ドレッドなツノが生えてきた   作:魚介(改)貧弱卿

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西暦2068年 4月6日 午前10時30分

「任務任務任務〜任務ーをーうけーるとー……金が金が金が〜……金が〜もらーえる〜」

 

「うわぁ……なんだその最低な歌詞」

「お?やんのかお前、金は人生における最高のエッセンスだぞ

これを欠いた生活なんて出来ないくらいだ」

 

トシオが笑いながらアサルトライフルを振り回し……連射弾でオウガテイルを蜂の巣にする

 

今日はトシオと俺の二人っきりでの任務なのだ(絶対に嫌だったが)

先輩に頼まれては仕方ない

 

「いや金が大事なのはわかるけど

その選曲にその歌詞はひどいだろ……な!」

 

ブレードを幹竹に振り切って

飛んできたザイゴートを一刀両断した

 

出てきたコクーンメイデンにブレードを突き刺してそのまま体内を捕食しつつ後ろのザイゴートに向けて捕食形態のオラクル繊維を展開して振り返り

大顎を解放して丸ごと噛み潰す

 

「じゃあアレか、ジャズでもかけようか?

お前にゃ似合わねえけどな!」

 

トシオの方も飛来したシユウの口の中に左手を突っ込んで顎から胸までを引き剥がし

コアに直接炎弾をしこたま叩き込んでいた

 

「ジャズとか知らねえんだけど

なにそれ」

「1900年代にアメリカで出来たらしい音楽の形態、俺もよくしらねぇ

独特の曲調と明るさがあってクセになるってことだけはよーくわかる……ぜっ!」

 

極太レーザーを連射してきたサリエルの攻撃を躱して、反撃の爆弾を叩き込もうとバレットを切り替える、その瞬間

 

「上田!」

「は?……ぬぉぉらぁぁっ!」

 

異様な跳躍力で上から飛んできたオウガテイルがトシオを丸かじりしようとして

しかし囓れたのは銃口だけだった

 

体内に直でオラクルを流し込まれたオウガテイルは爆砕して霧散

その隙を狙ってきたサリエルの体当たりも

 

「ぜぁぁっ!」

 

シールドを展開した俺の突撃で相殺されて無惨な隙を晒すのみと成り果てた

 

「行け行け行け行けっ!」

 

シールドを閉じて着地と同時に捕食形態を展開した俺の神機がジェットのように余剰オラクルを吹き出して加速し

離れた地点から再度加速、一方的にサリエルへと飛び込んで

 

「おぶぇぁっ!?」

 

不快な衝撃とともにそのスカートに衝突する

「バッカみてぇなことしてんなお前」

「ふざけんなお前に言われたくねぇわ!」

 

スタングレネードを直接叩きつけてクリックリの瞳を焼き付かせつつ胴体を丸ごと縦に切り開いてやると、サリエルはぐったりとおとなしくなったので胸のあたりにあるコアを捕食して引き抜いてやる

 

「コレっていくら位になる?」

「サリエル原種なら100000fcくらいじゃね?

綺麗にコアとれりゃ神機作れるっていうしっ!?」

 

トシオの足元から唐突に生えてきたコクーンメイデンが飛び出てくると同時に針を凄まじい勢いで伸ばして

あわてて神機の横腹で受けるトシオ

 

銃形態の神機にはシールドはないが

銃オンリーの第一世代神機は流石に脆弱性を危惧したのか、横腹だけには簡易的な装甲がある

神機そのものを盾として横腹で受ければコクーンメイデンの腹くらいなら構うほどのダメージは無い

 

「っぶねぇな死ねやゴルゥラァッ!」

 

開いたままの前面部から特大の針を伸ばしたコクーンメイデンは

そのまま針自体での追加攻撃を図り

しかしその前にコアを氷漬けにされていた

 

《こっちは終わったから、援護に来たわ》

 

耳につけたインカムから流れるのは先輩の声

「助かった!死ねぇぇぇっ!」

 

バルカン砲か何かのように凄まじい勢いで弾を吐き出すトシオの神機を尻目に

俺は氷漬けにされた特殊個体コクーンのコアを綺麗に捕食するのだった

 


 

さて、拠点はだいたい完成した

高度に偽装された地表のアスファルトやコンクリート等の土類製防壁(オラクル細胞由来でない)と十分に精製された貴金属のスレート板、さらに抗オラクル性を持つ偏食因子を練り込んだ高強度鋼による多重ハニカム構造の内壁

以上の三層装甲(トリプルアーマー)を持つ地下拠点、

名をメガロポリス・ヤマト

手塚治虫の『火の鳥』に登場する

西暦3400年の未来に於いてメインステージとなる地下都市の名を借りたそれだ

……最終的に滅ぶとか言わない

 

ゴッドイーターの世界が基本的に時間軸上の未来の話で、荒廃した地上と驚異的な異生物が存在し、さらに厳格な管理体制を敷く閉鎖的社会の支配する一部生存領域にしがみつく愚かな人類という構図があまりにもぴったりだっただけ

 

最終的には2主人公による地球環境の再生が行われるのも、そこに至るまでに前主人公が報われずに道筋だけを残して終わるのもそっくりだ

 

ズガガ……(ふぁぁ……)

 

おおきくあくびをして

床の中で一段高くなっている畳ゾーンに乗る

畳と言っても民家から状態の良いのを取ってきた古いそれだけれど

私が初めて見た実物の畳だから、少し感慨がある

 

畳の上で思い切りゴロゴロするのは少し憧れていたから

 

やっぱり寝るのは気分がいい

 

「ミュー……」

 

アバドンも寝る?なら隣どうぞ

「ラミュ!キミュゥ〜……スピー……」

 

寝るの早いなコイツ

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