マリアさんは結婚したい   作:大ちゃんネオ

27 / 70
ULTRAMANコラボ記念に。
特オタの私が書かないわけないじゃあないですか!
ちなみに私が好きなウルトラマンは…
……みんな好きだ!!!

追記

投稿したことをツイートしたらガチの結婚アドバイザーさんからいいねもらいました。
婚活アドバイザーさんも認めるラブコメ作品「マリアさんは結婚したい」をどうぞよろしく。


きたぞ!われらのマリアさん

 日曜の朝っぱらから電話があってなんだなんだと出れば従姉の翔子さんだった。

 この人から電話がかかってくるということは…まあおおよそのことは予測出来る。

 

『というわけでツルちゃん急にごめんなんだけど…』

 

「澪ちゃん預かれ、だろう?」

 

『さっすがツルちゃん!察しがいい!』

 

「ああ…慣れたからな。それに、澪ちゃんはおとなしいから苦じゃない」

 

『ちょっとツルちゃん冗談はよしこさんよ~。澪はもうお転婆でお転婆でおとなしいなんてもんじゃないわよ。きっとツルちゃんの前だから猫被ってるんだわ。まったく誰に似てあんなお転婆なんだか…』

 

 幼少の頃のことを思い出し、それは翔子さんに似てだろう。と、思わず言いそうになったが言ったらめんどくさいことになるので言わない。

 

『じゃあ9時頃行くから。一日よろしく!それじゃ!』

 

 通話は切れ、スマホで時間を確認する。

 9時、か…いま8時を過ぎたばかりなのであと1時間といったところ。

 

「なにかあったの?」

 

 リビングにいたマリアが寝室のドアの隙間からひょこっと顔を出して聞いてきた。

 あ。

 しまった。

 マリアに確認取らずに承諾してしまった。

 

「すまない…親戚の子を一日預かることになってしまった」

 

「あら。男の子?女の子?」

 

「女の子だ」

 

「何歳?」

 

「確か…今年で5才」

 

「ふ~んそう…」

 

 いたずらっぽい笑みを浮かべるマリア。

 なにか、思いついたらしい。

 

「その子が来たら、娘が出来たみたいね!」

 

「馬鹿、人の子だぞ」

 

「分かってるわよ。冗談よ冗談。だけど…早く子供欲しいわね…」

 

「…善処する」

 

 

 

 

 

「おひさ~ツルちゃん。ほら、澪もあいさつ」

 

「おひさ~ツルちゃん!」

 

「そうじゃないでしょ…まったく誰に似たのやら」

 

 だから翔子さんあなただ。

 

「ところでツルちゃん…なんとなく、女の匂いがするんだけど。もしかして、彼女出来た?」

 

「いや、彼女というか結婚したが…」

 

 そう言いながら左手を見せる。

 ほら、指輪してるだろう?

 

「結婚!?」

 

 その二文字を聞いた瞬間、翔子さんは俺の肩をガシッと掴んですごい顔を向けてきた。

 肩が痛い。

 あと、顔が怖い。

 

「ツルちゃんいつの間に結婚したっていうの!?私聞いてないわよ!!!」

 

「先月籍を入れたんだ…叔父さん達には報告したんだが、聞いていないか?」

 

「聞・い・て・な・いッ!!!」

 

 ああ…まあ、叔父さん夫婦は愉快な性格してるし翔子さんには教えなかったんだろう。

 

「じゃあ、いま奥さんはいるの!?」

 

「あ、ああ…ちょっと今電話中でな。そのうち来ると思うが…」

 

 さっき仕事のことで電話が入ったとか言っていたが…

 少し長いな。

 まあ、そういうものなのかもしれない。

 

「ちなみにお名前は!?」

 

「マリア、だが…」

 

「マリア!?国際結婚!?いや、最近なら日本人でもいなくは…」

 

 そういえば国際結婚なのか。

 あんまり意識してなかったな。

 

「ごめんなさいやっと電話終わったわ…あ、はじめまして千鶴の妻のマリアです」

 

 丁寧にお辞儀して挨拶するマリア。

 それに対して翔子さんは…

 か、固まってる…

 

「翔子さん…?」

 

「ま…」

 

「ま?」

 

「マリアだッ!?!?!!!!!?!」

 

 うるさっ!

 思わず耳を塞ぐがまったく…ご近所迷惑になってしまう。

 

「え、ええ!?いや確かに先月結婚発表したけど!マリアと結婚したっていう一般男性って…」

 

 わなわなと震える指で俺を指差しする翔子さん。

 そうです。私が一般男性です。

 なんてやっていると既にマリアと澪ちゃんは仲良しになっている。

 流石、装者達のお母さんと呼ばれるだけあって子供と打ち解けるのもすぐだ。

 

「あっやばこんな時間…ごめん仕事終わったら来るから!ああそれと!はいこれ!」

 

 手渡されたのは…

 ウルトラマンのBlu-rayBOX? 

 

「澪、もうドハマりなのよ。ウルトラマン見てる時はもうビタッとテレビに釘付けで大人しいのよ。女の子なのにねー。今日もツルちゃんと一緒に見るって聞かなくて…って今度こそ行かなきゃ!じゃあ!」

 

 行ってらっしゃいと手を振り翔子さんを見送ってリビングへ。

 それにしても…

 

「初代とは…古いな」

 

 まあ、ずっと語られる名作だから面白いのだろう。

 いや、面白い。

 俺も幼少の時は見たが、今でも思い返せばなんとなくストーリーとか怪獣とか思い出すことが出来る。

 バルタン星人とかレッドキングとかゴモラとかゼットンとか…あ、ダダが怖かったな。

 などと在りし日の思い出を振り返っていると、澪ちゃんがツルちゃん早くと呼ばれたのでリビングへ。

 

 

 

 

 というわけで、早速鑑賞会と相成った。

 澪ちゃん曰く家のテレビよりツルちゃんの家のテレビの方が大きいからこっちで見たかったとか。

 なんとも子供とは素直なものである。

 

「ねえ、千鶴」

  

 隣に座るマリアが肩をちょんちょんとつつきながら訊ねてきた。

 

「なんだ?」

 

「ウルトラマンって、なに?」

 

 …ああ、マリアは触れてきたことないだろうな。

 日本生活もそれなりの長さだがいまいちピンと来ていないようだ。

 しかし、まあ…  

 

「見れば分かる」

 

 決して説明が面倒だったわけではない。

 実物が今から流れるのだからそれを見た方が早いと思っただけである。

 さて、そんなこんなで番組がスタート。

 ああ、懐かしいな。

 澪ちゃんは恐らく何回も見ているのだろうが、それでも番組に釘付けになっている。

 さて、始まりは…戦闘機でパトロール中の主人公が怪獣を追って地球を訪れたウルトラマンと衝突してという始まりだったか…

 いま思うとなかなかひどい出会いだな。

 まあその罪滅ぼしでウルトラマンは地球に駐在してくれるようになり平和は守られるわけだ。

 まあ、最終回でウルトラマンは…

 

「ツルちゃん!ウルトラマン!」

 

「ん…そうだな」

 

『モウシワケナイコトヲシタ、ハヤタタイイン。ソノカワリ、ワタシノイノチヲキミニアゲヨウ』

 

『君の命を?君はどうなる?』

 

『キミト、イッシンドウタイニナルノダ。ソシテ、チキュウノヘイワノタメニハタラキタイ』

 

 そしてハヤタ隊員の体…というより顔に近い。

 なかなか危ないが、そこに棒状の物体を落としたのである。

 数十メートルの高さから落とされたらかなりの衝撃だろうが…まあ、気にしちゃいけない。気にしない。

 

『これはなんだ?』

 

『ベータカプセル』

 

『ベータカプセル?』

 

『コマッタトキニコレヲツカウノダ。ソウスルト…』

 

『そうするとどうなる?』

 

『ヘッヘッヘッ。シンパイスルコトハナイ』

 

 いや説明をしろ。

 ちゃんと説明しないと困った時に使いたくても何が起こるか心配で使えないだろう…と、さっき気にしないと言った矢先にこれか。

 まあ子ども向けならいいだろう。

 あれこれ気にして重箱の隅をつつくような真似をするのは大人の嫌なところだ。

 これは娯楽なんだ、もっと気楽に見るものだろう。

 さて、それから変身からの戦闘、スペシウム光線と…

 まあ、結局はこの流れがウルトラマンという番組。

 水戸黄門的な、だけど、それがいいのだろう。

 …って、うわ。

 マリアがすごい真面目に見ている。

 はじめて見たから未知との遭遇的な感じなのだろうか。

 そして続く2話はバルタン星人か…

 ウルトラマンに出てくる怪獣といえば恐らく絶対出てくるんじゃないだろうか?

 見た目と、フォッフォッフォッ…という鳴き声はなかなか忘れ難いだろう。

 なんて感じで午前中が過ぎて…

 

「そろそろ昼だな…澪ちゃん。お昼なに食べたい?」

 

「ハヤシライス!」

 

 即答。

 子どもなら悩むかと思ったが…

 それにしてもハヤシライス…

 

「澪ちゃん悪いんだけどハヤシライスのルーが家になくてな…カレーでいいか?」

 

「えー」

 

 そんなにハヤシライスがいいか。

 というかなんでハヤシライスだ。

 子供は黙ってカレーだカレー。

 俺は澪ちゃんぐらいの頃ハヤシライスなんて知らなかったぞ。

 

「千鶴のカレーは美味しいから。ハヤシライスはまた今度来た時に食べさせてあげるから。ね?」

 

「はーい」

 

 ふう…聞き分けがよくてよかった。

 さて、そうとなればカレーを作るか…

 

 キッチンの中から二人の様子を窺う。

 澪ちゃんが怪獣の解説をして、それをマリアが聞く。

 しっかり相槌を打って笑顔で聞いている。

 ほんとに、子供好きなんだな…

 さて、頑張るとするか…!

 

 

 

 さて、昼食の時間であるが澪ちゃんはスプーンを天井に向かって勢いよく掲げた。

 ああ、そういえば一回変身しようとしてスプーン掲げた時があったか?

 そしてお昼を食べてる時も澪ちゃんのウルトラマンうんちくは止まらない。

 何でもスカイドン?の回で食べていたのはカレーじゃなくてハヤシライスだとか。

 だからハヤシライスをご所望だったというわけか。

 それにしても出てくること出てくることウルトラうんちく。

 子供の時はスポンジの如くなんでも吸い込むというがそれは正しいらしい。

 澪ちゃんは将来有望なオタクになるだろう。

 まあ、まわりに迷惑かけない程度にな。

 お金も使いすぎないように。

 

 

 

 

 さて、午後もウルトラマン鑑賞会。

 時間が経つのは早いものですぐに暗くなって、お迎えが来た。

 

「それじゃあね澪ちゃん。また遊びに来てね」

 

「うん!またウルトラマン見る~!」

 

「ええ、約束。シュワッチ!」

 

「シュワッチ!じゃあね~」 

 

 微笑ましい光景。

 なんて、綺麗なんだろう…そう思えた。

 こういうものを守るために俺は二課に、S.O.N.G. に入ったんだっけな…

 

「どうしたの千鶴?」

 

「いや、初心を思い出してな…」

 

「そう…けど、その顔好きよ。穏やかで」

 

 普段の顔は嫌なのか?と冗談めかして言うとそれはそれ、これはこれと言われてしまった。 

 

「それにしても、すごいわねウルトラマン。子供を掴んで離さない。今日は子供が出来た時の予習として見てみたけど…なんだかハマっちゃったわ」

 

「ミイラ取りがミイラ、だな」

 

「あら、ドドンゴでも呼びましょうか?」

 

 それは困る。近々引っ越すのだから呼ぶならせめて引っ越してからにしてくれ。

 それにしても…マリアまでオタクになるか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

妄想特撮シリーズ マリアサン

 

 

『申し訳ないことをしたわ。千鶴隊員…』

 

 闇の中、声が聞こえる。

 

「お前は…誰だ?」

 

『M87星雲から来た宇宙人…マリアサン』

 

 ま、マリアさん…?

 

『あなたは私のせいで死んでしまったわ…だから代わりに私の命をあげるわ』

 

 命をあげる?  

 そんなことしたら…

 

「お前はどうなる?」

 

『私とあなたは一心同体になるの…そして、地球の平和のために戦いたい』

 

 そう言い終わると俺の体になにか落ちてきた。

 めっちゃ痛い。

 これは…なんだ?

 銀色の…左腕?

 えっグロい。

 

『それはアガートラーム。困った時にこれを使うと…』

 

 これを使うと?

 

『ふふふ…心配することはないわ。ふふふ…』

 

 そして、声の主の気配が遠ざかる。

 おい!説明をしろ説明を!

 これを使うとどうなるんだ!!!

 

 それから、俺はピンチの時はマリアサンになって戦った。

 マリアサンは地球では急速に空腹となってしまうため三分間しか戦えない。

 それでも多くの怪獣、宇宙人、巨大翼隊員などと戦い、そして…

 

「くっ…こうなったらデストンを…デストンデェス!!!」

 

 デスデス星人がそう叫ぶとデスデス星人の円盤から青い風船のようなものが膨らみ破裂した。

 そして、怪獣が現れた…

 

「デストン…デスデスデェス…」

 

 俺はマリアサンに変身し戦ったが敗北…

 マリアサンは死んだのだ。

 

「クリス隊員!これを使ってください!ボクの自信作のイグナイト爆弾です!」

 

「ようしこれなら…」

 

 自分の銃の先端に爆弾を取り付けデストンに向かって発射。

 デストンは重力を忘れ空に浮かび…爆発した。

 こうして、地球人は自分たちの手で地球を守ることが出来たのである。

 地球は、我々人類が守らなければならない…

 

 

 

 

 とある空間。

 永遠の眠りについたはずのマリアサンは目覚めた。

 そして、この中にいるもう一人の宇宙人に気付いたのだ。

 

『あなたは…』

 

『私は防人警備隊のツバサ。デストンは倒した!共にM87星雲に帰ろう。私は命を持ってきた』

 

『命を…だったら、私と一体化した地球人…千鶴にあげてちょうだい。私はもう二万年も生きた。それに比べれば地球人の命は儚く、短い…』

 

『マリアサン…そんなに地球人が好きになったのか』

 

『ええ、地球人…いえ、千鶴が好き!』

 

 

 

 

 

 

 小鳥のさえずりが聞こえる。

 カーテンの隙間から朝日が差し込み、眩しい。

 

「変な、夢…」

 

 思わず呟いた。

 昨日、丸一日ウルトラマン漬けだったからな…

 それにしてもマリアサンとは笑わせる。

 マリアにはヒーローじゃなくて…歌姫で…

 いや、俺の妻でいてほしいものだ。




M87星雲
マリア 8月7日誕生日!

緑鎌恐竜デストン
顔の×字の部分が発光、点滅している。
必殺技は一兆度のデェス!

デスデス星人
地球に30年前から潜伏しており語尾がデス。
地球人の語尾をデスにするためやって来た。


防人警備隊ツバサ
マリアサンと同郷の宇宙人。
防人警備隊の隊長である。
デストンは倒したと言ったが彼女が倒したわけではない。
近い未来、頭が燃えてミスファイヤーヘッドという愛称がつけられ長きに渡るネタキャラとしてファンからも公式からもいじられるようになってしまう。
S.O.N.G. の翼隊員に似ているが関係はない。


巨大翼隊員
S.O.N.G.の隊員、翼隊員が悪質な宇宙人により巨大化させられ操られ街を破壊した。
胸も巨大化してもらえればよかったのn…グサッ

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。