???side
時空管理局、陸士108部隊。
俺こと、レオン・フォンスターは廊下を歩いていた。
部隊長、ゲンヤ・ナカジマ三等陸佐に呼び出された為だ。
……実際に見てみると、アニメで見てたよりやっぱり迫力とかあるよな。……こんな事、「こっちの世界」じゃ言えやしないけど。
そんな事を考えてる内に、目的地に到着。
「ああ、入ってくれ」
扉をノックすると、中から聞こえてくる声。
失礼します、と一礼してから中に入る。
「レオン・フォンスター、参上しました」
「おう、まあ座りな」
椅子を進められ、ゲンヤさんに向かい合う形で座る。
「今回は、どんな御用でしょうか?」
「とりあえず、これを見てくれ」
俺に渡される、とある資料。
内容は……ああ、これか。
「……新部隊、ですか」
そうか、もうそんな時期か。
どうも時期の感覚というのは把握が難しい。
「ああ。お前さんも良く知ってる人物……俺の弟子が新たに設立する部隊だ」
「はやて……さん、ですね」
別に今は普通に呼んで良いんじゃねえか、とゲンヤさんに言われて思わず苦笑してしまう。
八神はやて。
陸士108部隊所属、二等陸佐。
2、3年位前からの俺の知り合い。
そして。
「この世界の物語」の重要人物の1人。
「お前さん、あいつとは特別仲良くやってたみたいだから、知らせておこうと思ってな」
確かに、はやてとは意気投合して、話したりもしてたけど。特別と言うほど仲が良かったか?
首を傾げつつも、資料に目を通していく。
八神はやて、フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、高町なのは……うん、予想通りだな。
「……スバルもいるんですね」
そう呟くと、ああ、とゲンヤさんは少し困ったかの様に頭を掻いた。
「ギンガならともかく、スバルとなるとな……」
「心配、ですか」
「そりゃ……まあな。親ってのは多かれ少なかれそんなもんなんだよ」
ちょっとだけからかい気味に言うと、ゲンヤさんも照れ臭そうに答える。
そうやって資料を眺めていると、不自然な点を1つ見つけた。
機動六課フォワード陣。
その名前の欄に、1つだけ見慣れない名前があった。
「ナクラシュウヘイ」。
感じからして日本人。
でも、前世の記憶を掘り返してみたが、やはり原作じゃ日本人はなのはとはやてだけの筈……。
なら、考え付く事は1つ。
「転生者」だ。
俺以外にもいたか……そして、こいつは原作介入をする、もしくはしているのだろう。
そんな事を考えながら資料を眺めていた俺に、ゲンヤさんがある提案をしてきた。
「なんなら、行ってみるか?お前さんも」
……へ?
ぽかんとする俺に、ゲンヤさんは続ける。
「さっきから興味有りげにじっと見てたが……あいつに掛け合ってやろうか?裏技を使ったとかで、部隊の保持ランクはまだなんとか空きが有るらしいからな」
確かに、昇進の機会も多くなるだろうし、嬉しい事ではあるが……。
「でも、良いんですか?」
「ああ、構わんさ。経験積んで後返し、ってのも悪くないしな。後……まあ、良ければ、スバルの面倒も見てやってくれ」
……。
まあ、またと無いチャンス、か。
「そうですね……お願いします」
???side
ミッドチルダ首都、クラナガン。
その中心から少し離れた、程々に人通りがある、あまり騒がしくなく、かと言って静か過ぎたりもしない場所。
そこにある、目立たない建物。
その中に、1人の人間が住んでいた。
まあ、俺、レイジ・ミルフィングですけどね。
バイトしたり何でも屋したりしながら何とか生きてる「転生者」。
……うん、転生者なんだ。
何かの事故であっさり死んで、気が付いたら人生やり直し。
で、「リリカルなのは」の世界だと気付いてテンション上がったのは良いけど、まさかの自分にリンカーコアは無し。
魔導士の両親はそれでもよく俺を育ててくれたと思う。たまに憐れみだったり残念そうだったりする視線を向けられるのは勘弁だったけど。
まあ、生まれたのはミッドチルダとは別の次元世界だったのもあるし、そのまま普通に暮らしていく、はずだった。
けど。
そんな日常は崩れ去った。
何があったか、今でもはっきりとは思い出せないけど。
両親が死に……俺も死んだ……ハズ、だった。
けど、何の因果か、俺は生きていた。
「オーヴァード」……「レネゲイド」なんて訳の解らんウィルスによって魔力が使える、特異な魔導士となって。
ほんの少しの間、俺が過ごした研究所は結構酷い所だった……と思う。
霧がかかったように、思い出せない部分がある……どうやら、俺の脳は結構都合の良い造りになってる様だ。
他の実験体仲間の1人が暴走し、その隙に逃げてから……もうどれ位の時が流れたんだろう。長い様にも、短い様にも感じられる。
そんなこんなで、たまたま転送装置でミッドチルダ、クラナガンに流れ着いた。
時空管理局の連中を助けたのをきっかけに何でも屋を始め……かと言って客足はあまり無いし、時空管理局からの協力依頼もそこまで多くないから、バイトもして日々を乗り切っている。
「さて、と」
ググッと背伸び。
今日も、依頼が無ければバイトで頑張る事になる。
あんまり面倒な事は好きじゃないから、良い事なんだけど……。
と、ぼんやりしていると。
店の前に、一台の車が停車した。
そこから出て来たのは、1人の美人。
「こんにちは、レイジ。うん、今度は綺麗に片付いてるね」
ドアを開け、俺を見ると、彼女は微笑みながら言った。
満月の様な金色の髪。
透き通った紅い瞳。
……いやはや、相変わらず美人だな、ほんと。
「一応、俺だって片付けるさ。で、何の御用かな、フェイト執務官?」
フェイト・テスタロッサ・ハラオウン。
時空管理局が誇る屈指の魔導士の1人である執務官。
そして美人。……これ重要。
俺が何でも屋始めて……2、3回目の時空管理局からの依頼の時かな?そん時に初めて出会って。
んで、その後もたまにここに依頼しに来てくれる事になった。運悪く俺が片付けてないと、一緒に片付けもする羽目になる。
面倒見良いなオイ。
「えっと。もうすぐ、私は新しい部隊に所属する事になるんだ」
そんな事を俺が考えている間に、フェイトは説明を始めていた。
てか、機動六課か。
つまり今は、StS編もうすぐ始まる時期なのか。
「で、そこの民間協力者として参加してくれたら嬉しいんだけど……どうかな?」
へ?
機動六課の民間協力者?俺が?
マジで?
「あー……何か責任重大っぽいけど、良いの?」
俺、結構怪しい身分だと思うけど。
「大丈夫だよ。一緒に任務をこなした事もあるから、実力も解ってるし」
ふーん……そんなもんかね。
不安要素はあるけど……まあ、民間協力者なら問題無い、かな。
よし。
「うい。その依頼、引き受けた」
周平side
「出向。ですか?」
僕は部隊長室にて、ユーゴさんから話を聞いていた。
「はい。他の部隊から、貴方を指名して要請がありました。せっかくの滅多に無い機会ですから、是非とも行って貰いたいのですが……どうでしょうか?」
確かに珍しい。
僕等、不安定な力を持つオーヴァードは普通、疎まれがちなのだが。
しかも、よりによって僕を指名。当然不安にはなる。
「あの。その部隊ってどこですか?」
「これから新設されると聞いています。確か……『時空管理局本局遺失物管理部機動六課』でしたか」
吹き出すのを懸命に我慢した。
よりによって機動六課!?
僕なんか呼んだらさらにツッコミ所増える気がするけど!?大丈夫!?
そんな僕の心情は露知らず、ユーゴさんは続ける。
「オーヴァードと魔導士の共存、という理想の問題もありますが、機動六課が扱うロストロギアも問題なのです。レネゲイド関連のロストロギアが存在する可能性もありますしね」
ああ、なるほど。
「レネゲイド関連のモノが見つかれば。やはりオーヴァードもいた方が良いと」
僕の言葉に、ユーゴさんは頷く。
「発見次第レネゲイド課に連絡する事が出来れば、機動六課と協力し、迅速な対応も行えますからね。……さて、如何でしょうか?」
まあ、指名までしてくれた以上、それを拒否するのは失礼な話、だよね。
「解りました。名倉周平。機動六課に出向します」
……と、いう訳で、次回からStSです!
で、今回もまた新キャララッシュ!しかも転生者ばっか!
……なのは良いんだけど、ちょっと無理やり感があったかな。
うーん……。
何か良い感想とかアドバイスとかあれば、お願いしますね。
それでは。