ドレッドなツノが生えてきた   作:魚介(改)貧弱卿

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リンカーネーション!

むん!!

ぬぁぁんもう!おまえ!

 

「おまえだよぉぉっ!

逃げるなアバドンっ!」

 

私は全力で走り去るアバドンを

ショートの↑+◽︎で追い詰めていた

 

 

「せぃ!やぁ!はぁっ!」

 

私の操るキャラ、データ2の主人公

タクトが軽快に地面を滑り

機械色の強い剣で、逃げる黒卵に少しずつ傷をつけていく

 

「よし!オラクル溜まった!…くらえぇっ!」

 

私は待機時間短縮型(シンプレス)メテオを解き放ち

 

巨大な銃口からペンタタイプ弾丸特有の循環光が閃く

 

オラクル節約だけでなく、威力のためには味方を巻き込まなくするBB(ブラッドバレッド)『識別』を抜いて害悪バレット状態で運用する必要があるので、私はそうしている

 

だって回転率が違うもん

 

〈ドゴォオォン!〉

 

天空から帰ってきたメテオが落着する瞬間、私はキャラに後ろを向かせて…

 

「うわぁあっ!」

「うわぁあっ!」

「うわぁあっ!」

 

三連爆発を利用して少しずつ進み

アバドンに近づく

 

猛ダッシュ中に爆発に巻き込まれたアバドンは狙い違わず爆死!ナムアミダブツ!

 

「よぉし!いただきぃっ」

私はキャラを立ち上がらせて

全力で走り、転がっている黒卵に

その剣の先端を向けて…

 

「がぶっ!」「喰らえっ…!」

 

タクトの声と、私の声がシンクロする

その瞬間、私の意識は途絶えた

 


 

 

……ここどこ?

 

吹き抜ける風が肌を撫で

照りつける太陽が私の頭を灼く

 

こんな体験は初めてだ

私は病院から出たことがないのに

明らかに天井がないし、

 

VRフィールドのような機械的な風もない、それに気温の差を立体的に感じる

 

それに、視界が広くてクリアだ

 

私の視界は半径3mだったのに

明らかにそれ以上遠くまで見える

それに無臭か、それでなくても徹底的に機械的な匂いだった病院とは違う

鉄のような匂いや、体験したことのない様々な匂いが感じられる…

 

…ん?

そもそもの話、

私の視点はこんなに低かったか?

ええっと

 

立ち上がってみようとしても、

感覚的にすでに立っているし

手を見ようとしてもできない

 

じゃあ足は?………!?

 

ギュジィィッ(どうなってるの)!?」

 

ギュジィギュゥアィ(いやなんて声だ)ッ!」

 

自分の声に驚いて悲鳴をあげた私は

一旦声を止めて、自分の現状を

冷静に、客観的に、把握することにした

 

大丈夫、生還率10%切ってる手術だって生き残った、心臓だって移植品(もらいもの)

私自身の死はいつだってそばにあったから

 

大丈夫、私は大丈夫

 

「……」

一旦呼吸を安定させて

ゆっくりと周囲を見渡す

 

何度見てもそこは、見慣れたステージ

『愚者の空母』

 

そして、私は体型的にどう見ても小型アラガミだ、腕、あるいは前足がない大型アラガミなどいない

 

世界観的にはここに集まるのは大型アラガミなんだけど…そういえば

 

テスカトリポカやヴァジュラ、プリティヴィー・マータと戦うステージだ

ルフス(紅の)カリギュラもここだったね

 

…どうも今は、私以外のアラガミはいないようだ

 

ギジュゥ(よぉし)…」

 

そっと空母の端まで足を運んで

水面を見る

そこに反射するであろう自分の姿を確認するつもりだ

 

「………」

 

嘘でしょ?

どう見てもこいつ、いや、私は

 

()()()()()()()

 

…アラガミにおいて、最強の個体と問われると、人は悩むだろう

世界を閉ざす者(てんてー)拓く者(隊長)を筆頭に、ルフスカリギュラ(トラウマ)ディアウス・ピター(セクハラジジイ)、様々な個体の名前が上がる

 

でも、最弱王を決めるなら

二種類に絞れるはずだ

その二種類とは

 

2で追加された種族、小型アラガミ

『ドレッドパイク』『ナイトホロウ』

この二種類は

それぞれ、近接攻撃と遠距離攻撃しかしてこない小型アラガミの中でも雑魚の中の雑魚

 

かつて最弱と名高かったコクーンメイデンだって、全方位攻撃も近接も遠距離もできたのに、こいつだけは動きも遅く遠距離に何もできないカモ、ランク7高難易度の時のコア狩りは忘れない

ドレッドパイク

 

 

もはや動きすらせず、近接に対応できない

コクーンメイデンより攻撃間隔が長く、曲射しかできないという大問題がある、小型アラガミ共通の全属性弱点の紙装甲を存分に活かした砲台

ナイトホロウ

 

…問題はその片方

個人的にナイトホロウより弱いと思うドレッドパイクに、私がなっていることだ

 

ギュィィ…(はぁ)

 

何もできない小型アラガミの中でも、ヴァジュラテイルのような強化体なら話も違う

…そもそもオウガテイルなら

上田の伝説を打ち立てた種族だ

 

ゴッドイーターだって倒せる、と示してくれた最強の一種でもある

 

「…」

とにかく、他の大型アラガミに見つかれば、鈍重なドレッドパイクには死あるのみ

移動をしなくては

隠れなくては

 

生まれてから病院を出たことのない私にはうまくわからないけど、確か愚者の空母の北側には鎮魂の廃寺がある、その中間地点なら

寒いかもしれないけど、

アラガミも…多分少ない

 

「…グァッ(よしっ)!」

 

とりあえず方針が決まった

何でこうなったのかはまるでわからないけど、それでも生きるために手を打つ必要がある

なら、考えるのは暇な時間にして

今は行動しよう

 

環境なんかに、絶対負けないっ!

 

……寒さには勝てなかったよ…

 

 

……んほぉぉ!暑いぃのぉぉ!………

 

 

よし、ここにしましょう

 

移動を繰り返して私が落ち着いたのは、結局『黎明の亡都』の植物園だった

 

元々が植物園だったと思わしき場所だけに、植物タイプのアラガミ、コクーンメイデンがいたのだが

私が来ると地面に潜って消えてしまった

 

…なんで?

 

考えてても仕方ないか

 

「グッガァ…」

とりあえず方針を立て直そう

比較的小型アラガミがいるこのエリアだが、もちろん大型も来る

マルドゥーク、クアドリガ、プリティヴィー・マータ、ガルム、ハンニバル、サリエル

とはこのステージで戦うのを覚えている

 

だが、グボロ・グボロくらいしか

初期にこの位置にいることはなく

マルドゥーク決戦時のガルムの位置は

図書館側の最奥地

 

したがって、鈍重なドレッドパイクでも、この位置ならば…禁忌種でも来ない限り、安心できると思う

 

なので私は

この場所を根城に、しばらくの間

生活してみようと思います

 

…無論、大型アラガミが来れば

討伐に来た部隊(ゴッドイーター )についでに狩られてしまうので、大型が来ないことを祈りながら

 

 

 

さて、ドレッドパイクって

進化できたっけな?

 

オウガテイル→ヴァジュラテイル→ヴァジュラ?

ザイゴート→サリエル→堕天→アイテール・ニュクス→ヴィーナス

のように、小型アラガミからの

進化らしき現象も確認されている

 

グボロは知らん

 

のだけれど…ナイトホロウとドレッドパイクは…どう進化するのか…?

 

大穴でナイトホロウがサリエルになる可能性もなくはないと思うけど

ドレッドパイクは…ボルグカムラン?

 

でもボルグの遠距離技である針飛ばしって、どう見てもオウガテイルの蛾眉峻だよね…ううん…どうなるんだろう

 

ちょっとわからない

どうせ朽ちるだけの人生だったんだし

アラガミになったならなったで

真っ当に動ける神生を楽しみたいし

 

色々実験して見ましょうか

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