周平side
六課の食堂にて。
シャワーを終え、揃って食事をする僕達の前には、パスタの山が。
スバルとエリオが居るだけで、この位の量は当たり前……いつか、これが少なく見えたりしそうで怖い。
今は先程上がったゲンヤさんの話題になっていた。
「なるほど、スバルさんのお父さんとお姉さんも、陸士部隊の方なんですね」
「それから、レオンさんもね」
「後、はやて……さんも、一時期、同じ部隊で研修してたんだよ」
キャロの質問にスバルが答え、レオンが後を引き継ぐ。
スバル、あまり食いながら話すもんじゃないよ?
「しかし……うちの部隊って関係者つながりが多いわね。確か隊長達も幼なじみ同士でしたよね?」
「うん。なのはとはやて。それから僕が地球出身。フェイトも昔地球で暮らしてた」
ティアナの疑問には僕が答える。
ほんと、改めて聞くと色々と凄い部隊だ。
「確か……管理外世界の97番でしたっけ?」
「そうそう」
「97番って、うちの父さんのご先祖様が住んでいた世界なんだって」
エリオの言葉に僕が頷いた後、スバルがふと思い出したかの様に言う。
……まだパスタ食べるの?ほんとどうなってるのさその胃。
「そうなんですか?」
「うん」
「そういえば、名前の響きとか何となく似ていますよね。なのはさん達と」
まあ、それを言ったら、レネゲイド課のアヤメとツバキ、ハヤトも……アヤメは名前だけだけど、確かツバキとハヤトは祖先がスバルと同じ日本人だっけ?
「そっちの世界には、私も父さんも行ったことないし、良く分かんないんだけどね……あれ?エリオはどこ出身だっけ?」
「あ、僕は本局育ちなんで……」
「「あっ」」
エリオの言葉にティアナとキャロが反応する。……けど、当のスバルは気付かない。
「本局?住宅エリアってこと?」
「本局の特別保護施設育ちなんです。8歳までそこにいました……」
エリオの返答にしまった、という顔をするスバル。やっと気付いたらしい。
ティアナがジト目でスバルを睨む。
「あ、あの……気にしないでください。優しくしてもらってましたし、全然普通に幸せに暮らしていましたから……」
「そういえば、フェイトさんは、その頃からエリオの保護責任者だったんだっけ?」
「はい、物心を付いた頃から色々お世話になっていて、魔法も僕が勉強を始めてから、時々教えてもらってて、本当にいつも優しくしてくれて……僕は、今もフェイトさんに育っててもらってるって思ってます……。フェイトさん、子供の頃、家庭の事で……ちょっとだけ寂しい思いをした事があるって。……だから、寂しい子供や悲しい子供の事、ほっとけないんだそうです……自分も、優しくしてくれる暖かい手に救ってもらったからって……」
レイジside
「……はは、いかにもフェイトらしい」
エリオの言葉に、俺は思わず笑ってしまっていた。
前世での、曖昧な記憶を手繰る。
かつてを人形の様に生きていた彼女は、1人の少女に救われた。
そんな過去があるから、彼女は寂しさや悲しさに苦しむ子供を助ける。
かつての彼女と同じ様な目に、会って欲しくないから。
「あの……レイジさんって、機動六課の民間協力者扱いですよね?いつもは、何を?」
「えっと……確か、何でも屋、やってるんでしたっけ?」
そんな事を考える間に、ティアナから質問が来た。
俺が応対に少し遅れている間に、エリオが代わりに答えてくれる。
「あー、うん、その通り。まぁ、何でも屋だけじゃなくて、バイトもしてたけど」
そう何度も都合良く仕事が来た訳じゃ無いし……かと言って、頭脳労働とかはどう考えても向いてないし……。
「へー……じゃ、フェイトさんとはどうやって出会ったんです?つい最近知り合ったって感じじゃありませんでしたけど」
「あ、それ私も気になります。いつからか、たまにフェイトさんの会話にレイジさんの名前が出て来る様になっただけですし」
興味深々で聞いてくるスバルとキャロ。
おいフェイト、エリオとキャロに一体何を話してるんだ……まさか、あの店を散らかしてる事を愚痴ってるんじゃないだろうな。
……いや、彼女に限ってそれは無いか。
「出会った、ねぇ……いやまあ、時空管理局の仕事を手伝っててさ。その時に知り合ったんだ」
……いつだったか。
あの生活じゃ時間の感覚があまりにも不明確で、どれ位前かは今じゃぼやけてしまっている。
だけど、はっきりと覚えている事がある。
仕事が終わり、丁度、初めて共に戦ったフェイト執務官に、挨拶をした時だった。
「ねぇ、ちょっと私について来て」
彼女は俺の顔を少しの間見つめた後。
そう言って、何らかの良くない感情が籠もった視線を背中に感じてあまり気が乗らない俺を、半ば強引に連れて行ったのだった。
到着したのは、こぢんまりとした喫茶店。
「ここ、私のお気に入りの店なんだ」
そう言う彼女と、仕方無く同じテーブルで向かい合って座った。
甘党かどうかを聞かれたので、そこそこ甘党である事を伝えたら。
「じゃあ……すみません、カフェオレのホットを2つで」
こう、彼女はオーダーした。
丁度外は小雨が降っていたし、俺の身体が冷えているだろう事を考慮したのだろう。
だが困った事に俺は猫舌だったし。
「別に、冷えてなんかいませんよ」
だから、こう言って断ろうとした。
すると。
フェイトはまた俺の顔をじっと見た後、こう言ったんだ。
「でも……寒くて、寂しくて堪らないって目、してるよ」
この言葉には面食らった。
……まぁ、そもそもその時の俺が「いつもの俺」かどうかも怪しかったけどな。
けど、彼女は下手したら俺自身が目を逸らしていたかもしれない、俺の内面を見抜いたのだった。
その後は、俺は熱いカフェオレを飲むのに苦労しながら、フェイトと当たり障りの無い話をしただけで。
そしてその時以降、フェイトは俺の店に足を運び、仕事を持って来てくれる様になった。
たまに散らかっているのがバレれば、少しの説教の後に共に片付け。
依頼をこなした後は、たまに喫茶店に立ち寄ったり。
……良くもまあ、ここまで世話を焼いてくれたもんだ。
そんな生活を続けてるうちに、「良い目になった」と、フェイトは勿論、グレンにまで言われる始末だし……。
……何と言うか、とにかくフェイトには(特に内面的な意味で)適わない。
「ま、俺は大した事はして無かったけどな。あくまで、戦闘とかの手伝いを中心にしてただけで」
昔の事を思い出すのを程々にして、こう締めくくる。
おいスバル、それだけ?って顔をするな。残念ながら仕事付き合いがほとんどだよ。
「さてと。僕はそろそろ。退出するとしよう」
「俺も。腹は色んな意味で膨れたしな」
周平とレオンが立ち上がる。
ふと見れば、あれだけの量だったパスタの山はもう空に。
……オイ、スバルとエリオ。
お前等の身体のどこにあれだけの量の大部分が突っ込まれてるんだ。
というか、胃の構造はどうなってんだ。
と、いう訳で(?)レイジの回想シーン。
実は、これで20話目……なんか、感慨深いです。
しかし、その内容は色々やりたい放題です……だが、後悔はしていない。
この場面のお陰で、レイジの固定ロイスの中にフェイトが入ってるのです(オイ
……すみません、最近、テンションが妙と言うか……。
あ、後、ロイスと言えば……。
レイジは既に、Dロイスを持ってるのですが……それが何なのか解る方はいらっしゃるんだろうか(汗)
ちなみに、ヒントはちょこちょこと出ております……。
そして、そのDロイスが解れば、とあるキャラと微妙な接点があるという……。
……うん、どうでも良い話ですね(笑)
感想やアドバイスお待ちしております。