ドレッドなツノが生えてきた   作:魚介(改)貧弱卿

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西暦2068年 3月27日 午前10:25

あ、まずいですよ…

 

あっあっあっあっあっあっ

 

あひいいぃ…なんてね、

大丈夫、催眠なんてかかってない

催眠なんて掛からないからぁっ!

 

 

本当だよ?

こう言ったからには掛からなきゃいけないような流れを感じるけど

そんなの掛かってないからね?

 

大丈夫

ただ虫型に戻っちゃっただけです

うん、大事件だよ、大事件

でも分かっていたことでもある

そう、いわゆる時間制限があるんだよね

その時間も…三分間!

ほどに短くはないんだけど、一時間!みたいに定量的に決められるものじゃなくて

かなり柔軟に前後するっぽい

 

…某Twitter小説的な意味での『前後』ではないけど…オラクル細胞、エネルギーの消耗、経過時間、捕食摂取したオラクル細胞の量や質

 

色々と勘案した上での総合的なゲージ?みたいなのが尽きると強制的に虫形態…オリジンフォームに戻ってしまうらしい

 

何もせずに人?型…オリジンフォームになぞらえて、偽りの姿(アナザーフォルム)としようか…への変身を維持できるのは約1時間

捕食を続けていれば何時間でも維持できるけど、消耗が限界を上回ったらその時点で解除されてしまうらしい

 

この前ヴァジュラに挑んだ時に

変身強制解除される仮面ライダーの気分を味わってきたから間違い無いだろう

 

ラァ、ゴンバ ロボゾ (まぁ、そんなものを)ガジパデデロ ゴロギソブ バギベゾ(味わっても面白くないけど)

 

ともあれ、強制解除に至ってしまったということは、それなりに消耗しているということ

あのラーヴァナにそれほどに追い込まれていたということだ

 

私も未熟か…

 

「ガガオン」「ミュゥッ!」

 

やってきたのはアバドン…なんだけど

なにか最近、

やたらと足が早くなっている

何故なんだかはわからない

…少なくとも、昔よりずっと早い!

 

いや、通常の三倍早い

と言った方が的確かもしれない

 

とにかく私の目がギリギリ追いつくレベルで動き回る、全力での戦闘機動(マニューバー)なら、私を振り切るどころか、全力のシユウすら撒く

 

それぐらい早い、いやヤバイ

煌く流星の如く最高速度でカッ飛んで、いつのまにか視界の遙か先へと消えてゆき

気づいた時には体当たりで吹き飛ばされている、まさにキングクリムゾン

体当たりされたという過程を飛ばして吹き飛んだという結果だけが残る

 

いや、アレはたしか

『スタンド使用者本人だけがその存在を感知できる時間に入る』とか『スタンド使用者本人が予知した未来の時間を[なかったこと]にしており

 

[なかった事にした]時間は他の存在には[なかった]ので関与出来ないが、時間自体は流れているため、その間に行われた行動は完了している』

という説明だったよね?

 

うん、複雑だね…

 

まぁ、いいか

とりあえず虫型に戻ってしまった以上、することは一つ…そう、

 

オラクル狩りじゃぁっ!

一狩り行こうぜ!

 

…うん、GOD EATERはハイスピードアクションハンティングゲームだから、

狩りで間違いないよ?

 

決して

(アラガミが)ハイスピード(アラガミが)アクション(ゴッドイーター)ハンティングゲームじゃないよ?

次々に襲いかかる過酷な運命を、理不尽な敵の数々をその実力で乗り越えていく

実力の問われるゲームというだけで

 

「ミミミミミッ!」

 

あ、アバドン!?

 

アイツまた行ったよ…

そのうち帰ってこなくなるんじゃないかと思っているけど、今のところ私の背中が

定位置なのは変わっていないようで

帰ってくると私の背中をひとしきり滑り台にしてからベッドへと変える、

 

私の背中に冠する素材名はきっと

【アバドンの寝床】だろう

 

…まったく、お昼頃には帰ってきてね?

 

 


 

「いくぞ!第08小隊!出撃だ!」

「「「応!」」」

 

俺は真田アラタ、フェンリル極東支部の第四部隊所属…要はヒラのゴッドイーターだ

 

当然安月給でうまいもんは食えないが

アラガミは食う、それは仕事だからだ

 

俺の神機はブレード型の第一世代

名前は『Raguel』(レギュール)っていうんだが、

刀身は『ブレード序』盾は『剛属性バックラー』

 

第一世代の神機はオラクル細胞の結合が固くて単純な作りをしている分、

『パーツの変更ができない』『遠近どちらかにしか攻撃力を持てない』

という問題がある、そのぶん

ブレードやシールドは強固かつ強化しやすく、人に適合しやすいらしい

 

まぁ、榊博士のお仕事みたいな難しい話は俺にはわからない、でも神機でアラガミをぶっ殺すのは俺にもできる、んで、才能がある人にしか神機は扱う事ができないらしい

だから俺は、神機を使う

 

アラガミをぶっ殺すのために

俺みたいに先のない人間を、

これ以上増やさないために

 

俺はゴッドイーターとして、俺の神機(相棒)を『レギュール』を振るう

 

ブレードは[序]なんてついてると、簡単とか、弱いって見えるかもしれない、でもこれ実はランク5相当の逸品だ

もちろん鍛えたんだ、こいつはゴッドイーターという職が定着する以前からの古い物で、今までで三回持ち主が変わっているらしい

 

その度に性能がリセットされているらしいから、鍛えたのは俺だけど

俺の前の持ち主はランク10まで鍛えていたっていうらしいし、俺も頑張るさ

でないと、ブレードの前の持ち主にも、相棒にも悪いしな!

 

「いくぞ、置いてかれたいのか!?」

「今行きますよ!」

 

「待ってるわよ?」

「早く来いよ!」

「こら急かすなよ、焦らすと悪いだろ」

 

先輩がたはみんなランク7.8に相当する実力者で、みんなヴァジュラやシユウくらいなら一人でも狩っちまうんだ、射撃型の神機なはずの紅一点、

『内藤 成美』(ナイトウナルミ)先輩が一撃でシユウを撃破して驚いたのは記憶に新しい

 

『ゼラール』が使用神機の名前で

氷の属性を持った狙撃銃を使っている

 

本人は運だ天賦だと言っていたけど

そんな簡単に起こるような物じゃない、つまりあのコア一撃破壊は実力だと思う

 

俺には到底できない

 

「先輩!いきましょう!」

「…お前調子いいな」

「だから不和を起こすなっての」

 

喧嘩売ってきてるのが半年分だけ先輩の『佐藤 敏雄』(サトウトシオ)で、止めてるのが神機使い歴3年のベテラン、『桜庭 秋人』(サクラバアキト)さんだ

 

トシオは封神属性という、特殊な弾を使えるアサルトライフルの神機『アーマース』

銃身名を『五十二型機関砲』を使って

ヴェノム、封神、ホールド

いろいろな状態異常と弾幕とトラップによる迎撃が得意で、戦線の構築がうまい

この前ヴァジュラを一人で30分引き回した挙句に倒していた

 

アキトさんは…論外だ

シユウ相手に拳で語っていた

神機忘れた、とか言ってシユウ相手に殴り合いながらアラガミのいない世界はどうこうと語った挙句にそのまま撃退していた

 

ちなみに神機はショートブレード型の第一世代、昔は第零世代の神機(ピストル型)

『サンダルフォン』を使っていたらしいけど、今はショートブレードの『メタトロン』で、『超発電ナイフ』と『剛支援シールド』を使っている

 

メタトロンは忘れられてしまって、神機保管庫に置きっぱなしになっていることが稀にあって、そういう時は俺が運んでいる

…起動していない神機は重いけど

ナイフ型は小型だから、そんなに重くないのだ…なにより、メタトロンは偏食因子がそんなに強くないのか、俺を捕食しようとしない

 

「さて、今回は…アラタ!」

「はい!」

「お前がソロでやるんだぞ、頑張れ」

「が、頑張るって、何をですか!?」

 

「おいおい、聞いてなかったのかよ

今回はお前の訓練だぞ?グボロ・グボロ単独討伐頑張れっての」

 

「…oh……」

 

俺が絶句していると

隊長は笑いながら肩を叩いてきた

「大丈夫大丈夫!本当に危なくなったら助けてやるから!」

 

「…それ、本当ですか?」

「間に合わない場合は保証できない」

 

「ダメじゃないですか!!」

「おい騒ぐなよ、見つかるだろ?」

「あ、はい」

 

今のは自分が悪かったから、

敏雄にも素直に謝る

 

「まぁ仕方ないわよ…そうなったら、最低限の援護はしてあげるからね

頑張って♪」

「はいっ!全力で!完膚なきまでに!叩き潰します!」

 

「「わかりやすすぎる」」

 

「あ、あはは…私はちゃんと見てるから、カッコいいところ、しっかり見せてね」

「はいっ!」

 

なんともやる気が出ることを言ってくれる成美先輩のエールで完全復活した俺は

単独で黎明の亡都のエリアAから飛び降り、ステージのエリアCに潜伏しているらしいグボロ・グボロの元へと向かった

 

「ぬごおぉぉっ!狙撃イィ!?」

 

長距離砲による狙撃を何度も回避しながら少しずつ近づき、ブレード序で何度も斬りつける、体の柔かい部分、硬い部分を把握して、闘い方の方針を立てるためだ

 

とりあえずグボロ・グボロの大体の斬り方は把握した、まずするべきは

 

「よぉぉっし!」

 

砲塔の破壊

刀身の横、『剣の腹』や『鎬』と称される部分で殴りつけ、グボロ・グボロに神機を刺したまま飛び上がり、ダイナミックシュート!

 

飛び蹴りでブレードを蹴り

刺した状態から柄をさらに押し込む!

 

「だぁらっしゃぁぁっ!」

 

上下半身を分割したグボロのコア目掛けて一閃!三枚おろしにしてやったぜ!

 

コアをブチ抜いて沈黙したグボロ・グボロに背中を向けて、いざ凱旋というその瞬間

 

「油断しないの!」

 

どこからか飛んできた小型アラガミ

コクーンメイデンの砲撃に腹を撃ち抜かれそうになり…それを氷の銃撃が相殺した

 

「こりゃあ研修やり直しかな…」

「やーい、油断してやらかしてやんの」

「もう、途中までは格好よかったのに、最後で台無しよ?帰ってくるまでが任務

リンドウくんだって分かってるのに」

 

あ、怒られる?

これ内藤先輩のアイスエイジ到来?

 

「…諦めろ、お前が悪い」

「いやだぁぁぁぁっ!」

 

「…俺はあれに比べれば大型アラガミの単独討伐の方が楽だと思う…」

「俺もだよ、まったくだ」

 

遠くで野郎どもが軽口を叩き合っているのを尻目に、俺は笑顔の内藤先輩に『手招き』されるのだった

 

この後滅茶苦茶説教された

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