「
「…
「
グロンギ語で会話しながら
ずっと話していると、そろそろ体が慣れてきたのか、翻訳の手間がなくなってくる
グロンギ語はそのままだけど
ちゃんと真っ当に…少なくともアラガミ同士では…会話できるようになってきている
「…
ザイゴートはつい先ほどに、あたり一面に転がしてしまったので、今度狙うのは
小型アラガミのなかでも割と強いオウガテイル系、堕天がベスト、原種がベター
ハズレはヴァジュラテイル他の亜種
小型ならなんでもいいの精神だけど、とりあえず単体でも十分に戦えるヴァジュラテイル系や能力のわからない突然変異体を相手にするのはリスクが高い
「…
そんなのんびりとした声に
私は反論しようとして…やめた
それは性であり、格だ
私が
「
「
アバドンを背中に乗せた私は
シユウの速度に合わせてトコトコと歩く
もちろん体格差があるから置いていかれないように早歩きで、
しかし足音を立てないように丁寧に
アラガミに転生してからというもの
もとより動かなかった体を動かせるようになった反動で運動に目覚めた私は、とことんまで歩きつめる事で歩法の奥義を習得したのだ
別に奥義ってほどのものじゃないけど、それでも学んだことに違いない
効率の良い歩き方であったり
音がならない歩法であったり
独学ではあれど、学んできたものはある…うん、ちなみに私の速度はどんどん上がっている、最終的にどうなるかはわからないけど、少なくともオウガテイルやコンゴウの移動速度では追いつかない程度のスピードを出せる
戦時最大瞬息がシユウの滑空キックを振り切るくらいの速度と言えばわかるかな?
…我ながら速さが足りてるな
…っ!
「ジギッ!」
オウガテイルを見つけたと同時に走り出し、即座にその背後を取る
同時にシユウが正面から立ち塞がり
単独のオウガテイルでは分が悪いと判断したか、オウガテイルは反転して逃げ出そうとして…その瞬間、赤熱化したツノによって
上下半身を分断された
「ジュッ…
そのコアはアバドンに奪われたが
まぁ肉質は食べられた
…オラクル細胞の密度が低い、低レベルな肉質だったから、あまり量もなかったけど
それでもオラクル細胞の補充はできた
「
「
一緒にやろう、その一言が心強い
病院はネット環境が貧弱だったせいでアドホック通信くらいしかできなかったけど
それでも強い人に手伝ってもらった時の討伐成功率は高い…そう、それの対策だけのためにソロ専ミッションなんてカテゴリーが作られたくらいに人がいるってのは違う
私はランク1神機でもランク7くらいまでは十分に戦えるし、真のエリートは神速ハンニバルだってランク1のクロガネセットで倒せる
それくらいは簡単とか言いながら神業神回避連発するけど…まぁ、NPCでは出来ないだろう技だってプレイヤーならできる
彼が一緒に来てくれるのは本当にありがたい
なにせ、私だけでは維持できない機動力がある、最終的には空を飛んで逃げるという新たな撤退ルートの開拓すら可能なのだから
…よし、次に行こう
「ギブゾ…オウガテイル!」
「
オウガテイルを見つけた私の声に
彼が返事をして、即座に飛び上がる
「
空中に上がったシユウは
羽を後ろに、足を前に出し
大きく羽を煽ぐことで重力と推進力のベクトルを合成、斜め下へと飛び降り
「
機械音声のような声で宣言しながら
黄色いビームのような光条を飛ばし
流石に展開こそしなかったが、オウガテイルに突き刺さったそれごと
オウガテイルの体をブチ抜いた
「
「
「… ゲゲ ドデデロ」
笑いながら似非ゴルドスマッシュを褒めていると、その瞬間、彼の下半身が消えて無くなる
「シユウッ!?」
「ゴガァ…」
そこにいたのは、機械色の強いブレード型の神機を構えた青年、そう
「ギジッ!」
「シユウ一体、それと見たことのない虫型のアラガミがいるが…新種か?」
「…隊長、先走り過ぎです
いくらシユウが不意打ちに気付いてなかったとは言え、隊長は」
「イイんだよそんなこと…お小言は後で聴かせてもらうさ」
そんな声が聞こえた瞬間
私は全力で食欲を飛ばし
全身のオラクル細胞を暴走させて
彼のコアだけを咥えて走りながらそこら中を侵食、捕食、位相転換して爆破
を繰り返した
地を侵す脚と空を隷する背は
暴走レベルまで活性させながらも本来の捕食器官である口部分はオラクル活性を抑えて
彼のコアを呑まないように調整する
そんな高度なオラクルコントロールを続けながら走り出し、撤退を試みる
「なんだこりゃ…すごい火力だな」
「当たれば危険だけど、まぁ当たんないでしょ」
私の全速力にすら追いついてくるそのゴッドイーターたちは、幸にして旧型の神機、
隊長と呼ばれていた方がショート、隊員の方がロングのブレード
そんなことはどうでもいい
重要なのはブレードの効きが悪いはずのシユウの足を一撃で切断できるほどの威力を持ったショートブレードを振り回す男が敵であることだ
「ギッ!」
背中に向けて振るわれるブレードを避け
どこからか飛んでくるスナイパーライフルの弾を捕食吸収し、アサルトの弾幕を
オラクル防壁に任せて突っ切る
そして、私は切り札を切った
生存のために、戦うために
私は私の心を燃やす
コンゴウ堕天を含めた幾多の氷属性アラガミの肉を食らってきた
ラーヴァナやガルムから、炎属性を奪ってきた
オラクル細胞の能力の一つ
学習再配列により、
肉体は際限なく形を変えていく
シユウのコアを咥えたままで
足を踏み締め、存在しない手を強くイメージする…夢想の手の左には炎、
右には氷のオラクルエネルギーを抽出し
先んじて右の氷を開放し、周囲の大気と地面を霜がつくほどに冷却する
続いて左の炎を解放し
一気に拡散させると同時に走り出す
冷却された空気と地面に
膨大な熱量が干渉し、熱が均質化しようとするエネルギーの流動が発生して
冷却されていた空気が白く濁り
局所的に発生した上昇気流に乗って吹き上がる
それは、熱と氷で構成された煙幕となって私を隠した
瞬間最高速度を更新する勢いで逃げながら煙幕を発生させ続ける私に
ついに追跡が限界を迎えたのか
追撃の気配が途切れる
………よし、逃げ切った
最初にオウガテイルを倒した地点に戻り、アバドンと合流すると、アバドンはシユウのコアを奪い取ろうとしてきたので避けて、ツノで牽制しながら雑魚アラガミを探す
「
コアだけになってしまった彼にも
ちゃんと体を用意してあげないといけない…体がなくなったせいで進化レベルもリセットされました、とかにならないといいんだけど
…最低でもあのゴッドイーターは極東最強と称されるソーマ・リンドウ以下だし、
ソーマ・リンドウ・主人公(ツバキ)の極東三貴神に集中攻撃されても生き延びるくらいに強くなるためには、あの程度の一般通過ゴッドイーター程度、秒で無力化できなくてはならない
もっと進化を続けなければ