レイジside
「うっは、何だあれ……」
『す、凄い……』
俺とグレンは、少し離れた所で放たれた赤紫色の砲撃を見て驚いていた。
あいつ……名倉周平、だったかな。
よし、俺達も続こう。近くにターゲットは、っと……。
よし来た、あの交差点を左か。。
左折すると、感知した通りに1体のターゲットが。
速さでは勝てないと判断したのか、その1体は少し高めに浮遊を始めていた。
……が、甘いね。
「グレン!」
『う、うん!』
空を滑る様な形で、足が地面を離れる。
今まで走ってきた勢いそのままに、ターゲットを斬る……よし、破壊。
グレンは周辺の知覚等を強化してくれる他、ユニゾンしている間は俺に飛行魔法を可能にしてくれるという、何とも便利な機能がある。
知覚範囲はそれなりだし、飛行魔法はあまり高くまでは飛べずに滑空してる事もあったりするけど、それでも十分に助かる。
さて、残りは6体か……まずは少し遠くに見える2体を倒すか。
そう考えた、将にその時。
ゴッ!
赤紫色の砲撃が1体を破壊。
更に琥珀色の魔力弾が数発もう1体に殺到し、それを破壊した。
周平とレオンの2人か!
「ヤバい、2人に手柄取られる……急ごう!」
『でも別に、10体破壊出来ればそれで良いんじゃ……』
ユニゾン中のグレンが俺の独り言にぽつりと呟く。
いやいや、せっかくやってるんだしさ。
「やっぱ負けられないでしょ!」
『え、え~……?』
こら、何でそんな微妙な声を出すんだ。
あれか。俺がいつもめんどくさがりだからか。
まあめんどくさがりなのは事実だけど、こういうのは話が別なんだよ、うん。
という訳で。
『Sonic move!』
加速して次のターゲットを探す。
……お、少し離れた所に1体発見。
遠当ては得意じゃないけど……やってみるか。
『Gale slasher!』
俺のオーヴァードとしての能力は、ハヌマーンのピュアブリード。
魔力変換素質・疾風を持ち、それと速さを武器とするのが俺の戦い方だ。
魔力を操り、風の刃を形成。
白銀の魔力光を伴うそれを……放つ!
AMFに威力を弱められながらも、それはなんとかターゲットの破壊に成功する。
あ、危なかった……手を抜いてたら破壊出来なかったな……何だかんだでキツいな、AMFって。
これで……後3体!
(残り3体。だね)
(こっちで1体見つけた。そのまま追い掛ける)
((了解))
念話でお互いに状況を確認し、そして気配を探しながら走る。
……お、丁度3体が合流、一気に高度を上げた。
同時にこちらも合流。
上に逃げたターゲットを見て、周平が右手に装着されたデバイスを向ける。
「レッドシフトブレイザー」
『Red shift blazer!』
赤紫色の砲撃がまた放たれた。
しかし今度は上手く行かず、1体を撃破するものの、他2体にはギリギリで避けられてしまう。
2体が砲撃の余波で体勢を崩したのを見て、俺がナイフ型のデバイスを、レオンがボウガン型のデバイスを構えたのは同時だった。
『Sonic move!』
加速して飛行、一気に1体に迫る。確実に仕留める……!
「でやあああ!」
「ファイア!」
『Disruption!』
俺が相手を斬り裂いたのと、レオンの放った数発の魔力弾がもう1体に直撃したのは同時だった。
これで10体撃破。
ミッション完了……っと。
という訳で。
「3人共、ミッションお疲れ様!良い動きだったよ」
俺達3人はなのはに労われていた。
「良いデータも取れました。あなた達のデバイス、きっと最高の機体に仕上げますから!あ、周平さん、後でその子を貸して下さいね」
シャーリーも満面の笑みだ。
俺専用のデバイスか……一体どうなるのかな。楽しみだ。
「さてと。とりあえず3人共、今日はもう大した用事は無いから……自由にしてて良いよ」
なのはさんからのありがたいお達し。良いね、じゃあ今日は寝るとしようかな。
「ここで、まだ新人フォワード陣の訓練は続けるんだよな?ちょっと見学させて貰って良いか?」
「うん、構わないよ」
という訳で、レオンだけは訓練スペースに留まり、俺と周平は戻る事に。
周平とも別れ、自分の部屋に向かう途中。
「あ、いたいた。レイジ!」
俺に声をかけてくる人物がいた。
俺を機動六課に連れてくる切っ掛けとなった、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンだ。
「ん、何?」
「うん、ちょっと一緒に来て欲しいんだけど……良いかな?」
「別に良いけど……どこに?」
「医務室だよ。レイジの身体の検査をしないといけないから」
カチン、と。
俺の身体の動きが封じられた気がした。
「え、えっと……何故、に?」
「ほら、周平とかレオンと違ってレイジって民間協力者だから、まだ正式に魔力ランクの計測とか受けてないでしょ?それに、一応レアスキルがあるかどうかも確かめなきゃ……って、どうしたの?」
言っている途中で俺の様子をおかしく感じたのか、首を傾げて聞いてくるフェイト。
可愛い……じゃなくて!
ヤバい。色々と、マジでヤバい。
俺は、本来リンカーコアも無くて魔法なんか使えなかったのに、レネゲイドなんて得体の知れないウィルスの力で魔力を使っている状態。
しかも、レネゲイドにより魔力を行使する魔導士……オーヴァードには、力を使えば使うほど理性を失っていき、その果てにはジャーム……ただの化物に成り果てるといったとんでもない性質がある。
こんないつ爆発するか解らない爆弾のような危険な人物を置いておこうとする部隊はまず無いだろう……いくら俺が、グレンのユニゾンによってある程度抑制出来ると言っても……。
「な、何でもない。……えっと、それは出来るだけ早くやった方が良い、のかな?」
「うん、デバイス制作の参考にもするからね」
「……」
俺の隣にふわふわ浮かぶグレンが不安そうに俺を見る。
……ええいままよ!
要するに身体に異常が見つからなければ良い訳だ!
それに、レネゲイドのおかげでリンカーコアが俺の体内に作られてるかもしれないし!
「オーケー、行こうか」
「おかしいわね……魔力は確認出来るのに、リンカーコアが見当たらないなんて……」
無理でした。
医務室にて、困惑半分険しさ半分の表情のシャマル、そして彼女の言葉に驚いているフェイトの目の前で俺は椅子に座って頭を抱えていた。
やっぱ無理でした。バレた。
リンカーコアは無い……やっぱり、レネゲイドの力だけで魔力を使えてる訳か。
「えっと……レイジ。これはどういう事?」
これ以上は、隠し通せないよな……しょうがない。
「えっと……俺は普通の魔導士じゃなくてさ。レネゲイドって特殊なウィルスで魔力を使ってるんだ」
「「!」」
あれ?何その反応?
「じゃあ……あなた、オーヴァードなの?」
「「!?」」
今度は俺達がシャマルの発言に驚かされる番だった。
「え?何で知ってんの?」
「だって……レイジと一緒に訓練した、周平もオーヴァードだから」
「……は?」
マジで?
フェイト説明中。
「……はぁ、なる程ね……」
フェイトの話を聞き終えた俺は、また頭を抱えたくなっていた。
マジかよ、時空管理局にオーヴァードの部隊とかあったのか……。
俺が何でも屋とかで細々と生きていた今までの努力は一体何だったんだ。
「ねえ、レイジ……その、レイジも、やっぱり研究所で……?」
そんな俺に、フェイトがトーンを落とした声で質問してきた。
……あー、そうか。フェイトはそういう「人体実験」とかに特に敏感なんだよな。
「まあ……な。肝心な事はあまり覚えてないし……あまり気にしてないけど」
言葉を選んだつもりだけど……それでもフェイトは顔を俯かせた。
……参ったな。
フェイトに嫌な思いをさせたくは無かったんだが……生真面目だし、色々思う所があるんだろう。
あー、とりあえずこんな空気は勘弁願いたい。
「えっとさ。とりあえず……こんな俺だけど、この部隊に協力しといて良いのかな?」
そう聞くと、彼女は顔を上げて俺を見つめ……微笑んで、俺の手を握った。
「勿論だよ。これから……よろしくね」
と、いう訳で。戦闘及びレイジがオーヴァードと発覚する事となりました。
戦闘描写がまだイマイチですね……どうしたもんか。
レイジはレネゲイド課の存在を知らなかったので、こそこそ(?)生き続けてましたが……これでオーヴァード用のデバイスを作ってもらえるよ!やったね!
……うーん、どうしようかな。折角のDXだし、出してみようかな……あれとかあいつとか……。
えーと。
感想やアドバイスお待ちしております。
では。