仮面ライダーディケイド 現実と幻想の狭間   作:神咲胡桃

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今回ほぼ1万字です。


~切っても切れぬ絆~

「何故だぁ!」

 

リィン・シュバルツァーが解放され、ユウナたちが喜んでいると、スウォルツの金切り声に似た叫び声が響き渡った。

 

「何故だ、何故だ、何故だぁ!この世界の呪いを、何故貴様らは解呪できたぁ!」

 

よほどの大声で叫んだためか、肩で息をしている。

 

「悪いが、この呪いはすでに経験済みなんだ。そして、暴走していたからこそ分かった」

「なに?」

「この呪いの正体、黒の騎神イシュメルガの残滓だな」

「なっ・・・!」

「それは・・・」

 

黒の騎神イシュメルガ。

それは帝国に呪いをかけた元凶。かつてリィン・シュバルツァーとⅦ組の生徒たち、そして多くの協力者たちが数多くの困難を乗り越え、イシュメルガを打ち倒した。

 

『おのれぇぇぇ、リィン・シュバルツァーァァァ』

 

その時、まるで地獄から這い上がった来たのではないかと思うほどの声が聞こえた。同時にリィンが解放された際、リィンの体から排出され転がっていたアナザーガイムウォッチから、黒いオーラが立ち上る。

 

「・・・そうか、お前はそこに居るんだな。イシュメルガ」

『リィンシュバルツァーァァ。折角貴様を操れたというのに、忌々しい・・・。だが、我は新たな体を得ることができた』

≪GAIM≫

 

アナザーガイムウォッチが空中に浮かぶと、宿主なしでアナザーガイムへと変化する。否、それはアナザーガイムではない。その姿は禍々しくなり、まさしく悪鬼という言葉が似合う。その姿は、アナザーガイムイシュメルガアームズというべきものだろう。

 

「この力で、今度こそ貴様らを消してくれよう・・・はあ!」

 

イシュメルガは手に持った大剣を薙ぎ払い、巨大な斬撃をリィンたちに向けて飛ばす。爆発に巻き込まれ、その姿が見えなくなるとイシュメルガは笑い声をあげる。

 

「ハハハハハハ!素晴らしい力だ!今度こそすべてを我のモノにできる!貴様らに救えるものなど、何一つありはしない!我に勝つことなどできるはずが・・・」

「そいつはどうかな?」

「なに・・・?」

《KUUGA AGITO RYUKI FAIZ BLADE HIBIKI KABUTO DEN-O KIVA W OOO FORUZE WIZARD GAIM DRIVE GHOST EX-AID BUILD PERFECTKAMENRIDE DECADE》

 

炎が晴れた時、そこに居たのは各々の武器を構えるリィンとユウナたちⅦ組の生徒たち、アスム、そして超コンプリートフォームへと変身した士だった。その全員の顔に、恐れの表情など見えない。そこにあるのは、呪いという理不尽に立ち向かう表情だった。

 

「こいつらはいつも守ってきた。どれだけ険しい道でも、こいつらの戦いはたくさんのモノを守ってきた。何故か分かるか?」

「何故だというのだ!」

「こいつらの関係は、片方がもう片方を守るだけの関係じゃない!教師が生徒を正しい道へと導き、その背中を見た生徒たちの行動が教師を成長させる。互いが互いを支え合い、共に戦い、共に成長していく。それがこいつらの(繋がり)だ。たとえ幾多の敵が現れ、数多の困難が立ち塞がろうと、こいつらはそのすべてを超える。誰にもこの絆は壊せない!」

「士さん・・・」

「私たちの絆は壊せない。なるほど、私たちにはぴったりの言葉ですね」

「はっ・・・中々言ってくれんじゃねえか」

「ああ。だが、確かにその通りだ」

「・・・はい!」

「貴様、一体何者だぁ!」

「通りすがりの仮面ライダーだ。憶えておけ!」

 

士の言葉に、ユウナたち生徒は頷き、士気を高める。それを見たリィンは、手にした太刀を掲げる。

 

「トールズ士官学院第二分校特科クラスⅦ組、これより協力者と共に、呪いの残滓であるイシュメルガ及びアナザーガイムを撃破する!」

「「「「「応ッ!!!」」」」」

「いくぞ!」

「敗北するのは貴様らだぁああ!」

 

イシュメルガは手を掲げ、更にインベスを呼び出す。

 

「邪魔くせぇ!」

「クラウソラス!」

「やらせませんよ!」

「グオオオオ!」

 

アッシュとアルティナがインベスを蹴散らし、ミュゼが更にインベスを呼び出そうとするイシュメルガを狙撃する。

 

「ハアアア!」

「オオオオ!」

「士さん、リィンさん!行ってください!」

 

なおも邪魔をしようとするインベスをユウナ、クルト、アスムが薙ぎ払い、道を作る。

 

「リィン・シュバルツァーァァ!」

「ぐっ!」

「俺を忘れるなっての」

 

イシュメルガが振り下ろした大剣をリィンが太刀で受け止めようとするが、その威力に後方に弾き飛ばされる。入れ替わりで士がライドブッカーで攻撃するが、一撃でライドブッカーを弾かれ、さらに振るわれた大剣の攻撃を食らってしまう。

 

「感じるぞぉ・・・。我の憎しみが増幅されるのを」

「何?」

 

士はイシュメルガの言葉に、イシュメルガにどこからか黒いオーラが送られているのを見つける。オーラを辿ってみるとそこには黒い仮面ライダーが、ミラと月乃、マリアと戦っていた。

 

 

時は少しだけ遡る。

ユウナたちがアナザーガイムの元に向かっていると、海東から聞いたミラたちはユウナたちのもとに向かいインベスを倒していた。

その時、オーロラカーテンが現れそこから仮面ライダービルドハザードフォームが出てきた。

 

「あれはあの時の・・・!」

「ちょうどいい。今度は逃がさない!」

「あれは仮面ライダービルドハザードフォーム。あれは変身者を暴走させるフォームです。十分気をつけて」

「もう来てるよ」

 

そう月乃が言うやいなや、ビルドはまっすぐミラたちに向かってくる。

月乃がライドサモンバスターを撃ち、ビルドを牽制するがそれに構わず無理矢理接近してくる。そのまま近くにいた月乃を殴り飛ばし、マリアに襲い掛かる。

マリアはジカンデスピアで応戦するが、穂先を踏みつけられ動きが止まった瞬間に蹴り飛ばされる。

 

「キャッ・・・」

「くぅ・・・」

「2人とも!このッ・・・っ!」

 

月乃とマリアが攻撃を受けて倒れたのを見て、ミラは即座にジオウⅡの能力である時間操作で、未来を予知する。その時見えたのは、ビルドが自分に拳を放つ姿、そしてイシュメルガが呼び出したインベスらしき(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)何かが、士たちを攻撃している未来(・・・・・・・・・・・・・・・・)だった。

 

「ミラ!」

「・・・はっ!きゃあ!」

 

見えた未来予知に少しの間呆けていたミラは、ビルドの接近に気付かず攻撃を許してしまう。

ビルドは続けて攻撃しようとしていたが、間一髪でマリアの援護が間に合い追撃は免れる。しかし未来を見たミラは、落ち着くことができなかった。

 

「月乃、マリア!そいつをお願い!」

「え、ちょっとミラ!?」

「ふっ。我が魔王!?・・・くっ!」

 

 

 

そして時は戻り、士はオーラを辿って行った先にいたミラが、こちらに来ているのを見た。

 

「士さん、気をつけてください!そいつ何かをしようとしてます!」

 

ミラがそう警告した瞬間、イシュメルガが3体の”何か”を呼び出す。そして真っ先に降り立った赤い人型のインベスは、士とリィンに向かって燃え盛る火球を飛ばした。

 

「「うわぁああ!」」

「士さん、リィンさん!」

「あれは、オーバーロードインベス!我が魔王、気をつけてください!あれは危険です!」

 

オーバーロードインベス。それはインベスの住処であるヘルヘイムの森の支配者。オーバーロード(君主)の名を持つ、インベスの中でも群を抜いて凶悪なインベスである。

3体のオーバーロードインベスは、各々の武器を手にゆっくりと士たちに歩み寄る。しかしそれを妨げるものがあった。

 

「ふ、ここは僕が受け持ってあげるよ」

「師匠、僕もやります!」

「イシュメルガをお願いします!」

 

海東、アスム、ミラが立ち塞がりオーバーロードインベスと交戦する。

 

「ああ・・・!」

「助かる!」

 

士とリィンはオーバーロードインベスを3人に頼み、イシュメルガへと立ち向かう。

 

「行かせないよ!」

「はああ!」

 

ミラは赤いオーバーロードインベス、デェムシュが振るう剣を受け止め斬り返す。アスムも負けじと緑のオーバーロードインベス、レデュエに炎を纏った音撃棒を当てていく。さらに後ずさった2体のオーバーロードインベスに海東が銃撃をお見舞いする。

銃撃を受けて地面を転がる2体の前に、白いオーバーロードインベス、ロシュオが立ち塞がり、手を伸ばすとまたもや草の蔓が意思を持ったように動かされ、3人を掴みあげる。

 

「うわっ!」

「ぐぅ!」

「きゃ!この・・・!」

 

ミラは未来予知のように、能力である時間操作を使用。ミラの体が光に包まれると、拘束していた蔓からその姿が消える。直後、現れたミラが、海東とアスムを拘束している蔓を切り裂く。

 

「ふふん!タイムシフトの力、驚いた?」

 

ミラは自慢げに、ロシュオたちを見る。

ミラが行ったのは、時間操作の応用による特殊な移動だ。時間操作によって自身の「時間」を爆発的に加速させ、確定させた先の「時間(未来)」を固定することで、ミラのみに特殊なタイムスリップを起こさせる。これをミラは無限大に存在する時間(未来)の中から、自身が拘束を抜け出しており、2人を拘束している蔓を斬れる場所にいる時間(未来)を確定。そして時間操作でミラの時間を加速させ、確定した未来へと進ませた。

初めて使用したのは、まどマギの世界でのゲイツリバイブ戦。あの時はまだ明確な名称をつけていなかったが、どうやら「タイムシフト」と名付けたらしい。

 

「やるねぇ。これは僕も、負けてられないね」

 

《G4 RYUGA OGRE DRAKE KABUKI CAUCASIAN GAOH ARC ETERNAL POSEIDON SORCERER MARS LUPIN EXTREMER FUMA BRAD FINALKAMENRIDE DIEND》

 

拘束から解放された海東は、ケータッチを取り出してコンプリートフォームに変身する。さらにマルスの紋章をタッチする。

 

《FINALKAMENRIDE MARS》

 

海東の隣に仮面ライダーマルスが、召喚される。マルスは剣「ソードブリンガ―」を振り上げオーバーロードインベスへと向かっていく。

 

「僕も修行の成果を発揮します!ハアアアア、ハア!!」

 

アスムの気合いのこもった声と共に、身体が炎に包まれていき、炎が振り払われると全身が真っ赤な響鬼紅に変身する。長い修練の果てに会得したアスムの新たな力だ。

 

「行きます!はあああ!」

 

 

 

 

 

《アクション!投影!フューチャータイム》

《ファッション!パッション!クエスチョン!フューチャリングクイズ!クイズ!》

 

マリアにアーマーが装着されていき、仮面ライダーウォズフューチャリングクイズへ変身する。

ジカンデスピアの先端を動かし杖のような形にする。

 

《ツエスギッ!》

「質問、仮面ライダービルドは現在暴走中である。丸か、バツか?」

 

マリアの質問に構うことなく、ビルドはマリアに殴りかかろうとする。それをツエでいなし、時間が訪れる。

 

ピンポンピンポーン!

「正解は丸」

 

マリアが答えを告げた瞬間、ビルドに間違えた代償の雷が落ちる。それを見た月乃は、マリアの意地の悪さに思わず呆れてしまう。彼女が質問した通り、ビルドは暴走状態で話ができるような状態じゃない。なのにクイズを仕掛けるとは・・・。

月乃は呆れながらも、ライドサモンバスターのボタンを押す。次々と紋章が浮かび上がり、バロンの紋章で止める。

 

《バロン サモンライダー!》

《バロン デュアルタイムバースト!》

 

月乃がライドサモンバスターを振るうと、バナナのエフェクトと共に斬撃がビルドを襲う。

 

「なんですかそれ?」

「貴方が言うの?」

 

 

 

 

「はあああ!」

「甘いわっ!」

「そいつは・・・どうかな!?」

「ぬおおお!?」

 

リィンが裂帛の気合いと共に、イシュメルガに斬りかかる。しかし大剣で受け止められ弾かれる。だがリィンは弾かれた勢いを利用して一回転し、逆にイシュメルガの大剣を打ち上げる。

体勢を崩したイシュメルガの懐に、士が接近しライドブッカーで連続で斬りつける。

 

「ハア!」

「ヌグオオオ!」

 

イシュメルガは膝を突き、その間に士はガイムの紋章をタッチする。

 

《GAIM KAMENRIDE KIWAMI》

 

士の隣に、仮面ライダーガイム極アームズが召喚される。さらにもう一枚のカードを装填する。

 

《FINALATTACKRIDE G、G、G、GAIM》

 

士がライドブッカーを振り下ろすと同時に、ガイムも火縄大橙DJ銃大剣モードを士と同じ動作で振り下ろす。

 

「ハアアアアア!」

「グアアアア!」

 

オレンジ色の斬撃がイシュメルガを捉え、吹き飛ばす。そしてライドブッカーから、3枚のカードが飛び出してくる。士がそれを掴むと、カードに絵柄が浮かぶ。その中の一枚を取り出し、バックルに装填する。

 

《FINALFORMRIDE L、L、L、LIN》

 

「これは・・・!?感じる。あの時のように・・・」

 

自身の中に起こった”何か”を感じたリィンは、太刀を構え力を開放する。

 

 

「ハアアアア・・・無想神気合一!!」

 

 

「き、貴様。その力は、その力はぁぁぁああああ!!」

 

リィンからオーラが解放され、髪は白く眼は紅くなった。その姿を見たイシュメルガは怯えたように後ずさる。だがそれだけではない。

 

―――我を呼ぶのだ。リィンよ。

「ああ、分かっているよ。来い、灰の騎神ヴァリマール!」

―――応ッ!!

 

リィンが右手を高く掲げると、どこからともなく声が聞こえたかと思うとリィンの背後に灰色の巨大な騎士が現れた。

それこそが灰の騎神。リィンの相棒であり、役目を終え消滅したはずだった。だが、士の力で再び蘇ったのだ。

 

「灰の騎神・・・。キサマも蘇ったかぁぁぁあああ!」

「我はリィンの相棒だからな。相棒の危機には、必ず駆けつけるさ」

「ああ・・・。ありがとうヴァリマール」

「おのれぇええええ!!」

 

イシュメルガが絶叫すると同時に、黒のオーラが溢れだしイシュメルガの体がヴァリマールと同じぐらいに巨大化する。

 

「行け、リィン!」

「ああ!行くぞヴァリマール!」

「うむ」

 

リィンの体が光に包まれヴァリマールの中へと転移する。ヴァリマールの目が光り、手に太刀が出現する。

 

「うおおおお!」

 

 

♪光り歪む その度に 新しい空♪

ヴァリマールが振り下ろした太刀が、イシュメルガの大剣をたたき折る。さらに返す刀でイシュメルガを薙ぎ払う。

 

「ヌォオオオ!」

「これで終わりだ。イシュメルガ!」

 

♪僕を目覚め さすように 手招きをする♪

 

 

《キングギリギリスラッシュ!》

《FINALATTACKRIDE DI、DI、DI、DIEND》

「音撃打・灼熱真紅の型、ハア!」

 

ミラ、アスム、海東の必殺技が3体のオーバーロードインベスを貫き撃破する。

 

♪予想外の 現在地 地図はいらない♪

 

《不可思議マジック!》

《平成ライダーズアルティメットタイムバースト!》

 

マリアが大量の?マークでビルドを拘束、月乃が撃ちだした光弾が、カード型のエネルギーの列を通り抜けビルドを貫き爆発。直後、オーロラカーテンによって姿が消えた。

 

♪とりあえず右 次、左 道は探すさ♪

♪それぞれの世界が(How many cards in the world)♪

♪僕に求めてくる(NO hesitation in my mind)♪

「これで決める!エクセルブレイカ―!」

「ヴァンダールの双剣、とくと味わえ。ラグナストライク!」

「ゴー、アルカディス・ギア!」

 

ユウナ、クルト、アルティナの全力の一撃が、多数のインベスを一気に撃破する。

 

♪通り過ぎずに 戦うこと♪

 

「一気に決めるぞ!」

「させるかぁああ!」

 

♪Ride the wind 駆け抜けろ(Get pass the world)このクロニクル♪

 

「狙います。ブリリアントショット!」

「しめえだ。ベリアルレイド!」

「ぬう!」

 

士が決着をつけようとカ-ドを取り出すと、イシュメルガ阻止しようとする。その時足元で爆発が起こり、イシュメルガの動きを阻害する。

 

♪手に入れてゆく 強さのCard♪

 

《FAINALATTACKRIDE L、L、L、LIN》

 

士がカードを装填すると、ヴァリマールの太刀にエネルギーが集中していく。

 

♪Your eyes will 旅の中(I got the cause!!)きっと見える♪

 

「ナイスフォローだ。2人とも!」

 

リィンはミュゼとアッシュにそう声をかけ、ヴァリマールは居合の構えを取る。

 

♪目指すべきゴールの場所が・・・Just keep on walking♪

 

「無想覇斬!」

「ぐぅおおおおおおお!!」

 

剣先を黙視できないほどの速度で放たれた居合切りが、イシュメルガを切り裂く。イシュメルガは断末魔の悲鳴を上げ、黒い光を放ちながら消滅した。

 

 

 

 

 

 

「おのれおのれおのれぇ!またしても俺の邪魔をしてくれる・・・!だが、今回はこれが手に入っただけでも良しとしよう」

 

スウォルツはそう言って持っている物を掲げる。スウォルツが持っている者はアナザーガイムウォッチ。あの戦闘後、飛ばされて転がっていたのをスウォルツが偶然発見した。所々破損しているが、完全に使えなくなったわけではない。しかも、イシュメルガが使用していたことでその力はさらに増している。

これを使えば面白いことができる。そう考え口を歪ませていると、ウォッチを持っていた手に衝撃が加わり、スウォルツの手から吹き飛ばされる。吹き飛んだアナザーガイムウォッチは粉々に砕け、完全に力を失っていた。

何者の仕業かとスウォルツが背後を振り返ると、そこにはドミネイトバイザ―ガンモードを構えている仮面ライダー焔がいた。焔はウォッチが完全に破壊されていることを確認すると、背中を向け現れたオーロラカーテンをくぐっていく。

 

「うあああああああああああああああああああああ!!!!!」

 

残されたスウォルツは、震えながら絶叫した。

 

 

 

 

 

 

 

「今回の件、本当にありがとう。改めて、心から礼を言わせてくれ」

 

イシュメルガを倒した後、リィンは士たちに精一杯の礼を言い頭を下げた。

ミラやアスムは慌ててリィンの頭を上げさせる。それを見ながら士は、この世界ではよく頭を下げられるな、と思いつつ自身も声をかける。

 

「礼は別にいい。その言葉は生徒たちに言ってやれ」

「・・・そうだな」

―――それでは、おぬしともまたお別れだな。

「・・・ああ、そうだな。ヴァリマールとまた会えるなんて思っても見なかったけどな」

―――それは我とて同じことだ。異邦の者よ。本当に感謝する。

「言っただろ。礼はいいと」

―――それでは、さらばだ。またいくつもの奇跡が重なりし時、また会おう。相棒よ

「ああ、また会おう。相棒」

 

お互いに別れを告げたリィンとヴァリマール。ヴァリマールの姿が透明になっていき、その粒子がリィンの手に集まる。

 

《ヴァリマール》

「これは・・・。ふ、そうか。これは君に託すよ」

「えっ!?でもこれは、リィンさんの大切な相棒じゃ・・・」

「そうだ。だからこそ、君に託すよ」

 

リィンは手に現れた、ヴァリマールの顔が描かれたライドウォッチをミラに渡す。ミラは最初は受け取れないと拒否していたが、やがて押し切られウォッチを受け取った。

 

「きょうかーん!」

 

その時、離れた場所からユウナの声が聞こえた。声の方向を向くと、Ⅶ組の生徒がこちらに向かってきていた。リィンはそれを見て、優しい笑顔を零した。

士はカメラを構えると、その優しい笑顔に向けてカシャリッとシャッターを切った。

 

 

 

とある場所にて、一組の男女が向かい合っていた。男は青年と呼べるくらいの見た目だが、女はまだ幼い見た目であった。

 

「どうしてあんな強引な手を使わせた?」

「それは貴方の世界の人間を、すぐに返すように言ったことですか?」

 

女が男に問いを投げかける。女は見た目に反して男勝りな不遜な喋り方で、男は見た目通りの冷静な声だった。女は男の返答に顔をしかめる。

 

「そうだ。オレが考えていた方法を取るのなら、アイツらでも良かったはずだ。いや、むしろあいつらの方が良かったはずだ。なのに何故わざわざすぐに元の世界に帰し、別のやつを連れてきた。よもや世界の崩壊が、とでもいう気ではないだろうな?時間はまだあったはずだ」

「・・・・・・」

 

女がどんどん問い詰めていくも、男は何も返さず沈黙を守る。それにいらいらしたのか、女は語気を荒げ始める。

 

「答えろ!貴様は何を隠している!」

「貴方がやろうとしていたことに、反対する気はありませんでした。あの世界ではなければ(・・・・・・・・・・)

「なに?どういうことだ?」

「残念ながら、それをあなたに教えることは出来ません」

「またお得意のだんまりか?」

「・・・ですが、それを知る権利は貴方にはあります」

「・・・つまりは、自分で見つけろという事か?」

 

女の問いに、またも男は答えない。しかし今度はその沈黙が答えとなっていた。

 

「はぁ、いいだろう。今回は折れてやる。だがその分、好き勝手やらせてもらうがな」

「いいでしょう。・・・貴方にはこれを渡しておきます」

 

そう言って男が女に渡したのは、1つのブランクウォッチ。女は意図が分からず訝しむが手に取った瞬間、突然ブランクウォッチは1つのウォッチに変わる。

 

「これは・・・」

「”これ”の扱いについては、貴方にお任せします」

「・・・・・ふん」

 

静寂が続き、やがて女が身をひるがえしオーロラカーテンを通って、部屋から出ていく。

それを見送った男は、部屋の天井へ目を向ける。そこには、複数の地球が浮かんでいた。

 

 

 

 

「おお!良い表情だね~」

「どうですか?栄次郎さんに教えてもらいながら作ってみたんですけど・・・」

「うん!美味しいよエルフナイン!」

「美味・・・」

 

光写真館では、栄次郎が士の撮った写真の人物の表情を見てほおを緩ませ、ミラと月乃がエルフナインが作ったというケーキを食べて絶賛していた。

 

「それでな?この世界の歴史ってとにかくすごいんだよ。とくにな、この―――」

「ああたくっ、本当にやかましいなユウスケは」

「やかましいってなんだよ。こういう世界の歴史って言うのは、結構面白いんだぞ?」

「どうせすぐ次の世界にいくのに、知ってどうするんだ?」

「それは・・・」

「たくっ。それにしても、恐怖を振りまく呪いとそれを打ち破り光をもたらした太刀を振るう英雄ねぇ。さしずめこの世界は、閃の軌跡の世界か?」

 

そう言いながら士は背景ロールに目を向ける。一体の騎士、確か灰の騎神だっただろうか。それが地面に刺さった一振りの剣の前に立ち、それを神々しい光が照らしている絵。初めは何のことか全然分からなかったが、今ではこれが何なのかは分かる気がする。アイツらのような英雄がいるなら、この世界も大丈夫だろう。そう思いながらコーヒーに口をつけた瞬間、背景ロールが切り替わる。

その音に部屋にいた全員の目が、背景ロールに向く。士は新たな目的地に、思いを馳せるのだった。

 

 

 

 

 

見渡す限りなにもない荒野。そこに立っているのは変身をしていない逢魔ジオウただ一人。彼女が自身の手のひらを見つめていると、そこに1つのライドウォッチが現れる。それは、ミラがリィンから譲り受けたはずのヴァリマールウォッチだった。それと同時にミラが体験したすべてが、記憶として初めからあったように刻み込まれる。

 

「これでまた一つ、手に入れましたか、過去の私よ」

 

言いながら、逢魔ジオウの正面に並んで浮いているウォッチの端に、ヴァリマールウォッチを浮かせる。

 

「このウォッチは、貴方の成長の証。ですが、まだ足りない。本当の真実を知るその日まで、貴方は成長することです」

 

その逢魔ジオウの言葉に反応するものは、1人としていなかった。

 

 

 

 

 

次回 仮面ライダーディケイド

「この世界でも、魔法が存在するんですね」「どうやら俺の役割は、教導官らしい」「時空管理局、か」「は、はい!高町なのはと言います!」「私は強くあり続ける」

~幼馴染は魔法少女~

 

 

 




ミラ「今回は質問が届いているので、私たちでパパっと変身したいと思いまーす!」
月乃「それじゃあ、1つ目」
ミラ「今後の話で、『本家ジオウ』にツクヨミポジションのキャラ、及び仮面ライダーツクヨミを登場させる予定はありますか?・・・はい、質問ありがとうございます!」
月乃「それで、どうなの?」
ミラ「厳しいんじゃないかなぁ。今でも登場キャラが多すぎて処理に困ってる部分があるし、今回がいい例だよ。調子に乗って戦闘キャラを増やし過ぎたせいで、今回ほぼ1万字だからね」
月乃「じゃあ、出さない?」
ミラ「どうだろ?今後の展開次第としか言えないね。じゃあ次行ってみよー」

月乃「今後の話において、ゲイツマジェスティを登場させる予定はありますか?だって。質問、ありがとうございます」ペコリ
ミラ「外伝で出てきたやつだよね。筆者は内容はある程度知ってたけど、見に行けなかったみたい。だから、海東さんの持ってるカードが関係してくるって初めて知ったんだけど・・・」
月乃「それで、変身するのかな?」
ミラ「してもいいんじゃないかな?月乃にも最終フォームはあってもいいと思うし。まあ、いつだすかは分かんないけど」
月乃「そう」
ミラ(あ、ちょっと嬉しそうな顔してる)

ミラ「あ!それと、質問を送ってくださった方が、私のイメージCVを考えてきてくださいました!」
月乃「考えてくださったイメージCVは愛美さんという方。代表作は『BanG Dream!』シリーズの戸山香澄や、『探偵オペラ ミルキィーホームズ』シリーズの常盤カズミ。・・・うん。なかなかいいと思う」
ミラ「そ、そう?」
月乃「ミラはクールなように見えて、実はちょっとポンコツでカッコいいというより可愛い系だから・・・愛美さんの代表作の戸山香澄とかキャラ的にピッタリ・・・ってどうしたの?」
ミラ「こ、これ以上は恥ずかしいから・・・恥ずか死ぬからぁ!も、もうこれで終わり!ねっ!」
月乃「むぅ。まだミラの可愛いとこ言い切ってないのに・・・」
ミラ「言い切らなくていいから。・・・え~それでは皆さん、次回もお楽しみに~!」
月乃「バイバイ」


私が考えたミラのイメージCVは早見沙織さんです。『魔法科高校の劣等生』の四波深雪というキャラがぴったりな感じですかね?
ちなみに私が考えた月乃のイメージCVは水樹奈々さんです。異論は認める。

1つの世界の話を前章、後章に分けてるんだけど、後章の挿入歌っている?

  • 入れてほしい
  • 邪魔。入れなくていい
  • 前章にも入れてほしい
  • 後章だけで良い
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