<12月25日>
…やってしまった
ついあのテンションでデートの約束をしてしまうとは…
いや!これは決してデートなどではない!!
俺は狂気のマッドサイエンティストだぞ!?
俺は今日1日男友達と街を巡るだけだ!!
決してデートでは…
(るか)「凶真さん、お待たせしました」
ない…はず……
(るか)「…顔に何か付いてますか…?」
(倫太郎)「ふぁっ!?え、あ、い、いやなんでもない!行くぞ!」
黒い長シャツに厚めの淡い肌色の上着、体の細さが際立つ細いジーパンとネックレス
そして何よりそのコーデを身にまとう端麗で可憐な容姿を持つ当人
口元に茶色のシミがあるが言わないでおこう
あぁ、少し風が吹いてきたな
(るか)「…やっぱりチョコ付いてますか?」
だが、男だ
(倫太郎)「俺だ、今回のミッション完遂のため改めてお前と確認しておこう
…何を言う、俺とお前は二人で一人 信用していないわけがないだろう?念のためだ
今回の作戦『真偽の魔眼作戦』(オペレーション・イヴライズ)には「ルカ子に真実を語るべきか否かを見極める」の他に2つのサブミッションが伴う
1「β世界線でのデートのような失敗をしない」
2「ルカ子を心から楽しませる」だ
1に関しては何も問題はない、昨日の帰宅後に散々シミュレーションを行ったからな
だが問題は2だ
相手はルカ子、難易度は未知数…ふっ、お前も悪い奴だな
...何?俺がそんな子供じみた失敗をすると思っているのか?
そう言うのであればお前との15年はさしずめ『腐ったリンゴ』と変わりなかったようだな だが心配は無用だ
その『腐ったリンゴ』を俺が『神の果実』へと変えてやるさ
もし万が一があれば…わかっているな …よせ、泣くな 俺はお前の心の中にいつでも笑っている
また会うことが叶えば…その時にはお前と出会えたあのテラスで酒を交わそう
エル…プサイ…コングルゥ……」
(るか)「どなたですか?かなりの長電話でしたが…」
さて、まずは1を完遂せねば
(倫太郎)「何でもない、それよりも車道側は俺が変わろう」
β世界線ではうまくいかなかったが昨日の練習通り行えば万事上手くいくだろう
(るか)「で、でも…」
(倫太郎)「心配ない、ほら変われ」
半ば押しのけた形にはなってしまったが仕方あるまい
〔ガンっ〕
(倫太郎)「っつぁぁ~~~~~~~っっ!!!!!
なんだ!?敵襲か!?はたまた世界の終わりか!?!?」
前が白色以外何も見えない
まさか機関に催涙ガスを撒かれたか!?まずい!!
(るか)「電柱があるって言おうとしたんですが…」
視界がようやく開けてきて真っ先に目に入ったのは冷たい顔で突っ立つ電柱だった
くっ…ついに機関が鈍器で俺を殺しに来たか…
(るか)「た、大変!血が!」
ルカ子に指をさされている鼻元を触ってみると少量だが赤い液体が付いていた
かすかに鉄の味がする
(るか)「ティッシュどこにしまったかな…」
(倫太郎)「いや、ハンカチを持ってきているから大丈夫だ」
これはβ世界線で学んだことだ 用途は完全に違うが
俺は右手で鼻を抑えながら内ポケットを探った…が見つからない
ならばズボンのポケット…にも姿はない
で、では後ろポケットには………
(倫太郎)「…ない」
(るか)「え?」
(倫太郎)「ない!ないぞ!ハンカチは疎か財布さえもないぞ!!
どこに行ってしまったんだぁぁぁ!!!俺の財布はぁぁぁぁ!!!!」
(るか)「凶真さん!鼻血が!!落ち着いてください!!」
(倫太郎)「あれこれすまないな…いつかこの借りは返す…」
(るか)「いえ、元はと言えば僕ですから お金はぼくが払います」
ルカ子はなんていい奴なんだ こいつと出会えて心底よかったと改めて思う
とりあえず息をつくために茶店に転がり込んだがまさかその店まで一致するとは
しかも席まであの窓際 やはりアトラクタフィールドの収束が生じているのだろうか
ただ違うと言えば
(るか)「凶真さんって大学で何をされているんですか?」
(倫太郎)「えっ?あ、あー、ダルと日々世界の支配構造を覆すための研究に励んでいるのだ!ふ、フゥッハッハッハッハッハ!!!」
(るか)「ちなみに橋田さんとはいつからお知り合いなんですか?」
(倫太郎)「た、確か高2辺りだったか…?」
まずい、β世界線ではお互い全くキャッチボールができていなかったのに今は完全にルカ子のペースだ
ルカ子がその気なら俺もいっそのこと剛速球を投げてやる
(倫太郎)「ところで五月雨の調子はどうだ?」
(るか)「最近学校の期末テストや神社の年末の仕事が忙しくて…また時間があるときに頑張ります」
(倫太郎)「そ、そうか…」
(るか)「この後何処に行きましょうか」
(倫太郎)「そ、そうだな…」
逆に投げ返されてしまったではないか
おかしい ルカ子がこれほどまで饒舌なはずがない
ま、まさか!俺が目を離した隙に機関の人間と入れ替えられたか!?
(るか)「実は行きたいところがあって…」
(倫太郎)「ルカ子!!」
(るか)「はっはい!!」
(倫太郎)「エル!プサイ!!」
(ルカ)「こ、コンガリィ…?」
間違いない、本物のルカ子だ ではなぜ…
(???)(びっくりしたー!オカリン急に叫んだよー!)
(???)(でもそこが凶真らしいニャン)
(???)(そこに痺れる憧れるぅ)
後ろの席から聞き慣れた声がした気がした
(倫太郎)「…すまない、少し席を立つ」
(るか)「あ、はい」
(???)(あれ?オカリンどっか行っちゃった)
(???)(きっと見られてたのニャン 凶真の本当の姿
そう…エジプトの王家の生き残りと知っている男に!!)
(???)(それがホントなら黄金を分けて欲しい訳だが)
(倫太郎)「見つけたのはお前たちだ!!」
3人が顔を後ろに向け俺を見る
(至&フェイリス)「げ…」
(まゆり)「オカリーン!トゥットゥルー♪」
やはりまゆり、ダル、フェイリスだった
(るか)「みなさん!どうしてここに!?」
ルカ子も席を立ってこちらに混ざってきた
(倫太郎)「俺たちをいつから尾行していた?」
(至)「ぼ、僕はオカリンがラボに財布忘れてたから探してたらたまたま、たまたまだお、ほれ財布」
失くしたのではなくラボに忘れていたのか
(倫太郎)「お、サンキュ じゃない!!ならばなぜメイド‘sがいるのだ!」
(フェイリス)「フェイリスは秋葉の七不思議のひとつ、『ヒューマン自販機』を探してたら疲れてマナを使い果たしてしまったのニャ…
だからこのヒールココアを飲んでマナを回復していたニャン」
(倫太郎)「そんな物騒で気味の悪い都市伝説など聞いたことはない
大方、偽情報でも掴んだのだろう…お前らしくないな」
(フェイリス)「そんな!EUの超機密情報が間違いだとでも言うのニャ!?
まさかフェイリスに偽の獲物を狙わせたのは奴らの台本通りなのかニャ!?」
(倫太郎)「で?まゆりはなぜここに?」
(まゆり)「まゆしぃは2人と一緒にラボからオカリンを…」
そこでフェイリスの手がまゆりの口を閉ざした
(倫太郎)「なぁーるほど?つまり初めから着けていたと…?」
フェイリスとダルがうなだれた 当たりか
(至)「だ、だってオカリンが僕のこと裏切ったからいけないんだぞ!!
オカリンは一生童貞って信じてたのにクリスマスにデートとか!!
許さない!絶対にだ!!リア充は死ね!!」
(るか)「そ、そんな!デートだなんて…そんなつもりは全く…」
(まゆり)「そーだよー!るか君は男の娘なんだよー?」
(フェイリス)「そう…るかニャンは遠い昔に選ばれた悪魔を唯一封印できる一族の末裔なのニャ!」
(倫太郎)「フェイリス!ややこしくなるからお前は少し黙れ!
俺だ!相当面倒なことになった…」
(カフェ店員)「他のお客様のご迷惑になりますので…」