ドレッドなツノが生えてきた   作:魚介(改)貧弱卿

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壁は白く高く

さらばオウガテイル=サン!

無警戒な貴様が悪いのだ!

死ね!

 

「イヤーッ!」「グワーッ!」

「イヤーッ!」「グワーッ!」

「イヤーッ!」「アバーッ!」

「イヤーッ!」「アバーッ!」

 

連続でカラテシャウト(無論濁音満載(グロンギ)語でだが)をあげながら一方的にオウガテイルをボコり、突き倒して

腹をえぐり、コアを奪う

 

ギババジバヅ(イタダキマス)

 

まるごと一口でコアを飲み込み

一気に食べきる、最近の常食だったのと、中型のコアという一段上のステージを体験したからなのか、すぐに吸収しきることができた、さて、性能は…

 

【ファンブル!】

 

マジか…なにも取れなかった…

やっぱり中型のコアじゃないとダメなの?私の体はいつからそんなにグルメになったの?偏食因子の偏食ってそういう意味じゃないよね?

 

「…グギィ…」

 

しょうもない事を考えている私に

背後からかかる影

 

その姿は…天の羽衣を纏う死蝶

サリエル

 

「ッ!」

 

乱戦にならなかった分マシと考え

私は即座にアバドンを退避させる

そして、

 

「ジッ!」

 

わざと声を出してサリエルを引きつけ

糸を紡ぎ出す

 

「…ギジュム…」

 

蜘蛛の糸に掛かるは、死を告げる蝶

その水色の翅を絡め取る!

 

「ジュゥッ!」

 

糸を吐き出し、真っ直ぐに飛ばすが

するりと横回転(ターン)したサリエルに躱される、それと同時に

翅の上に、四つの光弾が出現し

連続で私に飛来する

 

「ギッ!ザジブ(弾く)!」

私はツノの前にオラクル防壁を展開して

射撃を防ぐ構えをとるが

サリエルの光弾は、大型でありながら遠距離特化のアラガミだけあって非常に強力

一発、一発と受けるたびに防壁が削られてゆくのを感じる、そもそも(ドレッドパイク)アイツ(サリエル)では出力が違いすぎる

大型と小型の差は大きい

サイズの壁は高いのだ

 

三発目、捕食しきれないオラクルが

私のオラクル防壁をついに破壊する

 

四発目、最後の一撃は私へと真っ直ぐに向かってきて…防壁を破壊された反動で動けない私を撃ち飛ばす

 

「グジュッ!…ギィィ…ヌ!」

 

アラガミの戦いとは

オラクルの戦い、オラクル細胞の支配力が高い方が勝つ、それを宣言するかのように

私の真正面に立ったサリエルは

 

そのまま羽衣を広げて

私を捕食しようとして

 

羽衣を食い破られた

 

「ギベ、ダガゴンバ」

 

口汚く罵りながら

反撃のレーザーを回避する

急所(尾状器官)を突くために背後に回ると、即座に反転して毒をばら撒いてくる

 

「ガッギジィィッ!」

「……〜〜……」

 

歌うような謎のポーズとともに

奇怪な音を立てて天を仰いだサリエルを中心として、光の柱が出現

私を弾き飛ばそうとする

 

だが、当然それは飽きるほど見てきた動作、対策も頭の中には入っている

…私の頭がかつてと同じとは思えないけど

 

ギズド(いくぞ)…」

 

低く声を発すると同時に

チャージ、サリエルを中心として円形に展開された光柱を突破するために、毒弾を発射し…自分に当てた

 

ギヅヅ(いっつ)…」

 

ノックバックすると同時に、

光の壁の中に滑り込む

 

「ッ!」よし!攻撃を受けてない

あの光の柱はゲーム通りだ

 

「ジジギァァッ!」

「ヒユッ!?ー」

光柱を展開しているサリエルは

僅かながら驚いたような声を出して

光柱を中断しようとするが

そんなことをさせるつもりはない

 

速攻でチャージを終えた私は

そのままツノの一撃を繰り出し

サリエルの足をどつく、どつく

思いっきりどつく!

 

オラっ!テメェ大根みてぇな脚しやがって!恥ずかしくないの?!

 

「ジジギァァッ!」

「ヒキュゥ!」

 

飛び上がって高度を上げることで四度目のどつきを回避したサリエルだが

脚には痛々しい痕が…痕がぁ…

 

消えました(絶望)

 

そう、ゲームと違って結合崩壊はそこまでの難易度がない代わりに、根本的にオラクルを枯渇させるか、コアに損傷でも負わせない限りすぐに傷を負った部位まるごと再生してしまう

 

「…ジギッチ…」

 

深く呼吸して、私の唯一有効打足り得る攻撃を…捕縛糸を発射する

 

「ゴガァァッ!」

 

当然回避しようとするサリエルは一回転の動作をとり、横にスライド、

ワルツでも踊っているつもりか?

 

そして、そんな動作も

私の記憶通りであり、それに対して無誘導弾を当てるコツも、心得ている

 

「ジュ!」

「ヒェァぇ〜ァァ…」

 

サリエルの腕に着弾した糸は捕獲用、粘性の強い糸だ、当然それを剥がそうと試みるサリエルだが、私の捕獲糸は連射可能、次々に付着する糸はついにサリエルの動きを制限し始め、必死にもがくサリエルに糸は絡み付く

 

「ヒキュ…ビュエァ!」

 

ついに動きを止めたサリエルは

光の壁を広範囲に展開して、糸を丸ごと薙ぎ払った!

 

ガザバ(バカな)…」

 

お返しとばかりにレーザーが連射され、ステップで回避を試みる私を追尾して

命中した直後、爆発する

 

「ッ!」

 

まずい、ひっくり返された

このままでは…やられる

 

「ギギィァァッ!」

 

私は足をばたつかせるが

当然ながら甲の裏までは足が届かず、空を掻くだけに終わり…サリエルは余裕の表情で私に近づいてくる

 

「ゴギ…ガァ…ラァゥ!」

 

私は意地で足をばたつかせながら咆哮をぶちかまし…そして、ついに私に噛みつこうとするサリエルの頭の邪眼をカチ割った

 

ローリングアタック

そう、先日習得したばかりの新技

本来は縦回転ではないが、ツノの一撃に回転を加えて加速させるスイングを応用し

オラクルを背中に向けて体を浮かせることで即時復帰を可能とすると同時に

接近してきた敵への奇襲を繰り出す

 

オラクルを大量に使ってしまったけど、それでもサリエルに食われる事態だけは回避できた、うん、コンゴウ堕天に感謝しよう…ありがとう

君のことはきっと多分5秒くらい忘れない

 

でも今はそんなことを考えてる場合じゃないからごめんね!

 

「ジジギァァッ!」

精一杯の咆哮とともに、頭を押さえているサリエルにツノを突き立てて

ヒートアップさせたツノで邪眼に追撃しつつオラクルを奪っておく

 

そして私は

 

ガジョバサ(サヨナラ)!」

 

全力で、(ありもしない)尻尾を巻いて逃げ出すのだった

 

大型には勝てない

もっと、偏食因子を強化しなきゃ

もっと、いろんなものを食べなきゃ

 

今はまだ、勝てない

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