4章は4ー5篇程度に分けて随時更新の予定です。
そのため、3章の後書きの次回予告は今回はまだ登場しません。申し訳ありません。
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1 秘密の彼女
渚川花枝は未来田保険に努めている。
今は電車で通勤中だった。
日課というか、最早癖でスマホのニュースを見ていた。きっかけは同じ部署の先輩に昔馬鹿にされたのがきっかけだった。それからは徹底的にニュースを見るようにしている。あらゆるニュースサイトや新聞のアプリを取り入れ今その数は20にまで登ろうとしていいる。まるで記者であると自分の彼氏とはどちらが記者か区別がつかない。
『ライト級チャンピオン 力山大志 交通事故により負傷 次の大会は棄権か』
ああ、ボクシングの人だっけ。あたしとそんなに歳は離れていなかったはず。確かミドル級に転向するって話も出てたっけ。半年後にはボクシングの大きな大会も控えていたみたいだし、これはやり切れないだろうなあ。
この人、うちの保険に入ってたりしないかな。自動車保険とか・・・。
あたしは早速オフィスに到着すると名簿から力山大志を検索してみた。。本当は個人情報を持ち出しているようなものだからいけないことなんだけどね。
頭文字が「り」だから下の方なはず。スクロールバーを下に下げる。
あった。良かった。
用が終わると、他の人に見られるのも嫌だからすぐに画面を消した。朝礼が始まる。朝礼ではニュースで上がっていた力山の話がやはり上がってきた。どうやら腕を骨折している噂。
ってことは、電話とかできないから。直接やり取りとかしにいったら売り上げに貢献できるかな。
直ぐにお金関係の話を考えてしまうのはあたしの悪い癖だ。けど入院先なんてわかりっこ・・・。
こういう時、開斗と付き合っていて本当に良かったと思う。直ぐにLINEでメッセージを飛ばした。
幸運にも、開斗は直ぐに返信してくれた。まあ仕事柄ずっとスマホ弄って追うな雰囲気はあるから別になんとも思わないかな(笑)。
『明沢大学付属病院って聞いた。203』
お礼の返信を直ぐにしておいた。最近、諸事情で変身が遅かったからイライラしてないかな。それにしても、部屋番号までわかっちゃうなんて、記者って恐ろしい職業だわ。
あたしは上司に掛け合って、病院に向かった。これまた幸いにも、そこはあたしの営業担当エリアだったため簡単に許しがもらえた。因みにあたしに雑誌記者の彼氏がいることは部署内には知れ渡っている。最初は恥ずかしかったが、今では売り上げを増やすのに好都合な情報になっている。
203号室。・・・いた。力山大志だ。本物だ。結構イケメン。
顔に貼ってある大きなガーゼが痛々しかった。
ゆっくりと近づく。足音で相手が気づき、こちらを向いた。疑うような表情をしている。そりゃそうか。
「こんにちは力山さん。私、未来田保険営業の渚川と申します』
ここで営業スマイルを構す。大体の男はここで安心感を得る。
「こんにちは」
あたしの予想を少し裏切ってきた。体育会系の男というのは呑み込みが早いのね。ある意味助かる部分もあるけど。それからやってきた経緯を話した。保険の話はトントン拍子に進んだ。これでまた給料が上がる。
・・・心の中でガッツポーズが止まなかった。有名人の案件を取れたとなれば額の跳ね上がり方も違うのかな。わくわくが止まらない。
取りあえず今回は挨拶程度にして引き上げた。
帰る途中の廊下でふと足が止まった。ある部屋の入院患者の名前が「黒井景昭」となっていた。
「黒井景昭・・・て、あの人かしら」
確かめようとしてYahoo!を開いた。すると、Yahoo!ニュースに驚きの記事が。
『黒井社長大怪我。文啓社員一人を告訴』
え、まさか。開斗じゃないよね・・・。
4章-2で3章の次回予告にあった内容が出てきます
いよいよスーパー検事の清岡重吾が登場!
「あいつを殺るのは俺だ。だから邪魔しないでくれよ」