仮面ライダーディケイド 現実と幻想の狭間   作:神咲胡桃

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~鬼と5人の戦士~

「グルウウウウ・・・」

「ふん・・・。まさしく獣だなぁ。――――――――?・・・くくく。なるほど、これが呪いというものか」

 

リーヴスのはずれの場所で、獣のように唸り声を上げるリィンに対して、そう罵るスウォルツ。士と同様に本人に向けて、名前を呼ぼうとすると感じる違和感を、まるで楽しむかのように笑う。

そしてそれを離れた場所(といってもスウォルツは知らないが)から、覗くものがいた。

 

「・・・・・・」

「待ちたまえ。何をしようというのかね?」

 

背後からかけられた声に、暁美ほむらの動きが止まる。そしてほむらに声をかけた鳴滝は、ほむらの元に歩み寄ろうとするが、ほむらの鋭い視線によって足を止める。

 

「もし君が、スウォルツに手を出そうと言うのなら・・・・・・」

「あら、珍しくあいつを庇うのね」

 

鳴滝の忠告を遮ったほむらの左手には、カードデッキが握りしめられていた。今にも変身し、スウォルツに襲い掛からんとする様子だった。

実際、ほむらはスウォルツに好ましい感情を持っていない。他の世界を踏み荒らしていることも。自身のくだらない欲望の為に他人を容赦なく傷つけることも。そして、得体の知れない何かを隠していることも。

しかし、今の自分に鳴滝やスウォルツのように世界を移動する力などない。おいて行かれたが最後、自分の世界に戻ることは出来ない。大切な少女を助けることもできなくなる。

 

(なぜ・・・なぜ私には力がないの?)

 

拳を痛いほど握りしめる。もっと力があれば、そう思わずにいられない。

そんなほむらの様子を見た鳴滝は、口を歪ませるのだった。

 

 

「見つけたわよ!!」

 

 

その時、突然放たれた声に顔を向ける。そこには仮面ライダー響鬼ことアスムと、Ⅶ組の生徒たちがいた。

 

「ふん・・・。ガキどもがそろって何をしに来た」

「そんなの決まってるでしょ。あんたをブッ飛ばして、教官を助けるためよ!」

「僕たちの教官を、返してもらうぞ!」

 

クルトがそう言い放つと、各々武器を取り出す。アスムは音叉を取り出し、左手に軽く当てる。キィィイインと音が響き、音叉を額に掲げるとアスムの体を炎が包む。

 

「はあっ!」

 

右手を横に払うと、炎が振り払われ鬼の姿が現れる。

 

    響鬼

 

「貴様らに救えるものなど、ありはしない・・・」

「ウォオオオオオオオ!!」

≪GIME≫

 

スウォルツの前に太刀を握ったリィンが歩み出ると、叫び声を上げながらその姿をアナザーガイムへと変える。

 

「来るぞ!」

「それでは皆さん、予定通りに」

「了解。これより、行動を開始します」

「グウウウウアアアアアア!!」

「させっかよ!」

「やらせん!」

 

アナザーガイムが雄たけびを上げながら突撃する。それを前に出たアッシュとクルトが受け止める。

 

「ぐぅっ・・・」

「なんつー馬鹿力だよ・・・」

「ガアアア!」

「「うぉっ!/ぐわっ!」」

 

しかし、アナザーガイムの攻撃の重さに受け止めることしかできない。そしてアナザーガイムが大剣を薙ぎ払い、2人を吹き飛ばす。追撃しようとするが、撃ちこまれた銃弾に阻まれる。

 

「―――教官に銃を向けるのは心苦しいですが・・・ユウナさん、アルティナさん!」

「任せて!」

「はい!」

 

銃を構えたミュゼが、再びアナザーガイムの足を止め、ユウナとアルティナが接近する。

 

「クラウソラス、ブリューナク照射!」

「そこぉ!」

 

アルティナの背後に佇んでいた戦術殻と呼ばれる機械人形「クラウソラス」が、主の命令を受け取り頭部から光線を撃ちだす。アナザーガイムはバックステップで回避するが、その回避先にはユウナが先回りしていた。

アナザーガイムの懐に潜り込んだユウナは、バンカー型の武器による渾身の一撃を叩き込む。これにはさすがに、アナザーガイムも無視できないダメージを食らい後ずさる。

 

「今だよアスムくん!」

「はい!」

 

ユウナの声にアスムが、接近し音撃棒で次々と攻撃を当てていく。ふらついているアナザーガイムを見て、アスムは腰のバックルについている「火炎鼓」を取り外そうとするが、アナザーガイムが手を掲げると空中に大量の『穴』が開き、そこから次々とインベスが降り立つ。

 

「なっ!?」

「くっ、こいつらインベス!?」

「これでは、教官に近づけません!」

 

召喚されたインベスは、下級インベスが主だが中にはそれ以外のインベスもちらほらと見かける。このままでは、―――――――を助けるどころか全滅する。そんな考えが浮かんだ時だった。

 

「師匠として、弟子ぐらいは助けてあげないとね。変身!」

 

《KAMENRIDE DIEND》

 

「はっ!師匠!」

 

アスムの周囲にいたインベスを銃撃で蹴散らし、アスムの元に駆け付ける海東。アスムはなぜ海東がここにいるのかが分からなかった。

 

「少年くんが出て行った時から、何となくは気付いていたのさ。君の清めの音で、彼を助けるつもりなんだろう?」

 

丁度良くアスムの疑問に答えた海東に驚く。それは少し時間をさかのぼる。

 

 

『清めの音?』

『はい。僕たち鬼は、清めの音によって魔の存在を払ってきました。もしかしたら・・・』

『その清めの音で教官を暴走させている、魔の存在を払えるかもしれない。そういう事ですね?』

『はい!』

『おいおい。随分とオカルトじみたことになってきやがったな』

『それを僕たちが言うのもどうかと思うが・・・』

『ですが、教官が今どこにいるのか』

『それは、このディスクアニマルで探します』

『うわ~!可愛い~』

『ふふっ。なごみますね』

『こんな時に和むのもどうかと思いますが・・・その気持ちもわかります』

『君たちは何をしてるんだ・・・』

『それでは、行動を開始しましょう!』

 

 

と言ったことがあり、ディスクアニマルがスウォルツとリィンを発見、急いで駆け付けたというわけだ。アスムからしてみればもっと早く出てきてほしかったが、この救援は助かるものだった。

 

「それに、救援は僕だけじゃないよ」

「え?」

 

ブォォオオオオンンン

 

海東の言葉に首を傾げるも、すぐにその意味が分かった。士がマシンディケイダーを走らせてやってきていたのだ。

 

「俺に内緒で何やってんだ!こういうのは、主役がいないと始まらないだろ!変身!」

 

《KAMENRIDE DECADE》

 

ディケイドに変身した士は、そのまま進路上にいたインベスをマシンディケイダーで突き飛ばしていく。

 

「そうそう!水臭いよ。内緒で向かうなんて」

「我が魔王の慈悲に感謝しなさい」

「マリア、ちょっと黙ってて」

 

「「「変身!」」」

 

《ライダータイム!》

《アーマータイム!》

《投影! フューチャータイム!》

 

《仮面ライダー!ライダー! ジオウ・ジオウ・ジオウ! ツー!》

《カメンライド ディーエーンードー!》

《スゴイ!ジダイ!ミライ!仮面ライダーウォズ!ウォズ! 》

 

更に別方向からも、駆け付けたミラと月乃、マリアが変身して周囲のインベスを攻撃する。

 

「皆さん・・・!」

「インベスは私たちが!」

「君たちは、彼を助けると良い」

 

そう言って、海東もミラたちのもとに向かう。そして入れ替わるように、士がアスムの元に駆け付ける。

 

「士さん・・・」

「やるぞ」

「・・・はい!」

「グウアアアア!」

 

武器を構える2人の元に、アナザーガイムが大剣を構えて突進する。振り下ろされる大剣を士がライドブッカーで受け止め、アスムがその隙に攻撃する。

 

「ふっ!」

「はあ!」

「グウウ!?」

 

アスムは音撃棒を押し当て、押し込んでいく。その間に士は一枚のカードを装填する。

 

《ATTACKRIDE BLAST》

 

ライドブッカーをガンモードにし、アスムが射線上にいるが構わずに引き金を引く。

 

「せい!」

「ガア・・・グアア!?」

 

撃ちだされた光弾はアスムを綺麗に躱し、アスムの攻撃で後ずさったアナザーガイムに全弾命中する。

 

「よしこれなら!」

「っ!まだだ!」

「グウ、ガアア!」

 

アナザーガイムが手を伸ばすと、空中に再び『穴』が開き草の蔓が意思を持っているように、2人に襲い掛かる。

 

「ぐわっ!」

「士さん!クッ!このぉ!」

 

士が蔓の攻撃で弾かれ、それを庇うためにアスムは音撃棒に炎を纏わせ、蔓を払っていく。やはり見た目通り蔓なだけあってか、炎には弱いらしい。しかし、どれだけ焼き払っても勢いが衰えることがない。

 

「援護します!ハアアアア、レインスラッシュ!」

「オラァアア!デッドリーサイズ!」

「ジェミニブラスト!」

「アークス,起動します」

「一気に薙ぎ払います!正念場ですよ!」

 

その時、ユウナ、クルト、アッシュがアスムに襲い掛かろうとしていた蔓を払い、アルティナとミュゼがアーツと呼ばれる攻撃で一気に焼き払う。

 

「今だアスム!」

「はい!うおおおお!」

 

邪魔するものがなくなり、アスムは一直線にアナザーガイムに接近する。もちろんアナザーガイムが迎撃しようと大剣を振るうが、それを紙一重で躱しバックルから火炎鼓をアナザーガイムに当てる。

巨大化した火炎鼓にアナザーガイムは動きを封じられ、アスムは音撃棒を構える。

 

「一気火勢の型ぁ!ハア!」

 

音撃棒で火炎鼓を打ち付けるたびに、太鼓の音をした清めの音が響き渡る。止めに勢いよく打ち込むと、強烈な衝撃波がアナザーガイムを襲い大きく吹き飛ばされる。

 

「ハアア、ハア!」

「グ、グウウウ。オ、オレハ・・・」

「!? もしかして!」

「意識が戻りかけているみたいです!」

「―――教官!あと少しです!」

「何してやがる!さっさと戻ってきやがれ!」

「本当のあなたを思い出してください!」

 

 

「「「「「リィン教官(・・・・・)!!」」」」」

 

「オレ、は・・・う、うおおおお!」

 

アナザーガイムから光が溢れ、アナザーガイムとリィン・シュバルツァーが分離した。

 

「あ・・・」

「ああ・・・」

「俺は・・・そうか。ありがとう皆。えっと、その、こんな時に言うものじゃないんだろうけど、ただいま」

「リィンさん・・・」

「やったーー!」

「はっ。面倒かけさせやがって」

「ふふっ。素直じゃないですね」

「心配したと、素直に言えばいいだろう」

 

Ⅶ組の生徒たちは、教官を取り戻せたことに歓喜する。そしてリィンは士とアスムに向く。

 

「貴方たちも、本当にありがとう。それからすまなかった。暴走していた時のことは、記憶に残っているんだ。迷惑をかけて申し訳なかった」

「そんな。貴方を助けられてよかったです」

 

リィンの謝罪に、気にしなくていいとアスムは首を振り、士も気にするなと声をかける。

今ここに、トールズ士官学院第二分校Ⅶ組の教官が復活した。




面白かったら感想、高評価お願いします。

1つの世界の話を前章、後章に分けてるんだけど、後章の挿入歌っている?

  • 入れてほしい
  • 邪魔。入れなくていい
  • 前章にも入れてほしい
  • 後章だけで良い
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