Vault101のジゴロ   作:神山

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Vault3

 

 

 

『なぁ、これだけは覚えておいてくれ。俺はいつまでもお前の手を握っていることは出来ないってことを』

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

19歳。日々の医者としての業務にほとほと疲れながらも毎日こなし、少しばかりの余裕が出てき始めたころ。俺はけたたましいサイレン音と、焦った幼馴染の声で目が覚めた。まだ覚醒しない頭の片隅で、始まってしまった事を確信した。

 

「ねぇ!起きて!起きてよモンド!」

 

「あぁ、アマタか……これは、どういう状況だ?」

 

「ちゃんと起きてくれた?」

 

「もちろん」

 

顔を叩き、この状況に対応するために頭をフル回転させる。正直原作とかもう忘れているから、色々酷い脱出劇をしなければならないとしか覚えていない。正直、この先を生き抜くための行動で頭がいっぱいになっていた。

 

まさか、今日だったとは……!

 

「いきなりだけど、落ち着いて聞いてね。父の部下があなたを探しているの。そして……ジョナスが、殺されたわ」

 

「っ!何てことだ……どうしてそんなことを?」

 

いつか起きる事だったとはいえ、良い友人だったジョナスが殺されたことに、内心動揺を隠せない。しかし、今後俺が生き抜くためにも、ここで落ち込んでいるばかりではいられない。

 

「あなたのお父さんがVaultを出たの。父はジョナスが脱出を協力したと思って部下達を……そして、殺したの。殴って、殴って、ひっきりなしに……ううっ」

 

「酷いことを……アマタ、君は大丈夫かい?」

 

「……えぇ、私は、大丈夫。ごめんなさい、あなたの方が混乱してるはずなのに」

 

「いいさ」

 

アマタを落ち着かせ、この日のためにため込んでおいた物を確認していく。流石に防具は無かったが、医療物資ときれいな水、保存の効く食料、ブッチから奪った牽制用のスイッチブレード等々、Vaultで使っていた綺麗な日用品もPip-Boyに入れていく。アマタはそれに驚いていたが、医者として緊急時用に用意していたと告げた。

 

「とにかく、ここから逃げなくちゃ!先回り出来たけど、もうすぐ父の部下がここに来るはずよ!」

 

「逃げるって言っても、どこへ?Vaultは閉鎖されているだろう?」

 

「残念だけど、あなたのお父さんを追って外に行くしかないわ。ねぇ、私の聞くことじゃないかもしれないけど、お父さんは脱出の計画を教えてくれなかったの?」

 

「あぁ……だが、父さんのことだ。自分本位出ていくはずはない。誰かのために、何かを成すために出ていったんだろう」

 

「ごめんね、きっと理由があったのよ。ジョナスが後で説明するはずだったのかも……でも、あなたの言う通りでしょう。あなたのお父さんは正義感の強い人だからね」

 

物資をPip-Boyに入れ終わり、アマタと向き合うと、彼女は持っていた袋から綺麗な10mmピストルと弾丸をいくつか取り出し、俺に渡した。父親の監督官のデスクから取ってきたそうで、彼女は最後の手段と言っていたが……おそらく、すぐに使うことになるだろう。もはやオフィサー・ゴメスを除いたオフィサー達は、俺を監督官によるボーナス賞金としか思っていない。

 

今までオフィサーに代わってもめ事を解決していたりした俺はあまり彼等からよく思われていない。正直俺から進んでやったわけではないし、巻き込まれたものがほとんどではあるが、彼等からすれば俺は手柄や仕事を奪った人間になる。同期や年下の奴らがオフィサーに頼るよりもまず俺の所に来ることも要因の一つだったはずだ。最もそれは男性陣のみで、女性のオフィサーや奥さん、娘さんとの関係は良好だったわけだが……もしやこれが原因か?

 

「聞いて。父のオフィスから出口に繋がる秘密のトンネルがあるの。オフィスのコンピューターをハッキングすれば入れるわ。これを使ってオフィスに入って。私、いつもこれを使っているの」

 

「……ありがとう」

 

そう言って渡されたのはヘアピンとドライバー。ピッキングして入れということだろうが、いつも使っているって、アマタ……いや彼女の純粋な好意はありがたい。何も言わないでおこう。

 

「それじゃ、私足手まといになるから先に行くわね。頑張って、出口に向かって。警備に気を付けてね」

 

そう言って去っていくアマタに礼を言い、自分のロッカーの二重鍵を開ける。番号式と鍵穴式の二つを開け、母の形見である刀『月光』を持つ。このVault脱出の間は回避以外使う気はないが、外に出たときに頼りになるのはこいつだけだ。身体も成長し、鍛え上げ、技も模範から自身のものに昇華させた。すでに動きは本物と差し支えないほどであると自負している。見た目は本物よりもごつくて身長も高いが、これは父さんの格闘術のためなので仕方がない。唯一足りないのは実戦経験だけだが、これもシュミレーションで人間相手は何度か経験している。怖いのはミュータントだけだ。ある程度は銃弾も弾けるし。

 

月光を腰のベルトに差し、随分前から放置していたバットを装備する。本当に初期装備だが、致し方ない。物資と月光があるだけだいぶマシである。その分Pip-Boyの重量が大きくなってしまったが、拠点を手に入れるまでの辛抱だ。家を手に入れるのがゲームのように簡単にいけばいいんだが……。

 

「そこにいるぞ!動くな!」

 

部屋の外に出て通路を進もうとすると、オフィサー・ケンダルがぎらついた目で俺に警棒を突き付けてきた。ゲームであれば速攻でバットで殴り殺して彼が着ている防具を奪ったものだが、ここは現実。嫌われているとはいえ、長年過ごしてきたVaultの住民である。そう簡単には殺せない。今後のVaultのためにも、ゲームのように殺しまわる必要性はないのだ。よっぽど俺を殺そうとして来れば別だが、彼を殺せば娘のクリスティーンやモニカが悲しむので無し。

 

「くそ!ラッドロー「フッ!」ちべぇっ!」

 

こちらがそこまで行く前に横から来たラッドローチの対処をしなくてはならなくなったケンダル。その隙を突き、急接近からの殺さない程度のバットによる一撃をかまして昏倒させ、ラッドローチもケンダルに群がらないように叩き潰す。Meel Weaponsがマックスだとこういう使い方や力加減も理解できるのだ。しかし俺の場合この月光を使うために上がっているので、打撃武器はそんなに得意じゃない。ほとんど刀専用とも言える。

 

オフィサー・ケンダルを通路の端に寄せ、先を急ぐ。相も変わらず鳴り響く警戒音は非常にウザったく、耳障りだ。そして途中で転がりながら慌てて出てきやがったブッチも。

 

「助けてくれ!お袋がラッドローチに襲われてるんだ!」

 

「はぁ?」

 

実を言えば、ブッチとはほぼお隣さんである。毎回会うのが面倒でならなかったのだが、今回もまた同じく面倒なことに巻き込まれたようだ。彼の母親、アル中のエレン・デロリアがラッドローチに食われそうになっているらしい。それくらい自分で何とかしろよ。

 

「まさかこんな時にお前から助けを求められる日が来るとはな……というかブッチ、ラッドローチ位自慢のスイッチブレードで何とかならないのか?」

 

「わかったわかった悪かったよ!今までの事は本当に謝るから!俺がラッドローチというか虫が駄目なのは知ってるだろう!?見捨てないよな?な!」

 

そうか、こいつはへたれだったのを忘れていた。

 

アル中の母親に迷惑しかかけないへたれの息子。最悪だな。しかし、知らない仲じゃないし、ここまで聞いてから見捨てるのも寝覚めが悪い。それに、ここで助けなければ父さんと母さんの理念に反する。

 

「はぁ……わかったよブッチ。へたれの君に代わって、行ってやる。どこだ?一緒に行こう」

 

「ざけんな。あそこには戻りたくねぇよ!……く、暗ぇし、それにラッドローチがいるしよ」

 

「……」

 

とりあえずブッチを一発殴ってデロリア婦人の部屋に突入。酒瓶が転がりまくっていて相も変わらず酒臭いここは、医療研修でアル中患者の対処法を実地で学べる場所だったため何度か来たことがある。どの方法を試してももう駄目な領域に達していたので、彼女が自分で酒を断たない限り近いうちに死ぬだろう。だがそれは今じゃない。

 

「ブッチ~、助けてー」

 

気の抜ける救助コールを聞きながらラッドローチを潰していく。ここでバットを使って耐久値を下げるのもバカみたいなので、落ちている酒瓶で潰したり、割れた瓶で刺し殺していく。実際にいたのは数匹で、すぐに駆除し終わったのだが、彼女はそのまま酒を飲み続け、礼も言わずにベッドに倒れた。

 

「やったぜ!お袋が無事だった!お前最高の親友だぜ!なぁ、大したもんじゃねぇが、トンネルスネークのジャケットをやるぜ。受け取ってくれ」

 

正直なところ、こんなものをもらっても仕方がないんだが……まぁ、防寒の足しにはなるか。いざとなれば燃料にする。

 

それからかつて誕生日会をやった食堂を通り過ぎ、先に進むと、医務室の前で多脚多機能ロボであるMr.ハンディー型のアンディが火炎放射器でラッドローチを燃やし、オフィサー・ゴメスが指示を出していた。俺は念のためバットを構え、彼に近づく。

 

「モンド!あぁよかった、無事だったんだな!」

 

持っていた警棒を納めてくる彼に、相変わらずだなと思いながらこちらもバットを下ろす。彼は底なしのお人好しだ。やるときはやる人ではあるが、散々世話になったこの人に危害を加えたくなかったので安心する。それでも、動けるようにはしておくが。

 

「お前を見つけたのが俺でよかったぞ。他の連中じゃ容赦ないだろうからな」

 

「すでにオフィサー・ケンダルの襲撃を受けました。完全に俺を殺そうとしてましたが、とりあえず気絶させて通路に置いています。早い所回収したほうが良いでしょう」

 

襲撃を受けた事実を言うと、彼はため息をついてやれやれと首を振った。

 

「すまない。だが、君が正当防衛とはいえ彼を殺してしまわなくてよかった……さぁ、早く行きなさい。私は何も見なかったことにすることしか出来ない」

 

「ありがとうございます。あなたには本当にお世話になった」

 

「こうなるとは本当に残念だ。ジョナスへの仕打ちも、信じられん……オフィサー・マックもどうかしてる。でも、お前は聡明で強い子だ。こんな目に合うなんてかわいそうに。お父さんを見つけるんだぞ。出来るな?」

 

「はい」

 

オフィサー・ゴメスに一礼し、先へと進む。医務室へは寄らない。物資は確保しているし、なによりアンディがうるさい。あのポンコツめ。

 

扉を進み、Vault101アルトリウムという居住区の広間のような場所に出る。そこにはこれを機に脱出しようとする二人のVault住人がいたが、殺気立ったオフィサーに速殺されるのは目に見えているので普通に止めた。一応話は聞いてくれたものの、半信半疑だった。

 

なので近くのドレッサーから持ってきたvaultスーツを使うことにする。俺は壁に寄って、奥の通路の先の扉を守っている二人のオフィサーの前にくるようにしてスーツを投げ込む。するとあら不思議、見事なまでの蜂の巣です。完全に見境なく殺しにきている。

 

とりあえず二人のオフィサーを強めにボコし、対処を二人に任せる。オフィサーの持っていた10mmピストルと弾薬は俺が回収し、念のため警棒を住人に渡しておく。あくまで自衛の手段としてだ。

 

それから一部住民に罵倒されたりオフィサーの群れと遭遇したりしたものの、何とかそれらを打倒してようやく監督官のフロアにたどり着いた。やっとか、と思っていると、監督官の執務室から聞き覚えのある声が響いていた。俺は辺りを確認した後、ゆっくりと動いて窓際まで接近し、中の様子を伺う。すると、そこにいたのは先に行ったはずのアマタとその父親の監督官、そして嫌味なくそじじいと有名な警備長オフィサー・マックだった。

 

「知らないって言ったのよ!」

 

「大人になれアマタ。オフィサー・マックは楽しんで尋問をするだろうが、私は違う。彼の居場所を言うんだ。後は私達に任せなさい」

 

「友達だから心配だったのよ!一体彼に何の関係があるっていうの!?」

 

「……おそらくは何もない。だから、仲間の場所を言え。後は私が話をする。彼には話を聞きたいだけだ。しばらくは話を出来ないだろうが、少しの辛抱だ」

 

監督官が意外にも理性的で話し合いを設けようとしているのに驚きつつも、いつでも動けるようにドア付近まで移動する。月光はいつでも抜ける。

 

彼とはこれまでも間、アマタの事もあって色々と話す機会が多かった。原作では歴代シリーズ同様に嫌な奴だったが、話してみると、彼がいかにこのVaultとアマタを愛しているかが分かった。かなり不器用で人を逆なでる言動を取りやすいものの、その能力は確かなものである。今回の事も、放送での命令は俺を普通にここまで連れてくることだった。俺を殺そうとして来たのは一部の暴走に過ぎず、ジョナスの事も彼にその気はなかった。すべての元凶は命令を途中で捻じ曲げたオフィサー・マックである。

 

「監督官、このままでは埒が明かない。手っ取り早く行きましょうよ」

 

「待て!ジョナスと同じ過ちは犯すものか!私の娘に手を出すな!」

 

「いやっ!!」

 

そうこうしているうちにオフィサー・マックがまたもや暴走し始める。警棒を抜き、血走った目で監督官の命令も無視している。俺は一気に突入することを決心した。

 

「フッ!」

 

「なっ!?貴様いつの間に!ぐあっ!!」

 

ドアが開ききる前に屈みながら移動し、飛び込むようにしてオフィサー・マックに斬りかかる。しかし、彼は咄嗟に警棒を盾にして体を逸らした。月光を前にして警棒やアーマーは無いに等しいが、ほんの少しばかりの誤差が出てしまう。月光による一撃は、彼の利き腕を斬り落とし、胴を浅く斬るのみに終わった。

 

「モンド!あぁ、無事だったのね!」

 

「あぁ、何とか間に合ったよ」

 

俺の一撃により血を吹き出しながら倒れ込むオフィサー・マック。アマタが多少血を被ってしまったものの、彼女は無事に俺の後ろに回ってきた。荒い息をしながらこちらに呪詛の如く罵詈雑言を放つオフィサー・マックを無視し、アマタを自室に向かうように指示した後、無言で佇む監督官に向き合う。彼は腕を組んでオフィサー・マックを睨んでいた。

 

「よろしいですね?」

 

「……あぁ、頼む」

 

監督官から許可を得たことで、月光を構えながら近寄る俺から後ろへずりずりと引くオフィサー・マック。だが、金属製の机に当たったことで、撤退路はなくなった。今までの暴言からみっともない命乞いに変わり、泣き出した彼を無視して月光を横に構える。丁度良い間合いだ。

 

Killer is Dead(キラーイズデッド)

 

すぱん、ときれいに飛んだ彼の首は、くるくると回転した後アマタが座っていた椅子へと着地した。汚い死に顔だ。俺の時もこんなのだったのだろうか。

 

「……モンド、これで君をここに置いておくことは不可能になった。警備を今まで殺さずにここまで来たことも意味が無くなり、アマタを助けてくれたことを理由に私が庇うことも、君の父親がしでかしたことのせいで難しい。アマタのためにせめてお前だけでもと思ったが、無理だろうな」

 

「えぇ、わかっています。ただ、医師の不足ゆえにでも外からの異分子を保護し、次世代に隠すことまでしてくださった恩は忘れません。父が出ていった理由は知りませんが、あなたの愛するVaultを壊してしまった原因は私達にある。私には謝ることと、ここからいなくなる事しかできない」

 

「っ!モンド、お前は全て知って……いや、今更言っても仕方がないか。親の罪を子になすりつけるのは筋違いというやつだが、住民たちは納得すまい。お前は優秀な子どもだった。このVaultも、君の遺伝子があれば外のものとはいえ発展しただろうに。アマタを今まで守ってくれた礼として、私の部屋の鍵と外に出るためのパスワードを持って行きなさい。好きなのを持って行ってもいい。だから、二度とここに戻ってくるな」

 

私は、少し疲れた。そう言って監督官はオフィサー・マックとは反対側の机の椅子に腰かけた。今日一日で少し老けた彼の顔を目にしながら、手にした鍵を持って一礼する。彼の印象の違いは長年の行動の賜物というやつだが、彼とて父さんが脱出しなければ俺にこんなことはしなかったし、ラッドローチも出なかった。住民は死ななかったし、俺も人を殺す必要はなかった。

 

ゲームではいい感じに終わっているけど、実際の所、すべての元凶は父さんだ。一度諦め、Vaultの保護を受けいれてもらったにも関わらず、それを裏切りめちゃめちゃにして出ていった。そんな中で俺が安全に暮らしていけると、本気で思ったのだろうか。裏切り者の息子が、この閉鎖的なVaultでどのような仕打ちを受けるのか考えなかったのだろうか。父さんは確かに善人ではあるが、少しばかり視野が狭く、一つの物事にとらわれ過ぎるきらいがある。

 

「最後に一つだけ。私のデスクに今までのカルテや病気の治療法もろもろを書き記した物を置いています。医者が居なくなった今、次世代を早急に育て上げる必要が出るでしょう。アンディでは死人が出る……お世話になりました」

 

自室の鍵を監督官のそばに投げ、一礼して部屋を出る。ずいぶんと時間をくってしまった。アマタはまだ自室だろうが、彼女には少し休息が必要だ。そして、監督官のターミナル前でジョナスの遺体を見つけた。体中ぼこぼこにされ、痣だらけで出血も見れる。彼がいつもかけていたメガネは割れ、Pip-Boyは機能を停止していた。

 

「……安らかに眠れ、友よ」

 

せめてもと見開いていた目を閉じ、身体を整える。と、その時一つのホロテープがジョナスの懐から転がり落ちる。Pip-Boyにダウンロードし、表示されたタイトルは『父より』。おそらく後でジョナスから俺に渡すはずだったんだろう。どうやって取り上げられなかったのかは謎だが、後で再生するつもりだ。

 

俺はジョナスに黙祷し、ターミナルへと急ぐ。鍵を開け、少しばかりロッカーの中身を拝借した後、監督官からもらったパスワードをコンソールに打ち込む。表示されるのはセキュリティ報告書・偵察報告書・Vault-Tec取扱説明・監督官のトンネルを開く・GODの五つだ。セキュリティとかはさっと読み、メガトンの位置をPip-Boyにダウンロードすることに成功した。それと、シリーズの鍵ともいえるG.E.C.Kの情報。あとは監督官の愚痴日記だ。とりあえずすべてPip-Boyにダウンロードしてトンネルを開き、最後のGODを選択してみる。これはゲームではなかったように思うんだが……。

 

『ハロー!モンド君!こちらの期待通りのジゴロライフを送っているようだね!まだ物語も始まっていないVault101の中で何人食ってんの(笑)君をモンドにするって聞かなかった天使も大爆笑だよ!

 

そんな君に素敵なプレゼント!

 

月光はあげたけど、この世界で近接だけはきつすぎる。そしてモンドだからってスーツで突貫するのは馬鹿の極みだ。身を守る物が必要だよね。だから君には特別な装備と銃弾をプレゼント!今後は自分で補給してもらうようになるけど、これだけあればしばらく大丈夫だよね。

 

さらにお得なことに、武器防具には時間かかるけど自己修復機能が付いています!大破したら一週間近くかかるけど、簡単なものなら数分から数時間で治る優れもの!あとは君の人生観賞中に出たコーラ瓶のキャップも送っとくよ。こっちではゴミでもそっちでは通貨だもんね!資源の有効活用って大事!

 

あとは君のPip-Boyを改造して亜空間収納を無限にしといたから、重量を気にする必要はないよ。

 

それでは、ハブ・ア・ナイス☆た~!』

 

「……」

 

なんというか、これなんてチート?

 

読み終わり、コンソールの操作をやめると、モニター横の壁がスライドし、奥から青白いライトに照らされた装備群が出てきた。もの凄く近未来チックな登場をしてくれた装備に驚きつつも、この新品の装備を片っ端からPip-Boyに入れていく。正直もう少し頭の中を整理する時間がほしいが、そうも言ってられない状況だからな。

 

内容としては

 

・各種弾丸(NewVegas込み)×800

 

・アンチマテリアルライフル(GRA)×1

 

・アサルトライフル(UNSC)×1

 

・ミステリアス・マグナム×1

 

・ミョルニル・アーマー×1

 

・キャップ×69350(一年365日×一日10本×19年)

 

だ。この時点でもうチートの塊であるけども、それでもチートなのは装備であって俺ではない。元主人公のアイツのような疑似ミュータントでもない俺は、銃弾一発で死ねる。どんなに優れた装備を持っていても、使うのは俺なのだ。俺が強く、上手くこいつらを使ってやらなければいけない。

 

「最初から揃い過ぎて申し訳なくなってくるな……っていうかアーマー着てたらまず死なないだろう」

 

思わず愚痴りながらも、ミョルニルアーマーを装備していく。俺用に設定してあるようで、スーパーボールみたいになる心配もない。最初は自分一人で着れるか心配だったが、どうにも認識用AIが作動しているようで、Pip-Boyを通じて初回インプットを済ませたら後は自動で動いてくれるらしい。取り外しなどの今後装備するとき時はPip-Boyを通じてAIによる処理が行われる。といってもPip-Boyの操作で量子変換された物を着るだけだから、二度目以降は数秒位なものだ。

 

そしてなんとヘルメット部分はDEAD SPEACEのようにカシャカシャと音をたてながら自動収納されるのだから驚きだ。これで何処でもヘルメットだけは自力で外せられる。ヘルメットとアーマーはセットになっているから自己紹介とか顔見せの時にどうしようかと考えていたんだ。これはありがたい。

 

能力値は基本原作Haloで、バージョンはMarkⅥ。オートリチャージ機能もあるし、アーマー本来の治癒機能に加えて着用者への健康維持機能も付いている。これで俺が死にそうになっても自動的にスティムパックやMed-Xが使われるためそうそう死なないはずだ。

 

放射能に対してもある程度の濾過機能が付いている。しかし長時間の滞在や濃度の高い場所では流石に無理のようだ。その際はアーマーを外してからRADアウェイを接種しなくてはならない。最もRADアウェイは点滴で打たないといけないから安全な場所でしか処置できないのだけど。

 

「おぉ、凄いフィット感」

 

何だかんだ考えながら装備していくと、体の動きを一切阻害しないこのアーマーに驚く。それにまるで今までずっと着ていた服のように体にフィットする。さらに驚くほど軽い。最低限着ている認識を与える程度の重さはあるが、それまでだ。本当にすごい物を手に入れてしまった。

 

ヘッドアップディスプレイ(HUD)に表示されるのは残弾数とバリアエネルギー残量、索敵用レーダー、標準補助だ。ヘッドライトの調子も良好で、本来Pip-Boyから聞こえるラジオもアーマーとリンクすることでヘルメット内に流れるようになっている。

 

内部に搭載されたアーマーアビリティは現在プロメシアンビジョン――壁などの固い物質を透視して敵を見つけられる――が搭載されており、他のモジュールはPip-Boyを操作することで切り替えが可能だ。しかしこれにも切り替えには数分かかるし、使用後のクールタイムにも数分を要する。

 

確認後、アーマーの威力を見るためにロッカーを握ってみたらアルミホイルのように握りつぶすことが出来た。ちょっと調子に乗ってロッカー一つ駄目にしてしまった俺は悪くない。

 

「……」

 

ううむ、と少し唸ってからギシギシと床を踏みしめ先を急ぐことにする。監督官のテーブルが上がって露出した階段を下り、途中に出現したラッドローチを排除して通路を進む。そして行き止まりの壁を操作するボタンを押せば、歯車型の入り口のあるVaultの玄関口へと到着だ。

 

この特徴的な扉こそ、このゲームの象徴とも言える。そして、ここからが本格的な俺の人生の始まりだ。この扉をくぐれば、その先には地獄のような世界が広がっていることだろう。裏切りと荒廃、殺伐とした壊れた世界だ。今までのような法や規則など存在しないくそったれな世界。

 

「だが、行かなければ。そして、生き延びてみせる」

 

コンソールにパスワードを入力し、レバーを引く。すると盛大な警告音と共にぎゃりぎゃりと音をたてながら扉が開いていった。後ろの鍵のかかった扉でオフィサー共が騒いでいるのが聞こえる。しかし、今の俺にはどうでもいいことだ。

 

『監督官を呼べ!早くここを開けなきゃならん!』

 

アマタはまだ来ていない。しかし、後ろから聞こえるオフィサー共の声からするに、そう長くはもたないだろう。現に扉を強制的に開けようと躍起になっていて扉が軋んでいる音が聞こえる。意地でも俺を逃がさないつもりだろう。だが、もう遅い。

 

「……」

 

扉を出て、オフィサーが出てこないうちに外側のコンソールを同じように弄る。今度は閉じるためだ。

 

俺は閉まりゆく扉をじっと見つめ、頭を下げた。19年間過ごしたVault101に別れを告げるのは、中々に辛いものがある。少しばかり目が潤んできた俺を誰が攻められようか。ここは俺の故郷で、思い出の溢れる家だったのだから。

 

「――――!―――!?」

 

扉が半分以上閉まり、扉がオフィサーに破られたところで視界の端にアマタが見えた。涙を流し、こちらに何かを叫んでいるが、扉の軋む音で何も聞こえない。最後の最後で彼女には悪いことをした。別れの挨拶も告げず、助けてもらうだけで黙って出ていくのだ。もしも次に会うことがあったとしたら、ひっぱたかれるのは確実だ。彼女は気が強いから。

 

俺は完全に扉が閉まりきる前にヘルメットを解除し、アマタに向けて笑みを浮かべた。某シロガネ曰く『笑うべきだとわかった時は、泣くべきじゃない』だ。これは名言だと思う。今がまさにその時だ。

 

「すまないアマタ。そして、ありがとう」

 

愛用していた伊達メガネを隙間からアマタに向けて投げる。結構な距離があったものの、鍛えた投擲スキルのおかげでうまくアマタの手にまで届いたのを確認し、またヘルメット装着。形見というわけではないが、彼女にはこれぐらいしか渡せるものが無い。いらなければ叩き割って俺への鬱憤でも晴らしてくれればそれでいい。

 

「さて、初めまして?いや、違うな――――ただいま、キャピタル・ウェイストランド」

 

俺は一度も振り返ることなく、外への扉を開いた。この先を生き抜く決意と覚悟を胸に秘めて。




はい、これで基本ベヒモスやヌカランチャーといった過激系以外では基本死にません。気絶はしますし、放射能がかなりキツイと防護できませんが。一回やってみたかったんや、だって誰もやってくれないんだもん!\(゜ロ\)(/ロ゜)/

アーマーの見た目はHalo4です。ピッカピカの新品ですが。しかもGEN1、チーフ仕様を神様補正と生まれてからの努力で使えるようになっています。アサルトライフルはMA5D個人戦闘武器アサルトライフル。装弾数、威力共に従来のものよりは高いですが、まぁアサルトライフルですので(笑)

で、モンドがただのヤリtげふんげふん、になっていますが、それは仕方のないことです。誰だっていきなり女の子が寄ってきていい感じになりまくってしかも周りからは黙認されていたらこうなります。前世の記憶があるなら余計に。あとは、親父からの遺伝かな。でも今後はちょっと反省して一応自重します。たぶん、きっと、メイビィ。
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