その翼は何処へ   作:フェネック

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どうも、フェネックです。
私の想像機であるA-10Eのプライアー機の搭載兵装(タイムスリップ直後)を記しておきます。

機首GAU-8/A“アヴェンジャー”30mmガトリング砲x1174発(PGU-14/B徹甲焼夷弾&PGU-15/B訓練弾混合)

9,3番兵器ステーションにLAU-88/A3連ランチャーを介してAGM-65G3“マーベリック”空対地ミサイルx6発

8,4番ステーションにBRU-62/Aスマートラックを介してGBU-44 SDB-L(レーザー小直径爆弾)x4発

10,2番にLAU-131/A 19連装ロケットポッド(FFAR弾種はM264RP)x2基38発




その鳥は砂漠の海へ

 

 

 

 

「最初はハリウッドの映画撮影に巻き込まれたと思ったよ。・・・・間違いだったがな」

 

─────ウィルバート・プライアー アフリカ漂着日にて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………は?」

 

 

 

思わず間抜けな声を出す。

それはそう、彼女が此処はアフリカだと言っているのだ。

失礼だが、彼女はこの暑さで頭がイってしまったのだろうか?

もし、正気だとしたら……何て声を掛けたらいい?

 

 

「……冗談を言うからにはもう少しマシなのを考えてくれ。ハリウッドの撮影か何かか?だったら上に話を通しておいてくれ」

 

 

『撮影? 何を言っているんだ…?まぁ、いい。此処(空)より地上で話したほうがいいだろう……ついてこい』

 

 

彼女…たしかマルセイユと言ったか。

その彼女が手招きし、身体を捻ると緩やかに右旋回を行った。

 

プライアーは所属基地のデビスモンサンに帰投したかったが、GPSは「NO SIGNAL」の表示。そして通信も繋がらなかった為、しぶしぶ彼女についていくしかなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

15:08:22/アフリカ/要衝トブルク近郊

 

 

 

マルセイユと言う名の彼女に案内された基地は、砂漠のど真ん中に存在した。

 

ハリウッドスタッフが作った手の込んだ飛行場だなぁ、と考えていたが、こんな滑走路に降りて大丈夫か?と心配した。着陸輪を下ろし、ゆっくりとアプローチすると速度を徐々に落とし、滑走路先端にギアが着陸すると念の為のドラッグシュートを行った。

 

 

滑走路から格納庫のある手前の位置まで機体を進ませ停止すると、後ろヒンジ式キャノピーを開け外に出ようとする、が

 

 

 

 

彼は、こちらに銃口を向ける兵士たちを見て、ただ苦笑した。

 

 

 

 

 

 

 

 

side.プライアー

 

 

 

「……冗談だろ……?」

 

 

プライアーは呟く。

目の前にいる兵士たちの服装や手にしている銃を見て、半ば呆然としていた。

帝政カールスラント時代の砂色の軍服に身を包み、半世紀も前の銃を使っているのだ。

 

 

 

「両手を挙げろ!────ネウロイめ!」

 

 

 

おいおい…ネウロイ…? どこがネウろ────あぁ…

 

 

 

「…ちょっとヘルメットを外すから、撃たないでくれよ?」

 

 

プライアーがヘルメットに手をやった直後、身構える兵士たち。

酸素マスクの留め金を外し、ヘルメットを取る。

砂漠の砂が混じった風と、真上から照りつける太陽の光をその肌に感じる。相変わらず、兵士たちは銃を構えたままだが。

 

 

 

「────加東大尉!!」

 

 

一人の兵士が声を上げる。

ふと、目をやると白と赤の服装をした女性が一人、こちらに歩いて来る。

首にはカメラを下げ、頭にはゴーグル、肩の部隊章には鷲と思われる鳥と星が描かれていた。

 

彼女が兵士たちに指示を下す。

 

 

「銃を下ろして。この人のことはマルセイユから聞いたわ。…貴方は私について来て、軍規に関わるからその銃は渡して」

 

 

彼女の言ったとおりに腰にあったM9拳銃の入ったホルスターごと彼女に渡した。

 

 

「……くれぐれも、変な気は起こさないでちょうだい」

 

 

「したくても出来ないのが現状ですよ、大尉殿……はぁ」

 

 

そのまま、二人は幾つもの天幕がある場所まで歩いていく…

 

 

 

 

 

 

 

 

「……話すことは、わかっているわね?」

 

 

無数にある天幕の一つ。

その中で互いに椅子に座り相対する彼女は質問する。

 

 

「リベリオン空軍航空戦闘軍団第355戦闘航空団第306戦闘飛行隊所属、ウィルバート・プライアー。階級は中尉です」

 

 

「扶桑皇国陸軍アフリカ派遣独立飛行中隊────今は第31統合戦闘飛行隊『アフリカ』の隊長をしている加東圭子よ。階級は大尉」

 

 

互いに自己紹介が済んだことで早速、加東が質問を始める。

その様々な質問にプライアーは一つ一つ答えていき、自分が未来から来たこと、此処に飛ばされてしまった経緯を話した。

最初は半信半疑だった加東も、プライアーの話や所持していた軍用電子端末機などの説明を受け、彼が話すことを全て真実として信じた。

 

 

それに対してプライアーは加東から此処は1942年のアフリカで第二次ネウロイ大戦の最中であることを告げられる。

 

 

「……1942年か。随分と昔に飛ばされてしまったんだな、俺は。神様も意地が悪い」

 

 

加東から渡されたコーヒーを飲み干した直後、プライアーは苦笑混じりに答えた。

 

加東は先ほどからコーヒーを啜っていては、プライアーの顔をまじまじと見ていた。

 

 

「なんですか、大尉?」

 

「貴方、本当に20になるの?すごく若く見えるのだけど……」

 

 

加東が何か言い掛ける途中に、それは起きた。

 

突然、テント内の気温が急激に下がり薄暗くなった。同時に化学薬品系のキツイ臭いが漂いだす。

 

プライアーが異変に気づき立ち上がり、辺りを見渡す。

 

 

 

「やぁ、初めましてプライアー中尉」

 

 

 

突然の声に振り返ると、リベリオン空軍の迷彩服ABUを着ている長い白い髪の男が一人、椅子に座っていた。

 

プライアーは加東に振り向くが、彼女はコーヒーを片手にまるで停止ボタンを押したかのように固まっていた。

 

 

「大丈夫ですよ。ただ、時間を少し止めているだけですから」

 

「……お前か、俺を此処に飛ばしたのは」

 

「おや?察しが良いですね。それなら話をしやすいですね」

 

 

男が机にカップを置き、胸元のポケットからメガネを取り出しつける。それにプライアーは少し距離を置き、話を切り出す。

 

 

「何が目的だ、俺に何をしろと?」

 

「まぁまぁ、落ち着いて」

 

「何故俺だ。それにお前は何者なんだ?」

 

「出来ない質問もありますが、まぁ、多少は上も大目に見てくれるでしょう。……あなたを選んだのは私の上司の気まぐれです。そして、私は…そうですね、管理局と呼ばれる組織の一員です。ようは平社員です」

 

 

平社員?と呟き頭を傾げるプライアー。

 

 

「私達『管理局』の人間に与えられている仕事は“歴史の修正”…バグ取りみたいなものです。歴史の中で本来起きるはずのないエラーを修正して、元に戻す仕事です」

 

 

男がそう言い、間をおいて次を話す。

 

 

「少し前に大規模なエラーが起きまして」

 

 

「…そこで、貴方にはその修正に協力してもらいます。まぁ、修正で片付けて良いことではないのですがね……」

 

 

男が気まずそうに頬をかく。

 

 

「……どういうことだ?」

 

「実は、うちの管理局の……私の上司が提案した解決策なんですが…修正ではなく、近未来装備と人材を利用した──────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──────“未来を変える”ことです……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後……

 

 

加東と“管理局の局員”と名乗る男との会話を終えたプライアーは一人、滑走路近くの小さな砂丘にいた。

 

 

見上げる空はすでに夜を迎えており、雲はなく月と星空が砂漠を静かに照らす。

 

 

「未来を変える、か」

 

 

男が言った言葉が脳内で木霊する。

プライアーがあの後、未来を変えることの危険性を質問したが、彼はこう答え、直後に忽然と姿を消した。

 

 

 

『───それについては御安心を。過去改変後の対策は“我々”が最大限サポートします』と

 

 

 

 

「はぁ……」

 

 

俺が溜め息を吐いた瞬間、背後から声を掛けられた。

 

 

「どうしたんだ?溜め息なんか吐いたりして」

 

 

振り返り声の主を確認したプライアーは再び溜め息を吐いた。

 

 

「なんだ………マルセイユか」

 

「なんだとはなんだ?」

 

 

少しカチンときたらしいマルセイユがふんっと言い、プライアーの隣に腰掛ける。マルセイユは星空を見上げていた。彼女の白く長い髪が風に靡き、流れる彼女の匂いと美しさにどぎまぎしてしまう。

 

しばらくお互い黙っていた二人だったが、マルセイユが静寂を破る。

 

 

「ケイから聞いたよ。お前は未来から来たそうだな。未来の世界はどうなっているんだ?」

 

「それについてはノーコメントで頼む。あまり未来話を聞かせるとろくなことがない、と小説とか映画で知ったからな」

 

 

それを聞いたマルセイユが唸り声を出しジト目でこちらを見つめてくるが、プライアーは気にもせずにその場で寝っ転がる。

 

日中は暑い砂漠も日が落ちれば極寒の世界に早変わりする。プライアー自身もある程度厚着ではいるが、それでも少し物足りない。

 

 

 

(………星が綺麗だな……)

 

 

 

すると、今まで頬を膨らませ不貞腐れていたマルセイユが話しかけてきた。

 

 

「ケイが明日からのお前の処遇について頭を抱えていたが……。お前自身はどうするんだ?」

 

「今はわからない。そちらから助け舟が来るのなら、俺はそれにただ乗るしかない。それに……」

 

 

 

 

 

 

 

「俺はひとりぼっち、だからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、プライアーは格納庫に居た。

機密保持の為か、ところどころカーキ色のシートが掛けられている自分の愛機に歩み寄ると、タラップを上がりコックピットへ入る。

 

事前に加藤大尉との取り決めでA-10には誰も触らせない、との約束をしていた為整備に関しては今のところプライアー自身がやるしかない。

 

電源をオンにすると、多機能ディスプレイやHUDなどが起動し機体状況を映し出す。

 

 

「計器はクリア。油圧や燃料もOK、APU(補助動力装置)異常なし、兵装は……ガンが残り740発、マーベリックが4発、SDBが4、ロケットポッドが2基で38発か。1戦闘分くらいはあるな」

 

 

ディスプレイに表示される機体状態を真剣な表情で細かくチェックしていく。プライアー以外この機体の面倒(整備云々)を見れる奴がいないのが現状だから仕方がない。

普段から整備班と共に作業しているプライアーだが、さすがに本格的な整備となれば話は別、本職の人に頼むしかない。いないがな。

 

 

「戦闘による被弾が無くて良かった。当たりどころさえ悪くなければコイツ(A-10)は平気だからなぁ。他のジェットならこうはいかない」

 

 

自分で確認出来る範囲を調べたプライアーは電源をオフにし機体から飛び降りる。

 

 

「…ったく、あの自称管理局員は少しは自称管理局員らしく支援物資とかを……!」

 

「呼びました?」

 

「どわあぁぁぁぁああ!!!!??」

 

 

呟いている最中に突如背後から声が聞こえたプライアーは盛大に驚き叫ぶ。驚き過ぎて右主脚収容ポッド先端部分に後頭部をおもいっきり打ってしまって痛みに呻く。

 

 

「お、お前なぁ、現れるなら現れるで正面に出てくれ!心臓に悪いんだよッ!!!」

 

「そ、そう言われてもなぁ……」

 

 

少々困惑した表情で頬を掻く自称歴史の“管理局員”のあの男がそこに居た。

 

 

「……うーんと、ところで何か私に用があったのではないでしょうか?プライアー中尉?」

 

 

「あ、そう言えば……えーと…」

 

「ロジェックです」

 

「え?」

 

「私の名前ですよ。仮ですがね……ロジェック(仮)!」

 

「唐突にどうした!?」

 

「変な電波を受信したもので……あれぇ、15年までは流行っていたような気がしたんだがなぁ………」

 

後半をなにやらぼそぼそと呟くロジェックを気味の悪いヤツだなと思ったプライアーが質問する。

 

 

「サポートすると言ったが、具体的には何処までだ?」

 

「我々と言いましたが実質、貴方のサポートに回るのは私だけです。サポート範囲は主に物資ですね。機体の整備用品から燃料、兵器だけ、です。今後の行動、戦力、戦術に至っては貴方の判断に任せます。ただし、物資は2年で期限切れです。2年間で貴方がどれだけ、この戦争の早期終結に貢献したか叉は活躍をしたかに懸かっています」

 

 

 

 

「場合によっては、貴方は不適格と判断され“消されます”」

 

 

 

 

「なっ!?」

 

 

つまり自分の命が懸かった“ゲーム”だと、そういうことだ。

目の前の男は救いの手を差し伸べた天使ではなく、悪魔だ。

 

いや、死神か。

 

 

 

「はい。これは冗談ではありませんよ?……それでは、またいつの日かお会いしましょう。プライアー中尉」

 

 

「ちょっと待て!せめて整備士を何人か送れ!」

 

 

 

やれやれと溜め息混じりに呟くと、ロジェックが言う。

 

 

「これが最初で最後、だと思ってくださいね」

 

 

「それだけで十分だ。お前の上司とやらに吠え面かかせるまで生き抜いて戦争を終わらせてやるさ」

 

 

自信に満ちた目で見つめそう言うと、ロジェックは少しだけを口の端をつり上げプライアーの言葉に応える。

 

 

 

「なら結構です。幸運を、中尉」

 

 

そう言うと、ロジェックは何の音も出さずにスゥゥゥっとまるでSFの光学迷彩のように姿を消した。よくありがちな影が動いたり、その箇所だけ妙に背景とズレていたりといったような事は無かった。

 

まるで幽霊のようだと、プライアーは静かに呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

約2時間後、俺は天幕の前に立たされている。

 

格納庫で暫くの間ぼーっとしていた俺をKAK(カールスラント・アフリカ軍団)の制服を着た一人のウィッチが呼び掛けたのだ。

 

なんでも、カトー大尉から俺を連れてくるよう頼まれたそうだ。面倒くさいことにならなきゃいいがと、少し顔をしかめる俺を見たウィッチは「大丈夫ですよ」と微笑みながら言った。

 

そのウィッチに案内された天幕の前に到着し、カトー大尉に俺を連れてきたことをウィッチが告げに中に入っていった。そして今に。

 

 

 

「……暑い死ぬ、帽子を誰か……」

 

 

たった数分その場で立っているだけなのに、既に着ているデジタルタイガーの別称ことABU(Airman Battle Uniform)迷彩服は汗で少しずつ肌に張り付いてくる。

 

プライアーの頭の中はクーラーやら冷えた飲み物やらで一杯だったが、テント入り口から先ほどのウィッチが顔を出す。

 

「お待たせしました。これから貴方のことを皆さんに紹介するので、どうぞ中へ」

 

彼女に続いてテントの中へ入るプライアー。

中に入ると、数名のウィッチが椅子に座り此方を見つめていた。それぞれKAKの制服と扶桑のウィッチ用の紅白装束に身を包んだ彼女たちだ。

 

一番奥の壇上の椅子に座っていた加藤大尉が起立し、俺を手で指しながら話し始める。

 

 

 

「紹介するわ。先日の戦闘にてハルファヤ防衛に参加し重陸戦型ネウロイ2騎を破壊したリベリオン空軍のプライアー中尉よ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「今言われたウィルバート・プライアー中尉です。たぶん、カトー大尉からいろいろ話は聞いていると思いますが……よろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 




戦闘なし、でしたね。
そしてグダグダになってきたような自分は思います。次回はアフリカの星と共に戦闘回やりたいですね。
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