マリアさんは結婚したい   作:大ちゃんネオ

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天啓が舞い降りてきて…… 
ざっくり設定。
XVから一年くらい。
お互い若い。
マリアさんオタク。
千鶴は本編よりかは重くない家庭環境育ち。


IFルート
IF マリアさんがオタクだったら


 晴れて、前々より距離が縮んでいたマリアと付き合うことになった。

 なったのだが……。

 

「実はね、千鶴。私、ずっと隠していたことがあったの……」

 

 喫茶店で、重い表情を浮かべたマリアがそう言った。

 

「隠していたこと?」

 

「うん……。だけど、知られたら私、千鶴に嫌われちゃうかも……」

 

「別に隠してる事ぐらい誰にだってあるだろう。そんなことでお前を嫌うかよ」

 

 優しく微笑んで……優しく微笑んだつもりでマリアを見つめたが大丈夫だろうか?

 よく笑顔が笑顔になっていないと言われるので心配だ。しかしそんなことよりもまずマリアの方が最優先で……。

 

「あのね、実は私ね……」

 

 空白。

 間。

 とにかく、しばらくマリアと見つめあっていた。

 マリアの潤んだ瞳。

 固く閉じた唇。

 数秒ぐらいなのだが、数分、数十分程と錯覚するほどに。

 そして、意を決したマリアは口を開いた。

 

「実はね、私……オタクなのッ!!!」

 

「……は?」

 

 は?

 

 

 

 

【オタクは嫌われ者】

 

「いや、だから、それがなんだ?」

 

 何をそんな重大な秘密を打ち明けるかと思ったのだが。

 いやいや、まさかそんな……。

 

「千鶴はその、引かないの?」

 

「あ、あー。その、なんだ?えっと、実は……魚拓?」

 

「魚拓じゃなくてオタクよ!オ・タ・ク!」

 

 オタク。

 漫画やアニメを嗜好とする生物。

 わりとその辺にいる。

 

「そうか、オタクか。やはり聞き間違いではなかったか」

 

「それで、その……どうなの?実は内心引いてる?」

 

「いや、全くそんなことは」

 

「本当?」

 

「ああ。別に引くような事でもないし」

 

「本当なのッ!?」

 

 ガバッと勢いよく詰めよってきたマリア。

 テーブルが揺れて、危なく俺のメロンソーダフロートが溢れるところだった。

 危ない危ない。

 少しソーダフロートを減らしておくか……。

 

「飲んどる場合かッ!!!」

 

「やめろッ!!!溢れるだろうが!!!」

 

 マリアのビンタを回避しメロンソーダフロートを飲む。

 あぁ……美味い……。

 暑い日はこれに限る……。

 

「あのね千鶴。私は真面目な話をしてるの!」

 

「真面目な、話?お前がオタクなことが真面目な話なのか?」

 

「当然でしょう!だって皆には隠してきたことだし……。オタクは嫌われるっていうし……」

 

「ん?オタクなんて別に大したことないだろう。隠すようなもんでもないし、今時オタクがマイナスイメージということもないだろう」

 

 俺がそういうと、マリアは目を大きく見開いた。

 

「嘘よ……。だって、あおいは前の彼氏もその前もそのさらに前の彼氏にもオタクバレしてフラれてるのよ!千鶴ならいいかなって思って言ったんだけど、やっぱり私も……」

 

 ……はあ。

 こいつは意外とメンタルが豆腐なんだから……。

 

「あのな、さっきも言ったがオタクであることは別に普通だろうし、それに……お前がオタクだろうとなんであろうと、嫌うはずないだろ」

 

「千鶴……。やっぱり、千鶴は優しいわね……。好きになった人が、千鶴で良かった……」

 

 ……そういうことを言われると照れ臭い。

 誤魔化すためにソーダフロートに口をつけた。

 

「……ねえ、私は秘密を打ち明けたんだから千鶴も何か隠し事があったら言いなさい」

 

 マリアも恥ずかしいのを隠すためかそんなことを言ってきた。

 さて、隠し事か……。

 

「分かった。俺も言うよ……俺は……」

 

 マリアが唾を飲んだ。

 そんな緊張しなくてもいいのだが……。

 さて、俺の隠し事を打ち明けようとした瞬間、タイミングを計っていたかのようにウェイトレスが注文していたものを運んできた。

 

「お待たせしました。プリンアラモードです」

 

 テーブル中央に置かれたプリンアラモード。

 それをこちら側に引き寄せて、俺は秘密を打ち明けた。

 

「俺は……。実は、甘い物好きなんだ……」

 

「ええ、知ってる」

 

 え。

 

「え、いや、いつからだ……?」

 

「初めて会った時からだけど……。え、今まで隠してたつもりなの!?」

 

 初めて、会った時から……?

 

「か、隠してたつもりだったなんて……ふふっ……可愛い……ふふっ……」

 

 ……とりあえず。

 とりあえず、穴があったら入りたかった。

 

 

 

 

【オタクの起源】

 

「それで、オタクと言っても色々あるだろう?何オタクなんだ?」

 

「まあ、漫画、アニメオタクといったところかしら」ドヤァ

 

 どこか得意気になっているマリアだが、さっきのような沈んでる感じよりは明るい方が良いだろう。特に気にせず話を聞くことにした。

 

「そうか。じゃあ一番好きなやつはなんだ?」

 

 この質問をした瞬間、マリアの雰囲気が変わった。

 

「一番なんて……一番なんて決められるわけないでしょうッ!!!みんな大切な私を形作る作品達なのよッ!!!みんな違ってみんないいの精神よッ!!!」

 

「あ、ああ……そうだな……」

 

 あまりの迫力に気圧される。

 プリンが、恐怖で震えていた。

 

「まあ、オタクになった原因はあるけれど」

 

 全く聞いていない事柄に、話題が移ろうとしていた。

 

「私をオタクにした作品……。それは、施設でマムが見せてくれた新機動戦記ガンダムW」

 

「さいですか……」

 

「あれは正に衝撃だったわ……。少年達の葛藤、そして成長。シリーズの中でも戦争哲学に大きく踏み込んだのよ。確かに色々ぶっ飛んだキャラだとか展開や不遇なウイングガンダムとか色々言われるけれど!私は!ガンダムWが好きなのよッ!!!」

 

 ……俺は何を聞かされているのだろうか。

 ま、まあ?マリアが楽しそうだしそれでいいか……。

 

「個人的にはやっぱりイチニとトレゼクのCPが熱くて……」

 

 このあと、めちゃくちゃマリアの語りを聞いた。

 

 

 

 

 

【オタクと付き合うということ】

 

「え!?マリアさん、六堂君と付き合ってるの!?」

 

「まあ……」

 

 友里あおい。

 マリアと性癖を語り合った魂で繋がる友である。

 

「それで、オタバレしたの?」

 

「ええ。だけど別に気にしないって!」

 

「……そう。良かったわね……」

 

 マリアは友里の地雷を踏み抜いた。

 

 

 

「え!?六堂さん、マリアさんとお付き合いしてるんですか!」

 

「まあ、はい」

 

 千鶴は先輩である緒川と本部の廊下を歩いていた。

 あまり自身のプライベートを他人に語らぬ千鶴であるが、緒川の事は信頼しているので相談事などは緒川にまずするようにしていた。

 

「けど、マリアさんも芸能の仕事を完全に復帰なされたのでなかなか二人の時間とか取れないんじゃないですか?」

 

「まあ、そうですね。あと、仕事だけが理由じゃないですが」

 

「? どんな理由ですか?」

 

 理由、それは……。

 

 

 

「ごめんなさい千鶴……。こんなことやらせて……」

 

「……いいさ。お前が望むなら、俺は出来る限りのことをしてやる」

 

「ありがとう、千鶴……。それじゃあ次は、シャツはだけさせて……ああッ!いいッ!!!いいわよ~鎖骨がエロいッ!!!肌美白ッ!!!襟足の黒とのコントラストッ!!!千鶴最高ッ!!!」

 

 ……やっぱり、やるんじゃなかった。

 恥ずかしい……。

 

 千鶴は、マリアの作品のモデルとなっていた()

 

 

 

 

【コスプレ】

 

「ねえ、六堂君ってコスプレ映えしそうじゃない?」

 

 昼休み。

 食堂で一緒になった友里さんから急に言われた。

 

「スタイルいいし長身だし顔いいし何でもいけそうよ」

 

「いや、私は……」

 

 昨夜。

 マリアの部屋にて。

 

「千鶴これつけてみて」

 

 手渡されたのは金髪のウィッグ。

 それもロングである。

 

「女装はしないぞ」

 

「女装じゃないわよ。いいからつけて」

 

 言われた通りにつけてみる。

 頭がチクチクする。

 

「はいそれじゃあこれを被って……完成ッ!」

 

 何か、仮面を被らされたのだが……?

 

「くっ……衣装が無いのが悔やまれるッ!!!」

 

「分かったから……これはなんだ?」

 

 仮面を外して訊ねると怒られた。

 怒られたので再び仮面をつける。

 

「それで、なんだ」

 

「ゼクスよゼクス」

 

 ……?

 ドイツ語で六だったか?ゼクスって。

 

「Wでの私の推しよ」

 

 なるほど。

 推しか。

 推し、か……。

 

「ふん……。俺では不満か……」

 

 年甲斐もなく、拗ねてしまった。

 我ながら子供である。

 

「あ……違うの!千鶴なら似合うと思って……その、ええっと、ごめんなさい……」

 

「別に、怒ってない」

 

「本当にごめんなさい……千鶴の気持ち考えなくて……一人で盛り上がっちゃって……」

 

「だから、怒ってないって言ってるだろう。それと……」

 

 マリアを抱き寄せて、額がぶつかる程の距離で言った。

 

「俺の推しは、お前だ。マリア」

 

「……う、うん///」

 

 このあと、めちゃくちゃ【自主規制】した。




お試し版と言いますかなんというか。
続くかは未定。
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