やはり俺のほのぼのラブコメはまちがっている。 作:黒いオオカミ
八陽
「ヤッホー! 見ている!」
【はるるん! 見ているよ!】
【はるるん! ハァハァ!】
【1万円あげるから、結婚して!】
【俺の童貞を頂いてくれ!】
なにかしらのマスクやゆっくりやVtuberとかではなく、生身で実況をしている。まぁ、身バレしても問題はないし、大学でも有名人だから割と問題はない。
その理由は簡単だが、ビジュアルや顔や胸とかで視聴数や金額を頂けるからだ。
まぁ、その変わり、身バレしているから、結構、声とかかけられているけど・・・
「今日もドッキリ動画を投稿するよ!」
【マジか!】
【はるるんのドッキリ楽しみ!】
【マジで笑える!】
【訴えられないか、心配だわW】
普通にバイトするよりも、ユーチューブの方が稼ぎとしては悪くないからだ。
それに、ドッキリとか大好きだし、ただ単に、ゲームを実況する動画でも、結構な視聴数は稼げるため、バイトするよりも、こっちの方がらくして稼げるからね。
「ドッキリ相手は、アタシの彼氏にAdoさんのうっせぇわドッキリを仕掛けます」
【ちょ、はるるん彼氏いるの!】
【はるるんは、俺の妻!】
【はるるんは、俺の彼女だ!】
「残念だけど、私は彼氏のものであって、君たちの所有物ではないんだよね! とりあえず、ドッキリを仕掛けます!」
「はぁ・・・まさか、フラれるなんて」
私こと雪乃は、そんな風に落ち込んでいるのは、告白をして、フラれたのだ。今まで、告白された経験はあったけど、フラれた経験なんて一切ないのだ。
自分で言うのもなんだが、自分は美人だと思っている。異性からも告白された経験はかなりの数だし、そんな私がフラれるはずないというのがあった。
だけど・・・『すまん、雪ノ下。俺には彼女がいるんだ』と、その一言で、私はフラれたのだ。
そのせいか、テスト勉強に身が入らないのだ。もし、点数が落ちれば、お母様も実家に戻るように言われかねないのだ。
「だけど・・・そんなわけにはいかないわね」
そんなことを考えながら、パンさんのぬいぐるみを抱きついてしまう。比企谷くんから貰った物だ。正直な話、これと同じ物を持っているんだけど・・・彼から貰った物だから、嬉しいけど・・・
そんな考えをしつつ、LINEで、由比ヶ浜さんに連絡でもしようかしら?
雪『由比ヶ浜さんへ、お話でもしましょう』
陽『正しさとは!』
雪『いきなりなに、姉さん!』
陽『愚かさとは』
雪『だからなに、姉さん!』
陽『それがなにか見せつけてやる』
雪『なにを見せつけるのよ!』
陽『ちっちゃな頃から優等生』
雪『知っているわよ!』
陽『気づいたら大人になっていた』
雪『今やっていることは、子供だけどね』
陽『ナイフのような思考回路』
雪『どういう思考回路なの?』
陽『待ち合わせる訳もなく』
雪『なにを持ち合わせるのよ』
陽『でも遊び足りない』
雪『なにが遊びたりないの』
陽『なにか足りない』
雪『なにが足りないの』
陽『困っちまうこれは誰のせい』
雪『姉さんのせい』
陽『あてもなくただ混乱するエイデイ』
雪「エイデイ?」
陽『最新の流行を当然の把握』
雪『当然でしょうね』
陽『経済の動向も通勤時チェック』
雪『そうね。それは当たり前よ』
陽『純情な精神で入社しワーク』
雪『純情な精神?』
陽『社会人じゃ当然のルールです』
雪『当然よね』
陽『はぁ?』
陽『うっせぇ』
陽『うっせぇ』
陽『うっせぇわ』
雪『うるさいのは姉さんだけど』
陽『あなたが思うよりも健康です』
雪『それがなに?』
陽『一切合切凡庸な』
陽『あなたじゃわからないかもね』
雪『一切合切凡庸って、どういう意味かしら?』
陽『ああ、よく似合う』
雪『なにが似合うの?』
陽『その可もなく不可もないメロディ』
雪『どういう意味?』
陽『うっせぇ』
陽『うっせぇ』
陽『うっせぇわ』
雪『うるさいの、姉さんよ!』
陽『頭の出来が違うので問題は無し』
雪『自慢なの?』
「あれ、私の彼氏のメッセージおかしいな」
【それ、はるるんの彼氏じゃないよ】
【なんか、雪乃っていう子みたいだよ】
「え、マジ・・・あ、やば!」
陽『雪乃ちゃん、ごめん!』
雪『謝ったからって、許さないわよ!』
陽『私の彼氏、貸してあげるから!』
雪『・・・』
陽『雪乃ちゃん! 無視しないでよ!』