リリカルクロス~裏切り者達の歌~   作:ドラゴマキナ

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脱出、そして

「し、周平、君……?」

 

僕の目の前で、高町なのはは口をパクパクさせていた。

そりゃあ、まあね。事故にあって、多分行方不明扱いに、もしくは死亡扱いにされてたと思ってたら、こんな所で再会、だもんなぁ。

 

ま、それはともかく。

 

大男……の振りをしていたロボット3体が銃をポップアップさせて、なのはを狙っている。

それをさせる訳にいかないので、砲撃でぶっ飛ばす。

 

『……どういうつもりかね?17番』

 

「いやいや。この子。僕の友達でさ。せっかく来てくれたんだ。だから。僕もついて行くとするよ」

 

 

 

『ほう……良いのかね?君はまだ能力を完全に制御しているとは限らんのだ……下手をすれば、また衝動に襲われてしまうかもしれんぞ?』

 

 

 

「まあ。この子なら。僕がどうなろうと。止めてくれるよ」

 

だって、それが高町なのはという人間なのだから。

 

『そうか……なら、仕方あるまい。私は失礼させて貰おう……そろそろ、32番も目覚めそうだしな』

 

そう言うと、スピーカーからの声はぶつりと切れてしまった。

 

「あっ!ちょっと!」

 

「なのは。ストップ。とりあえずまずはこの部屋を出よう」

 

より研究所の奥を目指そうとする彼女を止め、むくり、と起き出した化物……32番を睨む。

 

 

 

「う、ウルググ、ウガギャガゴギガガガギウガギャゴギガゲグ」

 

 

 

異様な声が狼の口から漏れ出すと同時。

 

さらなる変化が32番の身体に現れた。

メキメキ、と音をたてて右腕が肥大化。

バキバキ、と嫌な音をたてて、背中からもう1つ、新たな左腕が生える。

 

「グルオオオオオオオ!」

 

バランスもへったくれもあったものじゃない身体となった獣の咆哮。

 

……駄目だ、完全に理性が見えない。

これはもう……。

 

「ジャーム化。しちゃったか」

 

「ジャ、ジャーム化!?」

 

なのはは化物にデバイス……レイジングハートを向けたまま、軽く怯えている。

そりゃそうだよね……これ、もう少しグロけりゃバイオハザード並の光景だよ……ってあ、レネゲイドってウィルスだからバイオハザードそのものなのか。

 

……どうでも良いや。

 

「グルオオオオオオオ!」

 

巨大な右腕、2本に増えた左腕が僕達を押し潰そうと迫る。

 

なのはは魔法で宙へ飛んで回避。僕は重力を操作、跳躍距離を高めて回避。

 

(なのは。一撃で決めよう。砲撃をぶっ放して!)

 

(っ!?わ、解ったの!)

 

レイジングハートに桜色の魔力が集中。

さて、僕も。

魔力を、収束……!

 

『Divine bastar』

 

「ディバイン……バスター!」

 

「レッドシフトブレイザー!」

 

桜色と赤紫色、2色の砲撃が化物に直撃した。

 

 

 

 

 

光が収まった後、化物……32番の成れの果ては動いていなかった。

 

それを確認してから、軽く膝をつく。

結構全力でぶっ放したからな……ちょっと消耗してるかな。

 

「周平君……魔導士、なの?」

 

疲労感と共に、身体の奥底から沸き上がってくる嫌な感覚をやり過ごし、なのはの質問を聞きながら立ち上がる。

 

「その話は後。今は脱出しよう。何が起こるか。解ったもんじゃない」

 

僕の言葉に頷くなのは。

と、レイジングハートが通信を知らせた。

 

『なのは、こちらの区画は制圧した……そっちは?』

 

うわ、また懐かしい声だ。

 

「フェイトちゃん!うん、こっちは問題ないよ……1人、逃がしちゃったみたいだけど」

 

『そう。でも、なのはが無事で良かった』

 

「うん。あのね、フェイトちゃん。凄いサプライズを見つけたよ!」

 

……あの、僕をモノみたいに言わないで欲しいかな。

 

『サプライズ?』

 

「うん、外で合流したら解るよ」

 

『……?解った。じゃあ、外で』

 

通信を終え、なのはは笑顔を見せる。

 

「きっとびっくりするよ、フェイトちゃんも、はやてちゃんも!」

 

あー、まあそうだろうなぁ……。

とにかく、ここを出ないと。

 

 

 

「「グルウウウ……」」

 

 

 

……後ろを振り向けば、新たに開かれた扉から、2体のジャームが現れていた。

 

処分されたんだと思ってたけど……一部は隔離されてたのかな?さっきの奴、逃げるついでにこいつ等を解放したのか。

 

「……こいつ等を。蹴散らしていかないと」

 

「うん、そうだね」

 

2人で、身構える。

魔力は……まだ、大丈夫かな。

 

 

 

魔力弾を生成し、敵へぶつける。

 

『Axel shooter!』

 

なのはも魔力の弾幕で敵を吹き飛ばす。

よし、道は開けた。

 

「行こう!」

 

「うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで敵を蹴散らし。

やっと外へ出た。

 

……久々に空を拝めたなぁ……嬉しい限りだ。

 

 

 

 

 

「なのは!……っ、え、あれ……?」

 

「……し、周平君?ほんまに、周平君、なんか?」

 

 

 

 

 

金髪、赤眼の少女。

フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。

 

茶髪、関西弁の少女。

八神はやて。

 

この2人も、そこにいた。

 

……また会えるとは思わなかったな。

さてと、何て言おうか……?

 

 

 

……うん、気の利いた事は思い付かないね。

まあ、とりあえず……。

 

 

 

「ただいま」

 

 

 

「わ、わ、ほんまの周平君か!?ちょっと何しとったん、飛行機事故でおらんなったと思うたら、こんなとこで!」

 

「生きてて、くれてたんだね……本当に、良かった……!」

 

あー、ここまで喜んでくれるのか……ほんと、良い友達だよ。

……ヤバい、ちょっと涙腺が緩みかけた。

 

「ふふ。2人共、周平君が行方不明って聞いてほんと心配してたんだよ」

 

「何言うとんの、ニュースの行方不明者リストで周平君の名前聞いて一番取り乱しとったんはなのはちゃんやんか」

 

「にゃ!?は、はやてちゃん、それは内緒なの~!」

 

女3人集まれば姦しいとか言うのはホントなんだなー。

そんな事を考えていると、僕の身体はぐらり、と傾いた。

 

「!?周平君!」

 

「あー。その。ちょっと疲れた」

 

そう言って苦笑すると、なのは達もほっとした様子で微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、僕は時空管理局に保護され……身体検査等を行って貰った。

レネゲイドやオーヴァードについては、まだ解らない事も多いので……2、3日程様子を見られたけど、大した事も無かったから、なのは達の監視付き、という条件で地球に帰れる事になった。

 

で、そういう事情や僕の家族は相変わらず行方不明でいなかったりするのもあって、僕は高町家に居候させて貰える事になった。

……って、マジですか?




と、いう訳で、脱出に成功する主人公でした。
そして、次回からは高町家に居候……嫌な予感がしてる本人です(笑)

戦闘描写は……相変わらずですね。精進したいです。

感想やアドバイスは大歓迎です。
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