氷川姉妹に弟がいたら_番外編   作:タクティくす

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誕生日に目のハイライトが消えるアイドル
本編だと関わりが薄いけど、多分相性良いよねこの二人


丸山彩誕生日記念:君の瞳に彩を

「おはよう」

 

1日の始まりを告げる基本的な挨拶だ。そこに疑問を持つ日本人は恐らくいないだろう。かくいう俺もその1人だ。

 

 

だが──────

 

「今日も一緒で嬉しいよ、暁斗君」

 

今日という日が()()()()()という現実を突きつけられる点に関してはクソったれがと叫びたい。

 

自身に感じる重みで目を覚ました。

恍惚な表情を浮かべながら俺の上に馬乗りで跨っているのは可愛い顔をしたピンク髪の少女。

すっぴんなのにテレビの前とさほど変わらないってこの人凄いな。ただ、目は淀んでいる。理由はわからないが、俺と会った時は大抵こんな感じだ。男の上に跨り頬を赤らめ艶かしく息を吐いている。普通に考えれば役得なシチュエーションなはずなのにシャツのボタンをかけ間違えたような不快感が止まらない。

 

「えへへ、昨日は気持ちよかったね?」

 

「……おはようございます。()()()()

 

 

嫌味を精一杯込めてそう吐き捨てる。

 

どう考えてもそんな他人行儀で呼ぶような状況とは思えないが、俺なりに引いた一線だ。何故ならば、この人と恋人同士になったとか告白したされただなんてことは一切ないからだ。日菜姉とイヴの同僚で、燐さんと松原さんと紗夜姉の同級生……精々その程度の関係だったはずだ。

 

「も〜〜名前で呼んでくれないなら……」

 

「な、なんでs──んっ!?」

 

瞬間、視界のありとあらゆる領域が少女の顔で埋め尽くされた。ぬめりとした肉の塊が口腔内を蹂躙する。どうにか逃れようにもマウントポジションを取られ、両手を抑えられていた。力任せに動くと暴行になってしまい不味いことになってしまう。ここはされるがままにして耐え忍ぶ必要がある。

 

「んっ……♡んっ♡」

 

よほど興奮しているのだろう。時々色っぽい吐息が漏れる。

 

「ん〜〜〜!?」

 

尤も、こっちはそれどころじゃない。いきなりこんなことされても困惑するだけだ。背中を軽く叩き放すよう要求する。しかし丸山先輩は聞く耳を持たず、数分間好き放題した後に漸く満足したのか唇を離してくれた。銀のアーチが出来上がって、2人の混じり合った唾液が頬や首に伝ってきているのが不快極まりない。

 

「えへへ、ご馳走様でした」

 

「……お粗末様でした、()()()()

 

残念ながらこんな程度で折れてやる気はない。

そもそもキスされたから何だというのだ。初めては大切な人ととかいう女の子みたいな貞操観念を持っているわけではないし、なんなら小さい時におねーちゃんととっくにファーストキスは済ませているから特段思うことはない。強いて言うならかなり凌辱的なキスだったことに男としてのプライド的なものがどうこうという程度だが些細なものでしかない。

 

「随分と強情だね」

 

「当たり前じゃないですか? 俺たち付き合ってるわけでもないですし」

 

「……」

 

「それに……」

 

「それに、何?」

 

「いや、何でもないです。着替えるんで出てってください」

 

「……ふーん。わかったよ」

 

拗ねた様子で部屋から丸山先輩が出ていったのを確認してからため息をこぼす。

 

「俺、何か悪いことしたかなぁ……」

 

多分何かやらかしたからこうなったんだと思う。しかしその心当たりが全くない。丸山先輩とはついこの間までCiRCLEのイベントの運営と参加者程度の関係であり一言二言喋った程度のはずなのに、どういうわけか彼女の中で俺の好感度がうなぎ上りしていたようだ。

 

(とりあえず考えるのは後だ。今はこの空間から出よう)

 

今日は丸山先輩も仕事があると言っていたし抜け出すチャンスだ。軟禁はされたが、いざとなったら窓ガラスをぶち破ってでも外に出るしかない。

 

 

そう気持ちを切り替え、寝巻きを脱ぐ。再びため息がこぼれてしまう。

 

(……こりゃまた、随分とやらかしてくれたもんだ)

 

上半身の至る所に虫に喰われたような痕が付いていて自分の体なのに辟易としてしまう。あの人は一体何を考えているんだ。しかも服で隠しきれない部分にまで付けられているし、最悪だ。

後で誰かにファンデーションを借りなければならないかもしれない。松原さんか燐さんあたりなら何も言わずに貸してくれそうだが、果たして無事に脱出出来るかどうかもわからない現段階では取らぬ狸の何とやらだ。

 

改めて現状を確認する。

携帯はこちらの手元にはない以上恐らく既に向こうの手の内にある。

助けを呼ぶにはやはりここから脱出する必要がある。

とにかく今は悟られないようにして仕事に送り出す。そんでもって脱出する。後は誰かの家に逃げ込めばとりあえずOKだ。

 

思考もまとまったことだし、そそくさと着替えてしまおう。

 

* * * * *

 

「それじゃあ仕事に行くけど、大人しく待っててね♡」

 

……やっと出かけた。

あの人にちょっと抜けてるところがあって幸いだった。

まさか普通に内側から鍵が開けられるから出放題だとは思わなかった。

 

幸い合鍵はわかりやすい所にあった。それを使って外から鍵を閉めて、鍵はポストに入れておいた。

 

* * * * *

 

「ん〜娑婆の空気は美味いなー」

 

実は一度言ってみたいなと密かに思っていたセリフだ。

まさか軟禁されて脱出することになるとは夢にも思っていなかったけれども。

 

携帯は取られたままだが、とりあえず誰かの家に逃げ込む。

今の状態で家に帰ると面倒なことになる。紗夜姉は曲がったことが嫌いだから面倒なことになるし日菜姉は同僚がこんなことをしたと聞いたらショックだろう。とりあえずキスマークさえ隠せればいい。

 

(ひとまず、松原さんか燐さんの家……)

 

ここからなら多分松原家の方が近いし、丸山先輩の連絡先も知っている。アポなしで申し訳ないけど、今は緊急事態だ。

 

 

「あれ? 暁斗じゃん。やっほー!」

 

振り返るとピンク髪……!? 

 

「ど、どうしたの暁斗? 急に後ずさって」

 

「……なんだひまりか」

 

「なんだって何? 私じゃ不満?」

 

「まさか、ひまりで安心した」

 

本当に安心した。髪の色の系統が近いから一瞬丸山先輩が忘れ物でもして戻ってきたかと勘違いした。

 

「暁斗、それどうしたの?」

 

首筋の赤い斑点を指差している。

 

「虫刺され」

 

「……違うよね」

 

本当に参ったな。姉以外でひまり()()()巻き込みたくなかったんだけど……

 

「あはは……やっぱ騙せない?」

 

「いいから答えてよ!」

 

「お察しの通りだよ。キスマーク」

 

すまんな。丸山さんと似ているから正直微妙な気分だし何より……

 

「……今から家来て」

 

「出来れば、遠慮したいかなーって」

 

「い い か ら!」

 

降参を示すため両手を上げる。とりあえず事情を話したら暫く関わりを持たないようにした方がお互いのためだろうが、数日ぶりに()()に会えてほっとしている自分と申し訳なさでいっぱいな自分がいる。

 

相変わらず俺は弱いな。

本当は今繋がれているこの手を振り解かなきゃいけない筈なのに。例え嫌われようが憎まれようが、ひまりのことを優先しなくちゃいけないのに。今この手の温もりがどうしようもなく心地いい。

人は快楽に弱いというが、まさしくその通りだと思う。

 

ひまりの家に着くまで、ついぞその手を離すことが俺にはできなかった。

 

 

* * * * *

 

ひまりの家に着いた。デートの帰りに何度かひまりを家まで送ったことがあるが、中に入るのは初めてのことだった。

玄関で靴を脱ぐと、無言で階段を上りひまりの部屋にまで連行された。

 

「ちょっとひまり階段で引っ張るのは危ないって──……ひまり」

 

部屋に入り切り、急に立ち止まる。必然的に前に体勢を崩した俺をひまりが抱きとめた。

 

「心配した」

 

「……悪い。スマホが今手元に無い」

 

「連絡くれなかった」

 

「ごめん」

 

「浮気者」

 

「それは誤解だ」

 

「じゃあそのキスマークは何?」

 

「話すけど、口外しないことと俺以外に何もしないことを約束してほしい」

 

「相手を庇う気!?」

 

「違う。ひまりを庇っている」

 

「何それ? どういうこと?」

 

「それを今から説明させてください」

 

「……約束は聞いてからでもいい?」

 

「わかった」

 

ひまりと抱き合った状態のまま続ける。正直今自分がどんな顔をしているのかはよくわからないけど、強がらなくちゃいけないだろうしきっと丁度いい。

 

「まあ、なんだ。早い話が監禁されてた」

 

「え〜!? 嘘でしょ!?」

 

「本当だよ」

 

「誰に?」

 

「……丸山先輩」

 

「……」

 

「一昨日の帰り道に急に意識がなくなったと思ったら丸山先輩の家にいた」

 

「嘘、だよね?」

 

「嘘じゃない。ひまりならわかるでしょ」

 

「……確かに暁斗の家の匂いじゃない」

 

それでわかるのも何か変な感じがするが、お洒落にうるさいし、香水とかも嗜んでいるなら納得できなくもない。

 

「でも彩さんの家で何してたかまでは……」

 

抱きしめる力が自然と強くなる。

 

「ごめん」

 

「な、なんで謝るの?」

 

「だって、俺はあの人に……犯された」

 

それはもう凄まじく。

 

「だから、ごめん」

 

もうひまりと一緒にいる資格はない。俺はもう汚れてしまった。

 

「俺は屑だ」

 

彼女がいるのに他の女とした糞野郎だ。例えどんな事情があろうとそれが事実だ。それこそ抵抗したら日菜姉がタダじゃ済まないと脅されたとしても、俺は最低な人間だ。

 

「ねえ暁斗」

 

「……うん」

 

 

ひまりが俺から離れる。

多分失望したよな。覚悟はできたけど、やっぱ少し辛いかな。

 

「じっとしてて」

 

ビンタでもする気かな。それでひまりの気が済むなら甘んじて受け入れよう。

少し離れて直立不動でひまりを待つ。あんまり怒ってるひまりを見たくないから目を瞑ってしまうのはご愛嬌ということでここは一つ。

 

しかし、一向に何も起こらない。

 

「……ひまり?」

 

恐る恐る目を開けると、「も〜仕方ないな〜」と言わんばかりに呆れた顔をしたひまりがいた。

 

「あんまり考えたくないけど、彩さんが何かしたんでしょ?」

 

「まあ、その通りだけど……」

 

「なら仕方ないよね」

 

「いや、良いのか?」

 

「だって〜どうしろっていうの!?」

 

「別れr「やだ!」……そっか」

 

喜べばいいんだろうけど、ひまりはそれで良いのだろうか? あまりに俺に都合が良すぎないか? 

 

「で も!」

 

「は、はい……」

 

次の瞬間ひまりが飛びついてきた。不意をつかれたこともあり、ベッドへと倒れ込む。

 

そのまま俺の上で首筋に吸い付き出した。

 

「ちょっ、何してんの?」

 

「悔しいから上書きする」

 

「上書きってお前……」

 

「文句ある?」

 

「無いよ。強いて言うなら加減してくれると助かるかな」

 

「彩さんは手加減してくれた?」

 

「そこは優しくしてくれよ」

 

「ふふ……どうしよっかな」

 

「いや、マジでお手柔らかに頼む」

 

「暁斗が誰の恋人なのか、きっちり教えてあげるからね?」

 

本来は元より言われるまでもないんだけどな。

丸山先輩に色々されたから仕方ない。

 

「俺はひまりが好きだよ」

 

「うん、私も……」

 

 

────その日、ひまりは「上書き」と称して、丸山先輩がつけた痕を俺につけ直し始めた。

 

 

 

 

* * * * *

2人で横になり微睡みの中に身を落とそうかと思った時にひまりが告げてくる。

 

「う〜ん、疲れたー! 腰が痛いよ〜」

 

「そりゃあそうでしょうよ」

 

……ひまり、お前結構溜まってたんだな。

 

「これでスッキリした?」

 

「うん。色んな意味でな」

 

「よかった〜」

 

そう言ってえへへと笑う彼女が愛おしくてたまらない。

 

「本当にごめん。それと……ありがとう」

 

漸く安心する事ができた俺は、久々に心地よく意識を落としていった。

 

「おやすみ、暁斗……大好きだよ」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして」

 

奥歯を割れんばかりに噛み締める。

溢れる悲哀と憎悪が止まることを知らない。

 

暁斗君の財布に仕込んだ弦巻家謹製の小型盗聴器から聞こえてくる雌豚の嬌声に殺意が湧いてくる。

 

ふざけるな。そこは私の居場所だ。今仕事中じゃなくてここが楽屋じゃなかったら泣きながらカチコミに行きたいと思ってしまう。

 

「彩ちゃんどーしたの? 何かすっごくむむむって顔してるよ?」

 

「う、ううん。何でもない! 何でもないよ」

 

「えー? そんな顔じゃなかったよ? 大人しく白状しようねー?」

 

「それはそうと、弟の暁斗君に彼女ができたって本当?」

 

論点のすり替えと同時に探りを入れていく。

 

「うん。そーなんだよ! 暁斗ってばひまりちゃんにぞっこんで全然あたしに構ってくれないんだよ! おねーちゃんは『学生らしく節度を保っていれば文句はない』なんて言ってたけど、暁斗のおねーちゃんとしてあたしは納得してないんだよー」

 

「そっか……ひまりちゃんなんだ」

 

私から暁斗君を奪った泥棒猫はあの子か! 

 

許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない

 

事務所のお偉いさんに枕として献上して、その痴態を晒し上げて社会的に抹殺したい。二度と暁斗君に近づけないようにしてやりたい。

暁斗君は恋人と会えなくなって寂しいだろうけど、そうしたら私が慰めてあげる。抱きしめてあげる。大好きって伝えてあげる。ひまりちゃんほど胸は大きくないけれど、結構ひまりちゃんとは似ていると思うし、きっと受け入れてくれるよね? 

 

「日菜ちゃんはどう思っているの?」

 

「でも、ひまりちゃん良い子だし……う〜ん、複雑かなやっぱり」

 

「暁斗君と付き合うのは反対?」

 

「賛成したいけど……寂しいし反対かも」

 

そっかそっか♪ お義姉さんのGOサインも出たし、早速暁斗君を迎えに行こう! 

 

「日菜ちゃん、ううん日菜お義姉ちゃん♪」

 

「んー? 彩ちゃんなんか言った?」

 

「ううん、何でもないよ♪」

 

 

 

恋というものは恐ろしいものだ。時として番になろうと己の手を汚すことさえ厭わない程に人を狂わせてしまう。

少女の妄念が蠢き出した。惚れた男を手に入れるべく障害を全て排除すべく己のどす黒い想いを全開にする。

 

「あっ、暁斗君にこれ渡しておいてくれる? 外で拾ったんだ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

数日後SNS上で話題になったニュースがある。

 

####

 

『丸山彩熱愛発覚か!?』

 

 

大人気アイドルグループ『Pastel*Palettes」のVo.丸山彩が昨夜の21時頃ツブッターで結婚を前提に付き合っている男性がいることを公表した。丸山彩は『日菜ちゃんの弟君と今結婚を前提に付き合ってます♡』と投稿し、ネット上で話題となっている。とはいえ反応はそこまで悪いものではなく彼女の恋を応援するものが多い。

 

『お幸せに』

『末永く爆発しろ』

『彼氏に会ったらお礼参りしますね』

 

などと大きな批判はなく受け入れられているようだ。彼女の今後の動向に目が離せない

 

####

 

……なんだこの記事。当然俺は丸山先輩とそんな懇ろな関係になった覚えはない。しかも俺の写真まで上げられている。

 

一体どういうことなんだ? 何がどうなっているのかわからない。

とりあえず日菜姉に連絡して……

 

「あっ、暁斗君見ーつけた」

 

半ばトラウマになりかけているその声に反射的に振り向く。

 

そこには目の光が消えている件の少女がいた。

「丸、山先輩」

 

「も〜大人しくしててって言ったのに、どうして言うこと聞いてくれないのかな?」

 

目のハイライトがグッバイしてなきゃプリプリ起こる彼女は可愛いと言っても良いのだろうが、この状況ではホラーでしかない。

 

「でも許してあげるよ。私は彼女だもん」 

 

浮気は男の甲斐性って言うし一回ぐらいはねと言う丸山先輩が怖くて怖くて仕方がない。

 

「違いますよ! 俺の彼女はひまりで……」

 

「あの泥棒猫なら今頃……」

 

そう言ってスマホを操作し出す。

そういえばひまりもSNS好きだよな……っ!? 

 

まさか、嘘だよな。そんなことあるわけが

 

「ほら見て! 私のファンは良い人ばかりだよね」

 

それは()()()()()()ひまりのSNSのアカウントだった。

 

「凄いよね? 皆私の言葉を信じてくれて、ひまりちゃんが横恋慕したことになってるんだよ?」

 

……俺の女に何してくれてんだこの屑が。

 

でも、そんなことより今はひまりのことが大事だ。

 

「良いのかな〜? そんな態度を取って? 私が一声上げたら皆がひまりちゃんに何するかわからないよ?」

 

「……何が言いたいんですか?」

 

「逆のことも言えるんだよ? 私が皆に『ひまりちゃんと和解したのでもう大丈夫です!』って言えば矛を収めてくれる」

 

「要するに言うことを聞けってことですか?」

 

「正解! じゃあ私の家に戻ろうね?」

 

ひまりの安全を楯にされたら逆らうことはできやしない。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

やっと暁斗君が私のところに戻ってきた。

ごめんね? 脅すような真似して。でも暁斗君が素直になってくれたらこれ以上ひどいことはしないから。

 

家に入ってすぐに抱きしめる。

 

「ん〜久しぶりの暁斗君だ」

 

落ち着く香だ。脳味噌が蕩けそうになる。

 

でも、他の女の子の匂いがするのが嫌で嫌で仕方がない。

お義姉さんの2人は仕方ないとしても、他の女の子は許さない。

 

暁斗君は私が守るんだ。私だけが暁斗君のことをわかってあげられるんだ。

 

だから私を見てよ。私を愛して。その分いっぱい愛してあげるから。これでも人気アイドルなんだよ? そんな私のことを好きにして良いから

 

お願いだから私をもっと見てよ。

 

「丸山先輩……言うこと聞きますから、ひまりのことは……」

 

気に食わない。私のことよりひまりちゃんのことを気にかけている。

 

「じゃあひまりちゃんと別れて」

 

「それは……」

 

「良いのかな? 日菜ちゃんってさ、無自覚だから結構私に酷いこと言ってるんだよ? それ、結構録音してあるんだ♪」

 

顔色が一気に青くなる。アハッ……なんか面白いかも♪ 

 

「わかりましたから、何でも、何でも言うこと聞きますから・・・!」

 

「うんうん。私が暁斗君を守ってあげるからね?」

 

これからはずっと私が側にいるから、もう苦しまなくていいんだよ? 

 

 

「えへへ、嬉しくて涙が出てきたよ暁斗君」

 

 

モウ、ニガサナイ。




これ病んだ原因って元を辿ると暁斗が一切弱音を吐かず、心が折れないからっていうのがやばいわ

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