久しぶりにマリアと家でゆっくりと過ごす休日。
ソファに並んで座り、右半身にマリアを感じる。
「あ~なんか千鶴といるとIQ が下がる…」
落ち着くのはいいが、知能指数は保っていてもらいたい。
しなだれかかるマリアを撫でると「ん…」という声が漏れた。猫が撫でられて気持ち良くなっているよう。更に脱力したマリアはそのまま俺の膝を枕にして寝転んだ。
「あー…なんだか甘えたくなるのよね。けど最近は家事は交代制って決めたのに千鶴に任せきりだし、その上こうして甘えちゃうし…自分が嫌になるわ」
「そんなこと言うな。お前は忙しいんだから、もっと頼って…甘えていいんだぞ?普段から頼られてるんだから家でぐらいな?」
そう言うとマリアは俺の首に手を回してそれを支えにキスしてきた。
「…もう、好き」
そして再びキス…。
今度は、深い。
「ん…んん…んっ…」
「ん…。どうしたんだ?」
「うん…今日は久しぶりにゆっくり出来るから、ね?」
ふむ…。
「ちょ!」
マリアをお姫さま抱っこして運ぶ。
マリアは暴れるが…まあ、問題はない。
「シャ、シャワー浴びたりとか…」
「別に汗かいてないからいいだろ?」
そう言うとマリアは何か言いたげだが反論は出来ないので目で何かを訴える。
かわいい。
折角家でゆっくり出来るのだ、二人で楽しもう。
一ヶ月後。
S.O.N.G.休憩室。
「うーん…眠い…」
瞼が油断すると落ちてくる。
ここ最近、睡魔が私を頻繁に襲う。
「なんだマリア、寝不足か?睡眠はちゃんと取らないとダメだぞ」
「ちゃんと寝てるわよ…。なのに何故か眠くて…」
「睡眠が浅いとかか?一度病院で診てもらった方が…」
「眠いだけで病院なんて大袈裟よ…」
頬をぱんぱんと叩いて眠気を覚ます。
よし、これで眠気も覚めt…Zzz…ハッ!
数時間後、食堂。
「昨日、妊娠したことをいつ伝えるか~ってテレビでやっててデスね?思ったよりもサプライズ的に伝える人が多かったんデスよ」
「サプライズ的にって言うと、例えば誕生日に伝えたりとか?」
「そうデス響さん。ご名答デース!」
「確かに赤ちゃんは授かり物って言うし、そういう風に伝える人も多いかもね」
「調もそう思うデスよね!アタシも子ども出来たら…ふへへ」
「…切ちゃんのところはその、そういうのは…」
「アタシ達はまだお互い若いから二年くらいは二人で過ごそうってことにしてるデス」
「なるほど…マ、マリアは…マリア?どうかした?」
「マリアさん全然ご飯食べてないじゃないですか!食欲ないんですか?」
「…ご飯の匂いが、キツイ…」
数日後。
2051年2月14日 バレンタイン。
「なあ、マリア」
訓練終わり。
シャワーを浴びていると、隣のクリスが話しかけてきた。
「なに?」
「お前は、その…バレンタインのチョコとかあげるのか…?」
「ええ、当然でしょ?」
「その…恥ずかしくならないチョコのあげ方教えてくれ…」
クリスが…。
はは~ん。
「いつも通り自然な感じで司令に渡すといいと思うわよ」
「いつも通り…自然な感じで司令に…ってぇ!?なんでおっさんに渡すって…!!!」
「ふふ、なんででしょうね~それじゃあお先~」
「あ!?待てマリア!!!おい!!!」
ふふ~ん。
ウキウキ気分で六班の部屋へ。
さて、今年こそはちゃんとバレンタインのチョコをあげないと…。
去年は千鶴を攻略しててどんなチョコをあげるか悩み、いざ渡そうとなってへたれたので今年こそは…。
さあ、気合いを入れて扉を開けて…!
「千鶴お疲、れ…」
「ん」
「班長、これは中に異物が混入しています。中身は…」
「いい、言うな。またぞろ寒気がするものだろう?」
「はい。では私の胸にしまっておきます。このチョコの中に髪の毛が入っていることを…」
「言ってるっすよ~乾ちゃん。あと、乾ちゃんの胸にはそんなにたくさん入らな…うわ!マジごめんっす!貧乳弄りしたのは謝るから銃を向けないで!」
えー、と。
なに、これは…。
事務室中央に鎮座するデスクに積まれた、恐らくチョコの山…。
「いやー毎年それなりに班長宛に来るんですけど今年は例年より多いっすね。多分結婚して雰囲気が柔らかくなったことで更なる人気が…。班長、美形だしCLAMP原作のキャラかよ!って等身してますし。モテるおかげでこうして毎年私達もチョコに困らない…マリアさん?どうかしたっすか?」
「…千鶴の馬鹿ッ!!!」
自分でも何故か分からず怒って、その場から逃げ出してしまった。
もう、心がぐちゃぐちゃだった。
こんなところで新キャラ紹介!
乾 美由紀。
六班所属の天才JK(16歳)銃使い。
目、鼻、耳がいい。
孤児。
とある紛争地帯で育ち、少年兵として数々の戦場を渡り歩いた。パヴァリアの攻撃により瀕死の怪我を負ったところを千鶴に救われ、以来千鶴に従うようになった。
貧乳。
千鶴を主人としている犬気質。
…はあ。
どうしちゃったんだろう、私…。
いつもならモテるわね~千鶴~とか言ってからかえるのに…。
S.O.N.G.本部が停泊している港を歩く。
海風が身体を冷やす。
上着、持ってくればよかった…。
…寂しい。
千鶴…。
「マリア」
不意に、後ろから聞き慣れた声がして…。
「千鶴ッ!」
思わず、抱きついてしまった。
とっても嬉しくて、嬉しくて…。
「前にも、こんなことがあったな。お前を探して海辺に行った」
「水族館行った時も海の近くでこうしたでしょ?」
「そうだな。…で、今日はどうしたんだ?」
「…それが、分からないの。自分でも分からない。最近、おかしいの…」
「…まったく。もう少し頼れ。夫婦だろう」
「…うん」
このあと、しばらく千鶴に抱き締めてもらった。
仕事中にいいの?とからかう余裕が出来たので大分回復したのだろう。
…ほんと、どうしちゃったんだろう。
更に数日後。
「うーん…」
「どうしたマリア?また眠いのか?」
「最近あんまり体調優れないって言ってたもんね」
「心配してくれてありがとう翼、調。体調は別に普通よ。ただ…」
「「ただ?」」
「なんか、胸が張って…」
「」
「」
次の日。
「うーん…なんか熱っぽい…」
朝起きてから頭がクラクラして熱っぽい。
けどこれくらいなら寝てれば治るか…。ちょうど休みだし寝てよ…。
「…病院行くぞ」
「大丈夫よ。寝てればよくなるから…」
「よくない。ここ最近体調が優れなかったんだろう?病院行って診てもらえ。いや、病院に連れて行く」
「けど今日は千鶴忙しいんでしょ?寝てれば治るから…」
「もしもし。月読、すまないが今日マリアを病院に連れて行くから付き添いを頼む。ああ、ああ…分かった。すまないがよろしく頼む。…というわけで、病院に行くぞ」
調と、調から連絡が行った切歌とS.O.N.G.が使っている病院の前で合流。
そこまでは千鶴に送ってもらった。
今日はパヴァリア残党の検挙があるので千鶴は出動。
正直、私なんかよりそっちの方が心配だ…。
そんな心配をしながら色々検査をして待合室で話ながら待つ。
「もしかしたら妊娠だったりするかもデスよ!」
「だといいけど…」
「もし妊娠してたらどうするデスか?すぐ教えるデスか?」
「うーん…千鶴の誕生日まであと二ヶ月だからそれまでだったら隠せるかな。誕生日プレゼントって言って発表しましょう」
「おおー!サプライズデスね!」
「六堂さんのビックリする顔見てみたいかも」
それは確かにレアなので私も見たい。
千鶴の驚いた顔を想像していると呼ばれたので診察室へ。
そして…。
「おめでとうございます。ご懐妊です」
「え、え…!」
もしかしたらと予想はしたけど、実際に言われてみるとやはり驚くものだ。
そしてなにより嬉しくて…。
先生の話を聞き終わり、調達の待つ待合室へ…いや、それよりも…。
「マ、マリアッ!?走ってどこ行くデース!!!」
病院の外へ出て、スマホを操作。
千鶴の番号…!
コール音のあと、すぐに千鶴は出た。
『…どうした?診察は終わったのか?』
『こ、こいつ…ナイフで銃弾を弾きやがるッ!?』
『こっちは忍術を使うぞ!』
『あら~いい男じゃない!!!私のこ・の・み♥』
『く、来るなぁぁぁぁ!!!!!』
…そういえば仕事中だった。
だけどそんなことよりも…。
「千鶴、私…妊娠したのッ!!!」
『…なに?』
「だから、妊娠ッ!!!」
『…了解した』
『なんだ、こいつ急に動きが…ガハッ!!!』
『ヒデブッ!』
『タコスッ!』
『快、感…』
『さすが班長。私の早撃ちより早い…』
…錬金術師達には申し訳ないけど、私の夫は強いのだ。
私の自慢の夫なんだ。
「マリア…サプライズはどうしたデスか…」
「あ」
オマケ
鯉音「妊娠したと聞いて!凄腕一流産婦人科医を見つけてきました!早速予約を…」
千鶴「あ、S.O.N.G.の病院使うから。職員はタダだし普通に腕いいから」
鯉音「そんなぁ…」
久しぶりに連日投稿だな…
明日は無理かも。
めんご!