マリアさんは結婚したい   作:大ちゃんネオ

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調編後編


人は見かけによらない

 某ちょっとお高めのフランス料理店。

 三人並んで座り、月読とお相手を待つ。

 

「なあ、何でわざわざこんな店を選んだんだ?」

 

「ふふ、こういうお店ではマナーが大事デス。マナーを見れば人となりが分かるデース!」

 

 それは確かにそうだが…。

 

「ちなみにこういう所では椅子に座る時は左から座るんだぞ」

 

「ッ!?さっきアタシ右側から座っちゃったデスよ!」

 

「まあ、これから気を付ければいいわ。それと、もう少し声量抑えて」

 

 デース…と口を抑える暁。

 少々、先が思いやられる。

 

「それにしても遅いわね。調が時間に遅れるなんて…」

 

「きっと男の方が遅れてるんデスよ…時間にルーズ、減点デース」

 

「そうと決まったわけじゃないだろう。この店も少し分かり辛い場所にあったし迷ってるかもしれない。それとだが、駅での待ち合わせに遅れたお前が減点とか言える口か?」

 

 ぐぬぬと反論しようにも言い返せない暁。

 本当に先が思いやられる…と、月読達が来たようだ、が…。

 

「デ、デカイデース…」

 

 暁がそう漏らした。

 だが、事実デカイ。

 私よりも背は高いな…肩幅もあって胸板も厚いおかげで2mはありそうなくらい大きく感じる。

 隣にいる月読が小柄なのもそう感じさせる理由だろう。

 浅黒く日焼けした肌、短く刈り整えた金髪…。

 大体の人物が彼を見て威圧感を感じることだろう。

 事の始まりは一週間前。

 暁が見せた写真が引き起こした月読ショックの惨劇により彼がどんな人物なのか見極めなければとマリア、暁の二人が立ち上がったわけだが…。

 

「千鶴もついてきて」

 

「お前と暁二人いれば大丈夫だろう」

 

「いいからついてきて。男の目線から見極めてほしいのよ。それに、調の兄貴分なんだから気になるでしょ?」

 

「本音は?」

 

「ああいう男の人苦手なのよ…」

 

 まったく…これより怖い奴等と戦ってきただろうに。

 という感じで私も出席することに。

 まあ、二人のブレーキ役がいないと大変だろうという思いもあったので今回はブレーキ役に徹しようと思う。

 さて、当の彼は…ふむ。

 マナーやドレスコードは心得ているようだ。

 こんな店に来るからと付け焼き刃で勉強してくればボロや動揺が出るというものだが、至って自然体だ。結構、こういう店に来ることがあったのかもしれない。

 

「ごめんなさい。道に迷っちゃって…」

 

 ほらやっぱり。

 そして…。

 

「遅れてしまい申し訳ありません。僕は名取正義と言います。正義は正義の味方の正義です。その、調さんとお付き合いさせてもらっています」

 

 ふむ、見た目より人当たり良さそうだ。

 柔らかい笑顔が眩しい。

 そんなことを思っていると、スーツの袖を引っ張られた。

 

「ちょっと」

 

 小声で暁が呼び掛けてきたので反応すると後ろを向かされ小声で会話することになった。

 

「なんだ」

 

「聞いたデスか?」

 

「なにをだ」

 

「名前デスよ名前!」

 

 名前?

 まあちょっと大層かもしれないが、別におかしい名前ではないと思うが…。

 

「名取って言ったデスよ。名取…これをアルファベットで書けばNATORI。つまり…NTRデス!」

 

 …は?

 

「なんですって…!待って切歌。NTRだけじゃないわ」

 

「なんデスとぉ!?一体なんデスか!?」

 

「名字ではなく名前の方よ。正義…これは、性技若しくは性戯と一致するわ」

 

「お前は何を言ってるんだ」

 

 マリアも暁も月読のことが心配過ぎて少々…いや、頭がおかしくなっている。

 やっぱり今日来て正解だった。  

 でないと大変なことになっていただろう。

 

「お前達…人を見かけで判断するな。それに名前に関しては言いがかりだ。失礼だぞ」

 

「なにを言うデスか!人は大体見かけによるから人は見かけによらないなんて言葉が生まれたんデス!」

 

 うん…?

 あ、いや意味は分かった。

 たまに例外があるからという意味か。なかなか面白いことを言う。

 

「私の見立てではきっとこうよ」

 

 …

 ……

 ………

 大学ではソフトテニスサークルに所属。しかしその実態はただのヤリサー。 

 春はお花見して夜は乱○パーティー。

 夏はサーフィンに行って夜は乱○パーティー。

 秋はお月見しながら乱○パーティー。

 冬はスキーに行って夜は乱○パーティー。

 年がら年中乱○パーティー。

 きっと既に調はその毒牙にかかって…。

 

「ねえ調ちゃん。今度友達紹介してよ」

 

「うん。今度は切ちゃんとマリアも一緒に…」

 

 ………

 ……

 …

 

「ていう感じよ」

 

「なんて卑劣な奴デスか!」

 

 …想像力が豊かなことで。

 そんなわけないだろう。

 まったく…。

 

「あの、どうかした?」

 

「いや、なんでもない。それより、まずは食前酒を頼むといい」

 

「そうですね。…あの、貴方は」

 

 名取君が訝しげに訊ねてきた。

 そういえば、まだ名乗っていなかったな。

 マリアと暁のことは月読が話しているだろうが私のことはきっと話していないだろう。

 

「すまない、自己紹介が遅れた。私は六堂千鶴。マリアの夫だ」

 

「千鶴は調と切歌の兄貴分にあたるのよ!」

 

 なぜマリアが自信満々なんだ。

 暁は隣でなんでこんな奴が兄になるんデスかと小声で抗議してくるが聞き流す。

 

「セイ君、ほらこの間話した…」

 

「ああ!料理の先生!」

 

 月読は私のことを彼になんと説明したんだ。

 いや、間違いではないが職業まで料理の先生とか思われてないよな?

 まあ、なんだっていいが…。

 

「千鶴、お酒飲むの?」

 

「私はミネラルウォーターを頼むから大丈夫だ」

 

 そういうマリアの方が私は気になるのだ。

 甘酒で酔える奴だからな…シャンパンはビールよりも度数が高いから気を付けてほしいが…。

 

「今日は車で来たんですか?」

 

 名取君が訊ねる。

 ああ、アルコールを頼まないからそういう風に思ったのか。

 

「恥ずかしながら弱くてな。アルコール、駄目なんだ」

 

「そうなんですか…実は僕も弱くて」

 

 おお。

 まさか飲めない仲間だったとは。

 

「無理して飲まなくてもいいんじゃない?」

 

「そうだな。ミネラルウォーターは料理の脂っこさ等を洗い流してくれるからオススメだぞ」

 

 ちなみにガス入りがオススメ。

 炭酸の刺激がいいのだ。

 そういえば暁はどうなんだろうか?

 酒に強くあってほしいが…暴走されると困るし。

 

 

 

 

 

「ほんとうにしらべをしあわせにできるんデスか!」

 

 …駄目だこれ。

 とりあえず暁はいい感じに酔ってるマリア(正気を保っている。悪いとテンションが上がるか下がるかする)に任せて私は名取君と会話する。

 

「かなり鍛えているようだが、何かスポーツを?」

 

「いえ、僕、運動音痴なので…体格は遺伝です。父も祖父もすごい筋肉で…」

 

 …名取君の家系はジョースター家かなにかだろうか?

 運動音痴ということはこの日焼けも…。

 

「地黒なんですよ。まあ、外での活動もするので日焼けもします」

 

 あははと照れ隠しで笑う名取君。

 髪を染めてる理由は、よく不良に絡まれたのでなめられないように染めたとか。

 …よく絡んだな不良も。

 まあ、若干弱気な感じがあるのでそれのせいか。

 

「外での活動というのは?」

 

「フィールドワークです。大学近くの川とかで生態調査とか外来種の駆除だとか…」

 

 ほう。

 

「セイ君は将来、小学校の先生になって生き物の素晴らしさを伝えるのが夢なんだよね?」

 

 ほうほう。

 

「嫌だな調ちゃん…恥ずかしいよ…」

 

「そんなことないよ。立派な夢だよ」

 

「そうだな。もっと誇っていい素晴らしい夢だ」

 

 控えめに言って素晴らしい若者ではないか?

 しっかり目標があって頑張っているようだ。

 とてもマリアや暁が思っているような人物ではないだろう。

 

「ちょっとちょっと」

 

 再び小声で招集がかけられた。

 今度はなんだ。

 

「さっき小学校の先生になりたいとか言ってたデスね?」

 

「ああ、らしいが」

 

「小学校の先生になりたい…つまり、ロリコンッ!」

 

 は?

 

「調はロリっぽいデス。そこが魅力でもあるデスがきっと合法的にロリと付き合えるからこの男は調を選んだデスよ!」

 

「暁、お前そんなわけないだろう…」

 

「アタシには未来が見えたデース。調が不幸になる未来が…」

 

 おい、私の話を聞け。

 

 

 

 

 

「今日未明、自身が担任を勤めるクラスの女子児童に淫らな行いをしたとして名取正義容疑者を逮捕しました」

 

近隣住民「なんか奥さんも小さい人で…やっぱりそういう趣味があったんでしょうね」

 

 そして貼られるロリコン犯罪者の妻というレッテル。

 どれだけ引っ越してもそれは追いかけてきて調の安寧を奪う。

 

「もう…辛いよ…さよなら、切ちゃん。ごめんね…」

 

「調ぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 

 

 

 

「みたいな感じデス」

 

「くっ…許しておけないッ!」

 

「本当にお前達は想像力が豊かだな」

 

 一種、尊敬してしまいたくなるほどの想像力だが今はそんなことどうでもいい。

 

「お前達、邪推が過ぎるぞ。彼は至って普通の青年だ」

 

「そんなの…そんなの分からないじゃないデスか!」

 

「切ちゃん…?」

 

 …思っていたより、思い詰めていたらしい。

 あまり二人のことは知らないが、とにかく二人の仲がいい。強い絆で結ばれていることは知っている。

 

「…ごめんなさい。ちょっと外に出るデス…」

 

「切歌!」

 

 暁を追いかけようと立ち上がったマリア。

 だが…。

 

「行くな」

 

「けど!」

 

「行くなと言っている。行くのは…」

 

「私が行きます。セイ君、ちょっと待っててね」

 

 そうして、月読が暁を探しに行った。

 

「大丈夫かしら、二人…」

 

「気にするな。あの二人だっていつまでも子供じゃない。ちゃんと納得いくまで話し合って、納得して帰って来るさ」

 

「…そうね。知らない間に成長してるのね…」

 

「すまないな、こんな感じになってしまって」

 

「いえ、僕も…あの二人には仲良くしててもらいたいんです」

 

 ?

 名取君は暁のことを知っていたのか?

 暁は知らなかったようだが…。

 

「その、調ちゃんには一目惚れで…。たまたま、暁さんと二人でいたところを見て、その…笑顔に見惚れてしまって」

 

 …なるほどな。

 

「ひとつ良いことを教えよう。髪、金髪は似合わないから戻した方がいい」

 

「…そうですね。明日には戻します」

 

「それがいい」

 

 その数十分後、二人は仲良く手を繋いで戻ってきた。

 まったく仲が良いことで…。

 名取君もしっかり認められたようであとは楽しく会食して解散となった。

 …財布が少々軽くなったが問題はない。

 卸せばいいだけの話だ。(現金主義者)

 ちなみに後日であるが、たまたま出会った暁の旦那さんから浮気されてないか心配だと相談を受けた。

 調べてみたらあのカップルのデートに混ざっているらしくマリアに報告して釘を刺してもらったから大丈夫だろう。多分…。




次回 マリアさんは結婚したい!

マリア「ちょっと最近私の出番が少な過ぎやしない?タイトルに名前が冠されてる主役のはずでしょ!」

セレナ『マリア姉さん。私、出番が欲しい…』 

マリア「いくらセレナと言えど出番は譲れないッ!次回は久しぶりに二人きりでイチャイチャだッ!!!」

次回 ショタ化が書き終わればショタ化
   響の悩み事
   司令&雪音編
   緒川さんの悩み
   友里、合コンの殺戮者
   地獄姉妹の新メンバー
   錬金術師が恋に落ちたので証明してみた
   防人の花嫁修業
   巨大怪獣ガイガン出現!?
   セレナ、霊界一武闘会
   千鶴、実家に帰る
   シンフォギア装者の鎮魂歌
   六班結成秘話
   池田屋事件
   帰りにシャンプー買う
   季節ネタ
   炒飯美味しかったですby姉 
   マリア妊娠から出産まで…
   etc.
   いずれかのうちのどれかです!
   お楽しみに!

マリア「え、ちょ!?こんなに候補あるの!?というか最後…えっ、嘘…」
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