鬼滅の刃19巻読みました。内容知ってたんですけど泣きそうになりました。不死川兄弟がエモいです。
バンドリはバレンタインイベでちょうど日菜ちゃんがピックアップされてますね。私はパスパレなら千聖さん推しなのであまり回そうとは思いませんねー。(日菜ちゃんも大好き)
どうでもいい話は終わって本編へと行きましょう。
ではどうぞ
走るのを再開してから十分程経った。
しかし二人は未だに鬼の居る部屋には辿り着いていなかった。
「ねぇーまだぁー?さすがにこの景色飽きちゃったんだけどー」
無限城に落ちてきてからずっと走り続けていた訳ではないが二人は既に合計して三十分以上は走り回ってる。あまり景色の内容が変化しない中、ただひたすらに走り続けていることに日菜がとうとう飽きてしまうのも仕方がない。
「そうですね…さすがにこんなに走ってるのに着かないなんて変ですよ」
予想していなかった現状につぐみの口からも不満が零れる。
現代の建物でもこれだけ走り続けていたら目的の場所まで辿り着くことが出来るだろう。
鬼の本拠地なので人が作った建物とは根本的に何かが違っていると二人は分かっていたが、いくら広いとは言え限度がある。
二人の前に上弦の鬼が現れない大きな理由はとある鬼の血鬼術にあった。
その血鬼術はこの屋敷にある全ての部屋の構造、壁、床などを自由に動かす事ができる。
それにより鬼側が有利な組み合わせで戦わせこちらの戦力を削ったり、鬼舞辻無惨が回復するための時間を稼ぐことに大いに役に立っていた。
そして他にも
「キャッ!!?」
突如地面にあった襖が開きその上を走っていたつぐみの足場が無くなった。
このように鬼殺隊の不意を突いて落としたり吹き飛ばしたり、集まっている戦力を分散させることも可能なのだ。
「つぐちゃん!!」
つぐみの悲鳴を聞い慌てて引き返す。
すると自分が走った時には無かった穴が出現しており、そこを覗くと片手で角を掴んで何とかぶら下がっているつぐみの姿があった。
「つぐちゃん大丈夫?」
日菜はしゃがみ込み手を差し出す。
その手を掴みつぐみは穴から這い出た。
「す、すみません……ありがとうございます」
ついさっき「肩を並べて戦えるぐらい強くなります」と言った途端これだ。つくづく成長しない自分に嫌気が差す。このままじゃ駄目という思いが募ってゆく。
一つ溜息が漏れた。
「つぐちゃん溜息なんかついてどうしたの?」
「い、いえ何でも無いです!あの、助けて下さりありがとうございました!」
咄嗟に自分へ抱いた嫌悪感を悟られないように誤魔化す。
人はそんなに直ぐには成長出来ない。その上鬼殺隊に入ってもう二年も経つのにあまり成長していない自分が覚悟一つで強くなるなど絶対に有り得ないだろう。だから、ここで悩んでいても仕方がないとこだ。
「全然いいよー、でもつぐちゃんおっちょこちょいなところあるから次は落とされないよう気を付けてね」
「は…はい……!」
自分が弱い事などとっくの昔から知っている。今はウジウジしている場合ではない。
今は早く鬼の場所へ向かうべきだ。一秒でも早く。
つぐみは落ち込みそうになった気持ちを自分の頬を叩くことにより切り替える。
「日菜さん、早く出発しましょう」
「そうだねー、行こっか!」
走り出そうとする二人の元に今までいたのとは違うカラスが飛んできた。その様子はどこか焦燥感に駆られており、つぐみの中で不安が生じる。
「な、何かあったんでしょうか…?」
何かを感じ取ったのか、日菜はつぐみに背を向け無言のまま動かない。
その事がさらにつぐみの不安を煽り付けることとなった。
つぐみは知っている。
こういう時の不安は大きければ大きい程当たってしまうという事を。そしてそれは必ずと言っていいほど悲惨な現実だと決まっている。
これは鬼殺隊に入隊して約二年間任務を行い死線を潜り抜けてきたことによって分かったことだ。かつて自分と肩を並べて戦ってきた相棒とも言える仲間が下弦の弐に挑み帰って来なかった時もつぐみの胸にはまるで焼かれているような痛みが走り続けていた。
胸の痛みが徐々に増してゆく中、つぐみは一生懸命に願った。
自分が感じ続けているこの痛みが的外れであることを。
しかし今回も今までの経験から漏れることはなく、つぐみの予感は当たってしまう。
「カァァーッ!死亡!!胡蝶シノブ死亡!!上弦ノ弐ト格闘ノ末死亡ーーーッ!!」
まるで水の味を知らないようなガラガラな声で告げられたそれは残酷な現実は既に始まっているという知らせであった。
「!?」
嘘だ…あの人が…あんなに強かったしのぶさんが負けるはずがない……!!
感情を取り乱す中、つぐみは拠り所を求めてか日菜を見る。しかし日菜は変わらず背を向けており表情を伺うことは出来なかった。
「ひ…日菜さ……」
声を掛けようとした時、怪物が四体こちらを襲ってきていることに気がついた。
しまった!同じ場所に留まりすぎた!!
「日菜さん!!」
次々と変わる状況につぐみは少しも動く気配のない日菜に向けて声を荒らげる。しかし日菜は変わらず動かなかった。いや、動く必要が無かった。つぐみが声を出す前には既に日菜は柄を握っていたのだ。
晴の呼吸 陸ノ型 暁光の舞
紅色の刀身が姿を現すと共に周囲は光に包まれた。そのあまりの眩しさにつぐみは目を瞑る。
そして数拍後、光が収まると共に鼻をむしり取りたくなる程の強烈な匂いがつぐみを襲った。
目を開けると、最初に映ったのは上を向いて佇む日菜の姿であった。
血の雨の降る中、静かに立つその姿はまさに死神のようで普段の日菜を微塵も連想させない。恐る恐るその足元を見ると元の姿を想像できないほど全身を切り刻まれた怪物達が横たわっている。
あまりの惨憺たる光景につぐみはそれ以上直視できなかった。
「…行くよつぐちゃん」
暗褐色の海の中心に立つ日菜は刀身についた血を払い、刀を鞘に戻しながら呟くように言った。
その声は酷く落ち着ついている。しかしーーーー
「早く上弦の鬼を殺して無惨を殺さないとお館様としのぶちゃんが命を落とした意味が無くなる」
髪の隙間から見えた黄緑色の瞳は今までに見たことがないほど憤怒と殺気に満ちていた。
自分には向けられてないことは分かっているにしてもつぐみの全身は震えが止まらず、声が出てこない。
返事を待たずに日菜は走り出す。
離れていく背中を見たつぐみは震える足を無理矢理踏み出し前へ進み出みだした。
これぐらいで動けなくなってたらいつまで経っても追いつけない…!
「負けるな…私」
奇妙な屋敷を二人は無言のまま走り続ける。
急げ急げ急げ
早く無惨の所へ行かないと
静かに怒りを燃やす彼女の研ぎ澄まされた感覚がその時ある気配を感じ取った。
それはここに居るはずがない
自分と同じ……だが、少し違う……の気配を
あまりの衝撃に数秒間それ以外の感覚が無くなっていた。
それほどまでに感じとったこの気配の存在は不可解なものであり、日菜にとってはかけがえのないものだった。
だから日菜がこの気配を無視するなど出来るはずもなくカラスの案内を無視し、日菜は進行方向を変える。
「え?!日菜さんどうしたんです??!鬼はそっちじゃないですよ?!」
「そっちの鬼は他の柱に任せる!つぐちゃんついてきて!」
突然案内を無視する日菜の行動に疑問を持つのは当たり前だろう。
もちろんつぐみも何が起こっているか分からなかった。しかし、日菜のあの焦り具合からして何かあったに違いないと察し、ついて行こうとしたが
「はイグッ?!?!」
それが行われることはなく、次の瞬間にはつぐみは空中に放り出されていた。
突然全身を包む浮遊感。
何が起こったのかを認識する為に自分の元いた場所を見ると、壁の一部が突出していた。その壁につぐみの体は弾き飛ばされたのだ。
しかし、原因が分かったからといってこの現状を打開する術をつぐみは持っていない。
日菜さん!
吹き飛ばされている最中必死に日菜を呼ぶがそれは声にはなっておらず、心で叫ぶだけとなっていた。そしてその心の声は日菜に届くはずもなく、日菜の姿はどんどん見えなくなる。
まずいこのままだと…何とかしないと…!!
しかし思考とは対照的に体は弾き飛ばされた衝撃で生じた全身の痺れによって少しも言うことを聞かない。
壁が迫ってくる、何か…何かできることはーーー
爆発音が轟き周囲の音を搔っ攫う。
その音の発生元には、勢いそのままに壁に打ちのめされた少女の姿があった。
読んでいただきありがとうございます。
アフロならつぐちゃん推しなので書いてて辛かったです…。そういや比較的つぐみ視点が多いのも推しだからなのかも知れませんと今思いました。
日菜ちゃんが感じ取った気配とはいったい誰の気配なんでしょうかね?
まぁ、あの人ですよね。
なるべく早く投稿出来るように頑張ります。
それでは皆さんばいちーっ!