ダイジェストにしてもよかったですが、中途半端に筆が進んだのでとりあえず投稿します。
翌日。埃だらけのベッドから這い出て身体を掃う。スプリングもダメになっているし、中身もない。とりあえず寝れるだけのベッドのため早急に交換が必要だ。
などと朝から頭を使って考えなければならないほどにこの家はダメだった。
「おはようございます。今日も素晴らしい御天気ですね」
「そうだな。嫌になる程に。冷蔵庫は稼働したか?」
「はい。電力も十分ですし、思ったよりも頑丈だったようですね。ただ中身を綺麗にしないといけませんが」
「はぁ……今日は一日大掃除だな」
自宅の二階からリビングにあたる一階に降りると、出迎えてくれたのはロボット執事のワッズウォースだ。彼は新しい主の俺が来る昨日まで休眠状態だった。とりあえず初期化してマスター権限を再入力し、起動。その後一晩かけて各種点検を行ってもらっていた。
結果は散々だったわけだが。
「他は?」
「収納用のロッカーや棚は綺麗にすれば問題なくご使用いただけます。ランプも電球もしばらく交換する必要はないでしょう。それに、水道は幾ら使っても問題ないですしね」
「そうだったな。それだけが救いだよ」
実を言うと、家の中に入った瞬間また神様からメッセージが届いた。Pip-Boyに直接届いたそれによると、新居を早期に手に入れたボーナスでこの家の中限定で水のみを生成する疑似G.E.C.K.を設置したらしい。これで水が問題なく飲み放題だね!などと書いてあったが、とんでもない原作崩壊であった。おかげで風呂にも入り放題なわけだが。
しかし忠告もあった。この疑似G.E.C.K.を無理に移動させようとすると、ここら一帯と俺が核爆発で吹き飛ぶとのことだ。だから基本的に信頼できる人にしか使わせないようにと。
もちろん俺もワッズウォースも死にたくないので、誰にもばらさないようにワッズウォースに伝え、この情報を強固にプロテクトした。俺の指示が無い限り誰かにその話題も振ることはないだろう。
「とりあえずこんなものですね。他に何もありませんので楽なものでした」
「だよな……色々買わないと」
「まずは自宅で最低限の活動が行えるようにしないといけません。浴槽、ベッドの取り換え、各種電子機器の購入、ご入り用でしたらその他の物もクレーターサイド雑貨店にて購入いただけます」
正直な話、ほとんどの家具を取り換えなければやっていけない。話を聞けば最後の起動から結構経っているみたいなので、この状態も納得だ。しかしおぼろげに残っている記憶よりも俄然家の広さが違う。色々と改造しても問題ないくらいの広さだ。
俺は話を済ませるとブラスランタンで朝食を済ませ、モイラの店に向かう。中に入った途端経過報告を求められたが何もしてないというと捨てられた子犬のようになってしまった。まぁすぐに元に戻ったが。
「それで?朝一番で何の用?」
「家を手に入れたんだが、中の物がとことん駄目になっている。買い換えたいんだ」
「なるほど、じゃあベッドとかになるわけね。こっちよ」
モイラに連れられて奥に向かい、そこそこの量の家具が置いてあるところに着く。そこで使い勝手の良さげなのを数点選んで購入。あとジュークボックスとか医療キットとかもまとめて。浴槽も広いのを選び、全てPip-boyにぶち込んで持って帰る。こういう時に抜群の性能を見せてくれるな。
ついでに水道場に寄ってウォルター爺さんに結果を報告しておく。ことのほか喜んでくれ、今後も何かあれば頼むと言ってくれた。そして追加の依頼というか暇があれば廃棄部品を集めてほしいとも言われた。修理用に保管しておきたいとか。しかもキャップも出るので、片手間でいいから覚えていてほしいとのこと。それに了承を伝えて家に戻る。
とりあえずキッチンの設置と浴槽などの交換、あとは家中の大掃除をワッズウォースと共に行う。これで一日が終わってしまったため次の日に持ち越す。そしてまだ準備していたクロウを引っ掴まえて雑巾としてタオルなどを購入し直し、その日のうちに出ていく彼に挨拶。彼は何度も礼を言ってきたが、こちらとしても打算でやったのでむず痒い。
彼を見送ってまた掃除を開始。二階の空き部屋三つに俺の部屋、一階のリビングやトイレなどの隅々まで綺麗にして何とか終了。激しい戦いだった……。
「疲れたー……」
「家一つ一人で掃除してりゃ疲れて当り前さ。ほらよ、頼んでたウィスキーだ。こういう時は酒飲んで愚痴ってさっさと寝るのが一番良い」
「だよな……んくっ、はぁ。すまないゴブ、もう一杯」
「毎度」
風呂に入ってそのまま寝ることも良かったが、なんだか酒が飲みたくなったのでモリアティの酒場に直行した俺はゴブ相手に一人愚痴っていた。彼も愚痴とはいえグールとまともに話すのが俺だけなので嫌な顔せず聞いてくれる。ちなみにノヴァや女の子は他の相手を接客中なので俺には誰も付いていない。
心の友よー。
「馬鹿言ってねえで飲んで腹膨れたら帰りな。まったく……」
訂正。ものすごく面倒がってた。
ゴブに謝ってコーラを瓶ごと数本もらい、会計を済ませる。と、急に後ろから腕を回された。
「いよぅ!モンド!今日は来ねえと思ったらこんな所にいやがったのか?ジェニーが悲しがってたぜぇ~?お前が来てくれないよぉ~ってな!おいどうした何か言えよ色男!」
開始早々まくしたててくる赤毛で髭を生やした男はレオ・スタール。話からわかるようにブラスランタンのジェニーの家族だ。ただ今日はやけにハイになっている。前に会った時はこんなんじゃなかったはず……まぁ、見れば一発でわかることだけど。
「疲れているんだよ。家中掃除して、買い換えて……全部一人でやるのは流石に堪えた。精神的に」
「しみったれた顔してると思ったらそんなことかよ!はっはっは!でもよ、そんな時こそ飲まなきゃな!飲むだろ?飲むよな!?」
「悪いレオ。俺はもう飲んで帰るんだ」
「なんだよノリ悪いな……まぁいい。またな!」
「あぁ」
彼、レオ・スタールは薬物中毒者だ。開いた瞳孔に顔色の悪さ、変に高揚した気分、挙げればキリがないほどにわかりやすかった。こうしてハイになっているから少し分かり辛いものの、手の震えも確かにあった。ジェニー達の前では少し疲れていると言っていたが、医者から見れば隠し通せていない。
彼女達の前で暴露するわけにもいかず、こうして様子を見てみたが誰かが止めてやらないと止まれないだろう。せめてきっかけが必要だ。まだ更生の余地はある。
「となるとDr.チャーチに聞くのが手っ取り早いか……」
とはいえ夜ももう遅い。今から行ってたたき起こすのも相手の不信感を募らせるだけだ。それに、俺もキツイ。
「なんにせよ、明日からか」
俺はややふらふらしながらようやく家に到着し風呂に入った後、新品……とは言い難いが新しめのベッドで就寝した。昨日よりは断然寝つきが良かったのは言うまでもない。
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結果から言えば、レオの治療は成功した。治療というか説得だが、切っ掛けと彼のやめようとする意志は確認したし、家族にも告げたので協力し合いながらやめていくと信じている。彼ら家族の絆は固い。
準備を済ませて俺はDr.チャーチに会いに行った時、入ってすぐに彼は俺を見て嫌そうな顔をしたが事の次第を話して医者だと証明できる知識と施術経験のある病状の説明を披露すると納得してくれた。最近は医療研修を受ける人達が少なくて困っていたらしい。
今回のことはDr.チャーチの患者を取ってしまうことの報告と確認をしに来たに過ぎない。医者によっては自分の管轄の患者を取られることをひどく嫌う人もいると父さんから聞いたことがあったからだ。どんな仕事でも自分の仕事を生きがいにしている人は多い。それで治せなかったら意味はないんだがな。
とにかくメガトンの住民の問題を解決しながら過ごしていくのも悪くないと思ってきた今日この頃である。
なんだか変な終わり方になってしまいましたが、ここで切らないと続きがどうにもならなかったので。
申し訳ないです。
あと、家はやや大きくしました。それくらいなので他はそんな変わってないです。多少トイレとか浴槽が付いたぐらいかな。最低限の生活用品です。