リリカルクロス~裏切り者達の歌~   作:ドラゴマキナ

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遺跡攻略任務

周平side

 

 

 

ある日の朝。

 

僕は部隊長……ユーゴさんに呼び出され、廊下を歩いていた。

 

「あ、周平先輩。おはようッス」

 

「ああ。おはよう」

 

その途中で、ギターを背負った少年……イサムに鉢合わせる。

 

「今日の予定はどうなんすか?」

 

「ん?ユーゴさんに呼ばれてるから。今から部隊長室に」

 

「え?先輩もッスか?実は俺も呼ばれて、今から行く所なんスよ」

 

そうなのか。

今回は一緒の任務なのかな。

 

「じゃあ。一緒に行こうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

部隊長室。

 

「お待ちしていました」

 

いつもの様に、ユーゴさんに迎えられる。

 

「さて、今回あなた方に向かって貰うのは、第81番管理外世界『ウィスプヘイム』です」

 

「また。違法研究所が見つかったんですか?」

 

僕からの質問に、ユーゴさんはいえ、と首を振る。

 

「遺跡が発掘されたようです。そしてその中に、化物がいた、と」

 

「化物……ッスか?」

 

イサムが怪訝そうに呟く。

 

「はい。私は、これはジャームだと考えています」

 

「え?ちょ、ちょっと待って下さいよ。それ、レネゲイドに感染してるって事ッスよね。レネゲイドの研究って、確か……」

 

「今から10年位前。だったかな」

 

「そうそれ。それから広まり始めたって聞いたッスよ?」

 

イサムと僕の言葉に、ユーゴさんは頷く。

 

 

 

「ええ、仰る通りです。しかし……実を言いますと。レネゲイドの研究が始まる切っ掛けとなったロストロギア、『賢者の石』。それが見つかったのは……ウィスプヘイムなんですよ」

 

 

 

驚く僕達を見ながら、ユーゴさんは続ける。

 

「憶測は幾つか立てられますが……恐らく、ウィスプヘイムには、レネゲイドは昔から存在していたのでしょう。しかしその危険性から、昔の人々はそれを封印した……」

 

「そして今。その遺跡が発掘された……」

 

僕が引き継いだ言葉に、あくまで憶測ですがね、とユーゴさんは頷いた。

 

「これが事実だとすれば、ジャームに成り果ててしまった人々も一緒に封印した事例もあったと思われます。今回のはそれ、といった所でしょうか」

 

「うわ~……なんつーか、眠ってたヤバいモノを叩き起こしちまった感じッスね」

 

イサムが微妙な顔をして呟く。

 

「ええ。今はまだ、ジャームは暴れてはいない様ですが……やはり早めに手を打つに越した事は無いでしょう。ある程度距離も離れているとは言え、人も住んでいますからね」

 

なるほど。

つまり。

 

「その遺跡内のジャームを叩け。そういう事ですね」

 

「はい。一応、私も現場指揮へと向かいます。すぐに出発しますので、準備が出来次第、私に声をかけて下さい」

 

「はい!」

 

「了解ッス!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という訳で、第81番管理外世界「ウィスプヘイム」。

 

少し荒れた感じの土地、その一部にキャンプの様にして人が集まっていた。

 

「部隊長、到着お疲れ様です!」

 

そう敬礼したのは、なんとアヤメだった。

その後ろには、会釈をするディフィの姿も。

 

「お、2人共来てたんスか!」

 

「ええ、2人には先に急行して貰っていました。遺跡の様子はどうですか?」

 

5人での挨拶もそこそこに、任務の話に移る。

 

「……今の所、目立った動きはありません」

 

「ただ……不思議な感じがするんです。すみません、上手く言えないんですけど」

 

ディフィとアヤメ、2人の言葉を聞いて、ふむ、とユーゴさんは顎に手をやる。

 

「……判断材料は少ないですが……何時動くか解りません。やはり、先手を打ちましょう」

 

「「「「はい」」」」

 

こうして、僕等は他の魔導士達と協力し、遺跡を攻略する事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遺跡内。

 

薄暗く、どことなくじめじめした空気が否応無しに不気味さを感じさせる。

 

僕とイサム、それから2人の魔導士達はアヤメやディフィ、他の魔導士達とは別のルートを選び、前へと進んで行く。

ちなみに、セットアップはもう済ませてある……何が起こるか解らないしね。いつでもユーゴさんに連絡が取れる体制も大丈夫。

 

「気味悪いッスね~。良し、こんな時こそ俺のギターで明るく」

 

「やめて嫌な予感しかしない」

 

て言うか、今君が持つそれはデバイスだからね?

 

そんな感じで、進む事しばし。

 

 

 

「ヴオオオオオ……」

 

 

 

少し広めの部屋に、それはいた。

うわー……確かに化物だ。

 

上半身は美女なのに、下半身がサソリみたいになってる。

身長は2メートル位か。

 

「……なんか、女性不信になりそうッスよ俺」

 

「同感」

 

お互いに愚痴りながら、デバイスを構える。

 

「シャアアアアア!」

 

こっちを敵と認識したのか、化物はこちらへ突進して来た。

 

「あぶねっ!」

 

「くっ!」

 

何とか回避成功。

 

味方の魔導士が2人諸共、相手に斬りかかる。

よし、援護しよう。

 

「ライジングサン!」

 

『Heat bullet!』

 

赤紫色の魔力弾を数発、相手の胴体に撃ち込む。……よし、命中。

 

イサムも青緑色の魔力弾を生成し、それを相手にぶつけていく。……ほんとは広範囲型だから、結構やりづらそうだ。ただでさえ狭めの遺跡内だし。

 

……お、倒れ伏した。

よしよし、まずは良い感じ。

 

 

 

「「「「ヴオオオオオ……」」」」

 

 

 

……前言撤回。結構厳しい。

奥の方から化物が4匹、ゾロゾロ出て来た。

電気纏ってたり有り得ない大きさだったり角が生えてたり男だったり女だったりで色々だけど、とりあえず大変そうなのは一目瞭然。

……頼むか。

 

「イサム。よろしく!出来るだけ威力抑え目で!」

 

「なかなかキツい注文ッスね先輩!結構調整大変なんスよこれ!」

 

言いながらも、イサムは改めて彼のギター型デバイス……「ボルテックス」を構える。

 

「行くぜ相棒!」

 

『よっしゃあ!Let's have a party!』

 

主の声に、彼の相棒はノリノリで答えた。

 

キィィィィィン!

 

ギターの絃が爪弾かれ、それと同時に澄んだ高音が部屋中に響く。

 

「伏せろ!」

 

『Burst beat!』

 

僕が叫んだ僅か直後、魔法が起動。

 

 

 

ゴッ!

 

 

 

辺りを爆炎が包んだ。

 

しばらくしてから、咳き込みながら立ち上がり、素早く状況確認。

敵は……うん、ダメージのお陰で簡単には動けないみたいだ。

味方は、イサムは勿論、他の2人も無事。

 

……ってあれ、案外丈夫なんだなこの遺跡。さっきの爆発でも大した被害が無い。

 

とりあえず、あまり動けない残敵はみんなで協力し、近接攻撃や魔力弾による集中攻撃で倒す。

……よし、何とかなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

更に奥に進みながら、敵を蹴散らす事しばし。

 

一番奥であろう結構広い部屋に到着。

で。

 

 

 

「グギャルガオオオオ!」

 

 

 

ボス的な存在がいる訳で。

デカいなぁ……4、5メートル位ありそう。

それ位の大男で、しかも両腕が途中から真っ二つに裂けていて、そこに牙が生え、まるで猛獣の口みたいになっている。

 

……バイオハザードにいそうだな、これ。

 

にしても、あの両腕はヤバそうだ……あれで噛みつかれたらまず無事ではいられないだろう。

 

接近主体の魔導士2人には待機を頼み、僕とイサムは構える。

 

「ここなら広いし。存分にやれるよ。イサム」

 

「うぃッス!ふはは、俺のギターが火を噴くぜ!」

 

……「ギターが火を噴いたら壊れるよ」ってツッコむべきかなこれ。どうしよう。

 

なんて下らない事を考えている間にも、イサムは魔法を発動させていた。

 

『Burst beat!』

 

音が響き渡り、少し遅れて爆発。

爆炎が収まり、煙が晴れ始め、まだ立っている敵のシルエットが見えた所で僕も狙いを定め。

 

「ライジングサン!」

 

『Red shift blazer!』

 

砲撃をぶっ放す。

赤紫色のそれは見事シルエットに命中。

 

……さて、どうだ?

 

 

 

「ギャガガガグルギアガオゴオオオン!」

 

 

 

嫌な咆哮と共に、何かが僕の方へ伸びてきた。

とっさに身体を庇うように構えた右腕にそれは巻き付き、僕の身体を強い力で引っ張ろうとする。

それを、僕は重力操作も利用して何とか踏ん張る。

 

「ぐ……!」

 

「先輩!」

 

良く見ると、それは相手の右腕の口から伸びた舌だった。

しまった、遠距離攻撃出来たのか……!

 

「ギャアアアアア!」

 

相手の左腕からも舌が伸び、今度はイサムが動きを封じられ、相手の方に引きずり込まれそうになる。

ヤバい……!

 

 

 

次の瞬間。

黒紫色の魔力が敵にぶつかり、ぐらりとその体勢を崩させた。

 

同時に、群青色の魔力弾が3発、敵に命中。

その隙に、待機して貰っていた魔導士2人が舌を斬ってくれた。

 

「2人共、大丈夫!?」

 

「間に合って何よりね」

 

アヤメとディフィか!それに他の魔導士も!

どうやら、最初に別れていたルートはみんなここに繋がるみたいだ。

 

……よし。

 

「ギャアアアアア!」

 

敵は喚き、何らかのアクションを起こそうとするが。

 

「……うるさいわね」

 

ディフィがまた黒紫色の魔力を放ち、その行動を阻害する。

バロールの能力で、高重力を掛けているのだろう。

 

では、もう一度……!

 

 

 

『Red shift blazer!』

 

『Burst beat!』

 

『Axel shooter!』

 

 

 

僕、イサム、アヤメによる集中攻撃。

 

それにより、怪物は倒れ伏した。

 

 

 

 

 

 

 

その後、僕等は最深部の部屋を調べ、祭壇に飾られていた石など、レネゲイドに関係がありそうなモノを回収。

 

こうして、任務を達成したのだった。




ううう……何で戦闘ってこんなに難しいんだ……。
のっけから愚痴ですみません。
前話で新しく出たキャラ達の戦闘もやっとくべきだよな、と思い、この話を書くこととなりました。
イサムはそこそこ再現してる……つもりです。違和感感じたらごめんなさい、完璧に俺の技量不足です。

感想やアドバイスなどがあれば是非お願いします。
これの次に閑話、その次からいよいよStSの予定です!!
それでは!
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