マリアさんは結婚したい   作:大ちゃんネオ

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仮面ライダークイZzz …(。-ω-)
水樹奈々さん結婚おめでとうございます!
Twitterの方でも呟きましたが、こちらでも改めて…

それからそれから仕返しアンケートありがとうございました!
現在執筆中です!近日投稿となりますのでもう少々お待ちください!


救えよ愛妻、答えよ正解

「た、ただいま…」

 

 夕飯の支度をしていると、やけに沈んだマリアのただいまが聞こえてきた。

 そして力ない足取りでリビングまでやって来ると、これまた力なくソファへと倒れこんだ。

 今日は打ち合わせくらいだからと朝は言っていたが、何か疲れるようなことがあったのだろうか?

 

「おかえりマリア。何かあったのか?」

 

「う~…実は…クイズ番組に出ることになって…」

 

「クイズ番組?」

 

「そう。翼と一緒に出ることにいつの間にかなってて…」

 

 …恐らく、緒川さんの仕業だろう。

 今度、久しぶりに風鳴とのコラボ曲を出すと言っていたしそれの宣伝で緒川さんが仕事を取ってきたに違いない。

 

「クイズ番組なんて出たことないからなんだか不安で…」

 

「お前はあんまりバラエティ出たりしていなかったからな。最近はよく出ているが…」

 

「けどクイズ番組は初めてなのよ!あれでしょ?分かっててもボケたりしなきゃいけないんでしょう?そんな器用な真似、私に出来るかしら…」

 

「安心しろ。そういうのは共演する芸人がやるだろうからお前は普通にしていろ。むしろ普通にしていた方が珍回答が出て笑いを取れるだろ」

 

「あのね千鶴。私が世間からどういうイメージを持たれてるか知ってる?クールでカッコいい世界の歌姫よ。珍回答なんてしたらイメージが崩れるじゃないッ!!!」

 

 すまないマリア。

 そのイメージは最近崩れてきてると言わせてもらいたい。

 最近は惚気のイメージが強くなっているのだ。

 それにマリアが気付いているかは分からないが…。

 いや、気付いてないな。

 

「そういうわけで、クイズの対策するから千鶴も手伝って!」  

 

「それはいいが…まずは夕飯だ」

 

 

 

 

  

 

 夕食後。

 食器洗いを終えると早速マリアのクイズの対策に付き合うことに。

 今回、マリアが出演するのはバラエティ色強めなクイズ番組。コンビで出演してポイントが最も高いチームが優勝。優勝すると…なにかあるかもしれない。 

 出演者も俳優、芸人、タレント、歌手と幅広い。

 ガチ目なクイズ番組ではないので問題の難易度も低いだろう。

 緒川さんが作ったというクイズ対策問題集をぱらっと読んだが一般常識や高校までで学習してきたもの、時事問題なんかもあるようだ。

 というわけで第一門。  

 

「アメリカ合衆国の国旗に描かれている星の数は何の数と一緒でしょう?」

 

「州の数よ」

 

「正解だ、それでは次。料理のさしすせそ…全て答えよ」

 

「砂糖、塩、酢、醤油、味噌」

 

 すらすらと答えるマリア。

 ふむ…。

 

「なんだ、順調だな。別に心配する必要ないんじゃないか?」

 

「そ、そうかしら?もしかしたら私にはクイズの才能があるかもしれないわ!」

 

 まだ二問しかやってないがマリアも調子づいてきたようでテンションも上がってきた。

 やはり、マリアにはこうあってもらいたい。

 

「それじゃあ三問目。水の化学反応式を書きなさい」

 

 書きなさいと来たか。

 紙とペンが必要だな…紙はテーブルに置いていた裏が白紙のものを、ペンは電話隣のメモ帳に備わっているものを用意して…。

 …なんだか、マリアの様子がおかしい。

 

「どうかしたか?」

 

 訊ねると、マリアは目をぱちくりとさせてこう言った。

 

「千鶴。かがくはんのうしきって、なに?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日。

 

「ということがあってだな…」

 

「あー…」

 

「マリアは学校に行ってないから…」

 

 事務室に暁と月読を招いて昨日の出来事を話した。

 あのあと、他の問題もボロボロで折角上がったテンションも一気に急降下。今日はマリアは休みであるが、珍しくずっと布団に籠っていた。

 

「お前達の生い立ちは私も大体聞いていたが…。F.I.S.で教育は受けさせられなかったのか?」

 

「ずっと実験、訓練って感じだったデス…」

 

「マムが必要最低限の読み書きや計算とかは教えてくれたけど、そういう実生活には必要なさそうなことまでは…」

 

 確かに、大人になってから化学反応式やら√がなんだとか二次関数だとかについて深く関わったことはない。

 数学者や科学者なら日常的に目にするのだろうが…。

 

「すまない。聞かれたくないことだったろう」

 

「いえ。マリアの事でもあるから、六堂さんには知っててもらいたいです」

 

「…ありがとう」

 

「それにしても、まさかマリアの前にそんな壁が立ち塞がるとは思ってもみなかったデース」

 

 暁の言葉に同意する。

 全くもって予想外の出来事に私も頭を抱えていた。

 

「マリアの特訓に付き合ってあげたいデスけど…」

 

「私達はこれから任務で遠出…」

 

「…ああ、そうだったな」

 

 頼ろうと思っていた二人が頼れないとなると…。

 いや…。

 

「いや、大丈夫だ。私だけでなんとかしてみせる」

 

「そう、ですか…。切ちゃん」

 

「デース!アタシ達からの餞別デス!受け取るデス!」

 

 暁から手渡されたのは黒縁のメガネ。

 これは確か…美人捜査官眼鏡とか言ってたやつの色違いか?

 

「それはイケメン教師眼鏡~生徒との禁断の恋~です。これを着ければきっと指導力アップするはず」

 

「…色々とツッコミたいことはあるが、ありがとう。気持ちは伝わった」

 

 こうして、私のやるべきことは決まったのである。

 マリアの夫として…私は…俺は…!

 

 

 

 

 

 自宅に帰るなり早々、マリアをリビングに呼び出しテーブルに参考書の山を積み上げた。

 そして…イケメン教師眼鏡~生徒との禁断の恋~を装着した。

 

「千鶴、これは…?」

 

「マリア…俺はこれからしばらく、お前の教師になる。みっちり教育してやるから覚悟しておけ」メガネキラン☆

 

 呆けるマリア。

 恐らく、状況が飲み込めていないのだろう。

 

「今更勉強なんてしたって…どうせ私は恥を晒すだけなのよ!無意味よ…こんなの…」

 

 昨日の事が余程トラウマなのか既に諦めている。

 まったく、世界を救った歌姫の一人が情けない。

 こういう時は、心を動かすことが大事なのだ。というわけで、俺は高校時代の友人が言った今でも忘れられない言葉をマリアに教えることにする。

 

「…高校時代の友人が言ったんだが、『受験勉強の時間なんて人生の一割にも満たない。そう考えれば頑張れる』ってな。そうして奴は志望校に合格した。今は…」

 

 …なにやってるんだろうな?

 連絡取ってないから知らない…。

 それはさておき。

 

「収録まで一週間。人生の一割、いや、1%にも満たない時間だ。仕事やら家事やらあると思うが…いや、家事は俺がやろう。…とにかく頑張れるか?」

 

「そんな!千鶴だって最近は忙しそうなのに…悪いわ」

 

「クールでカッコいいイメージを崩したくないんだろう?それに、夫が妻を支えるのに理由が必要か?どんな時も支えると誓っただろう」

 

「…ありがとう」

 

 マリアもどうやらやる気になったようだ。

 よし…俺もやるか。メガネキラン☆

 

 

 

 それから一週間。

 マリアは並の受験生以上だったと思う。

 仕事の合間は全て勉強。

 帰宅してからも勉強。

 勉強漬けの毎日だった。

 マリア自身、こんなに勉強したのは初めてと言っていた。

 とても辛かっただろう。

 それでも頑張れたのは…。

 イメージを崩したくなかったから…。

 

 

 

 

 

 そして、収録日。

 

「問題。世界で一番高い山はエベレストですが、三番目に高い山はどこでしょう」

 

 ピンポン!

 

「K2ッ!!!」

 

「正解!マリアさんお強いですね~」

 

「いえ、夫と友人(K2を世界第3位に下方させた)のおかげです」

 

 その後も次々と正解をかっさらっていき…。

 見事、マリアと翼の歌姫チームは優勝したのである。

 

 

 

 番組放送から数日後。

 マリア出演の反響はなかなか大きく、ネットでは新たなクイズの女王誕生か?なんて言われている。

 しかし、当の本人からすれば無理矢理出演させられたようなものなので恐らくオファーが来ても断るだろう。

 収録後、二度目はないわ…と疲れ切った表情で言っていたし。

 さて、そろそろうどんが出来上がったかな…。

 

「千鶴!助けて!!!」

 

 廊下を勢いよく走ってマリアがやって来た。

 キッチンに入ってくるとこれまた勢いよく抱きついてきて…。

 

「ど、どうした…?」

 

「また緒川さんが勝手にクイズ番組のオファー入れたのよ!」

 

 なんだそんなことか…。

 

「たくさん勉強したからもう大丈夫だろう。二回目くらい出てやったらどうだ?」

 

「違うのよ!前の番組とは別の番組で本当に頭いい人ばっかり出てるやつ!これ!」

 

 マリアが見せてきたスマホに映っていたのは、インテリ系芸能人等が本気で競い合う方のクイズ番組。

 当然、問題の難易度も跳ね上がる。

 これは…。

 

「ま、まあ頑張れ…」

 

「見捨てないで!?司令から聞いたわよ。千鶴は高校生の時、すっごい成績良かったって。だからその頭脳を活かしてまた勉強教えて!」

 

「そんな十年前の話…。今は別にそこらの人と変わらん。それにな、S.O.N.G.で働いてる人は大体頭良いぞ。友里さん辺りに教わったらどうだ?あの人もいいとこの出だぞ」

 

 ちなみに俺は最終学歴高卒である。

 大学に行くよりも実家を出たかったからという理由と弦十郎さんの手を借りて二課に入った。

 進学させたい学校側と少々いざこざはあったがそこは国家権力。有無を言わさずに就職出来た。

 

「…問題」

 

 ?

 

「私が千鶴に勉強を教えてもらいたい理由はな~んだ?」

 

 唐突な問題。

 それでいて意味が分からない。

 俺から勉強を教えてもらいたい理由…?

 

「…気を遣わなくていいから?」

 

「ハズレよ。答えは…」

 

 背伸びをするマリア。

 彼女の唇が俺の唇に重なって…。

 …これが、答え?

 

「分からないの?」

 

 マリアはムッとした顔になった。

 まずい、これは当てないと機嫌が悪くなってしまう。

 考えろ…考えろ…。

 

「…10」

 

 カウントが始まってしまった!?

 しかしゆっくりとしたカウントだから焦らずに考えろ…。

 

「9…8…7…」

 

 焦るな、俺。

 考えろ、考えろ…。  

 キスが何かを意味している…?

 暗号的な?

 

「6…5…4…」

 

 む…流石にまずいか…?

 いや、ギリギリまで頑張れ、俺。

 キスだぞ、日常的にやっていることでも意味があるはず…。

 

「3…2…1…」

 

 キスに籠められた意味…。

 …少々、難しく考え過ぎたようだ。

 クイズのやり過ぎのせいだなこれは。

 もっとストレートに考えるものだったんだ、これは。

 

「ゼr…んっ…」

 

 数秒、唇と唇を触れあわせた。

 そして、そっと離れるとマリアを見つめながら「これが、答えだ」と言った。

 マリアは何も言わない。

 溜める。

 クイズ番組の司会者のように。

 そして…。

 

「…正解よ」

 

 再び口づけされる。

 離れると、今度は自分からする。

 これを繰り返して…キッチンから徐々に離れ、リビングのソファにマリアを座らせて…。

 マリアが俺の手を引き、ソファへ誘う。

 そして…。

 

 うどんを茹でていた鍋が吹き零れた。

 当然だが、うどんは駄目になっていた。

 ムードも台無しになった。

 とりあえず…二人で、笑った。

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