スバルside
父さんとギン姉へ。
お元気ですか?スバルです。
私とティアの2人が機動六課の所属になって2週間になります。
「おはようございます」
「おはようー」
「おはよう……」
本出動はまだなくて、同期の陸上フォワード4人は朝から晩までずっと訓練漬け。しかもまだ一番最初の第一段階です。
「おはよう!フリード」
「キュク~」
部隊の戦技教官……なのはさんの訓練はかなり厳しいんですが、しっかりついていけば、もっともっと強くなれそうな気がします。
当分の間は24時間勤務なので、前みたいにちょくちょく帰ったりは出来ないんですが……母さんの命日には、お休みを貰って帰ろうと思います。
「……あ!」
「おはようございます!」
「おはよう!よーし、今日もやるぞ~!!」
「「お~!」」
「朝っぱらから元気ね……」
じゃあ、またメールしますね。
スバルより。
周平side
「はい、みんな集合ー!」
「はい!」
「……はい……!」
「「……はぁ、はぁ……」」
なのはの言葉に、スバルは比較的元気に、ティアナ、エリオ、キャロは肩で息をしながら返事する。
スバルの体力凄いなぁ……少しずつとはいえ、もう適応し始めてるよ。
って、それはともかく。
「あの。なのは?何で僕は呼ばれたの?」
そう、僕はなのはのすぐ近くに立っているのだった。ちなみにセットアップ済み。
「ちょっと手伝って欲しいんだ……まあ、ちょっと待ってね」
そう言うと、なのはは新人フォワード陣に向き直った。
「……それじゃラスト1本、頑張れる?」
「「「「はい!」」」」
「よーし、それじゃシュートイベーション、行くよ!レイジングハート!」
『All right。……Axel shooter』
なのはの周りに、10発弱の魔力弾が浮かぶ。……あれ全部遠隔操作してるのか……流石、エース・オブ・エースの名は伊達じゃないね。
「……私と周平君の攻撃を5分間被弾無しですませるか、私に一撃でもクリーンヒットさせれば訓練終了だよ。一発でも被弾すれば……また最初からやり直し。頑張って行こう!」
……あー、そういう事か。
(砲撃の使用は?)
(無しだよ)
(ですよねー)
念話で軽く話してから、僕も少し構える。
「とりあえず。出せるだけ出してみようか。ライジングサン!」
『All right、master。Heat bullet』
なのはみたいな数は出せないけど、数発の赤紫色の炎弾を生成する。
やっぱりデバイスの補助は凄いね……これが無かったら、僕は魔力弾を撃たないまま維持、ってのが中々出来ないんだよね。
「……みんな、今の状態で5分間なのはさんと周平さんの攻撃かわし切れる自信ある?」
「無理!」
「き、厳しそうです」
「……厳しい、ですね……」
ティアナの質問に、ほぼ同時に答える他3人。
「それじゃ、何とかしてどっちかに一撃入れよう!」
「だね!」
……出来ればこっちには来て欲しくないかな……なのはと違って、僕は防御魔法があまり上手くない……砲撃の練習ばかりに時間割いてたし……。
「方針は決まった?それじゃ……スタート!」
なのはの号令。
それと同時、赤紫色と桜色の魔力弾が動き始める。
新人フォワード陣達は、あっと言う間に散開していった。
さて……どこから来るかな?
お。
ティアナとスバルの姿を確認。
なのはも気付いたらしい、僕とほぼ同じタイミングで魔力弾を飛ばす……が、当たった瞬間それらの姿はかき消えた。
「幻術、か……やるね、ティアナ!」
ウィングロードを展開してなのはに迫る、1人の少女。
あっちが本物のスバルか!
「はああああ!」
『Protection!』
振るわれるスバルの拳を、桜色の魔法障壁が防ぐ。
ふと、なのはに目配せされる。
……ああ、なる程。
「それじゃ遠慮無く。ファイア!」
『Heat bullet!』
スバルに向かって炎弾を発射。
すぐに気付いたようで、スバルもウィングロードを通ってすぐに距離を取った。
なのはに反応について褒められても、当の彼女は僕となのはの魔力弾に追い掛けられてはそれどころじゃなかったり。
……あ、相殺された。今のはティアナか。
「フリード、ブラストフレア!」
「キュクー!」
!
キャロか!
チビ龍の口から放たれる炎を、こちらも魔力弾をぶつけて相殺させる。
って、今度は橙色の数発の魔力弾!?ティアナか!
『Gravity shield』
重力操作、斥力発生による障壁を形成、それ等を防ぐ。
見れば、またスバルはなのはに殴りかかっていた。
……あれ?
エリオは?
……って、あ。
ヤバい!
「あっちか!」
「やああああ!」
先程、キャロからの攻撃が来た場所。
そこから、エリオが槍を構えて凄まじいスピードでこちらに突貫してきていた。
ただの加速スピードじゃない、キャロの補助魔法付きか!
『Gravity shield!』
斥力、最大……!
その直後、凄まじい衝撃が僕を襲った。
魔力障壁を張ってもその勢いは消えず、僕は見事に吹っ飛ばされる。
「きゃっ!?」
吹っ飛んだ延長上にいたなのはにもぶつかってしまい、そしてようやく止まる。
「あいたた……え、えーと、周平君、大丈夫?」
「……い。てて……。大丈夫。だよ」
なのはから身体を離し、身体の点検を手早く済ませる。
『Mission complete!』
「あー。痛かった。おめでとう。ミッションコンプリートだ」
あーあ……あの一瞬だけ斥力を最大限に引き上げればなんとか弾けるかなって思ったんだけど……。
「本当ですか?」
まだ信じられないらしいエリオに、バリアジャケットのそこそこに焦げた様な痕が付いた部分を指差して示す。
「ほら。僕のここに。ちゃんと届いてる」
それを見て、エリオの顔に笑みが浮かぶ。
「じゃ、今朝はここまで……一旦集合しようか」
「「「「はい!」」」」
なのはの言葉に、みんなが集まる。
僕も……と、少し歩いた時だった。
ゾクン、と。
ナニカが脈打った。
身体がアツくなる。
喉がイタい。
メマイがスる。
心臓のコドウがウルサくなる。
早く。早く。はやく。はやく。ハヤくハヤく。ハヤくハヤくハヤく。
ハヤクハヤクハヤクハヤク。
……何を、早く。
壊せ。
破壊しろ。蹂躙しろ。ねじ伏せろ。撃ち砕け。
壊せ壊せ。
コワせコワせコワせコワせ。
目の前の幸せを。
モロスギル幸せを。
ガラスノヨウナシアワセヲ。
一思いに、コノ血ノ脈動ニ賭ケテ破壊シロ!!
壊す?
冗談。
思い出せ。
思い出して、イメージしろ。
フェイト。はやて。スバル。ティアナ。エリオ。キャロ。レイジ。レオン。ユーゴさん。アヤメ。イサム。ディフィ。
なのは。
みんなの笑顔を、思い出せ。
コワセ!
僕が、ヒトである為に。
ユーゴさんの教えを、レネゲイド課の生活を思い出す。
……しばらく深呼吸を繰り返す内に、「それ」は収まった。
……ふう。
久々に来たな……グラビティシールドとかでちょっとやり過ぎた?
まあ……収まって何よりだけど。
なのは達に近付いてみれば、スバルのローラーから煙が上がっていた。
「……皆、訓練にも慣れてきたし、そろそろ実戦用の新デバイスに切り替えかなぁ?」
ティアナのアンカーガンの調子も聞いた後、なのはは顎に手をやりながら呟いた。
「あ。もう完成したの?」
「うん。レオン君のも完成したし、周平君のも色々強化してるよ。後、レイジ君のは今レネゲイド課の方で色々やってるみたい」
ああ……だからレイジを見なかったのか。
新デバイスと聞いて、スバルを中心に新人フォワード陣がはしゃぎ出す。ティアナもスバルに対して呆れた様な様子を見せながらも嬉しそうだ。
そんな、和やかな雰囲気を眺めていると。
(ねえ、周平君。大丈夫?さっき、辛そうにしてたみたいだけど……)
なのはから念話が入った。
見ると、彼女は僕を心配そうに見ていた。
(あ。いや。さっきのエリオの一撃が予想より凄くてさ。参っちゃうよ。まあ。今は大丈夫だから)
(……そっか。なら、良いんだ。無事で何よりだよ)
説明すると、なのはも引き下がってくれた。
誤魔化せた……かな。
余計な心配を掛ける訳にいかないしね。
まだ、大丈夫だ。
先に行って手を振るスバル達にこちらも手を振り返し、後を追う。
そう。
まだ、大丈夫。
昨日書いたFH編でテンションが上がってしまったらしく……やたらとスピード出ました。訳が解らないよ。
という訳で(?)訓練及び、周平の衝動です。
あまり、レネゲイドのダークな部分を書いてなかった気がしたので、ここで描写することになりました。
周平の衝動は読めば解ると思いますが「破壊」です。この衝動に呑み込まれれば、砲撃を乱射する危険な奴に早変わりです。
まあ、本人はそうなっても何とかしてくれる人がいる、なんてちょっと呑気に考えてますが。
感想やアドバイスは大歓迎です。
それでは。