マリアさんは結婚したい   作:大ちゃんネオ

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筆がやめられないとまらない
皆さんのおかげで日間6位、二次では2位を記録しました!
ありがとうございます!!!
どうぞ今後も御贔屓にお願いしますぜ旦那ァ。ニヒヒ。



酒ってやっぱり慣れよね

 花の金曜日。

 今日はきっちり定時で仕事を終えることが出来たので早く帰れる喜びを感じながら帰り支度をしていると女性職員が事務室へ入ってきた。

 なんでも私に荷物が届いているとかで箱を置いていったがこれは……。

 

 

 

 

 

 

「イタリアにいる部下からワインが届いた?」

 

 帰宅して早々、出迎えたマリアにワインの入った木箱を手渡した。

 

「ああ。分かっているだろうが、俺は酒駄目だからお前が飲むなり料理に使うなりしてくれ」

 

 俺は酒を飲むともう駄目なので絶対に飲まないことにしている。具体的にどう駄目かと聞かれると……とにかく駄目なのである。

 甘酒はいいんだが……。

 

「なにそれなにそれ!ジュース?」

 

 俺が帰ってきたことに気付いたアリアが出迎える。

 しかし、興味はワインの方に行ってしまった。

 悲しいものである。

 

「ただいまアリア。これはジュースじゃないぞ。だから飲むなよ。アリアにはまだ早いからな」

 

「はーい」

 

 アリアに釘をさしたがどこか不満そうな顔をしているので管理はしっかりしないといけなさそうだ。

 アリアは悪戯好きでこちらの想像を越えてくるので注意が必要である。

 しかしすぐに興味を失くしたのか自分の部屋へと戻って行った。まったく忙しないやつだ。

 千歳は……部屋でお絵描き(日本刀の)でもしているのだろう。

 

「そうだあなた」

 

「なんだ」

 

「今晩、ちょっと付き合ってよ。明日は休みでしょ?」

 

 木箱からワインを取り出したマリアがウインクしながらそう言った。

 ご相伴にあずかるとするか……。

 飲めないけど。

 

 

 

 

 

 

 午後11時。

 子供達は寝て、大人の時間である。

 

「それじゃあ、乾杯」

 

 グラスを傾けて乾杯。

 まあ、俺はぶどうジュースであるが。

 雰囲気というものである。

 一口含んで、テーブルの上にそれっぽく並べたつまみの中からカルパスを取って口へ。

 うまい。

 語彙力はあまりないのでこんな感想しかないが、変に言葉を並べ立てるより良いだろう。

 

「飲みやすいわねこれ。どんどんいけちゃうわ」

 

「あんまり調子づいて飲み過ぎるなよ。お前も酒弱いん……」

 

「なによ。わたしがお酒によわいですって?」

 

 ……遅かったか。

 

「ふふふ~なんだか楽しくなってきたわ~」

 

 ゆらりと立ち上がったマリア。

 覚束ない足取りで俺の隣に座って……。

 ぐびっとグラスのワインを飲み干した。

 

「お、おい……ワインとはいえそんな一気に……」

 

「いいでしょべつにー。あなたはのんでないんだから代わりに飲んであげてるのよ~」

 

「俺の代わりに飲まなくていい!ほら、もう止めよう。高いワインなんだから少しずつ飲んで長く楽しもう。な?」

 

「飲むのはわたしなんだからどう飲むかきめるのもわたしよ!」

 

 うぐっ……。

 そう言われると確かにそうだが……。

 いやいや、飲み過ぎはいけないから止めるのは当然だろう。

 

「駄目だ。二日酔いになるかもしれないだろう」

 

「たまにはいいでしょう二日酔いくらい」

 

 いやたまにでも良くないと思うぞ。

 しかし酔っ払いになに言っても無駄か……。

 

「……大体あなたが悪いのよあなたが」

 

 脈絡もなくそんなことを言い出した。  

 さっきまでと違ってテンションが急に低い。

 これだから酔っ払いは……。

 

「最近は帰り遅くて家に帰ってもご飯とお風呂と寝るぐらいしかしてないし。休みもないし。たまに休みでもその時は私の方が仕事入るし。昔みたいな二人の時間とか全然ないし。それに!」

 

 怒涛の勢いで言葉を紡いだマリアだったがここで一旦ストップした。というより、溜めている。そして、吐き出す。

 

「……最近、名前で呼んでくれない」

 

 名前……?

 そういえば、最後にマリアをマリアと呼んだのは何時だったろうか?

 最近はずっと『お前』とか、子供達のいる手前、『お母さん』とか『ママ』と呼んでいた。

 

「名前で呼んでほしかったのか?」

 

「……うん。せめて二人きりの時くらいいいじゃない。確かに私はアリアと千歳のママだけど、あなたの妻なんだから」

 

 ……そういえば、前に日本と外国の結婚観の違いというのを何処かで見たが日本は結婚して子供が出来ると親としての意識が強くなり男女の関係という意識が無くなるらしいが欧米などでは子供が出来ても夫婦は男女の関係として続くとかなんとか。

 マリアは米国育ちだからその辺りがそっち寄りなのだろう。

 それにしても、ここまで溜め込んでいたとは……。

 

「……すまない。最近忙しくてお前に構ってやれなかった……」

 

「……別にいいのよ。勝手に私がそう思ってただけだから。あなたが謝ることじゃ……」

 

「お前が溜め込むタイプなのは知ってるさ。別にいいんだぞ、そういうこと言っても。俺達、夫婦だろう?マリア」

 

 久しぶりに、マリアと呼んだ。

 なんだか少しだけ恥ずかしくて、だけどこれが一番しっくりくる。そんな感じがした。

 マリアも急に名前で呼ばれたからか目を見開いて驚いている。昔は別に名前で呼ぶくらいなんてことなかったはずなのに。

 

「ほら、呼んだぞ。次はお前の番だ」

 

「え……?私?」

 

「お前……マリアも、最近俺のことあなたって呼ぶだろう。俺はマリアって呼んだんだからそっちも名前で呼ばないと不公平だ」

 

 俺の方はあんまり意識してなかったが、マリアから名前で呼ばれていなかった。

 折角の機会だ、名前で呼ばせよう。

 

「えー……そうだったかしら?」

 

「そうだぞ。ずっとあなたかパパって呼ばれてたぞ」

 

「そ、それじゃあ……ちづ……」

 

 ちづまで言って、口が止まった。

 マリアめ、人のことを散々言っておきながら自分の番となったら照れたな。

 

「どうしたマリア?」

 

「……その、久しぶりに名前で呼ばれたらなんだか恥ずかしいし、名前で呼ぼうと思ったらそれも恥ずかしくて……」

 

 ……可愛い奴。

 頭を撫でて、キスをした。

 マリアは呆然として、目をぱちくりとしている。

 可愛い。

 

「しょうがない奴。……続きはベッドで聞いてやる」

 

「え……えぇ!?ちょっと待って!なんで急にそんな!?」

 

「いいから来い。……いや」

 

 立ち上がり、座ったままのマリアを抱き抱えた。

 お姫様抱っこというやつである。

 何年ぶりだろうか?

 お姫様抱っこをしたのは。

 

「ちょっと!ま、待ちなさい!」

 

「静かにしろマリア。二人が起きるぞ」

 

「それはこの際置いておくとして!どうして急にそんな……そんな……恥ずかしい台詞言えるのよ!」

 

 恥ずかしい台詞……。

 まあ、たまには良いだろう。

 

「明日は休みだからな」

 

「答えになってないわよ!もう……千鶴の馬鹿」

 

 最後の方は小さく呟いたマリアだが、その言葉を俺は聞き逃さなかった。 

 さて、しばらく寂しくさせた分付き合うとしよう。

 明日は休日だからな。




皆さんにお伝えしなければならないことがあります。
それはですね……
千鶴達は明日休みですが我々の明日は平日です。
基本的に学校なり仕事があるのです。
今週もあと二日、頑張りましょう皆さん()
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