仮面ライダーディケイド 現実と幻想の狭間   作:神咲胡桃

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更新遅れてすいません。リアルで忙しくて更新が遅れました。なるべく間が空かないように気をつけます。


灰の絆
~呪いと破壊者~


前回の仮面ライダーディケイド

「普通の高校生、刻零未来」「この世界の崩壊。食い止めるだけが限界か」「軍人を育てる場所ってことだ」「あの人は、僕たちⅦ組の教官です」「とりあえず倒す」

数多の世界を巡り、その瞳は何を見る。

 

 

 

「ああみんなお帰り。コーヒー入れようか?」

「私も手伝います」

 

スウォルツたちを退けた後、士たちは光写真館に戻っていた。アルティナとクルトは第二分校の教官に説明しに行ったため、ここにはいない。そのかわり何人か増えているが。

 

「それでは、自己紹介から致しましょう。私はミュゼ・イーグレット。ユウナさんたちとはクラスメイトですわ。そしてこちらが・・・」

「アッシュ・カーバイド。で、一体何が起こってやがるんだ?」

「・・・・・・」

 

アッシュが主にユウナに声をかけるが、ユウナは俯いたまま一言も話さない。それも当たり前だろう。彼女のクラスの教官であるリィン・シュバルツァーが、目の前で化け物、アナザーライダーにさせられたのだから。

 

「おい。お前・・・」

「まあまあ。落ち着いてくださいアッシュさん」

「あーそれより、まさかアスムくんも一応自己紹介しておいた方が良いかな?」

 

険悪な雰囲気になりそうなところで、ユウスケが話題を変える。

 

「そうですね。僕はアスムといいます。そして仮面ライダー響鬼。鬼をやってます」

「え・・・?」

「あ・・・?」

「鬼、ですか・・・」

「え、ええと、彼は違う世界の住人で、前に俺達と一緒に戦ったことがあったんです。なっ、士?」

 

アスムが言った「鬼」という言葉にユウナ、アッシュ、ミュゼの順に反応する。それを見たユウスケはまたもや話題を変えようと、士に話を振る。

 

「ああ。というか、なんでお前がこの世界にいるんだ?」

「それが、僕にもわからないんです。気付いたらこの世界に居て、そこで師匠と出会ったんです」

 

アスムが言うには、突然違う世界に居て混乱していたところを海東が見つけ、行動を共にしていたという。そしてリーヴスが襲われているのを見て、けが人を救助することに。あらかた救助が終わったところで、町の外にいたミラたちの救援に入ったという事らしい。

 

「そんなことがあったのか・・・」

「というか海東。お前があの時言ってたのはどういう意味だ?」

 

『僕が狙っていたお宝はすでになかった』

『彼がああなった原因は、少なからずそれが原因さ』

 

「僕は狙っていたお宝は、騎神というこの世界の戦いの裏で使用されていた人形兵器さ」

「騎神?」

「―――なるほど。それで今回の事件の一端が関わっていると・・・」

 

理解したような口ぶりなのは、ミラの傍で控えていたマリアだった。

 

「どういうこと?マリア」

「騎神とはこの世界の太古から存在する機動兵器。ですがそれについては、彼女たちの方がよく知っているのでは?」

「・・・そうですね。何があったかお話ししましょう」

 

そうしてミュゼの口から語られるのは、帝国と呼ばれる国を中心に複数の国をも巻き込んだ事件。

ユウナたちⅦ組、そしてアナザーガイムにさせられてしまったリィン・シュバルツァー、さらに大勢の協力者たちが協力してその事件を解決したらしい。そのキーパーツの一つが七体の騎神。しかし事件の解決後、騎神のすべては消滅したと言う。

 

「そんなことが・・・」

「事件が解決した後、私たちはまたいつものように学院での暮らしに戻っていたのですが・・・あらおいしい」

 

そう言って説明をしていたミュゼは、途中で栄次郎が運んできたコーヒーを飲む。

 

「でもなんでリィンさんという方があんな風になったんだろう?」

「おそらく呪いは完全に消滅していなかったのでしょう。どうやらその事件で発生したと言う呪い。その残りカスが事件の中心でもあったリィン・シュバルツァーに反応した。それにスウォルツが目をつけたという事でしょう」

「なら、アナザーライダーになったリィンさんを倒せばいけるんじゃ?」

「いや、スウォルツは呪いで暴走した彼を利用したに過ぎない。元に戻したとしても、暴走自体はどうにもできない」

 

そうだ。暴走自体はライダーといえど、どうにもできない。どうにか策を考えていると、ポツリと呟く声があった。

 

「・・・・・世界の破壊者ってなんなの?」

「え・・・?」

「―――教官が言ってた。士さんをセカイノハカイシャって」

「へぇ。そんなことが。そうだよ。士は世界の破壊者、仮面ライダーディケイドさ」

「ちょっと海東さん!」

「―――教官が士さんを襲ったのは、その世界の破壊者だからなんじゃ「士くんは世界の破壊者なんかじゃありません!」っ」

 

ユウナが震えながら言う言葉を、夏海が語気を荒げながら遮る。

 

「士くんは世界の破壊者なんかじゃないです。どの世界に行っても破壊者って言われて、士くんが何をしたんですか?士くんはいつだって・・・!」

「夏海ちゃん」

「落ち着け夏みかん。大人げないぞ」

 

立ち上がって叫びと変わらない声量で話していた夏海を、士が宥める。

 

「ごめん。私、ちょっと頭冷やしてくる」

「ユウナさん!」

 

ユウナは光写真館を飛び出し、ミュゼとアッシュもコーヒーの礼を言いすぐにユウナを追いかける。

何とも言えない気まずい雰囲気が、場を包み込むのだった。

 

 

 

 

1つの世界の話を前章、後章に分けてるんだけど、後章の挿入歌っている?

  • 入れてほしい
  • 邪魔。入れなくていい
  • 前章にも入れてほしい
  • 後章だけで良い

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