界境の市   作:丸米

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二宮のキャラが少しだけ崩れてるかもしれません。
いや、少しやろか.....?

すみません......


ちょっとだけバカ

 米屋君と仁礼さんは僕の課題を写し終えると意気揚々と僕の課題分も含め提出箱に収め、意気揚々と戻ってきました。

 

「助かったぜ、勝山」

「いつもありがとうな、勝山」

「僕は助ける意思を一切示していないのですけど....」

 というか。

 この行為は彼等を地獄に蹴り落としているんじゃないかとさえ思えるのです。結局テストで結果を出さなければ教師にもボーダーにも睨まれるのは彼らなのに。その場しのぎの手助けをしてどうなるというのでしょうか。

 

「まーまー。今度ウチに呼んでやるからさー」

「呼んでどうするんですか.....」

「うーん。.....ゾエのお腹に横たわる権利をやろう」

「要らないです」

 

 いいですか仁礼さん。

 先輩のお腹は貴女の私有物ではありません。

 

「何だよー。毎回このヒカリさまのコタツに入れてやってるじゃんかー。まだ不服かー」

「トリオン体だと別に寒くないですし.....」

「生身で来い! それかウチで換装しろ!」

「嫌です....」

 

 コタツの暖かさは当然十分に理解はしているのですが。

 それを味わうためだけにわざわざ片足がまともに動かせない身体に換装するつもりはないです。

 

「お前、影浦隊の隊室に入り浸ってんのな」

「そうだ。こいつはある意味で選ばれた民だ」

「民ですか....」

「まあ、実際そうじゃねーの。影浦先輩に気に入られるって時点で、結構難易度たけーし。その上で仁礼の機嫌もとっとかないといけねーし。難易度は高いだろ」

「ふふ。カゲ曰く、こいつから刺さる感情は.....」

「感情は?」

「......じいちゃんが孫を見る時の感情とおんなじだってさ。ぶはっ」

「ぶはっ」

 

 二人して僕を指差し笑います。

 酷い。

 

「ジジイ」

「そっか。お前ジジイだったんだな」

「何故に....」

 

 同級生にジジイ認定を受ける。

 何故でしょう。釈然としません。

 

「お前は本当に高校生なのか」

「もう何もかも枯れ果ててるって感じだな」

「何故そこまで言われなければならないのでしょうか.....」

 枯れないですよ。

 本当に。

 うん......。

 多分......。

 

「とはいえ、ボーダーは基本的にこう、思考が大人な方が多い気がします」

 これは心から思った事です。

 ボーダーにいる方々は、本当に思考が大人な方が多い。

 大人、というより──合理的な方が多いような気がします。

 野球クラブに在籍していた時は、良くも悪くも皆子供でした。だからこそのエネルギーがそこにあった気がしますけれども。

 ボーダーという組織に充満するエネルギーは、それとはまた少し違います。

 情熱もある。きっと皆上昇志向もある。

 ただそれと向き合う姿勢が、何処か大人なのです。

 まあつまり。

 高校生らしくないのは皆様も大概という事です。

 

「まあ、そりゃそうだろ。基本的にある程度自分に出来る事の上限が突きつけられている中での勝負だからな」

 出来る事の上限。

 それは、トリオン。

 基本的にトリガーは、個々の人間に内蔵された「トリオン」というエネルギーを原料として駆動しております。

 そのエネルギー量は個々人によって異なっており、その点で──トリオンの量が少なければその分、やれることが制限されていきます。

 

 米屋君は、トリオンの量が正隊員の中でもかなり低い方でした。

 その中で──工夫に工夫を凝らし、A級まで上がっていきました。

 その方が言うそのセリフは、さらりとした口調ながら、かなりの真実味が込められているように感じます。

 

「俺はトリオンが少なかったが、身体を動かす才能に長けてた。だから今のスタイルになったわけだし。ここで自分が出来る事と出来ない事を客観視できるかどうかで、まずBに上がれるかが決まるだろうしな」

 

 自分が出来る事の上限を知る。

 その上で最大値を求めていく。

 基本的にスペックが一定のトリオン体という肉体を以て戦うボーダー隊員は、まず自分の適性を知る事からがスタート。

 継続的な努力、努力を支える根性。これらで肉体のスペックを上げられる現実のスポーツとは、その部分で隔絶的な違いがあるのでしょう。

 積み重ねることが重視されるスポーツと。

 無駄を削る事が求められるボーダー隊員。

 ここに、大きな違いがある。

 

「んなことねーよ。ウチのカゲ見てみろ。あいつなんかガキのまんまだ」

「ゾエさんも絵馬君も、凄く落ち着いているじゃないですか」

「ユズルはなぁ。アイツ落ち着いてるように見えて単にひねてるだけだからな。年相応だぜ全く」

 

 仁礼さんはどうも、他者との関係の中に自分を姉という立ち位置に置く傾向があるようです。

 その上で本人がどうしようもないほどの善人なので、何とも微笑ましい姿になっている訳ですが。

 

「お前も、何か困ったことがあればお姉さんにばしばし言え」

「宿題写されて困ってます」

「何も困っていないじゃないか。もっと別な奴だ」

 

 理不尽です。

 

 

 朝が過ぎ、昼となり。

 僕は松葉杖をつきながら購買で菓子パンを幾らか買い込むと、その足で体育館に向かいます。

 

「お、来たね」

 

 そこには。

 

「お待たせしました。熊谷さん」

 

 隣のクラスに在籍し、またボーダー仲間である熊谷友子さんがいました。

 その手には、竹刀が二つ。

 片方を投げ渡され、それをキャッチ。

 竹刀のささくれをチェックし、互いに視線を合わせます。

 熊谷さんは実に気風のよさそうな笑みをその顔に浮かべ、

 

「やろうか」

 

 と言いました。

 余計な言葉は一切なし。

 実に、姉御肌といった言葉が似あう御仁です。

 

「はい」

 

 お互い竹刀を握る。

 そして、剣先を合わせ──鍔競りの状態となる。

 

「.....」

「.....」

 

 ──僕と熊谷さんは、同じく弧月をメインに運用する攻撃手です。

 この共通項はそこまで珍しいものではないのですが、もう一つだけ共通項があったのです。

 それは。

 捌き、返しの技術を多用する攻撃手である、という部分です。

 

 どちらかと言えば僕も熊谷さんも旋空を多用し中距離で戦うタイプではなく、しっかり刃先までの距離感で戦うタイプの攻撃手です。

 その分、至近距離からの打ち合いの中。相手の攻撃をいなし、返し、こちらの攻撃を通すための隙を作り出す作業が必須となります。

 

 僕と熊谷さんはその部分において大きな共通点を持ち、ボーダー本部の訓練室でも、またこうして学校内でも時間があればその練習を行っています。

 

 僕は左足が病気で動かせませんので、こうして体育館で練習を行う場合は鍔競りの状態から始まります。

 

 相手の力が向かう先。

 相手が得物の力を籠める瞬間。

 そういう瞬間を、見極める。

 

「ぐ.....!」

 

 僕が少し剣先を引くと、それに応じて熊谷さんが押し込んでくる。

 それを動かない左足を基軸にくるりと体幹を回し、押し込む熊谷さんの身体を流す。

 

 片手で肩を抑え、竹刀を腹に添える。

 

「──やってくれたね」

「いえいえ」

 

 トリオン体は、その身体自身のスペックに違いは出ない。

 だからこそ個人個人の技術の積み重ねが非常に重要となる。

 

 これも、その一環だ。

 

「──あ、そう言えばこの前那須さんと会いましたよ。桃缶喜んでましたよ」

 練習を続けながら、話しかけます。

「そりゃそうよ。玲の大好物だし」

「桃ではなくて缶、というのが何かいいですね」

「ああ見えて結構子供っぽいのよ。玲」

「あら、そうなんですね。──それ」

「あ、──話題で油断させたわね。中々姑息な手段を取るじゃない」

「そんな器用じゃないです。偶然です偶然」

「そう言えば、勝山君」

「はい」

「二宮さんとこの前焼肉行ったらしいじゃない」

「ええと.....はい」

「えっと。何で?」

「何でと言えば......うーん。色々とあったのです」

 

 本当に。

 色々あったのです。

 

「何よ。色々って」

「そうですね。一言で言うなら」

 

 どう言い表しましょうか。

 本当に。

 僕はあの時。

 二宮さんという人と共に、何かを乗り越えた瞬間があったのです。

 

「一緒に──地獄を乗り越えたんです」

 

 そう。

 あの時。

 僕と二宮さんは、地獄を乗り越えていた──。

 

 

 

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 僕はとても幸運な人間だったと、その時思ったものでした。

 

 八割の幸運。

 僕はそれを六回連続で引いてきた。

 

 八割を六回掛けてみよう。

 八割を六回連続で引き当てる可能性は、三割にも満たない低確率。

 

 そして僕は。

 二割の悪夢を味わわされることとなります。

 

 

 加古望さんは何というか。

 猫のような人です。

 猫は猫でも、好奇心に殺されない非常に聡明な猫ですが。

 

 僕は幾度か加古さんが作る絶品炒飯のご馳走を受けていました。

 あの方が作る炒飯は、スタンダードから外れつつ、非常に美味なものでした。独自のスパイスや、材料を入れつつしっかりと整った味の炒飯をお出しできるその手腕に尊敬の念を抱いていました。

 ある時です。

 ボーダー本部の休憩室で加古さんとばったりあった僕は、食事にお呼ばれしました。

 丁度食事時だったこともあり、一緒に付いていきました。

 

 そこで。

 

「......」

 同室の方が一人。

 

 二宮匡貴隊長、その人でした。

 

 二宮さんは、ボーダー内で恐らくトップのトリオン量を持つ射手です。

 その圧倒的な制圧能力を、隊全体で前面に押し出す戦術を以て、A級上位に君臨する文字通りの「射手の王」。

 直接お会いしたことはなかったのですが、非常に癖がある性格との事でして。この場でお会いした時にはかなり緊張した覚えがあります。

 

 換装体の隊服をスーツに設定している一風変わったセンスの持ち主の方でもあり、今こうして私服の姿で見かけるというのも中々に珍しい光景でした。

 

 さて。

 二宮さんと加古さん。

 どういった関係の方なのでしょうか。

 

「待たせたわね二宮君」

「.....」

 

 二宮さんは。

 ランク戦の中でも見たことのないような、表情をしていました。

 目尻が寄り、口元が微妙に震えていました。

 

 何でしょうか。

 まさかとは思いますが、加古隊長に虐待でもされているのでしょうか。

 

「.....お前は、誰だ」

 二宮さんは僕にそう尋ねます。

「えっと。B級隊員の勝山市と申します」

「何故ここに来た」

「いえ。いつもお世話になっている先輩が、新作の炒飯を振舞うからと.....」

 その時に二宮さんが僕に向けた表情が忘れられない。

 

 この愚か者が

 

 そう表情筋が文字となって僕の脳内に叩き込まれるような、そんな凄まじい顔つきでした。

 

 何故でしょうか。

 僕は何か、不味い事をしてしまったのでしょうか。

 

「加古」

「なあに、二宮君」

「せめて。せめて日を改めろ。今日は、隊で焼肉に行く日なんだ。ここで倒れる訳にはいかない」

 倒れる。

 ──倒れる!? 

 

 何を。何を言っているのでしょうか二宮さんは。

 まるでこれから毒物の人体実験でも行われるような、そんな地獄のような言葉を。

 

「だって二宮君。私が炒飯を作ろうとしてもすぐに逃げちゃうもの」

「当たり前だ。お前のおかげで何人の屍が積み上がったと思っている」

「失礼ねぇ。時々失敗しちゃうだけじゃない」

「失敗? 失敗と言うのは成功への道筋が立てられている人間だけが吐ける言葉だ。貴様はただ、何も思考せず思うがままに振舞っているだけだ」

「いいえ。私なりに成功の道筋は立てているわよ二宮君。だからこそ、成功もある。失敗もある」

「.....ふざけるな」

「大真面目よ。──まあ、今回は私と貴方のサシの勝負で、勝った方が何でも言う事を聞く賭けだったのだから。文句を言う権利もないわね」

「.....」

 

 えっと。

 どういうことなのでしょう。

 

「ごめんなさいね、勝山君」

 うふふ、と加古さんが笑います。

「ちょっと、二宮君がおかしなことを言っているけど」

 そして

「ちゃあんと、おいしいものを作るから──」

 と。

 言いました。

 

 

 そこには。

 炒飯の材料が揃っていました。

 甜麺醤、醤油、にんにく、塩コショウといった調味料に。

 卵や、米、そして刻みネギに玉ねぎ、ベーコン。

 ここまでの材料はまさしく炒飯の王道、といった風情がありました。

 

 しかし。

 何故ここに。

 

 ──生うにと、ヨーグルトと、カラメルがあるのでしょうか。

 

 ぶわりと。

 汗が流れ出る。

 

 それはかつて自分の顔面に剛速球を投げかけられたかのような、背筋のアラートが鳴り響く瞬間のような。

 これは。

 これはいけません。

 この好奇心は殺す。

 ああ、そうか。

 殺されるのは加古さんではない。

 僕と二宮さんだ。

 

 中華鍋が振られる。

 刻まれたにんにくに油が通され、焦げ茶色に染まると同時に醤油が投入される。じゅわじゅわと泡立ってきたら、そこに米を投入する。

 醤油色に染まる米の上に溶き卵をサッと浴びせ、サッサッ、と鍋を振るって行きます。

 その後に投入される甜麺醤にベーコン、刻みネギ。

 

 美味しそうです。

「これで、完成......!」

「いえ。違うわ」

 

 そして。

 その上に、別鍋で焦がされたカラメルが投入される。

 

 焦がしにんにく醤油と、カラメルのにおいが混じり、一気ににんにく独自の匂いに甘みが混ざるという嗅覚の緊急事態が発生します。

 その上に混ぜられるヨーグルト。

 匂いがマイルドになると同時、白色が囂々とした火の中で禍々しい焦げ茶色に混ざるそれは、何と形容すればいいのか。

 

 そして。

 投入される──生うに。

 

「.....」

「.....」

 僕も。

 二宮さんも。

 絶句。

 絶句でした。

 

 何も言葉が出ない。

 言葉にせずとも。

 その時の僕と二宮さんの心は確かに、無意識の階層の上で繋がっていました。

 

 震える手で、僕は

 それを口にしました。

 

 その時の僕は。

 頭を叩き伏す、硬球の衝撃がフラッシュバックしました──。

 

 ああ。

 ああああああああ。

 

 衝撃。

 混濁。

 回転する視界。

 混ざり合う聴覚。

 消える嗅覚。

 それらから形成される意識の、混沌。

 

 捻転する体内が紡ぐ、灼熱の体内。

 

 そう。

 僕等は。

 その時、確かに──地獄とこの世の狭間を、泳いでいました。

 

 

 同じく。

 二宮さんもまた。

 深海から引き揚げられた魚のような表情をしていました。

 動悸が止まらないのか。

 胃と胸の間辺りを、何度もたたき咳き込む様子が見られました。

 

 

「──に、にの、にのみ....や、さん」

「......」

 

 ──今日は、隊の皆と焼肉をする。

 

 きっと。

 きっと二宮さんは。

 楽しみにしていたに違いない。

 普段苦楽を共にしている隊の皆と、わいわいと鉄輪を囲んで。

 焼肉を振舞って。

 

 それを。

 この地獄の記憶を抱えたまま。

 行かせてもいいのだろうか? 

 

 僕は。

 そんな事を思ってしまった。

 思って、しまったんです。

 

「......」

「あら。ちょっと上層部からの呼び出しがかかっているわね。十分くらい、失礼するわね」

 

 そう言って加古さんが部屋を出て行った瞬間。

 僕は即座に、冷蔵庫まで走りました。

 

「ケチャップ.....! ウスターソース......! それに、カレー粉......!」

「何をするつもりだ........!」

「今がチャンスです。チャンスなんです、二宮さん.....!」

 

 僕は。

 先程使用していたフライパンに火を入れ、その三種をぶちまけ、混ぜ合わせ、強火で火を通します。

 

「この三つで.....この味を、上書きするんです!」

 

 混ぜ合わせたそのソースを、二人分の皿の上にかけ、そして混ぜ合わせます。

 

 そして。

 

「う......うおおおおおおおおおおおおおおおおおああああああああああああああああがあああああああああああああああああああああああ!!」

 

 僕は。

 それを掻き込みました。

 

 致命的な味の奔流を、何とかケチャップとウスターとカレーの味で押しとどめる。

 濁流を胃の中に流し込み、僕は自分の皿を空にしました。

 

「......」

 呆気にとられたように、二宮さんが僕を見ていた。

 

 そして。

 僕は二宮さんの皿を取り上げ、空になった皿を代わりに置く。

「何のつもりだ!」

「行ってください、二宮さん。──二宮さんは、一足早くこれを完食して、この部屋を出て行った! そう僕が加古さんに、伝えます!!」

「ふざけるな! 俺とて、後輩一人に地獄を押し付ける気など毛頭ない!」

「けど!!」

 僕は。

 叫ぶ。

「──今日の夕飯は、隊の皆と焼肉に行くんでしょう!?」

「........!」

「こんな地獄を味わって、無理やりに向かうような所じゃない.......! 隊長の顔がそんなだったら、隊の皆も素直に焼肉を楽しめないじゃないですか......!」

 

 そうだ。

 ダメだ。

 せっかく、隊の皆で親睦を深めるチャンスを。

 こんな。

 こんな所で──!! 

 

「......お前、名前を何という?」

「勝山.....市です!」

「勝山.....。貸しが一つ出来た。必ず、返す」

 

 そう言うと。

 二宮さんはその場を立ち去っていきました。

 

 そうだ。

 これでいい。

 これで.....いいんだ。

 

 さあ。

 もう一皿。

 地獄のようなこれを。

 

 

 僕は。

 皿を手に。

 

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」

 絶叫を上げながら。

 叫び出す胃の中からの悲鳴を無視しながら。

 僕は。

 僕は。

 

 

 僕、は。

 

 

 

 気付いたら。

 記憶はなくなっていました。

 

 

 

 

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「と、いう事がありました」

 そう告げると。

 熊谷さんは呆けた顔をしながら.......一瞬、力がふっと抜ける瞬間がありました。

 

「はい」

 その隙を逃さず、胸元に剣先を押し付け、返し、体勢を崩させます。

 

「あのさ、勝山君」

「何でしょう」

「君って......すんごく賢そうに見えて、実の所底抜けの馬鹿だよね」

 

 はい。

 自覚していますとも。

 

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