Vault101のジゴロ   作:神山

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お待たせしました。

ソルサクデルタ、中々楽しいです。難易度もやり易くなったので御新規様も大丈夫。ナイツ?前回の体験版(笑)からようやく製品版になったかといった感じ。PSP でおk


Vault10

僕は、モスクワで生まれた。だがその頃のことは何も覚えていない。旧世界が核の炎で破壊しつくされた時、僕はまだ赤子に過ぎなかった。僕を含む約四万人の人々が、町の近くにある深いメトロに避難することで生き永らえた。あれから二十年が経ち、終わりなき冬の懐へと上がっていくのは一握りの勇敢な者たちの役割となっていた。メトロは我々の家であり、トンネル内を我が物顔で闊歩するミュータントたちから身を守る砦だった。それでも尚、いつの日か地上に戻れるだろうという希望は捨てていなかった。だがある日、新たな脅威の存在を知った我々は、人類の存亡をかけた戦いに身を投じることになった――――

 

「別ゲーだこれ」

 

薄暗いメトロトンネルをヘッドライトで照らしながら進む俺はそう思わず愚痴る。かつてプレイした名作と小説を思い出し、ヘルメットの中で苦笑した。

 

あれからさらに数日が経過した。ウルトラスーパーマーケットでの調査はモイラにとって抜群の結果であったらしく、第一章はそれにて終了を迎えた。本来であればもう一つ地雷除去があったのだが、それは別の人に頼んだらしい。彼か彼女が帰ってくるまでは一旦休暇を与えられた。報酬として貰った食料殺菌剤はなかなかの効力を発揮してくれ、俺が持つ食料の汚染を軽減してくれる。今後の生活を考えればとても助かる物だった。

 

そして周りの状況も落ち着き、メガトンへの住民への顔合わせも済ませたので俺はようやく父さんの足跡を辿るべく、崩壊したD.C.エリアに足を踏み入れた。そこはジメジメと空気が淀んでおり、時折起きる地上での揺れによってパラパラとメトロの壁が崩れている音がする。おそらくレイダーかスーパーミュータントが暴れているのだろう。

 

スーパーミュータント。かつては人間であり、スーパーソルジャー計画の一環として生まれた化け物だ。二メートルを超える長身に屈強な筋肉質の身体、そして真っ黄色の肌。西海岸の方では緑色らしいが、こっちは黄色だ。FEVウィルスという特殊な薬剤を使用することで変異する人間の悪しき遺産であると同時に悲しい犠牲者でもある。だが、だからといって彼らに情けをかける必要はない。彼らは仲間を増やすか、自分たちの食料にすべく人間を襲うのだ。

 

その屈強な身体はそこらの銃弾は通さず、鈍器などは余程の力が無ければ少し吹き飛ばす程度しかない。刃物などこちらが折れる。さらに普通ならば太刀打ちできないパワーアーマーもブリキ缶のように捻り潰すほどの怪力を有している。しかし反面こちらの大陸では知能は高くなく、ベアトラップに引っかかったり、あまり深く物を考えられない性質があった。それを統率する高知能の者もいたが、結構前に西海岸の方で英雄に殺されたそうだ。ここにいるのはそこから流れてきたのも混ざっているだろう。

 

そんな奴らもこのメトロトンネルにはうようよいるのだ。他にもレイダー、グール、ラッドローチにモールラット……挙げればキリが無い。基本的にここで味方などいないも同然だ。ここに来るまでにも何体かスーパーミュータントを処理したんだが、あれは本気で一般人の勝てる相手じゃないと思う。試しに持ってきていた完全整備の10mmピストルで死体を撃ってみたが、まるで通らなかった。衝撃は与えたのだろうけど、一切貫通しなかったからな。こいつらにとってはちょっとボールぶつけた程度だろう。

 

まぁ、アンチマテリアルライフルの50口径なら頭を完全に吹き飛ばせたけども。あとミステリアスマグナムなら効果はあった。アサルトライフル?強化されているこのUNSCタイプだから何とかなったけど、銃弾の種類を変えなければ普通のアサルトライフルでは少々心もとないかもしれない。

 

「イタイー!」

 

「人間、死ネー!」

 

今現在も一直線のトンネル内でミュータントと交戦中である。三体の内一体は奇襲で頭を吹き飛ばしたため、残り二体。走ってきている現状ではライフルでの標準が付けづらいので、武器を切り替えマグナムで応戦する。アーマーの補助効果でブレると言うことがてんでないので楽なモノだ。

 

「グァ」

 

一体仕留めた。

 

「キサマ、コロス!」

 

仲間を殺されて怒ったのかどうなのか定かではないものの、木をボルトで固めたネールボードのみで突っ込んできたミュータントの攻撃をかわす。すぐさまマグナムを太もものアーマー内にあるケースに入れ、月光を抜く。こんな真っ直ぐにフェイントもなく力任せに振り上げるなぞ、良い的だ。

 

「――――行くぞ」

 

振り下ろされた怪力を秘める腕をギリギリでスライドすることで真横にかわす。そして全身に漲る力を一気に爆発させ、縦横無尽に斬り刻む。集中力が上がっているからか、時間が止まったように感じる中で俺だけが動いている不思議な感覚。上下左右など当たり前。三次元的な斬撃を加えることでさらなるダメージを相手に与え、もはや何をされたかも気づかないうちに絶命させるこの技。

 

ドッジバーストと呼ばれるこのカウンターは、アーマーの補助もあって簡単にスーパーミュータントをバラバラにした。アーマーの補助が無くても出来るんだが、あればもっと楽だ。

 

「ふぅ」

 

粉微塵になったスーパーミュータントを一瞥し、先を急ぐ。こいつらは手間がかかる割に何も持っていなかったり、近接武器しかなかったりするからタチが悪い。持っていても下級扱いの奴らはハンティングライフルばかりだし、うまくいけば中国製アサルトライフルやミサイルランチャーなんかも持っているだろう。ここに来る前に一体だけミニガンを持っているやつもいたが、状態はすこぶる悪かった。あれは帰ったらバラして使えるパーツを探すしかないな。

 

薄暗いメトロの中、俺は着々とD.C.奥深くへと進んでいた……進んで、いるよな?

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんとか、出れた……」

 

シェヴィーチェイス・北とPip-Boyに表示されたこの場所に来るまで、何度か迷ってしまった。数日を予定していたのに一週間かかり、しかも道中でスーパーミュータントと交戦中のパラディン・ホスというBOSを助けてしまって少し巻き込まれた。死にそうだったから見捨てられなかったんだ。

 

フォールズ教会という場所で演習中に襲撃を受けた彼らを助け、逃げていった新人を周りのミュータントをなぎ倒しながら連れて帰ると大いに感謝された。この恰好だったのもあっただろうが、時間が無かったので報酬なんぞもらわずに道案内とここまでの地図データの提供で先を急いだのも良かったのかもしれない。本来ならデータを渡すなんて以ての外だが、本当に近い距離なのであまり関係ないそうだ。ここらはもう馬鹿みたいに踏みしめているし。

 

何かと焦っている彼を止めるのにも時間がかかった。こっちが止めても特攻しようとするから後ろからライフルで彼が移動する道を切り開いたり、月光で共に行く羽目になったので相当面倒だったとここに記しておく。訓練生を大事にするのは良いが、こっちまで巻き込まれてはどうしようもない。もう二度とあいつらには会いたくないな。

 

……思い出したら腹が立ってきた。

 

「人間、見ツケタ!」

 

「グルルルルルル!」

 

丁度二体、トンネルの階段を上がった先にスーパーミュータントを発見。良い具合のストレス発散になってもらおうとアーマーの機能をフル活用して一気に走る。そして一体に向けてスピードはそのままにライダーキック!メキメキと景気のいい音を立てて吹き飛んでいったミュータントはその先にある尖った鋼鉄のビル片に頭をかち割られていた。かちわりなう。

 

そしてまさか蹴り飛ばされるとは思っていなかったのか、呆然としていたもう一体に向けて跳躍し、両肩に着地。もがくもこのミョルニルからは逃れられない。腰元にあるホルダーから手榴弾のピンを抜いてうるさく吠える汚い口の中に埋め込む。そして頭を蹴って離れて所に着地。ミュータントはもごもご言いながら蹴られた衝撃でたたらを踏んでさらに俺から離れたため、何の問題もなく頭を花火のように弾き飛ばしてくれた。

 

「うむ、我ながら上手くいったな……」

 

正直ここまでうまくいくとは思っていなかったので、満足の出来だ。最初のミュータントが跳んで行った先にビル片があったのも運が良かった。正直何も考えずに邪魔だったのとストレス発散に蹴り飛ばしたからな。一応どのくらい物理攻撃が通るのかの検証も兼ねていたものの、概ね予想通りと言ったところか。効果はあれど、好んで何度もやる手段ではない。乗っかった時にも支えていたし、奴らのパワーはけた違いだ。

 

「ところで、いつまで見ているつもりだ?」

 

一息つき、背を向けていたビル通路から出てきた連中に向けてそう言い放つ。彼らはこの戦闘が始まった時から見ていたが、何も手を出さず呆然とその様を見ていた。着ているアーマーから見てBOS、しかもマークが付いているから特殊部隊と言ったところか。俺が声をかけるとはっとした様子で先頭のブロンドの髪の女性が話しかけてくる。

 

「ごめんなさい、スーパーミュータント相手だったから助けがいるかと思ったんだけど……不要だったみたいね。凄かったわ」

 

「ありがとう。それにしてもまたBOSか……ここには巡回か?」

 

「いいえ、ちょっとした任務よ。あと、またって他のBOSに会ったの?」

 

話に聞くBOSの現地民に対する扱いに比べ、彼女とはとても話しやすい印象を受ける。結構な美人なのも得点が高い。しかしこうして後ろに警戒させつつ出てきたのを見るに、彼女がこの部隊の指揮官なのだろう。そうでなくとも目を見れば数多くの修羅場を乗り越えてきたことがわかる。

 

俺がホスの事を話すと、知り合いだったのか素直に感謝された。犠牲になった訓練生は残念だが、このご時世だ。仕方あるまい。次に俺の目的を聞かれたためにGNRへ行くつもりだと素直に答える。おそらく同じ所が目的なのだろうから隠してもしょうがないからな。

 

「本当だったらこんなこと言わないんだけど……今GNRはスーパーミュータントの襲撃を受けているの。今は持ちこたえているけどあまり長くは保たないはず。目的地が同じだと言うのなら、手を貸してくれないかしら?事は迅速に対応する必要があるの。あなたの腕も確かなようだし、人数が多いに越した事は無いわ。報酬はスリードックへの口利きでどう?」

 

「願ったり叶ったりだ。こちらとしてもありがたい。全力で当たるよ」

 

「よかった。獲物は?」

 

「アサルトライフルとアンチマテリアルライフルにマグナム、あとはこの刀だ。ミュータントも斬れる」

 

「……それ、本当?」

 

「あぁ。見てみろ」

 

彼女の目の前でミュータントの死体を斬ってみると、唖然としながらも納得してくれた。十分な戦力になると確認したのだろう。時間も無いので移動しながら互いの自己紹介をすることになった。

 

「俺はモンド。父を捜してここまで来た。最近メガトンに住み始めて何でも屋をやっている」

 

「へぇ、メガトンか。よく受け入れられたわね。私はサラ・リオンズ。このリオンズプライドの指揮官をやっているわ。見ての通りBOSよ。他の隊員も、特殊訓練を積んでいるからミュータントを蹴散らすのには十分よ。あなたほどアクロバティックな動きは出来ないけどね」

 

「こっちだって結構な訓練を積んでるんだ。早々出来てしまえば自信無くすよ」

 

「ふふっ、なら早いところ出来るようにならないとね。パワーアーマーはうちの十八番なんだし」

 

互いに軽口を叩きあいながら彼女の部下の元へ進む。

 

これが、これから長い付き合いになる彼女との最初の出会いだった。




サラ出ました。彼女とは今後も長い付き合いになるでしょう。

本編では美人だったのに、ブロークンスティールだとタレ目の残念さんになってて唖然としたのもいい思い出。彼女こそ正ヒロインだと思うんだ。アマタ?誰それ?
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