憧憬恋慕のアナムネーシス   作:人生の分岐点

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第2話

下のブラウン管工房前にはまゆりの言った通りミスターブラウンとシスターブラウン、指圧師がいた

(裕吾)「ったく、せっかく紅莉栖ちゃんがてめぇのために送ってくれたのにダラダラしてんじゃねぇよ」

やはり助手からだったか

(倫太郎)「助手たるもの、俺の心配をするのは当然であって____」

(裕吾)「あぁ!?」

(倫太郎)「ひぃぃっ!!」

いつもこの圧で黙らせるばかり…いつかFBの名を使って脅してやろうか

(綯)「これ何が入ってるの?お菓子?」

(倫太郎)「うかつに触るな小動物!これは日本まるまるひとつ吹き飛ぶほどの超核爆だぞっ!!」

(綯)「えぇぇ!?」

(萌郁)「飲み物と…服…」

気配のなかった背後からボソボソと声がした

(倫太郎)「うぉぉ指圧師ぃぃぃ!!!な、なぜ俺すら知らない中身を知ってる!?」

(萌郁)「横…書いてる…」

そういって箱の横を指さす

【中身・飲料、衣服、その他】  ホントだ

(まゆり)「オカリーン、紅莉栖ちゃんからー?」

上からまゆりの声とダルのニヤケ声が聞こえる

エロゲーでもしてるのだろうが稀に「イイよぉ…すごくイイよぉ…」と聞こえてくるので相当不審者にしか思えない

(倫太郎)「あぁ、助手からの応援物資だ 少し待ってろ」

(まゆり)「わぁーい!紅莉栖ちゃんからのクリスマスプレゼントだー!」

まゆりはあぁ言ってるが助手がそんな子供じみた物を送ってくるはずが…

いやあのツンデレなら可能性はゼロではない 多分「別にアンタのためじゃない」とかなんとか言うんだろう

さて、持って上がるか…

ダルにも止めさせるよう言わなければ

(倫太郎)「物資の到着報告感謝する、次会うときは互いに命の灯火が消えてなければいいな」

(裕吾)「何バカな事言ってんだ、さっさと持ってけ」

(倫太郎)「これが貴様の遺言にならぬように祈ろう…では

んっ…んぐっ…んんっ…んんんんっっ!!!!

…フゥーーッハッハッハッハ!!ミスターブラウン!!

最後に貴様に重大なミッションをくれてやろう!!」

 

(まゆり)「あ、オカリンおかえりー!」

(倫太郎)「なぜ…二階へ持ち上げるだけで…500円も請求されるん…だっ!!」

〔ドコッ〕

くそっ…まるでIBNほどの重さだ…このままでは流石に死ぬ

俺はテレビにかけていた普通の白衣をガジェットの代わりに着替えた

早いうちに温度調節できるように改良せねば

(至)「中身はなんぞ?早く開けてどうぞ」

俺はガムテープをはがし2人と一緒に中を覗いた

(まゆり)「わーすごーい!ドクペがいっぱーい!!」

中からドクペが2ダースほどと小さい箱が出てきた

道理で重すぎるわけだ

クリスティーナは一体何を考えているのだ…

天才過ぎると人の気持ちを思いやる、ということを忘れるのか?

もしくはゾンビと化した時に脳みそが抜け落ちたか?

俺は早速自然冷蔵されたドクペを一本手に取り

(倫太郎)「んっ…ぐっ…ぷはぁ…やはり冷えた知的飲料は疲れた体の五臓六腑に染み渡る」

(至)「それはオカリンだけだと思われ」

そういえば表記には【飲料、衣服、その他】とあった

他には何があるのだろうか

(まゆり)「あー!アメリカンうーぱだー!」

後ろを向くと中に入っていた箱を開けていたまゆりが球体を手に声をあげていた

(倫太郎)「まゆりよ、なんだそれは」

(まゆり)「うーぱだよー!しかもアメリカ限定品が4種類も!」

と言いながらカウボーイ、アメリカンポリス、自由の女神、ハンバーガーの容姿のうーぱを見せてきた

いつの間に世界ご当地うーぱが製作されていたのだ

(倫太郎)「ところでダルよ、そのダンベルは何処から生み出した」

俺はいつのまにかダルが持っていた2つのダンベルに指をさす

ピンク色のダンベルに添えるには普通ありえない萌えキャラが「がんばれー!」と声をかけるプリント付き

(至)「うーぱと一緒に箱の中に入ってたお、萌えだからってなんでもいいわけじゃない件について」

(倫太郎)「助手なりの思いやりか皮肉だろう、ありがたく受け取れ」

(至)「雑に扱われるのも案外悪くないお…ハァハァ…」

よし、これからはダルの希望通り放置しておこう

全員分のプレゼントは以上のはずだが最も気になっていた【衣服】が見当たらない

助手の誤表記か?

(まゆり)「あー、お手紙あるよー」

まゆりがハンバーガーうーぱを左手に右手で小箱をひっくり返す

すると中から二つ折りの紙がひらひらと舞ってキンキンに冷えたフローリングに落ちた

(倫太郎)「よしまゆりよ!それを読み上げるのだっ!」

(まゆり)「はーい!」

 

 

Merry X‘mas みんな

こっちに戻って何とか研究もひと段落下から時期も時期だしみんなにプレゼントをあげようと思ったの

まず、まゆりにはアメリカで売ってたうーぱ

アメリカ限定なはずだから持ってないと思うけど、もし持ってたらごめんね

次に橋田、橋田にはアメリカサイズのお菓子…と思ったけど痩せてほしいから最近こっちで流行ってる萌えダンベルを送るわ

次会うまでにはきっちり痩せるように 目指せ-20kg

最後、岡部

岡部にはドクペ2ダースと、もうすぐ年越しでしょ?

だから服を上下買ってあげたわ

本当は毎日着てほしいけど岡部のことだし白衣を離さないでしょうからせめて年越しだけでも着て2011年を迎えてね

別に似合うやつを選んだわけじゃないからセンスの責任は取らないわよ

 

みんなが恋しくなってきたけど研究が終わるまで帰るわけにはいかないの、残念

だから夏休みを楽しみにしてるわよ       

                                牧瀬 紅莉栖

 

 

(至)「つまり『岡部に似合いそうな服を買ったから着て来い』ってことですねわかります」

俺にもそうとしか聞こえなかった、だが

(倫太郎)「ば、バカ言うな!この聖なる白銀の鎧を脱ぎ捨ててそんなものを纏うなど言語道断!!俺は絶対に…ヘックシュン!!」

う…機関の人間が俺の殺害計画を練っているようだ

(まゆり)「あ、ほらー、ドクペの下にあったよー」

再び後ろを向くと2ダース-1本分のドクペを箱から取り出したまゆりがドクペの重みでシワシワになった紙袋を持ち上げていた

(倫太郎)「そ、その服にはGPSが仕組まれていて24時間365日機関に監視されるようになる!そんなもの着れるわけがないだろう!!」

(至)「厨二病はいいから早く着ろって」

俺の心配をよそにまゆりが紙袋の中を覗く

(まゆり)「うわぁ!とってもかっこいいよー!ほら!」

(倫太郎)「ま、まゆり!俺は一切それを着る気は…」

 

(至)「んぉ?どした?オカリン」

(倫太郎)「まゆり…本当にそれなのか…?」

俺はまた変な汗が流れた

(まゆり)「え?そうだよ…?」

俺はそう答えられるなりまゆりからその服を半ば奪うように取り上げ、早足でシャワール

ームに向かった

(至)「服のデザイン見るなり掌返し早すぐるだろ、でもそこに痺れる憧れるぅ!」

 

着替え終わった俺はダンベルを抱える2人の前に立ってみる

(2人)「おぉ~~」

(至)「なかなか似合ってるお、流石ツンデレ牧瀬氏ですな、サイズぴったり」

(まゆり)「いつものオカリンじゃないみたいでカッコイイよー!」

着てなおさら確信した

この息苦しさ、動きにくさ、窮屈さ 間違いない

 

これはβ世界線でルカ子とデートした時の服だ

 

(倫太郎)「なぜよりによってこの服、このタイミングなんだ…」

この服を紅莉栖から貰いこれを着た、というアトラクタフィールドの収束の影響なのか

助手の好みが偶然を生んだのか

はたまた俺の能力「願いを叶えし青魔人(アメイジング・ランプ)」が俺の意思に関係なく発動してしまったのか

だがどの理由にしろこの服を着ていると体のみならず心まで苦しくなってしまう

どうしてもあの本人が覚えているはずがないあの涙、あの本心を思い出してしまう

 

だが

(まゆり)「そういえばるか君のところに行かなくていいの?」

(倫太郎)「あぁ、すっかり忘れていたな 少し行ってくる」

この世界線には何の関係のない話

起きてもいないことを掘り返したところで何も出てくることはないだろう

幸いこの服のおかげで体感も少し肌寒いほどだ

(倫太郎)「ではまゆり、ダル ラボの留守番は任せたぞ」

俺はそのままラボを背に神社に向かった

 

(至)「なんかあの服見覚えあるんだよなぁ…気のせいかな…」

 

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