本当は年越しと同時に投稿したのに()
というわけで改めまして皆様あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。
大晦日。
今年は家族みんなで年を越そうとマリアも仕事は入れずに四人で寿司をつついていた。
そして、多くの家庭で見られる光景がこの六堂家でも見られた。
「やっぱり大晦日は紅白よね~。アリアも見るでしょう?」
「えー。嗤ってはいけない見たい」
「雷神(格闘技)がいい」
「俺はなんでもいい」
『私は折角グルメがいいです!』
「ワン(年越し酒屋放浪記がいい)」
チャンネル戦争!
大晦日の特別番組を巡って繰り広げられる戦いは日本各地で行われる。
勝者はチャンネルを独占し、敗者は見たい番組を見ることが出来ない。
録画しろ?
リアルタイムで見たいんだよ!!!
「だ、駄目よアリア!将来アイドルになりたいんでしょう!翼だって出てるわよ!」
「じゃあ翼さんの時だけチャンネルかえる~」
紅白では好きなアーティストの時だけ見るということが出来る。新聞、HP等で出演順が公表されているので出来る芸当だ。
「ダメよ。とにかくダメ、ゼッタイ、ダメ」
やけにダメだと言い張るマリア。
いつもなら親である自分が折れるというのに。
その変わった様子というものを千鶴は見逃さなかった。
「雷神録画して嗤ってはいけない見るか」
「やったー!」
「録画明日見る」
「ええっ!?ちょっ、千鶴別に興味ないでしょう嗤ってはいけない!」
「いいや、興味が湧いたね。たったいま、だが」
そう言った千鶴の顔はマリアからすれば悪魔のようだったという。
それはそれで好きらしいが……。
とにかく、マリアが嗤ってはいけないを見せたくなかったのには理由がある。
それは数ヶ月前に遡る……。
「え?私にオファー?」
「はい。ぜひマリアさんにと先方から」
家で掃除をしていたところ緒川から連絡が入ると仕事の電話だった。
家庭を大事にしたいと芸能の仕事は抑えてテレビ出演などはあまりしていなかったのだが、年末の特別番組ということもあってたまにはいいかと承諾した。
なんの番組か聞かないまま。
まあ、詳細を言わなかった緒川も緒川である。
というか、わざとである。
風鳴翼も出るのであえて自分からは言わなかったのである。
そして、マリアは後悔することになる。
「え、こんな内容なの!?私聞いてないわよ!」
「ちょっ!?なによこの衣装!!!」
「わ、私がやるのこんなこと……」
「無理よ!私には出来ないわ!」
泣き言を綴るマリア。
しかし、彼女はプロであった。
一度引き受けた仕事を断るということを彼女のプライドが許さなかった。
そして……。
新聞を眺める謎の人物の前に立たされた芸人達。
誰だ誰だと囃し立て……その謎の人物は現れた!
勢いよく新聞をテーブルに叩きつけながら、目をこれでもかとかっ開きながら、ボンテージ衣装に身を包んだ……。
『マリア・カデンツァヴナ・イヴ』
「ぶっwww」
「嘘ぉwww」
『全員 アウト』
「あなた、名前は?」
「松林です」
「そう松林ね。これからあなたは筋肉黒ゴリラよッ!」
鞭ビシーン!
「……w」
『松林 アウト』
「あはは!!ママすごーい!嗤ってはいけない出てたんだ~!」
「お母さん……ぷっ……」
「くっ……ふふ……」
『姉さん……ふふっ……』
「わふwww」
家族みんな、笑っていた。
マリアを除いて。
「もう何よみんなで私のこと笑って!!!」
「い、いやマリア。人を笑わせるというのはすごい、ふふっ、ことなんだぞ……ふふっ……」
「笑いながら言われたくないわよ!」
拗ねたマリアは千鶴から顔を背けた。
流石に機嫌を直さねばと一度咳払いすると真面目な顔で話を続けた。
「いや、本当にすごいと思ってるぞ。誰にだって出来ることじゃない。マリア。お前はよくやった」
「千鶴……」
慰めてもらい怒りと羞恥は鎮まったかに見えた。
だが……。
『あなた、ビンタしたくなる顔してるわね。ビンタしていいかしら?』
『いや、ダメで……』
バチン!
『全員 アウト』
「……ふふっ」
「やっぱり笑うじゃない!千鶴のばかぁ!!!」
今年も賑やかな大晦日。
皆様もよいお年を……。
オマケ 冬休み明け
アリア「わたしのママ嗤ってはいけないに出たのよ!」
友達A「見た見た!」
友達B「すごい面白かった!!!今度遊びに行った時に見れる?」
アリア「ママに頼んでみるわ!」
マリア「ダメよ!!!絶対に!!!」