刀身パーツを吹き飛ばした直後
私はタケの方に全力で駆け寄り
消耗したオラクルの回復のために空気や水を喰いながらタケに話しかける
「
この戦場では先に動いた方が勝つ
だから、先にタケは飛行能力で撤退させて、私はサリエル譲りの浮遊で空中に上がる
ヨルムンガルドが天空から襲ってこないことを祈る
そして、私は空中に上がって
そのまま射撃を繰り返す
今までのアラガミは曲射やら壁反射弾やらなんて戦術は使ってこなかっただろう?
認識があめぇんだよ(悪口)
「
光で形成されたボウガンからさらなる矢が放たれる、それは風の力を宿した爆発を起こし、次々に射掛けられる矢が視界を奪う
そして
「……!」
飛行速度を上げた私は、全力で空中をスライド移動して戦域を離脱するのだった
「……
エリアを離脱し、飛んだ先は
ステージ『鉄塔の森』
すなわち廃工場
その鉄塔の上である
別に私はサリエル種の特性があるからって廃液飲んで堕天する気なんてサラサラないし
そもそも雷属性でもないのに工場廃液なんて飲んでも仕方ないのだけど
とりあえず人型が維持できる時間の限界になってしまったので不時着である
「
そっと腰を下ろした煙突の先から
遥か下のフィールドを見やる
忌まわしきエリック上田のオウガテイルが待機していた隠れ場所に当たりをつけて
その場所を視認することのできるポイントを頭に叩き込む
そして、それが終わった後
煙突から適当に飛び降りた私は
かなり強く地面に体をぶつけて転倒し、その衝撃をエネルギーとしてオラクルに転換する事で回復を図った
多分これが『ジャストガード時体力回復』スキルのアラガミ版なんじゃないかな?
え、都合が良い?
オラクル細胞なんてモノは大概都合いいんだよ、それ単体で世界の6割くらい説明できるレベルなオラクル細胞回りほどの都合の良さは珍しいけど
アラガミ=オラクル細胞集合体
ゴッドイーター=
神機=人工的に調整した制御されるアラガミ
ホールドトラップ=細胞の特性に干渉し、一時的に拘束する偏食因子投与装置
装甲材=偏食因子による忌避物質
回復アイテム=オラクル細胞の高密度凝縮体、または体内に強く作用する偏食因子(?)
↑ナナ曰く原料がオラクル由来
(ナンクルナイサー開発時に判明)
こんな感じで
この世界の不思議なことは大概オラクル細胞かそれに由来する偏食因子の力で解決している
私がそんな都合いいことをしてはいけないなんて言われてはいないし
別に縛るつもりもない
それで生存できないなんてのは嫌だからね仕方ないね
まずは一旦帰らないと
人型を維持できる時間の限界が来てしまったから、まずは虫型のまま移動か
やっぱり起伏の激しい地形は虫型のままだと辛い
一気に飛んでいけるのってやっぱりすごいよね、スパロボとかSDガンダムとかのシュミレーションゲームでの地形影響とか移動性質とかの計算は圧倒的に『空中』移動が有利だけど
それだけのアドバンテージと言っても確かに過言ではないだろう
さて、行こうか
これで何匹倒しただろうか?
俺は何匹目なのかもわからないザイゴートを切り捨ててステップを刻む
極東支部はかつて無いほどのアラガミの襲撃に遭い、神機使いは討伐班どころか防衛班も偵察班も救護班さえ狩り出しての全力で戦闘中なのだ
「クソ!数が多すぎてキリがない!」
「泣き言なんて言わないのっ
私まで泣きたくなるじゃない」
「はいっ!すいませうぉぉあっ!死ねやゴラァァッ!」
どこからか湧いてきたオウガテイルを惨殺し、そのまま突き刺して
大きく上に振り上げることで
刀身に突き刺さったオウガテイルを投擲する
そいつが飛んだ先にはこのエリアの群れのボス…ヴァジュラの顔面があった…狙って飛ばしている訳だが
「グァッ…ガァァァッ!」
こちらを向いたヴァジュラに突進し
ジャンプ、そのまま勢いを生かしてマントから背中まで一直線に回転切り
空中で変形させた神機で尻尾を捕食、食い千切って直後にシールドを展開
属性バックラーは雷だけでなく全属性に高い耐性を持つ小盾なので
全方位雷撃のダメージはほぼない
「先輩!使ってください!」
「了解っ!」
神機の刃の付け根部分から
先ほど捕食したオラクルを使った
オラクルアンプルが充填され
それが満ちたところでアンプルを外して投げる
「真田くん!これ返すわっ」
空になったオラクルアンプルが空中を舞い、俺の手に戻ってくる
俺はそれをジャンプで受け取りながら着地直後にダイブロールしてザイゴートの毒弾を躱し、姿勢を戻して再度走り出す
既にアンプルは神機に装填されていた
「隊長達が居なくたって…俺はァァァッ!」
再度斜め後ろから切り掛かり
ヴァジュラの後ろ足を切り刻み
正面に向き直ったヴァジュラに三連撃、そこからさらに続けたかったが、スタミナのためにゼロスタンスを取るその瞬間、俺は背後からコクーンメイデンのビームに背を焼かれた
「うぁっ」
「真田くん!」
「まだだぁぁっ!」
体勢を崩し、一息の挽回は不可能
目の前にはヴァジュラ
獣神の名を冠する雷の王
たとえ目の前にこんな紛いものじゃない本物の神がいようと、それが諦める理由にはならない!
「っ!」
充填したオラクルアンプルを外して、片手を神機から離す
ヴァジュラの前足が迫る
それが俺を叩き潰す前に
俺の手は、自分の首にオラクルアンプルを押し当てていた
「うおぉおおぁぁがぁあっ!」
視界は赤い、体温が上がっている
感覚は悪寒が占め、ノイズのような不快感が全身に走る
だが、体は動く!
「ぜぇぁぁっ!」
アンプルを放り捨てて
右の拳を振り上げる
同時に、ヴァジュラのパンチが繰り出され
拳はその威力を相殺する
気づけば俺の手は、いや全身は
金色の光を纏っていた
「真田くん!何があったの?!」
〈アルファ4、体内の偏食因子が急増しています!腕輪の損傷状態を確認してください!〉
「いや、問題ないよオペ子
んで先輩、ちょっと分かんないです
でも、やれることはわかる」
金色の光を纏って、
「行くぞヴァジュラ、電気の貯蔵は十分か?」
「
ヴァジュラの体当たりをシールド展開体当たりで押さえ込む、そのまま脳天にブレードを突き込み、首へとL字の数を入れる
背中に飛び乗り、ブレードを傷に刺し込む
即座に修復されゆく傷口でも、それが確かに在る事には違いない
ブレードを更に深く押し込み
そして、そのまま胴体にあるコアへ
体内から捕食形態に変形させた神機が伸びる
『ゴグン』
剣は寄る辺なく
盾は志高く
銃などと言うものは無い
古の剣、それは神を貫く一振りとなる
百獣を統べる雷の王 獣神ヴァジュラ