マリアさんは結婚したい   作:大ちゃんネオ

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今日がいい夫婦の日だと聞いて急いで書きました。 
今日中に投稿しようとして短いです。
本当に短いです。
許して?


ある夏の日

 八月も終わりが近付き徐々に涼しくなるかななんていう幻想はぶち壊され普通に暑い。

 暑いというか猛暑である。

 都内は35度を超え正に猛暑日。

 暑いのならエアコンでもつければいいじゃない。そう思うかもしれないがそうはいかなかった。

 

「なんでこんな日に、エアコンが壊れるのよ…」

 

 テーブルに顔を突っ伏して今にも暑さで溶けてしまいそうなマリアが力なくそう言った。

 

「ああ…業者も忙しくて来れないらしい」

 

 あちこち問い合わせたがエアコンの繁忙期であるこの時期はブラック労働に耐えきれず故障するものが多いようで業者も忙しいらしい。

 こうなったら扇風機だ!と思いたったが、扇風機は何年か前に壊れて、エアコンがあるしいいかと粗大ゴミに出してしまった。

 エアコンは全部で二つ、ここリビングと寝室に設置されている。

 それがまさか両方ともお陀仏とは…

 なんてついてない。

 気を紛らわせようとテレビをつけてチャンネルを回すがどこの局もやれどこどこは何度だの40度を越えただのと見ているだけで暑くなるようなことばかり言っている。

 何か涼しくなれるような話題はやってないのか…

 

『こちらのプールは連日多くのお客さんで賑わっています!』

 

『涼しくて最高です!』

 

『やっぱ夏は泳がないとダメですよね~』

 

 プールか…

 カメラは次々と水着姿の女性客達を映していく。

 目の保養は目の前にいる妻で足りているので特に何も思わない。

 

「プール…いいわね…」

 

 だがマリアは思うところがあったようで羨ましそうな目でテレビを眺めている。

 

「行きたいのか?」

 

「うーん…人が多いからバレたら大変ね」

 

 バレたら握手にサインと…休みのはずが仕事をしているようだ。

 それはマリアとしても避けたいらしい。

 

「そうか。俺も、お前を連れていきたくはなかった」

 

「? なんで?」

 

「…プールに行くってことは水着になるってことだろう。あまり…そういう姿を他の奴に見させたくない」

 

 言っててかなり恥ずかしいことに気が付いた。

 ヤバい。暑さで頭がおかしくなっている。

 だが既に言ってしまったのでもう遅い。

 

「ふ~ん。千鶴は私を独り占めしたいんだ」

 

 からかうような、というか、からかう目付きで俺を見てそうからかってくる。

 どうせからかわれると分かっていたので既に反撃は準備してある。

 

「そうだ。悪いか。俺はお前を独り占めしたい」

 

 開き直る。

 マリア相手に最高のカウンターである。

 

「う~///…ちょっと、待ってて」

 

 顔を赤くしたマリアは寝室に入ると中から入ってきちゃダメよと言ってきた。

 一体中でなにを…

 鶴の恩返しの気分だが、そんなに待たされはしなかった。

 その、なんというんだ?

 女物には詳しくはないのであれだが…

 黒と赤の、およそ自分に自信がないと着れないようなやつ。

 

「そ、その…どう!?」

 

 真っ赤な顔をしたマリアが恥じらいをかなぐり捨て、そう訊ねてきた。もう自棄なんだろう。

 

「ま、まあ、その、なんだ…当然、似合っているんだが…」

 

「なによ」

 

「場所が場所なだけにシュールだな」

 

 ここはプールでもリゾートビーチでもない。

 我が家である。

 生活感ばっちりの部屋にバッチリ決まったオシャレな水着姿というのがどうにも、こう…

 

「ちょ!?笑わないで!折角恥ずかしいのを我慢して着たのに!!!」

 

「す、すまない…なんだか、ツボに入ってしまって…」

 

 ダメだ、笑いが止まらない。

 

「こうなったら…!千鶴!あなたも脱ぎなさいッ!」

 

「こら!やめろ!無理矢理脱がそうとしてくるな!!!服が伸びるだろう!」

 

 こうして夏は過ぎていく。

 別にどこかへ出かけなくとも、まあ楽しいものである。




あるいは、こんな世界も

「まさか、お前が世間を騒がす怪盗の片割れとはな」

「千鶴、このことは…」

「分かってる。警察には黙ってろ、だろう?通報はしない。お前達が盗みを働くのもなにか理由があってのことだろうからな」

「千鶴…ありがとう…」

「それにしてもその歳でその格好はどうかと思うぞ」

「う、うるさい!」




 XDの怪盗イベントとはまた別の世界。
 マリア、セレナ生存で二人で怪盗やってる世界。
 千鶴は…探偵か仕事人をやってるかもしれない。

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