仮面ライダーディケイド 現実と幻想の狭間   作:神咲胡桃

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今回も長くなってしまった・・・


~未来を変えようをする少女と、今を守ろうとする戦士~

「いったいどこに行ってしまったんでしょう」

夏海は現在、光写真館を飛び出したミラを探している。しかし、探してもなかなか見つからない。夏海が土地勘がないこともあるだろうが、早い段階で見失ったのもあるだろう。そんなこんなで、とりあえず写真館の近くを探そうということにしたのだ。

「?、あれは・・」

と、そこで夏海はミラを見つけた。公園だろうか、ミラの後を追って、夏海も進む。しばらく進むと、開けた場所にでた。目の前に大きな湖が広がっており、公園というより広場という方がいいのだろう。探していたミラは、湖を眺めることができる位置においてあるベンチに座っていた。

「ミラちゃん。急にどうしたんですか、飛び出したりして」

「夏海さん・・・すいません」

ミラは夏海が怒っているのかと思い謝るが、夏海は別に怒っていない。だが、先ほどの話を聞く限り、きっとこの子にとってつらいことだったのだろう。なりたくないものになることとは、どれほど苦しいのだろうか。どれだけ未来を変えようと足掻いても、何一つ変えられないのだ。その苦しみは、きっと自分には分からないかもしれない。いや、同じような人を自分は知っている。

「なんだか似てますね、ミラちゃんと士くん」

「えっ?」

突然士と似ていると言われ、ミラは困惑する。そんなミラを見て、少し苦笑する。

「士くんって少し前まで、世界の破壊者としての運命に縛られてたんです。そして、士くんが抗っても、一度はその運命を受け入れてしまったんです」

ミラは驚きでいっぱいだった。

初めて会った時は、ミラがアナザーファイズにやられそうになっていた時に、助けてもらいしかも、圧倒的な力で倒してしまったのだ。士が運命に屈したなどとは、とても思えなかった。

「大体士くんは、いっつも自分ひとりでどうにかしようとするし、それで心配かけるし。でも、自分よりも他人のために戦うことができるというか、頼りになるときは本当に頼りになる。そんな人なんです」

「自分よりも、他人のため・・・」

「ミラちゃんにもいませんか。この人のために戦いたいという人が」

「わたしは・・・」

そういえば、自分はなんで戦っているのだろうか。

そう、自分の戦う理由に思いを馳せていると。

 

「ずいぶんと悩んでいるようだな、逢魔ジオウ」

 

 

「ここもだめか」

士も夏海やユウスケと同じく、ミラを探していた。だが、特に手がかりがあるわけでもないので、初めてミラと出会った公園に来たのだが、見つからなかった。それよりも、気になっていることがあった。

「おい、そろそろ隠れてないで出てこいよ、マリア。俺に何か用か」

そう、後ろの木に隠れているであろう人物に声をかける。すると、一人の人物があらわれる。それは、未来人であるマリアだった。尾行自体には最初から気づいていたが、いったい自分に何の用だろうか。

「気づいていたと、さすがですね。それでは、単刀直入に聞きます。あなたは一体何者ですか?確かにユウスケさんの仰ったとおり、この世界には過去にたくさんの仮面ライダーがいました。しかし、仮面ライダーディケイドなど聞いたこともありません」

「やっぱり、この世界の歴史にはディケイドは存在しないか」

思えば変だったのだ。この世界の歴史に仮面ライダーディケイドがいるなら、鳴滝はわざわざその存在を言うことはないはずだ。おそらくこの世界はジオウの世界であり、ディケイドが存在しなかった世界でもあるということだろう。

「じゃあ、次は俺だな。なぜミラの未来は変わらない。あいつは未来を変えようとしていた。なのに、少しも変わらないとはどういうことだ」

わざわざ士に世界の破壊を頼むほどだ。すでにいろんな方法は試しているはず。その問いにマリアはふっと微笑む。

「確かに、我が魔王は未来を変えるために様々な手段を取りました。時には、ベルトを捨てたこともあります。しかし、最終的には再び未来は戻っています。知っていますか。我が魔王が何故、”未来(みらい)”ではなくミラと呼ばせるのか。”みらい”から”い”を(・・・・・・・・・・・)取ることで不完全な未来とする(・・・・・・・・・・・・・・)。まるで子供の駄々のような抵抗。どうやら逢魔ジオウ、魔王となることが完全な未来だと思っているようです。それもまた、(・・・・・・)覇道の過程であり、(・・・・・・・・・)本質はそこではないというのに・・・」

「何?」

士はその言葉に違和感を感じる。逢魔ジオウというのは、おそらく未来のミラのことだろう。しかし、マリアの言葉はどういう意味だろうか。ベルトを手放しても未来は修正される。つまり、再びベルトを手にしているということだ。でなければ、最初に会った時、ジオウになっているはずがない。そして最後の、それもまた、覇道の過程であり、本質はそこではない、とはどういうことだ。士は考えを巡らせ、そして組み立てていく。その結果、士は一つの考えにたどり着く。

「っ!?まさか・・・」

「フッ・・。さて急いだ方がいいですよ。光写真館の近くにある。湖のある広場。どうやらそこに、我が魔王と光夏海さんがいるみたいですね。しかもこれは、どうやらアナザーライダーもいるみたいですね」

「なっ!?くそっ!」

それはまずい。今、ミラの変身アイテムであるライドウォッチは士の手元にある。これがなくては戦えないはずだ。士は急いでバイクに乗り、広場に向け走り出した。

 

「ずいぶんと悩んでいるようだな、逢魔ジオウ」

「あなたは、スウォルツ!」

突然現れた男にミラは警戒心をむき出しにする。いきなり現れた男とミラの様子に、夏海は戸惑うばかりである。

「ミラちゃん、あの人は誰なんですか?というか逢魔ジオウって」

「気を付けてください、夏海さん。あの男はスウォルツ。タイムジャッカ―です。」

タイムジャッカ―と言えば確か、ミラを倒そうとしている人のことだったはず。ならスウォルツという男はミラを倒しに来たのだろう。なら、逢魔ジオウとはミラのことなのだろう。

「そうとも。俺はスウォルツ。逢魔ジオウ、キサマを倒しに来た」

「ふん、生憎とそう簡単には・・・ってあれ、あれ?!ライドウォッチがない!?」

そういえば、もともとミラが写真館にウォッチを忘れており、危ないからと探していたのだった。しかし、ミラのライドウォッチは士が持っている。スウォルツは手を掲げ、怪人を呼び出す。あれがアナザーライダーだろうか?

 

≪OOO≫

≪BUILD≫

≪RYUKI≫

 

三体のアナザーライダーを従え、スウォルツが迫ってくる。そのとき

「やらせるか!」

二人の前に一人の青年が、立ちふさがる。

「ユウスケ!」

夏海が安堵の声を上げる。実はユウスケも広場に入る夏海とミラを見かけて追いかけたのだが、意外と広く夏海も見失い迷っていたのだ。やっとのことで二人を見つけると、襲われていたため救援に入ったということだ。

「ここは俺に任せて、二人は逃げて!」

「しかしユウスケさん!」

無茶だ。普通の人間がアナザーライダーに勝てるはずがない。しかし、それは普通の人間ならばの話だ。危険だと判断したミラの静止を聞かず、ユウスケは腰に両手を構える。すると、腰にベルトが現れる。アークル。霊石アマダムが埋め込まれており、その力でユウスケは変身する。ユウスケは右手を左前に、左手をベルト中央に置き、それぞれ、逆方向に動かす。そして、力強く

 

「変、身!」

 

その言葉と共に、ベルト左側のスイッチを押す。その瞬間、強い光と共にユウスケの体が赤い鎧に包まれる。今度こそミラは、その戦士の名を知っていた。

「仮面ライダー、クウガ」

「いくぞ!」

ユウスケは、アナザーライダーに向かって走り出し、先頭にいた。アナザービルドに拳を叩き込む。その勢いのまま、アナザーオーズも殴り飛ばす。アナザー龍騎が手に持った剣で攻撃するがそれをいなし、逆に蹴りをお見舞いする。

「ハアッ!・・よし、つぎはこれだ!超変身!」

ユウスケはもう一度、スイッチを押し叫ぶ。そして、クウガの体は青く染まった。ユウスケは、迫っていた敵の攻撃をローリングで回避し、近くの大きめの木の棒を手に取る。すると、ただの木の形は変わり、武器へと変化する。これがクウガの能力、「超変身」である。クウガのステータスを状況に応じて、変化させることができまた、周囲の物体を各フォームに合わせた武器に変えることができる。ちなみに現在はドラゴンフォームといい、棒状の物体を専用武器、ドラゴンロッドに変える。ユウスケは、ドラゴンフォームの素早さを生かして敵を翻弄する。

「フッ、八ッ!オオリャアア!」

しかし、もともと3対1。多勢に無勢である。徐々に押され始め、ドラゴンロッドをつかまれてしまう。

「しまった!ウアッ!」

その一瞬の隙を突かれ、アナザー龍騎の攻撃をもろに食らってしまう。

「ユウスケ!」

「ユウスケさん!」

夏海とミラが駆け寄るが、ダメージはひどく変身が解けてしまう。

「ふんっ。その程度か」

「くそっ」

(このままじゃ)

「逢魔ジオウもウォッチが無ければこんなものか。魔王として覚醒する日、逢魔の日に最低最悪の魔王となる貴様もここで終わる」

「くっ!」

(こんなものなの?最低最悪の魔王になってしまう私の力は、私を守ってくれる人たちすら助けられないの?)

「・と・・り・・せよ」

「うん?」

「っ!?ユウスケ、さん」

声が響く。小さくも力強く響き渡る声の主はユウスケ。ダメージは回復していないはずなのに、歯を食いしばり叫ぶ。

「取り消せよ、今の言葉。ミラちゃんは、最低最悪の魔王になんか絶対ならない。だって、この子は誰かを思いやれる優しい子だ!」

ユウスケはそう言う。そう信じて疑わないと、声を高々にして叫ぶ。思い出すのは、あの時、あの男に言われた言葉。

「この男が戦うのは、誰も戦わなくていいようにするためだ」「誰かを笑顔にしたい、そう信じてる!」「こいつが人の笑顔を守るなら、俺は、こいつの笑顔を守る!」

この言葉にユウスケは力をもらった。それがなければ、きっとあの人との約束だけでは、立ち上がれなかったはずだから。だから、

「ミラちゃんは誰かを傷つけるために戦っているわけじゃない。自分の未来が悲しいものでも、誰かをまもるために戦ってるんだ!」

「なぜキサマにそう言える」

「そんなの当たり前だろ!仮面ライダーっていうのは、誰かを守りたいという思いを持つ戦士の名だからな!」

だから、今度は自分が言うのだ。すべての人の笑顔のために、自分の未来に苦悩する、一人の女の子のために。

「ふんっ。だからなんだ。どの道、逢魔ジオウが最低最悪の魔王になることは変わらん!」

アナザーライダーたちが、ユウスケ達に向かう。まさに絶体絶命。その時、オーロラカーテンが現れ、アナザーライダーたちを弾き飛ばす。そして、オーロラカーテンが消えると、そこには・・・

 




はい、ということで、ユウスケクウガ&スウォルツ登場回です。
スウォルツのほうは、本家の方から引っ張ってます。設定考えるのメンド・・ゲフン!ゲフン!本家でThe悪役といった感じだからです。
ユウスケのシーンでは、士のクウガの世界でのお説教を元にユウスケがお説教します。
次回は、ついにジオウの世界編最終回です。絶体絶命のピンチに現れたのは・・・。そいて、ついにジオウの本領発揮!もちろん、あの男のお説教も!お楽しみに!
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