世界を敵に回しても   作:はすきるりん

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すいません久しぶりの投稿です!

終わセラの戦闘シーンがうまく書けないのが悩みですね…


34話

「クロ…"黒影神域"…展開」

 

「んー?ねぇフェリド君、あれなに?」

 

クローリーは、シオンを指差してフェリドに聞いた。

 

「あれは…まぁ聞くよりも体験してみなよ♪結構楽しいよ

でも、油断だけはしないようにね?

成長した彼の本気は、もしかしたら上位貴族(・・・・)にも匹敵するかもしれないからね」

 

真剣な顔でそう言ったフェリドに、クローリーは驚きを隠せないでいた。

フェリドという男は、人を褒めたとしてもそれは挑発やふざけた感じに言うことが多い。なのに今のフェリドの言葉は今までにないほどの真剣さがあった。

 

「だから僕も本気でやろうかな!剣よ、血を吸いなさい」

 

シャイィィィンとフェリドの剣が赤く染まった。

そしてフェリドは軽く剣を振るうと、赤い斬撃をシオンへと放った。

迫りくる斬撃をシオンは、避ける動きをせずただ眺めていた。

そして斬撃がシオンへと直撃するその瞬間、地面に展開していた影から壁のようなものが、シオンの前へと出現し斬撃を防いだ。

 

「…串刺しになれ」

 

シオンは右腕を前に出し、ぎゅっと握った。

 

「上へ跳べ!」

 

フェリドは全員に聞こえるよう、普段のフェリドからは想像できない様な大きな声で指示をした。それにいち早く反応した貴族や上位吸血鬼たちは、指示通り上へ飛んだ。

すると今まで自分たちがいた場所からは数本の黒い刺が地面から突き出ていた。回避できなかった下位吸血鬼は串刺しになり灰になって消えた。

 

「…籠め」

 

次にシオンがそう呟くと、フェリドたちの周りを囲う様に影の柱が伸び、その柱から何本もの刺がフェリドたちへと伸びる。

 

「個人で対処して〜この影斬れるから」

 

そのフェリドの一言で、他の吸血鬼たちは自分たちに伸びる刺を対処したが、バラバラになった影は消えるどころか、形を針の様に鋭い形へと変わると一斉にフェリドへと襲い掛かった。

 

「ちょっとこれはずるいよ〜」

 

「あはは、フェリド君モテモテだね」

 

「笑い事じゃないんだけどねー」

 

そしてフェリドはギリギリまで影の針を捌くが、数が多く腕でガードするもその威力により腕が吹き飛んだ。

フェリド以外は無傷で着地すると、シオンがいる方が眩しく光った。

 

「さっさと消えろクソ貴族」

 

200の金模様をフェリドたちへと標準を合わせると一斉に射出した。

フェリドは片腕がなく、まだ剣を拾えていない

 

「助けてクローリーく〜ん!」

 

「はいはい…君って都合の良い時だけ僕を頼るよね。

剣よ、僕の血を吸え」

 

クローリーは特大の斬撃を放ち、武器を撃ち落としていく。

すると突然クローリーの周りに金模様が現れ、鎖がクローリーの体に巻き付いた。

そしてフェリドの背後に影が伸びると、そこからシオンが出てきた。

 

「まずはチェックだ」

 

「甘く見るなよ人間」

 

フェリドへと刀を振るったシオンだったが、とっさにミカがフェリドとシオンの間に立つことで防いだ。

 

「無駄だ。お前らは今日ここで死ぬ…消えろ」

 

シオンは力の使いすぎで目から血が流れるも、気にすることなく攻撃を続けた

シオンの周囲から何本もの刺を吸血鬼へ伸ばした。

 

「それは嫌だから、一旦離れてね」

 

フェリドからゴトッと重量感のある音がすると、シオンはその音の正体を見た。

 

「爆弾か」

 

シオンは影に沈むと、さっきまでいた場所まで移動する。

そして爆弾は爆発するも、人間よりも頑丈な吸血鬼の体を吹き飛ばすまでの威力はなかったらしく、所々に傷がある状態で吸血鬼たちが出てきた。

そしてその間にフェリドは切れた腕をくっつける。

 

「いや〜念のためでも持っといて正解だったよ。

僕たち吸血鬼にはあまり意味はないけど、君たち人間にはこの威力でも十分脅威だもんね」

 

「黙れフェリド・バートリー。人間の兵器を持っていることはわかった。

次は躊躇せずに殺す」

 

「アハ〜僕も君と戦いたいけど、こっちにはこんなに数がいる。

今戦えば例え君を殺れても、こちら側も最低貴族合わせて3人は殺られる。

今この人数を消されちゃうと困るし、何より君を殺すと、君のことがだ〜い好きな女王様とお話し(・・・)しないといk「クルルに何かしてみろ。まともな死に方は出来ないぞ」…アハ、怖い怖い♪」

 

シオンはフェリドの言葉を遮り、鬼呪の力を最大に活かして一瞬でフェリドの目の前へと移動し剣を振り下ろした。それに対してフェリドは剣で防ぐも、シオンの人間離れした力で、カタカタと剣が押されていた。

フェリドは目の前にいるシオンの顔を見るとニヤりと笑みを浮かべた

 

「確信したよ。君のその力は吸血鬼の貴族、それも上位貴族の者たちと並ぶくらいに強い。だけど、その力に君の体は耐え切れていない。

君自身、その様子だと痛みを感じてないだろうけど、体は嘘をつけないようでもう動く事すらきついんだろう?

それに、近くに人間たちの気配がする。

おそらく君はそっちの本隊が来るまでの時間稼ぎかな?

僕は意地悪だからそんな策にはハマってあげなーい」

 

「いや、もうチェックメイトだ」

 

「敵を貫け《白虎丸》あ、シオンは避けてね。それじゃ、ズドン」

 

「くそ」

 

突如ビルの上から白い虎が7匹現れると吸血鬼たちへと突撃した。

7匹の白虎はそれぞれが獲物へと襲うとシオンたちがいた場所はボカァン!と爆発した。

フェリドやクローリーら貴族、そしてミカ等の上位吸血鬼はギリギリのところで回避する。

 

「あー危なかった。まさかすでに狙撃手がいたとはね。

君のおかげでなんとか助かったよ。

それにしても…人間がたくさんだねぇ」

 

フェリドはシオンの方を向いた。するとシオンやグレンたちがいる後方にはずらっと人間が隊列を組んでいた。

そしてシオンの隣には1人の男がいた。

 

「よしシオン。養子の割には良くやった。残りの吸血鬼は少数、予定よりも随分減らしたな。おそらくもう終わりだろう。

あとのことはこっちでやろう、お前はそこで寝ているなりしていろ」

 

「…あっそ。それじゃあとは任せる…よ」

 

シオンはみんなの元へ戻るため、立ち上がろうとすると、足に力が入らずその場に倒れる

 

「シオンさん!」

 

「シオン!」

 

倒れる寸前でシノアと三葉は、シオンを抱きしめた。シオンは2人が近くに来ていたこともわかっていなかったのか、少し驚きつつも支えてくれたことにお礼を言った。

 

「…シオンさんその目は…」

 

「そうだ!シオンお前、目と鼻、口からも血が出てるんだぞ!?早く治療しなきゃ…」

 

「平気。少し力を使いすぎただけだからな。

それより早く帰って寝たいし。ヒメとクロも帰るまでは寝るようだし」

 

シオンは鬼呪装備になっている、ヒメとクロを優しく触りながらも足を動かした。

シノアと三葉も、シオンの後をついていくと、シオンは突然2人へ振り向き手招きした。

シノアと三葉は頭に?マークが浮かび上がりながらも、シオンのそばへ行った。

 

「どうしたんですかシオンさ…きゃっ!」

「どうしたんだシオン…わぁっ!」

 

シオンは2人をギュッと抱きしめた。2人は珍しいシオンの行動に軽くパニック状態になるも、自分たちを優しく抱きしめるシオンの体が少し震えている事に気づき、2人もシオンの背中に手を回した。

 

「私たちはちゃんと生きてますよ。シオンさんが来てくれたからみんな無事に帰れます。ありがとうございます」

 

「そうだぞ。私たちはちゃんとここにいるぞ?お前のそばにいる。だから安心しろ。助けてくれてありがとうシオン」

 

シノアと三葉はとても幸せそうな顔をしながら、シオンを抱きしめる力を強くした。

そのことにシオンは「あっ」っと目を見開くも、体が暖かく感じ抱きしめ返した。この時のシオンの顔は優しそうな、そして幸せそうな顔をしながら意識を手放した。

 

 

こうして新宿防衛線は人間の勝利という形で終戦した。

 




次回からは少し日常風も書けたらいいなと思いますのでこれからもよろしくお願いします!

もしかしたら、本当にもしかしたらですが®️18タグ着けるかも知れません…私自身その年齢じゃないのにって思いますが…
一応そう言ったご報告をさせていただきました!

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