リリカルクロス~裏切り者達の歌~   作:ドラゴマキナ

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戦闘直前

レイジside

 

 

 

「……なる程、凄いなこれ」

 

俺はレネゲイド課の訓練スペースにて、感嘆の声を漏らしていた。

 

『気に入って貰えて何よりですよ』

 

スピーカーより聞こえる穏和な声。

レネゲイド課の部隊長、ユーゴ・ミストライトさんだ。

 

手にしたデバイスをまた振ってみながら、感触を確かめる。

 

レネゲイド課、及び機動六課の技術を集めて生み出されたデバイス。

それが今、俺の手に収まっている。

 

『まだまだ改善の余地はあるとは言え、最新式のオーヴァード用機能を搭載しています。それだけでも、だいぶ感覚は違うかと……』

 

ユーゴさんの説明を聞きながら、確認を終えた俺はバリアジャケットを解除し、デバイスを待機状態に戻す。

 

「これなら、だいぶ安定させやすくなるね」

 

「うん。お前に掛ける負担も少なくて済むな」

 

嬉しそうに微かに微笑むグレンに、俺も笑って返す。

色々苦労掛けちゃってるもんな……こいつにも。よくよく考えれば、まだはっきりとした礼をしていない……考えとくか。

 

『……さて、今の所問題は無いようですね。あなたのお迎えが、玄関に来ている様です。また、何か有ればご連絡下さい』

 

「あ、はい。本当にありがとうございました」

 

改めて礼をしてから玄関まで出てみると、そこには1台のカッコ良い黒の車、そしてその中、運転席の窓から微笑む金髪赤眼の美人。

 

そう、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンだ。

 

はやてを聖王教会に送った帰りに立ち寄ってくれる事になっていた。

感謝して助手席の方に乗り込む。

 

そして、道路を少し走った所で、緊急連絡が入ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

パーキングエリアに到着し、フェイトはまずグリフィスに連絡を取る。

 

「こちらフェイト……グリフィス、こちらは現在パーキングに到着。車を止めて現場に向かうから、私とレイジの飛行許可をお願い」

 

『了解、市街地個人飛行、承認します』

 

フェイトは車を止めて外へ出ると、デバイスを取り出す。

 

『Get set』

 

「……バルディッシュ・アサルト……セットアップ!」

 

『Set up』

 

フェイトは金色の光に包まれ、デバイスを展開。

身体が黒を基調としたバリアジャケットに包まれる。

 

 

 

さて、俺も続こう。

いきなりの実戦だが……あの感覚なら、問題は無い。

 

 

 

デバイスを取り出す。

 

「グラディウス、セットアップ!」

 

『Stand by、set up』

 

白銀の光と共に、身体がバリアジャケットに包まれる。

 

薄めのプレートで出来た様な銀と白を基調とした上着、そして下は動きやすそうな紺色のジーンズ。

全体的に鋭角的なデザインだ……うん、やっぱりカッコ良い。

 

「グレン」

 

「うん」

 

「「ユニゾンイン」」

 

それからグレンとユニゾン。

レネゲイドの抑制サポート、それから飛行魔法が必要になるからな。

 

 

 

「ライトニング1、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン……行きます!」

 

「ロングアーチ、レイジ・ミルフィング……行くぞ!」

 

そのまま高速で飛行し、現場へ向かう。

……飛行魔法まで改善されてないか?だいぶ勝手が違う……流石インテリジェントデバイス、か。

 

さあて、張り切って行きますか!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

周平side

 

 

 

 

現場に向かうヘリ内部にて。

 

「新デバイスで、ぶっつけ本番になっちゃったけど……練習通りで大丈夫だからね」

 

「はい」

 

「頑張ります」

 

なのはがスバルとティアに話しかけ、二人が答える。流石に緊張してるか。

 

「エリオにキャロ、それにフリードもしっかりですよ!」

 

「「はい!」」

 

「キュクゥ!」

 

良い返事だ。

けど、キャロは少し浮かない表情だ。フリードも心配そうに見ている。

 

 

 

少ししてから、通信が来た。

なんでも、飛行型ガジェットが来たとの事。

 

「うん、私も出るよ!フェイト隊長とレイジ君と一緒に、空を押さえる!」

 

「解りました。ご無事で!」

 

パイロット、ヴァイスとのやり取りの後、なのはは外へ飛び出す準備をする。

と、くるりと振り返り、キャロに声を掛けた。

 

「ね、キャロ。大丈夫だよ……キャロの魔法は、みんなを守れる、優しい力なんだから」

 

そう言うなのはの言葉に、キャロはコクリと頷く。

 

「ん。リインちゃん、周平君、後はよろしくね」

 

「解ったよ」

 

「はいです!」

 

それから僕等ともやり取りをして、彼女は外へ飛び出していった。

 

 

 

 

 

……うーん。

なのはに励まされても、まだ悩んでるみたいだね。

僕も何か言ってみるか。

 

転生者仲間であるレオンとアイコンタクトをしてから、僕はキャロの前まで移動し、屈んで目線を合わせる。

 

「……怖いかい?自分の力が。誰かを傷つけるかもしれないって事が」

 

あ、ビクッとした。

目を見開いて、少しの間だけ僕を見つめると。

 

「……はい」

 

小さな声で呟いた。

 

「うん。解るよ。僕も怖い」

 

「……周平、さんも?」

 

 

 

「そうだよ。どんな力だって。非殺傷設定だって。誰かを傷付けたり。下手をすれば殺せたり出来ちゃうんだ。敵味方関係無くね」

 

 

 

「っ!」

 

僕の言葉にキャロは怯えた様に身体をすくめた。

同時に、僕の言葉に何かを言いたそうにしているスバル、ティアナ、リインの3人に手のひらを向け、待ってくれと合図する。

 

こればかりは、僕に話させて欲しい。

「レネゲイド」なんて不安定な力を持つからこそ、今話したい。

 

「僕の魔法って不安定でさ。何時。何が。起こるかなんて解らないんだ。僕の中で何かが暴れまわって。大切なものを壊しちゃいそうで。結構怖い」

 

砲撃は確かに得意技だけど、あれだって相当練習した。

それでも、今でもたまに怖くなる。

あの破壊の一撃を、仲間の誰かにぶつけちゃうんじゃないかって。

 

「最初は大変だったよ。本当に制御出来なくて。沢山傷付けて。沢山壊した」

 

あの研究所での日々。

人体実験、そして戦闘テスト等の繰り返し。

何度か暴走してしまった事もあった……その間の意識が無いのは、ラッキーなのかどうかは解らないけど。

 

「……すか?」

 

「ん?」

 

そんな風に考えていると、キャロが口を開いていた。

 

「何で、そんなに平然と、していられるんですか?怖いのに……誰かを傷付けちゃうのに……!」

 

確か、キャロは龍使いとしての才能が凄いんだったっけ?

それが原因で、里を追われた。

 

その力はあまりに大きすぎた。

こんな少女のちっぽけな身体で、それを受け止める形になった。

暴走してしまうのは、まあしょうがない話なのかもしれない。

 

けど。

 

「確かに怖い。誰かを傷付けかねないから。その力の重みはとんでもない」

 

だけど、と僕は続ける。

 

 

 

「その力を使えば。救う事が出来るものがきっとある」

 

 

 

ハッとした目で、キャロは僕を見る。

 

「力の使い方によって。誰かを護るか。誰かを傷付けるか。それは全部。その人次第なんだ」

 

右手を……いつも砲撃を撃つ際に使う手をキャロの前にかざす。

 

「確かにこの力は怖い。だけど。この力があったから。僕は何人かを救う事が出来た」

 

ジャームを吹き飛ばし。

違法研究所をぶち抜いて。

こんなやり方でも、確かに僕は誰かを救った筈なんだ。

 

「要するに。力とどう折り合いを付けるかなんだ。僕はともかく。キャロならきっと出来る」

 

だって、と僕は続ける。

 

「フリードは君の仲間で。親友で。家族でしょ?なら。フリードを。自分を信じれば。きっと上手くいくよ」

 

「自分を……フリードを、信じる……」

 

そうそう、と微笑みながらキャロの頭を撫でてやる。

 

「迷ったり。悩んだりするかもしれない。でもその時の為に。仲間ってのはいるんだから。ね?みんな」

 

そうやって話を振ると、スバル、ティアナ、リイン、エリオ、レオンの5人は頷いた。ヴァイスも頷いているのが肩の揺れ具合で解る。

 

「だから……大丈夫。だよ」

 

「……はい!」

 

うん、やっと良い笑顔になったね。

 

 

 

それからリインからの任務についての説明を聞き、それぞれの心の準備を整える。

 

 

 

 

 

……さあて。

ぶち抜きますか!




キャロの召喚術よりレネゲイドの方がタチが悪いと思うのは俺だけでしょうか。
龍は心を通わせればいけますが、レネゲイドは……いやまあ、根性で何とかする方もいますけどねww
と、いう訳で次回から本格的戦闘スタートです。
戦闘にアレンジをぶち込むかどうかはまだ思案中。

感想やアドバイス、お待ちしております。

あ、後。
もし良ければ、DXとリリカルなのはの原作キャラ達だけで予告っぽくしてみた「リリカルクロスStrikerS」もどうぞ見ていってください(宣伝、宣伝)

それでは。
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