Vault101のジゴロ   作:神山

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お待たせしました。就活とこの季節特有のバイトの人員不足の忙しさで死にそうな作者です。私が就活中だって言ってるのにシフトを増やそうとする店長は私を殺そうとしているのか。それとも店で雇ってくれるのか?

まぁそんなこんなで、どうぞ。


Vault9

壁際に隠れ、物音をわざと立てる。それに気づいた男がゆっくりと近づいて来たところで一気に引っ張り、声を出される前に首をへし折った。そしてその死体を隅に押し込み、武器などの戦利品を頂戴して隠れ直す。

 

「ふぅ……あと何人いるんだ?」

 

あれから数日経ち、そろそろモイラの視線に耐えられなくなった今日この頃。俺はようやくスーパーウルトラマーケットへ訪れていた。最低限の生活環境を整える事には成功したので問題はない。

 

そして到着してみると案の定中はレイダーに占拠されており、色々と酷い有り様だった。中は荒らされて死体や肉片がそこら中にあり、ジェットやサイコの空が撒き散らされていた。ほとんど無意味に撃ちまくった痕もあるし、カートが散乱している。それでも原型を留めている辺り、相当頑丈な建物なんだろう。

 

「さて、どうしたものか」

 

入り口の見張りは始末して中でも数人殺している。それでもまだ何人か確認できたので、結構な大きさのレイダー集団なのだろう。特攻しても俺としてはなんら問題はないんだが、それで中にある食料や医療品が傷つくと困る。だから先程からステルス行動を心掛けているというわけだ。

 

プロメシアンビジョンで確認するに、手前の方は全て片づけた。後は奥にいる数人と左奥のトイレにいるやつだけだ。ついでに手前の小部屋を漁ってみると、冷蔵庫があり食料品がそこそこ残っていた。しかもこれは戦前の保存食なので、モイラが希望していた物と合致する。あとは壊れかけのレーザーピストルと弾薬ぐらいか。

 

この時点で本来の目的は達成したと言っていい。しかしこれ以上の物が奥にあるのではないかという好奇心が俺を突き動かして止まないのだ。奥の看板に薬局と書いてあるので医療品もそこに残っている可能性が高いというもっともな理由もあるにはあるが。

 

「俺もまだまだガキかな……」

 

そんなことを呟きながら、ミステリアルマグナムと月光を取り出す。最初に制圧すべきは薬局だ。扉が見えるのでその奥が本命なのだろうが、その前にも薬品があれば大変だ。その確認も含めて速攻で終わらせる。そのあと何もなければドンパチしても問題あるまい。

 

とりあえず左回りに進み、トイレに設置されたベッドに寝ていたレイダーを月光で音もなく刺し殺して進む。これで左からの攻撃の心配はなくなった。と、そこで気を緩めてしまったのか転がっているカートに足をぶつけてしまい音を立ててしまった。

 

「あぁん?何の音だ?」

 

音に気付いたレイダーの声が聞こえ、がさごそと動き出す物音も聞こえてくる。プロメシアンビジョンを起動すると、手前のカウンターになっているところからではなく、奥の従業員用通路から出ようとしていたために即座に移動し、カウンターを乗り越えて中に入る。そして移動しているうちにざっと辺りを確認する。

 

弾薬、ベット、コンソール……これといって薬品関係の物は見当たらない。ならばある程度暴れても大丈夫だろう。俺は立ち上がり、カウンターを再び跨ぎながら丁度通路から出てきたレイダーの頭をマグナムで吹き飛ばす。

 

「なんだぁ!?」

 

同時に走りだし、反対側から叫びながらこちらに向かってアサルトライフルを乱射してくるレイダー。物陰に隠れていたのか、数は二人だったが問題はない。俺は月光を抜き、片手で弾丸を斬り裂きながらマグナムを撃つ。二発外れたが喉に一発命中。やはりこの動作中の発砲は命中率が極端に下がる。アーマーがあるから基本問題ないんだが、何とかできるならそうしたほうが良い。何かあってからでは遅いからな。

 

「弾丸斬るとか化け物かよ!?」

 

「化け物で結構。さっさと死ね」

 

「うぎゃ」

 

レイダーの頭を横から真っ二つにして顎のみとなった頭部からどろどろとした血が噴き出る。それがアーマーに飛び散る前に突っ立っている死体を蹴り飛ばしたものの、こいつが持っていたアサルトライフルは血みどろになってしまった。もう駄目だろう。掃除する気力もないし。

 

血を拭ってマグナムをリロードし、小部屋を探索。一部鍵のかかった弾薬箱があったが難無く開錠して弾薬もゲット。他のもいくつか回収していると、金属製の箱の中に鍵が入っていた。おそらくあの薬局の扉の鍵だろう。

 

探索を終えて鍵を差し込むと、ビンゴだ。中は倉庫になっていて保存食や薬品が多数転がっている。しかも警備用のロボットであるプロテクトロンまでいるじゃないか。まだ起動してないが状態を見るにうまく起動するだろう。後で弄ろうと思い奥の物資や医療品を回収していると、突然スピーカーから声が鳴り響いた。

 

『おい!戻ったぞ!開けろ!……いや、ちょっと待て!様子がおかしいぞ』

 

がちゃんと乱暴な音を立てながら入ってきたのは先程とほぼ同数のレイダー達。おそらくどこかに狩りに行っていたのだろう。即座に扉を閉め、物音を立てないようにコンソールに近づく。中身を弄ってみると電源はまだ生きており、プロテクトロンは起動可能だった。

 

死体を発見したのだろう、外が騒がしくなってきたので急いでコンソールをハッキングする。その途中で上に社員用IDがあったためそれも手にしておくのも忘れない。こういうところにある防犯用のプロテクトロンはIDを提示しなければ犯罪者として処理する機能が付いているのだ。起動して俺にまで反応されては困る。

 

「個人データロード中……Robco―R―04―V―Q―OfficeHelper……デフォルトオフィスプロトコルを実行中……エラー。危険を探知。こんにちわ。IDを提示してください」

 

「これでいいか?」

 

「認証中……認証完了。お進みください」

 

社員証は合っていたようで、俺はスルーされて出口へと向かうプロテクトロン。俺が普通に突っ込むのもいいが、弾薬の消耗は避けたい。ここで回収したとはいえ今後を考えればあまり消費したくない。銃弾を弾けるんだから月光を使えばいいって言われるかもしれないが、あれかなり怖いからそう何度もやりたくはない。アーマーがあれど視界に弾丸が飛び交っていて自分に当たっているのがわかるというのは安全圏から見ていても精神的にキツイ。

 

だからプロテクトロンに装備されたレーザーでレイダーを殺してほしかったんだが……。

 

「バラバラにしてやるぜぇ!」

 

「機能……停止……」

 

速攻でやられてしまった。一人奇襲で倒したものの、コンバットショットガンを持っていたやつに頭部カメラを破壊されて一気にやられた。うーむ、やはり安いロボットはあまり信用ならないな。本格的な警備用とかタレットならある程度期待できたが、プロテクトロンならこの程度か。

 

「さて、帰りは派手に行こう」

 

プロメシアンビジョンを起動して所持武器も確認する。さっきのショットガンとピストル、アサルトライフルに近接が一人ずつか。近接は最後に残してまずはシールドを削りやすいショットガンからか。

 

幸いにも先程の戦闘のおかげか縦一直線に並ぶように立っているので、このまま走り抜けていこうと思う。もちろん全員殺すためにアサルトライフルを取り出すのも忘れない。アーマーの補助を受けながら走り抜け、敵が正確に攻撃してくる前に倒し切る。

 

「ふーっ……行くぞ」

 

大きく息を吐き、覚悟を決めると同時にカウンターを飛び越えて走る。アーマーの補助のおかげで速度的にはすぐに向こう側についてしまうだろう。普通であればそのまま狙いをつけるのは至難の業だ。しかし、HUDの標準機能のおかげで本当に狙いやすくなっているために俺には問題なかった。

 

「な、なんd」

 

「ぎゃ」

 

「うぐっ」

 

右へ左へ、銃口をわずかに動かしながらこちらに気づきだしたレイダーに向けて発砲する。余り一斉射撃はしない。等間隔に数発ずつまたもや指切りで撃っていく。

 

「てめえは死肉の塊さぁ!!」

 

「うぉっ!」

 

最初は順調だったのだが、途中撃ち漏らしたのかもう一人のショットガン持ちのレイダーが物陰から出てきてこちらに発砲した。いきなりの衝撃とシールドメーターの減少に変な声が出てきてしまったが、再び撃たれる前に倒す。やはりボロボロの武器とはいえ近距離からのショットガンは効くらしいな。三分の一一歩手前までシールドが減った。

 

これ以上シールドを減らされたくないためにさらにスピードを上げ、ようやく最後の一人になったと思ったところでアサルトライフルの弾丸が尽きる。盛大にカチリという乾いた音を響かせてしまったために相手も気づいたのだろう。こちらに向けてにやりと笑うとサブマシンガンを一気に撃ち始めた。

 

「ひゃっはーっ!これで蜂の巣にしてやるぜデカブツ!」

 

10mmサブマシンガンで何を言っているんだと思いながら、俺は足に力を入れて飛び上がった。アーマーの補助を受けたそれは重力の効く空間であるにもかかわらず驚異的なジャンプ力を見せ、何と天井まで普通に飛び上がった。少し驚くもそのままさらに力を入れて天井を蹴り、驚いているレイダーに向けて少し加減した拳を振りぬいた。

 

「ぁ」

 

そんな小さな声の後、卵を割ったような音と共にレイダーの頭が陥没する。確実に死んだそれを確認した後、鼻を中心にして空気の無くなったボールのようになって拳に張り付いた頭を引っ張って外した。普通に力を籠めたら破裂してアーマーが血みどろになるのが嫌だったから手加減したんだけど、あまり意味が無かった。

 

俺はトイレの水道で血と脳漿まみれの手を流し、綺麗にしてから回収作業に入った。

 

「この世界に来て初のショットガン……でも、なんか違うな」

 

回収を終えて前から地味に欲しかったショットガンを手に入れたんだが、何か違う。コンバットショットガンはリロードが楽だし連射できるけど、俺としてはポンプアクションがやりたいわけで。

 

いや、贅沢な悩みだし本当にどうでもいいんだが……出来ればポンプアクションのハンティングショットガンなんかが手に入ってほしかった。レイダー程度が持っているはずはないんだけど。

 

モイラの店でも前に聞いてみたが、あれは結構高いらしい。こっちでは数があまりないんだとか。ベガスには腐るほどあるらしいが、こっちまで流れてくることは少ない。

 

「自分で整備するか……」

 

なんだか無性に残念な気持ちになりつつ、俺はスーパーウルトラマーケットを後にすることにした。




モンド君結構慎重派です。

アーマーあるやん。とか言ってあげないでください。実際銃弾とかの衝撃にはアーマーが吸収する機能があるにしても、当たっていることはわかるのです。しかも月光での弾きなんてシュミレーターしか経験のない彼には恐怖心を煽る物でしかないのですよ。これから頑張っていってほしい物です。

これでスーパーウルトラマーケットは終了。次はようやくDCに突入します。吸血鬼とThose!は後回し。あれをいれるとややこしくなってくるので先にこっちを済ませます。
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