかし、怪物も攻撃を防ぎ、反撃を加える。そして、それを写真に収める男が一人。
「仮面ライダージオウ。それがこの世界のライダーか」
仮面ライダーのほうはいい。自分がまだ見ぬライダーがいても不思議ではない。が、問題は怪物のほうだ。
(あの見た目は、やはり仮面ライダーファイズと似ている。偶然か?)
そんな風に考えていると
「キャアッ!」
ジオウが攻撃をもろに受け、吹っ飛ばされる。直ぐに体勢を立て直し、手に剣を出現させる。
《ジカンギレード ケン》
刀身にはケンと書かれている武器、ジカンギレードを手にジオウは切りかかる。やはり、武器によるリーチによるためか、だんだんと怪物を追い詰めていく。ついには、下から大きく切り上げ、吹き飛ばした。
「これで決める!」
ジオウはベルトにつけていたアイテムを取り、ジカンギレードにセットする。
《FINISHTIME! ZIO-GIRIGIRITHRASH!》
「ハアアアッ、ハアッ!」
ジオウの必殺技が決まろうとした瞬間、その技は止められた。技を止めた怪物の右手には四角いものが手の甲にはめられており、それが技を止めたのだ。渾身の一撃をいとも簡単に止められたジオウは、怪物の反撃に反応することができなかった。怪物の拳は胸部に当たり、さっきとは逆に吹き飛ばされた。
「クッ、アッ」
その一撃はジオウに大きなダメージを与えたようで、未だに立ち上がれない。その攻撃を士は知っていた。
仮面ライダーファイズの必殺技にグランインパクトというものがある。これは、ファイズの武器であるファイズショットにエネルギーを纏わせ敵にぶつけるものである。たしかにこれなら、ジオウの技を受けきれる。だがやはり、ファイズと似すぎている。
(これはもう、そういうことか?)
士はそう確信に近い考えをまとめ、怪物に目を向ける。兎に角、まずはあいつを倒すとしよう。士は手にライドブッカ―と言う武器を出し、変形させる。そして、ガンモードへと変形させたそれを、怪物に向け撃つ。視覚外からの突如の攻撃に怪物は怯み、士へ顔を向ける。ジオウも突然の援護に驚いたように士を見る。
「面白そうなことやってるじゃないか。おれもまぜてくれよ」
そう言い、士はあるものを手に出す。ディケイドライバー。それは、彼の変身アイテム。士はディケイドライバーを腰に当て、装着。そして、左右のハンドルを外側に引く。さらにライドブッカーを基本形態のブックモードに戻し、中から一枚のカードを取り出しそのまま前に掲げる。
「キ、サマ、ハナ、ニモノ、ダ」
と、突然怪物がカタコトの言葉で話しかけてきた。これに一番驚いたのが、ジオウだ。なぜなら、彼女は今まで怪物が喋るのを聞いたことがない。だから、やつらは話さないとばかり思っていたからだ。ちなみに、話しかけられた方はというと、
「へえ、お前しゃべれるのか」
話しかけられたことに驚くよりも、少しうれしそうだった。なぜなら、自分にとっての常套句をいえるのだから。
「じゃあ、教えてやる」
だから、彼は言うのだ。あれを。
「俺は仮面ライダーディケイド。通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておけ!変身!」
《KAMENRIDE DECADE》
カードをバックルに入れ、勢いよくハンドルを内側に動かす。
瞬間、士の周りに人の影を薄くしたようなものが、現れ士と重なった。そして、バックル中央から、赤いプレートが飛び出し、ディケイドの頭に装着されていく。
ディケイドは手を軽くはたき、ライドブッカ―に手を伸ばす。そして、ソードモードに変形させた。
「いくぞ」
それだけ言い、怪物へと向かう。基本的に先ほどのジオウの戦いと同じく、武器のリーチを生かして戦う。しかし、先ほどと違うのは怪物の奥の手を知っている点にある。相手に反撃の隙を許さず、少しづつ追い詰めていく。
「ハアッ!」
ディケイドの蹴りが、怪物を吹き飛ばす。
「そっちがその姿なら、こっちは・・・。変身!」
そういって、ライドブッカ―からまた一枚カードを取り出す。左手でハンドルを開き、カードを入れる。
《KAMENRIDE FAIZ》
電子音が鳴り響き、ディケイドの体に赤い線が浮かびあがり、そのまま別の仮面ライダーへと変身した。これがディケイドの能力、カメンライドである。彼は、九人の仮面ライダー(俗にいう平成1期の仮面ライダー)に変身できる。今回彼が変身したのは、仮面ライダーファイズ。本来人間が死の後、進化した存在であるオルフェノクでしか、変身できない仮面ライダー。しかし、その姿は紛れもなく仮面ライダーファイズだった。怪物の方はというと、自分と似た敵に戸惑っているようだった。しかし、ジオウは士のカメンライドを見て、怪物をとはまた違った意味で驚いていた。
(なんで、
そんなジオウをよそに戦いは佳境に入っていた。怪物が取り出したファイズショット似の武器を
「フッ!ハアッ!」
ディケイドの斬撃が怪物をめった切りにし、吹っ飛ばす。そして、1枚カードを取り出し、ベルトに装填する。
「せっかくだからこれで終わらせてやる。」
《ATTACKRIDE EXSEEDCHARGE》
士が使ったカードはアタックライドのカード。これは主に、変身中のライダーの特性や技を使用できる。そして今回は、エクシードチャージ。これは、仮面ライダーファイズが必殺技を放つ際の行動で、武器等にエネルギーをチャージするのだが、このカードを本来士は
話は戻って、カードを使用すると、ライドブッカ―の刀身に赤いエネルギーが溜まっていく。そのエネルギーを怪物に向け、斬撃を飛ばすようにして剣を振りぬく。その斬撃は、怪物に当たった瞬間拘束する。これは仮面ライダーファイズの必殺技、スパークルカットである。本来ならその後に切るつけるのだが、士はそれを応用し拘束に留める。そのかわり、新たにカードを取り出し装填。
《FINALATTACKRIDE F,F,F,FAIZ》
ファイナルアタックライド、それは必殺技を使う際のカードであり、ファイズならばクリムゾンスマッシュを撃つところだが、士の右手にファイズショットが現れる。それを構え、未だ動けずにいる怪物に向かって走り込み、思い切り殴りつける!5.2tもの威力を誇る一撃は拘束をも破壊、怪物は吹き飛ばされそのまま爆散する。
士は変身を解き、ジオウの方を向く。ジオウの方はダメージからも回復したようで、すでに立ち上がっていた。
「お前がこのせか「あなたがディケイドね」」
士の声を遮り、ジオウが確かめるように問いかける。その瞬間、ジオウの変身が解け変身者の姿へ戻った。女の子というのは、分かっていたが何気にちゃんと見るのは初めてである。輝く銀髪をツインテールにしており、パッチリしている眼をはじめ、整っている顔立ち。世間の一般的な可愛いを表しているような顔だった。さらには、スタイルも抜群という体つきである。
「そうだ、門矢士。仮面ライダーディケイド」
とりあえず士は、写真を1枚撮り、彼女の質問に答える。というか、今のこの子の質問では、ディケイドを始めから知っているように聞こえる。まさか、と嫌な予感が広がる。
「そう、とりあえず自己紹介。わたしは
写真を撮られたことにも構わず、名乗る。だが、士にとって重要なのは最後の方だ。
「おい、そのある男っていうのは、俺を悪魔だの、破壊者だの言ってなかったか。」
「?、ええ、言ってたわ」
またか、ならその男とは、鳴滝で間違いないだろう。彼はディケイドを敵視しており、様々な世界でその世界の仮面ライダーに、ディケイドは悪魔、ディケイドは世界の破壊者だと言いディケイドを倒させようとする。しかも、単身で世界を移動でき、その力の応用なのか別世界から仮面ライダーや怪人を呼び出し、けしかけたりした。だが、時折ディケイドを手助けしており何が目的かはよく分からない。まさしく、腐れ縁のような関係だ。
「で、お前は俺を倒そうとするのか」
「は?なんでそう思うの?」
「違うのか?」
「確かに世界の破壊者とか聞いていたけど、あなたは助けてくれたでしょう。だから信じる。・・・それに」
「それに、なんだ?」
「あなたが本当に世界の破壊者なら、私にとって都合が良い」
「何?。どういうことだ」
まさかのいつもの展開とは違うことに、驚いた士はミラの言葉を待つ。
それは、あまりにも士にとって衝撃的な言葉
それは、一人の少女にとって絶望への反抗の第一歩となる言葉
(ディケイド、あなたが本当に世界の破壊者なら・・・)
「お願い、
というわけでディケイド登場です。
エクシードチャージのカードについては、オリジナルということにしています。
本家の方になかったのと、本編に書いてある通りファイズの必殺技のモーションに組み込まれているからです。また、お気づきだと思いますが、ジオウの世界観もオリジナルです。
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