周平side
「……さて。じゃあ、改めて今回の任務を簡単に説明するよ」
「「「「はい」」」」
なのはがそう言ってモニターを表示。
「捜索地域はここ、海鳴市の市内全域。反応があったのは、ここと、こことここ」
「移動してますね」
なのはが表示するモニターを見て、ティアナが言う。
「そう……誰かがもって移動しているか、独立して移動してるのかは解らないけど」
フェイトが答え、なのはが説明を続ける。
「対象ロストロギアの危険性は、今のところ確認されてない」
「仮にレリックだったとしても、この世界は魔力保有者が滅多にいないから……暴走の危険はかなり薄いね」
「とは言え……相手はやっぱりロストロギア……何が起こるかも解らないし、場所も市街地。油断せずにしっかり捜索していこう」
続いてのフェイトの言葉に、なのはが締めくくる。
「では、副隊長達には、後で合流してもらうので……」
「先行して出発しちゃおう!」
「「「「はい!」」」」
「「了解」」
「オーケー」
と言う訳で、僕達はスターズとライトニングでそれぞれ分かれ、市街地へ向かう。
「……これで。良し」
「こっち、終わりましたー!」
「こちらも設置完了です」
街の中を駆け回り、探索をした後にサーチャーを設置。
僕とスバルとティアナは丁度仕事を終え、なのはに報告していた。
なのはとリインはモニターで確認し、頷いた。
「うん、これで全部のポイントに設置出来たね。三人ともお疲れ様」
「お疲れ様です」
『ロングアーチからスターズとライトニングへ』
そこへ、タイミング良く通信が入った。
『さっき、教会本部から新情報が来ました。問題のロストロギアの所有者が判明。運搬中に紛失したとのことで、事件性は無いそうです』
『本体の性質も逃走のみで、攻撃性はなし……ただし、大変高価な物なので出来れば無傷で捕らえて欲しいとの事……まぁ気を抜かず、しっかりやろ』
『『『『『「「「「了解」」」」』』』』』
シャマルの言葉にはやてが続け、僕達が返事。
「ちょっとは肩の力が抜けたかな?」
「はいです」
「ほっとしましたー」
「うん」
「良かった」
みんなで少し談笑する余裕が出来、和やかな雰囲気が生まれる。
「そろそろ日も落ちてきましたし……晩御飯の時間ですね」
リインの言葉になのはと僕が少し笑う。
何だろう、こんな平和な雰囲気で「晩御飯」と聞くのも久々な感じがする……。
なのはが再び通信。
「ライトニング、そっちはどう?」
『こちらライトニング。こっちも一段落ついたから、待機所に戻るよ……ロングアーチ、何か買って帰ろうか?』
『こちらロングアーチ。ありがたいことに夕食は民間協力者の皆さんが用意してくれるようや』
『了解、じゃあ……スターズの皆を車で拾って帰るね』
『ありがとう。フェイト隊長』
通信を終える……けど、なのはは顎に手をやって何かを考えていた。
「うーん……でも、手ぶらで帰るのもな~……まだ少し時間もあるだろうし……そうだ!」
なのはが、今度は何かを思いついた様子で、携帯を操作。
「……あ、もしもし?お母さん?なのはです!」
「「え?」」
スバル、ティアナの2人が素っ頓狂な声を上げる。……何か今ので不思議な点あったかな?
それより、実家に電話してるけど……どうしたんだろ?
「うん……うん……それでね、ケーキを持ち帰りたいんだ……」
あー、成る程。確かにピッタリかも。
話はその内纏まった様で、なのはは寄り道しよっか、とみんなに声を掛ける。
「私の実家、喫茶店なんだ」
「喫茶店、翠屋!とっても、美味しいのです!」
うん、確かに美味しかったな……あそこのケーキと紅茶は。
ていうか、中学校の頃は本当にお世話になった……飛行機事故で拉致されて、やっとの事で帰って来たけど、両親がいなくなっていた僕に、まるで家族の様に優しくしてくれて。
あの暖かさには、感謝しても仕切れない。
で、何でまたスバルとティアナは驚いてるんだろう?
という訳で、喫茶店、翠屋。
「お母さん、ただいま~!」
「なのは!おかえり~」
なのはがドアを開け、中に居た人……桃子さんに話しかける。
「周平君、久し振り。元気にしてた?」
「はい。何とか生きてます」
驚いているスバルとティアナを横目で見ながら挨拶。
まあ、そりゃそうだよね。
なのはが僕と同い年、つまり19歳……だとすると、この人は40前後って事になるのが妥当かな、と思うんだけど……全然そんな風に見えない。
「お、なのは!帰ってきたのか!」
「お帰り~なのは!」
続けて奥から、若い男性と女性が出てくる。
「お父さん!お姉ちゃん!」
……うーん。
相変わらず、この2人……士郎さんと美由紀さんもなのはとそんなに年が離れてるようには見えない。
恐るべし、高町一家。
「翔平君も久し振り~!」
「久し振りだな。調子はどうだい?」
「お久し振りです。何とか元気にやってます」
僕が2人と簡単なやり取りを終えた後、スターズの2人が慌てて挨拶する。
「ケーキは今、箱詰めしてるから」
「うん、フェイトちゃんと待ち合わせ中なんだけど……居ても平気?」
「もちろん!」
「うん!」
「ああ、コーヒーと紅茶もポットに入れといたからな……持って行ってあげてな」
「ありがとう♪」
「お茶でも飲んで、ゆっくりしていってね。えっと……」
「あ、スバル・ナカジマです!」
「ティアナ・ランスターです」
2人が自己紹介をした後、ミルクティーを勧められた。
「リインちゃんは、アーモンドココアよね~」
「はいです~」
「あ、スバル、ティアナ、おいで。ほら、周平君も」
なのはに呼ばれ、テーブルへ移動して座る。
「はい、どうぞ~」
「「「ありがとうございます」」」
皆口々にお礼を言い、差し出された紅茶を一口飲む。
……うん、やっぱり美味しい。ホッとする。
「おいし~」
「ホント……凄く美味しいです」
「うん。美味しいです。やっぱり良いですね。ここの紅茶」
スバルとティアナも感動し、僕も感想を述べる。
その後、生徒2人……つまりスバルとティアナからかなりの評価の説明を父親にされて赤面したなのはが、忍さんと恭也さんの行方についての話題を振った。
が、どうやら2人共最近戻って来たと思ったら、すぐまたドイツに行ってしまったらしい。
なのはも2人とメールはしているらしいから、問題は無いだろうけど……ほんと忙しいなあのバカップル。
そんな感じで。
他愛もない話をして、随分久々に感じる和やかな時間を、少しの間堪能した。
今はただ、日常の安息を。
全ては、非日常を鮮やかに彩る為に。
という訳で(?)、和やかな雰囲気のまま時間が過ぎていきます。
まあ、ウィルスとかで色々大変だろうし……ここで羽を伸ばしといてもらいましょう。
感想やアドバイスは大歓迎です。
あ、後、今更ですが……評価が1000を越えました!
こんな駄作に……ありがとうございます!